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2022年10月18日火曜日

前向き大規模コホートMalmö Diet and Cancer Study:認知症修正可能介入効果見られず

結果から記述すると...

28,025人を対象としたこの人口ベースの前向きコホート研究において、中年期に自己申告した食事の質は、食事に関する推奨事項や修正地中海食に従っていたとしても、その後の全死因認知症、AD認知症、VaDの発症リスクの低減とは関連しなかった(中央値は19.8年)。 さらに、食事は、追跡調査時のAβ病理学の存在とは関連していなかった。


本研究の主な強みは、前向き研究デザイン、大きなサンプルサイズ、ほぼ20年の長い追跡期間、食事データの妥当性を向上させるインタビューによって食品頻度アンケートが補完された、質の高い食事評価方法である。もう一つの強みは、PREDIMED研究で使用されたMed Diet Scoreを基にMDCS用に特別に作成されたmodified Mediterranean Diet Scoreで、これは地中海食へのアドヒアランスを正確に測定するものとして検証されている。

以下の序文に書かれているとおり、認知症修正可能リスクとして食事の役割に関して今までの報告には方法論など問題があった。現時点で                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                      

序文:

認知症は効果的な治療法がないため、認知障害や認知症の修正可能な危険因子を効果的にターゲットにすることで、この人々に大きな利益をもたらすことができるはず。また、社会的コストの削減にもつながります。患者さんや親族の負担が大きいだけでなく、医療システムにも多大な負担がかかり、そのコストは世界で年間1兆米ドルに上る。Lancet Commission on Dementia prevention, intervention, and careの2020年版報告書でも認められているように、修正可能な危険因子が世界の認知症患者の40%を占めている。 認知機能障害や認知症のリスクファクターのうち、修正可能であり、かつ議論を呼んでいるのが食習慣である。食習慣が認知症疾患の発症にどのように影響するかを調べた研究はいくつかありますが、一貫性のない結果となっている。システマティックレビューやメタアナリシスでは、地中海食は認知機能低下の抑制や認知症発症率の低下に寄与する可能性があると結論付けられている。しかし、これまでの研究の多くには、以下のような方法論上の重要な弱点がある。 報告バイアスの可能性があるレトロスペクティブな食事頻度調査からのデータにのみ依存している。 フォローアップ期間が不十分さ、 認知障害がすでに食事に影響を与えている可能性のある70歳以上の参加者を含む(すなわち、逆の因果関係)など多くの先行研究におけるいくつかの重要な方法論の弱点がある。認知症患者の60-70%を占める最も一般的なアルツハイマー病(AD)と、脳血管障害による2番目に多い血管性認知症(VaD)のような、遺伝やライフスタイルの異なる危険因子パターンを示す特定の認知症疾患と食事が異なる関連を持つ可能性を見落としている。特定の認知症疾患の発症に食事が及ぼす潜在的な影響のメカニズムをさらに理解するためには、食事とその基礎となる疾患病理との関連を検討することが有益である。脳内のアミロイドβ(Aβ)の蓄積はADの原因であり、Aβ42の脳脊髄液(CSF)分析またはAβ PETイメージングを用いて検出することができるはず。しかし、中年期の食事とアミロイド病理との潜在的な関連性を評価する大規模な縦断研究は不足している。今回の観察研究では、28,000人以上を対象とした大規模な集団ベースの研究から、中年期の詳細な食事データをプロスペクティブに収集した。目的は、一般的な食事ガイドラインの遵守と認知症発症の地中海食との関連を検討することである。20年間におけるあらゆる種類の認知症の発症を主要アウトカムとした。副次的アウトカムは、特にAD認知症またはVaDへの発症とした。副次的アウトカムは、それぞれAD認知症またはVaDへの発症とした。便宜的なサブサンプル(n=738)では、食事成分と、CSFのAβ42分析を用いて測定した将来のAD関連病理蓄積との関連を調べる探索的解析を実施したもの


Association Between Dietary Habits in Midlife With Dementia Incidence Over a 20-Year Period

Isabelle Glans, et al.

Neurology, First published October 12, 2022, DOI: https://doi.org/10.1212/WNL.0000000000201336

【背景と目的】 認知症の症例は今後30年間で3倍になると予想されており、認知症の修正可能な危険因子を見つけることの重要性が強調されている。本研究の目的は、従来の食事勧告または修正地中海食の順守が、その後の全死因性認知症、アルツハイマー病(AD)、血管性認知症(VaD)の発症リスクの低下と関連するか、またはAD関連のβアミロイド(Aβ)病理学の将来の蓄積と関連するかを調査することである。

【方法】 スウェーデンの前向き集団ベースのMalmö Diet and Cancer Study(MDCS)のベースライン検査は1991~1996年に行われ,2014年まで認知症発症の追跡調査が行われた。1923-1950年生まれでマルメ市在住の認知症でない人に参加を呼びかけた。30,446人が採用された(全対象者の41%)。28,025人が食事データを持ち、本研究の対象となった。食生活は、7日間の食事日記、詳細な食事頻度アンケート、1時間のインタビューによって評価された。主なアウトカムは、メモリークリニックの医師が判定した全死因認知症、AD、血管性認知症の発症であった。副次的アウトカムは、脳脊髄液(CSF)Aβ42を用いて測定されたAβ蓄積であった(n=738)。食事と認知症発症リスクとの関連を調べるためにCox比例ハザードモデルを使用した(人口統計、併存疾患、喫煙、身体活動、アルコールで調整)。

【結果】61%が女性で、平均(SD)年齢は58.1(7.6)歳であった)。1,943人(6.9%)が認知症と診断された(追跡期間中央値、19.8年)。従来の食事勧告を遵守している人は、全原因認知症の発症リスクを低下させなかった(最も悪い遵守と最も良い遵守を比較したハザード比[HR]、0.93、95%CI 0.81-1.08)、AD(HR 1.03、0.85-1.23)またはVaD(HR 0.93、0.69-1.26)。修正地中海食の遵守は、全死因認知症(HR 0.93 0.75-1.15)、AD(HR 0.90、0.68-1.19)またはVaD(HR 1.00、0.65-1.55 )の発症リスクを下げることはなかった。5年以内に認知症を発症した人、糖尿病の人を除いても結果は同様であった。食事とAβの異常蓄積との間に有意な関連は認められなかった 従来の勧告 OR 1.28 (0.74-2.24) および修正地中海食。0.85 (0.39-1.84).

【考察】 この20年間の追跡調査では、従来の食事推奨と修正地中海食のいずれも、その後の全死因認知症、AD認知症、VaDまたはAD病理の発症リスク低減と有意な関連は認められなかった。


2019年12月17日火曜日

AHA:科学的助言 食事コレステロールと心血管リスク

日本の栄養指導は伝統的にカロリー制限だが、不可能ではないものの、実は指導も実施も
困難。
 A recommendation that gives a specific dietary cholesterol target within the context of food-based advice is challenging for clinicians and consumers to implement

コレステロールに関して上限設定しないというのは、実践的でプラクティカルな指導なのだろう。LDL高値、総コレステロール高値の人はやはり意図的にコレステロール含有食品は避けた方が無難
ただ、一般的には、食事の質を重視すべきという御託宣



Dietary Cholesterol and Cardiovascular Risk: A Science Advisory From the American Heart Association
Jo Ann S. Carson, et al.
Originally published16 Dec 2019
https://doi.org/10.1161/CIR.0000000000000743
Circulation. ;0:CIR.0000000000000743


最近のガイドラインでは心血管疾患に関してその役割として特異的食事コレステロールをターゲットとして排除することに疑問が呈されている

健康のための食事由来コレステロールのガイダンスの知見について疑問点に着眼することで、この助言は、食事性コレステロールと血中脂質、リポタンパク質、および心血管疾患リスクとの関係に関するヒトの研究のレビュー後作られたものである

観察研究からのエビデンスにおいて、いくつかの国のそれは心血管リスクについて有意相関を示唆するものではなかった。


介入研究のメタアナリシスではこの知見にばらつきがあルガ、多くは、総コレステロールやLDL濃度増加が現行平均値を超えると、多くの場合相関が見られる。

食事ガイダンスは、健康食事パターン (eg, Mediterranean-style and DASH [Dietary Approaches to Stop Hypertension]–style diets)で、現行の米国の摂取量に比べこれは内在的にコレステロールは少ない。パターンとしてはフルーツ、野菜、全粒穀物、低脂肪・無脂肪乳製品、lean protein source、ナッツ、シーズ、液状の野菜オイルを強調するもの


食品ベースのアドバイスのコンテキスト内で特定の食事性コレステロールの目標を提示する推奨事項は、臨床医と消費者が実施困難である。 したがって、食事パターンに焦点を当てたガイダンスは、食事の質を改善し、心血管の健康を促進する可能性が高くなる。


2019年7月29日月曜日

植物ベース食は2型糖尿病発症抑制的

植物ベースの食事を厳守するというカテゴリーの参加者は、1日当たり約1.7〜3.9サービング/日程度の乳製品、卵、魚、または肉を摂取するsemi-vegetarianを主とした植物ベースの食事パターンの中年被験者

この被検者たちは、肉や魚、卵、乳製品をより多く摂取する被験者より2型糖尿病発症しがたいという報告



Association Between Plant-Based Dietary Patterns and Risk of Type 2 Diabetes
A Systematic Review and Meta-analysis
Frank Qian, et al.
JAMA Intern Med. Published online July 22, 2019. doi:10.1001/jamainternmed.2019.2195
https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/fullarticle/2738784

植物ベースの食事パターンの2型糖尿病一次予防上の役割を quantitatively synthesizing available prospective observational evidenceにて検証

植物ベースの食事パターンのアドヒアランス高いほど2型糖尿病リスク低下と相関し、この関連は健康的な植物ベース食であるほど強固となる
この知見は沢山の事前設定サブグループや感度分析でも一致

研究方法:PubMed・MEDLINE・Embase,・Web of Scienceと明確な研究関連リストを検証
登録研究は成人2型糖尿病発生と植物ベースの食事パターンの関連を含む

Meta-analysis of Observational Studies in Epidemiology guidelineを使用し、データ抽出、報告法を用い、National Heart, Lung, and Blood Institute evaluation tool で研究の質を評価
Full-text evaluationとデータ要約は2名の著者等が独立して行った
包括的相対リスク(RR)と95%CIをrandom-effects methodを用いメタアナリシス
主要アウトカムと測定項目は植物ベースの食事パターンのアドヒアランスと2型糖尿病発生率

結果
9研究 307,099被験者、 23,544名の2型糖尿病発生症例
植物ベースの食事パターンのアドヒアランス高度と2型糖尿病リスクの逆相関有意  (RR: 0.77; 95% CI: 0.71-0.84) vs poorer adherence, with modest heterogeneity across studies (I2 = 44.5%; P = 0.07 for heterogeneity)
fixed-effects modelでも同様の結果  (RR: 0.80; 95% CI: 0.75-0.84)
健康的な植物ベースの食事パターン、例えばフルーツ、全粒、豆果、ナッツではさらにこの相関性高くなった (RR: 0.70; 95% CI: 0.62-0.79)

食事の評価、病気の結果、交絡因子の統計的調整に関しては、ほとんどの研究が質の高い
制限3次スプライン回帰(restricted cubic spline regression)だと 植物ベースの食事パターン指数と2型糖尿病リスクは負の量依存的線形関係であった。



2019年6月26日水曜日

日本:食事炎症性指数と全死亡・心血管死亡率の関連性あり がん死亡は否定的

Japan Collaborative Cohort Study 58,000名

 Dietary Inflammatory Index (DII) scoreとの関連を全原因、総心血管疾患(CVD)、卒中、肝動脈性心疾患(CHD)、がん全部、消化器系がん、非がん性/非CVD死亡率で検討

中央値 19.3年間フォローアップ

CVD死亡率多変量ハザードリスク最大値は、総CVD、卒中、CHDでそれぞれ 1.30、1.29、1.30

DIIとがん全体リスクとの有意関連性見いだせず

日本人成人DII最大値は全死亡率、CVD死亡率増加と関連が観察された




Dietary Inflammatory Index Is Associated with Risk of All-Cause and Cardiovascular Disease Mortality but Not with Cancer Mortality in Middle-Aged and Older Japanese Adults
Emiko Okada  , et al.
The Journal of Nutrition, nxz085, https://doi.org/10.1093/jn/nxz085
https://academic.oup.com/jn/advance-article-abstract/doi/10.1093/jn/nxz085/5491291









Shivappa N, Steck SE, Hurley TG, Hussey JR, Hébert JR. Designing and developing a literature-derived, population-based dietary inflammatory index.
Public Health Nutr 2014;17:1689–96.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3925198/


米国NHANES、韓国コホート、ベルギー、イラン、オーストラリアの研究同様に、日本のデータでもDIIスコアとhs-CRPと正相関あり

Yang Y, Hozawa A, Kogure M, Narita A, Hirata T, Nakamura T, Tsuchiya N, Nakaya N, Ninomiya T, Okuda N, et al.Dietary inflammatory index positively associated with high-senditivity C- reactive protein level in Japanese from NIPPON DATA2010. [Internet]. J Epidemiol 2019. https://doi:10.2188/jea.JE20180156 


日本と西欧諸国では食生活は大きく異なるが、炎症誘発性の食事を示唆する高いDIIスコアと、全原因および全CVD死亡率のリスクとの関連性に関する我々の結果は、西欧集団の研究結果と一致

DIIが炎症の間接的なマーカーであるにもかかわらず、炎症促進性および抗炎症性の可能性を予測する能力に起因する可能性がある




今回のは限定的アンケートに過ぎないが、ライザップって、1日ごとの食事内容データ集積してるんだよなぁって誰かが言ってたが・・・

2019年5月29日水曜日

うつ治療の新しい話題

運動は確定的なのだろうが、元々動機づけの乏しい病態なので導入難儀という宿命的課題を保つ、食事療法はまだまだ不確定。ケタミンに関しては安全性有効性・短長期検討何れも不足という感じだろうか?



Evolving Issues in the Treatment of Depression
Ole Köhler-Forsberg, et al.
JAMA. Published online May 24, 2019. doi:10.1001/jama.2019.4990
May 24, 2019

大うつ病性障害(MDD)の生涯発生率は10〜15%。
主な治療法の選択肢には薬理学的および心理学的介入が含まれ、多くの患者が併用療法を受けている。 無作為化臨床試験(RCT)により抗うつ薬の有効性が確立されているが、2つの急性および長期有効性は限定的、患者の3分の1は治療抵抗性を示す。
この分野では新たな介入が必要であり、この視点では、運動、栄養、ケタミンに特に焦点を当てて、新しい介入が検討中

運動
運動、脳由来神経栄養因子、および神経保護を結び付ける仮説を考えると、運動はMDDを予防または治療するための魅力的な選択肢です。ただし、MDDの運動の有効性と有効性の証拠はさまざまです。 
33件のRCTのメタアナリシス(N = 1877)は、レジスタンスエクササイズトレーニングは、非アクティブコントロール条件と比較して、中程度の効果サイズと治療に必要な数で、抑うつ症状の有意な減少と関連していた

Gordon BR, McDowell CP, Hallgren M, Meyer JD, Lyons M, Herring MP. Association of efficacy of resistance exercise training with depressive symptoms. JAMA Psychiatry. 2018;75(6):566-576.

この所見は健康状態、処方された訓練量、および筋力の改善とは無関係であった。しかしながら、20人のRCTがうつ症状の患者を含み、4人のみがMDDの診断を受けた患者を含んでいた。さらに、盲目的割り付けのRCTのみを含めると、うつ症状の減少は有意に小さくなった 。にもかかわらず、軽度から中等度のMDDを有する患者に限定された分析では大きな効果量を示した。

興味深い研究として運動とMDDの関連をMendelian randomization approachでやる方法で、遺伝子を操作変数として用い潜在的因果関係を運動などのリスク要素とうつなどの健康アウトカムの関連性を研究する方法で遺伝子をランダム割り付けし、Mendelian randomizationは共役・逆因果関係のリスクを最小化する。611 583名の成人を含むデータで、 加速度モニターにて活動性評価女性 91 084名で、Choiらは加速度モニターベース身体活動とMDDの予防的関連性、オッズ比 0.74 (95% CI , 0.59-0.92)を見いだした。 
座りがちな生活習慣を毎日15分の激しい活動または1時間の中程度の活動で置き換えることが、うつ病を発症する可能性の相対的な潜在的な減少を26%減少させることを意味した。
ChoiKW, ChenCY, SteinMB, et al; MajorDepressive Disorder Working Group of the Psychiatric Genomics Consortium. Assessment of bidirectional relationships between physical activity and depression among adults: a 2-sample mendelian randomization study [published online January 23, 2019]. JAMA Psychiatry. doi:10. 1001/jamapsychiatry.2018.4175

定期的な運動を実施することは、ほとんどの人にとって困難であり、MDDを持つ人にとっては、エネルギーや動機が低いという症状のため、さらに困難です。それでも、定期的な運動を奨励または処方することは、たとえ単に心血管の健康状態を改善するためであっても価値があります。

栄養
多くの研究が気分に及ぼす食事の影響を調査しました、しかし結果は混合された発見と食事、研究デザインと研究集団における大きな違いのために解釈するのが困難であった。観察研究は、気分と、食物(野菜、果物、全粒穀物など)の含有量が高いこと、および赤身のタンパク質(魚など)を含む食事との間の好ましい関係を裏付けているようだ。しかしながら、MDD患者における食事の影響を具体的に調べた研究はほとんどない
SMILES試験(BMC Med. 2017; 15: 23. )は、最初の優れたRCTの1つであり、地中海式食事療法に焦点を当てた体系的な食事療法サポートの効果を調査したものです5。中等度から重度のMDDの成人患者56人中、12週間の個別介入(7 60分セッション)食事療法の助言や栄養士による支援(すなわち、やる気を起こさせる面接、目標設定、そしてマインドフルートリング)と社会的支援の効果を調べました。食事療法サポートグループは、社会的サポートグループと比較して、大幅に改善された。この所見はMDD患者の他の最近の研究と一致しており、いくつかの結果はMDD患者と2型糖尿病患者の間でさらに大きな効果を示す。
最近行われた2件のRCTで肥満患者のうつ症状に対する食事介入の効果が調査された。
Ma J, Rosas LG, Lv N, et al. Effect of integrated behavioral weight loss treatment and problem-solving therapy on body mass index and depressive symptoms among patients with obesity and depression: the RAINBOW randomized clinical trial. JAMA. 2019;321(9):869-879.
Bot M, Brouwer IA, Roca M, et al; MooDFOOD Prevention Trial Investigators. Effect of multinutrient supplementation and food-related behavioral activation therapy on prevention of major depressive disorder among overweight or obese adults with subsyndromal depressive symptoms: the MooDFOOD randomized clinical trial. JAMA. 2019;321(9):858-868. 
RAINBOW試験(N = 409;平均年齢51歳)は、RAINBOW trial (N = 409; mean age, 51) は行動療法的減量治療と問題解決型介入で、BMI 30以上&中等・重度うつ症状を有する対象者、通常治療と比較して介入群でBMIの有意な減少(36.7〜35.9対36.6〜36.6)とうつ症状軽減(1.5〜1.1対1.5〜1.4)を12ヶ月後示した
MooDFOOD試験(N = 1025;平均年齢46.5歳)は、他栄養素サプリメントと食関連行動療法(food-related behavioral activation therapy)でMediterranean-style dietを推奨する方法にてBMI 25-40・MDDなしの患者で検討。150名(10%)は12ヶ月内にMDD発症、4介入群で群間差認めず (9.7% in the placebo- only group, 10.2% in the placebo plus therapy group, 12.5% in the supplement-only group, and 8.6% in the supple- ment plus therapy group; P = .48 for interaction)。
RAINBOW trialでは有意だが、減量・うつ減量効果軽度、MooDFOODではMDD発症予防効果をサプリメント栄養素使用ではしめせず支持されなかった 
MDDの構造化された食事療法のサポートに関する最初の証拠は有望な所見で地中海料理を支持する内容だった。最近の論説では、以前の2つのRCTについて議論し、うつ病の治療には、根本的な薬理学的および心理学的治療に加えてエビデンスに基づく生活習慣介入(例:食事、運動、禁煙)を用いるべき。将来の研究では、より多くの研究集団を含め、比較可能な結果を​​得るために、以前の試験と同様のアプローチおよび食事パターンを使用する必要がある。さらに、気分および健康状態全般に対する長期的影響を調査するためには、より長い追跡調査(すなわち数年)を伴う研究が必要であろう。

ケタミン
2019年3月5日に、食品医薬品局は治療抵抗性うつ病(TRD)の薬として鼻用ケタミン(Spravato)を承認しました。ケタミンは1970年代から麻酔薬として使用されており、20年間MDDでの使用が検討されている。ケタミンは初期の試験(9から73の範囲のサンプルサイズ)から広く注目されている。重度の鬱病患者およびそうでなければ治療抵抗性の患者の間で、抑うつ症状および自殺念慮の改善(最大60%)。亜麻酔薬用量(0.5mg / kg)のゆっくりした静脈内投与後数時間以内に大きな治療効果が経験され、そしてこれらの効果は一過性であり、患者は数週間以内にそれらのベースラインの重症度に戻った。これらの最初の発見により、気分障害、特に米国におけるTRDに対するケタミンの適応外使用が増加している。
潜在的な有害作用に関して、これらの用量でのケタミンの静脈内投与は一般に、MDDを有する身体的に健康な個体の呼吸器または心血管の状態に有意には影響を及ぼさない。患者は鎮静、混乱、および解離を経験する可能性があるため、投与中および投与後にモニタリングが必要です。潜在的な長期リスクには、忍容性、乱用、および悪用が含まれる。
臨床試験では、TRD患者の半数以上が通常の治療に加えて鼻腔内または静脈内ケタミンの抗うつ効果を経験していることが証明されている。しかしながら、精神病的特徴または活性物質使用障害のある患者はRCTから除外されており、長期的な安全性データは限られている。ケタミンは、潜在的にTRDを軽減するのを助けることができる有望な薬だろうが、どの患者が持続的な利益を受けるかを確認するためにさらなる研究が必要。ケタミンの点滴は費用がかかり、多くの場合保険でカバーされてないが、ケタミンの鼻腔内投与ははるかに安価だが、頻繁な投与が必要(週2回または週1回)。エスケタミン(特許取得済み)を加えてもエスケタミンが抑うつのための一般的な治療法になるかどうかは不明・・・(後述続く)

2019年5月22日水曜日

Dietary Inflammatory Index高値による総死亡・心血管疾患死亡リスク増加は日本人にもあてはまる

The literature-derived, population-based Dietary Inflammatory Index (DII) was developed as a comprehensive index to assess the effect of dietary factors on 6 inflammatory biomarkers: IL-1β, IL-4, IL-6, IL-10, TNF-α, and CRP.
Designing and developing a literature-derived, population-based dietary inflammatory index. Shivappa N, et al.  Public Health Nutr 2014;17:1689–96.

→ https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3925198/table/T2/?report=objectonly
Food parameters included in the dietary inflammatory index, inflammatory effect scores, and intake values from the global composite data set; Dietary Inflammatory Index Development Study, Columbia, SC, USA, 2011–2012


食品炎症性指数による総死亡・要因別死亡率への影響


高DIIスコアは、より高いレベルのIL-6、TNF-α、ホモシステイン、およびhs-CRPと関連。 高DIIが、一般集団における結腸直腸癌、乳癌、肺癌、前立腺癌などのいくつかの癌による全原因死亡率およびCVD死亡率および死亡のリスク増加と関連など報告があったが、日本人に当てはまるか?

結論〜言えば、DII高値ほど、総死亡率・総心血管疾患死亡率リスク増加と関連


Dietary inflammatory index is associated with risk of all-cause and cardiovascular disease mortality but not with cancer mortality in middle-aged and older Japanese adults
Okada E, et al.
The Journal of Nutrition, nxz085, https://doi.org/10.1093/jn/nxz085




年齢40-79歳の日本人5万8千人被験者: Japan Collaborative Cohort Study
総死亡、総心血管疾患(CVD)、卒中、冠動脈疾患、総がん、消化器系がん、非がん/非CVD死亡率と Dietary Inflammatory Index (DII) scoreの関連性検討


食物回数アンケートにて、DIIスコアを比検査で計算、19.3年間中央値フォローアップ

全死亡率とCVD死亡率はDIIスコア高値に関連して日本人成人で観察された


2019年4月25日木曜日

ヨーロッパからの報告:肉・魚・乳製品・卵と虚血性心疾患の関係

ひどいのになると開始前1回程度の食事アンケート後数年後のイベント発生と相関性を議論する、この種の報告いやになってきた。人間の記憶や記載正確性ってどの程度担保されるモノなのだろうか?

食事性コレステロールと卵摂取増加により心血管死・総死亡増加と関連
https://kaigyoi.blogspot.com/2019/03/blog-post_57.html

ここぞとばかり、コレステロールは健康を害するものではないと・・・妄想を広める人たち
https://kaigyoi.blogspot.com/2015/02/blog-post_21.html
卵何個から体に良いか悪いかなんての線引きは、その後の体内代謝、最近はやりのmicrobiomeから考えても人それぞれのはずだし・・・

一応 全欧 EPICコホート(n=409,885)の肉、魚、乳製品、卵の虚血性心疾患(IHD)リスク評価

前向き研究で9ヶ国欧州国含み、平均12.6年間フォローアップ

レッド・加工肉摂取とIHDの正相関
ヨーグルト・チーズ・卵摂取量とIHDの逆相関

"reverse causation bias"問題がヨーグルト、卵の相関性インパクト与えている可能性あり、レッドミート・加工肉、チーズにおいてはcausality反映しているか不明
しかし、これら食品摂取量とnon-HDLコレステロールと一致しており、レッドミートと加工肉の収縮期血圧との関連性もIHDへの影響媒介しているのかもしれない


Consumption of Meat, Fish, Dairy Products, Eggs and Risk of Ischemic Heart Disease: A Prospective Study of 7198 Incident Cases Among 409,885 Participants in the Pan-European EPIC Cohort
Timothy J. Key, et al.
https://doi.org/10.1161/CIRCULATIONAHA.118.038813
https://www.ahajournals.org/doi/abs/10.1161/CIRCULATIONAHA.118.038813






最近報告のこのチロシン代謝産物の話

チロシン含有物質量の多いのはやはり乳製品、卵・・・
https://fooddb.mext.go.jp/ranking/ranking.html


Gut microbiome-derived phenyl sulfate contributes to albuminuria in diabetic kidney disease
Koichi Kikuchi, Daisuke Saigusa, […]Takaaki Abe
Nature Communicationsvolume 10, Article number: 1835 (2019)



フェニル硫酸が糖尿病性腎臓病の新規原因物質であることを発見【プレスリリース】
腸内細菌酵素を投薬ターゲットとする新規治療法の開発へ
https://www.megabank.tohoku.ac.jp/news/33406

研究のポイント
・ 腸内細菌が産生に関わるフェニル硫酸が糖尿病性腎臓病の原因物質の1つであることを明らかにした。
・ 糖尿病患者を対象にしたヒトの臨床研究の結果から、フェニル硫酸は糖尿病性腎臓病増悪の予測因子であることが明らかになった。
・フェニル硫酸産生に重要な役割を果たす腸内細菌が持つ酵素チロシン・フェノールリアーゼが糖尿病性腎臓病の新たな治療法開発のターゲットとなり得る。


この報告でも単に食事含有量が多いからなんらかのベネフィットってのは安直すぎるんだよなぁ

2019年3月13日水曜日

認知症:中年期食事の予防効果は根拠乏しい

現時点で、認知症が真に"preventable"、"treatable"と言えるのか?

食事の内容・質の脳機能への役割から考え、特定の栄養素の役割などから"potentially modifiable"と述べる人間もいるらしく、また、多くの研究で単一栄養素・食品に関連した認知への影響報告がなされている。しかし、栄養素相互作用もあり評価は複雑で困難。バイオマーカーや認知症リスクへの影響や、認知機能低下をもってその評価とする多数の報告もある。システミック・レビューや観察研究メタアナリシスでも確固たる結論でない領域である、食事による認知症リスクへの影響



Association of Midlife Diet With Subsequent Risk for Dementia
Tasnime N. Akbaraly, et al.
JAMA. 2019;321(10):957-968. doi:10.1001/jama.2019.1432


Key Points
  • 疑問点  中年期の食事はその後の認知症リスクと関連するか?
  • 知見 前向きコホート研究 認知症無し 8225名登録、中年期食事(平均年齢 50歳)をAlternate Health Eating Index (score range, 0-110)で評価したが、その後の認知症リスクと有意相関せず (Alternate Health Eating Index10-ポイント増加毎ハザード比, 0.97)
  • 意義   中年期食事の質の反復評価はその後の認知症リスクと有意相関しない

要約
【序文】  観察研究では食事が認知的健康と関連することが示唆されている。しかし、多くの研究のフォローアップ期間は長期的に認知症臨床前状態を考慮するに不十分な期間であり、介入研究エビデンスも結論づけできない状況
目的 中年期食事は認知症リスクと関連するか検討 
【デザイン・セッティング・登録】 住民ベースコホート研究(1985-1988)、食事摂取評価 1991-1993、1997-1999、2002-2004。認知症発症フォローアップ 2017年3月31日まで 
【暴露】  Food frequency questionnaire to derive the Alternate Healthy Eating Index (AHEI)、11の構成食事の質スコアe (score range, 0-110)、高スコアほどより健康的と示唆 
【主要アウトカムと測定項目】  電子カルテとリンクし確認された認知症発症
【結果】   1991-1993年認知症無し 8225名(平均年齢, 50.2歳、 SD 6.1歳、男性 5686(69.1%)
フォローアップ中央値 24.8年間(IQR , 24.2 - 25.1年間)記録で認知症発症 344例
1991-1993年、1997-1999(フォローアップ中央値, 19.1年間)、2002-2004年(フォローアップ中央値 13.5年間)のAHEI暴露3分位では、認知症発症率の有意差認めず
1991-1993年分 AHEI最悪三分位 1000人年あたり 認知症発症 1.76 (95% CI, 1.47-2.12)と比較し、中間三分位  0.03 (95% CI, −0.43 to 0.49)  最良三分位は 0.04 (95% CI, -0.42 to 0.51)、
1997-1999年分 AHEI最悪三分位 1000人年あたり 認知症発症  2.06 [95% CI, 1.62 to 2.61、中間三分位 0.14 (95% CI, −0.58 to 0.86) 最良三分位 0.14 (95% CI, −0.58 to 0.85)

2002-2004年分 AHEI最悪三分位 1000人年あたり 認知症発症   3.12 [95% CI, 2.49 to 3.92、中間三分位 −0.61 (95% CI, −1.56 to 0.33)  最良三分位  −0.73 (95% CI, −1.67 to 0.22)

多変量解析にて、AHE増加 1-2D(10ポイント) 毎 認知症発症I補正ハザード比(HRs)は、1991-1993評価 adjusted HR, 0.97 [95% CI, 0.87 to 1.08、 1997-1999評価 adjusted HR, 0.97 [95% CI, 0.83 to 1.12]、 2002-2004年評価adjusted HR, 0.87 [95% CI, 0.75 to 1.00] で有意でない

【結論と知見】 長期前向きコホートにて、中年期食事内容の質評価は、その後の認知症リスクと有意相関しない




中年期食事に注意しても遅い?あるいは、他要素の方が影響大?
認知症はその前状態として15-20 年間の期間があり、この間に認知機能衰退、気分変容など伴う。中年期からがんばっても遅い可能性がある。
また、ここでの健康食はメディタリアン、DASH等低炭水化物・高蛋白スコアに基づくもの、 ここの健康食が、真に"脳の健康につながる食事”とは限らない可能性もある。




2019年3月6日水曜日

肥満・うつ:食事介入

JAMA  類似2題

Effect of Multinutrient Supplementation and Food-Related Behavioral Activation Therapy on Prevention of Major Depressive Disorder Among Overweight or Obese Adults With Subsyndromal Depressive Symptoms: The MooDFOOD Randomized Clinical Trial   
Editorial: Diet and Depression; Michael Berk, MD, PhD; Felice N. Jacka, PhD
無症候性うつ症状を有する過体重または肥満成人の間で、プラセボと比較した多栄養素補給および無治療と比較した食物関連行動活性化療法は、1年間の大うつ病性障害の発症を減少させなかった。 これらの知見は、大うつ病性障害の予防のためのこれらの介入の使用を支持しない。

Effect of Integrated Behavioral Weight Loss Treatment and Problem-Solving Therapy on Body Mass Index and Depressive Symptoms Among Patients With Obesity and Depression: The RAINBOW Randomized Clinical Trial   
Editorial: Diet and Depression; Michael Berk, MD, PhD; Felice N. Jacka, PhD

肥満と鬱病を有する成人の間で、行動的減量治療、問題解決療法、および必要に応じて抗うつ薬を統合した共同治療介入は、通常の治療と比較して12ヵ月で有意に減量および鬱病症状を改善した。 ただし、効果サイズは軽度で臨床上重要ではない

いずれも、効果的ではないようだ・・・

2018年11月19日月曜日

AIDI:抗炎症食指数と死亡率

anti‐inflammatory diet index (AIDI) と全死亡率・疾患原因特異的死亡率の関連性


 Influence of anti-inflammatory diet and smoking on mortality and survival in men and women: two prospective cohort studies.
Kaluza J, et al.
J Intern Med. 2018.
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1111/joim.12823

16年間フォローアップ(1,057,959人年)、 死亡 16,088 (心血管死 5980、 癌 5252)

AIDI(anti-inflammatory diet index)の4分位と死亡率リスクは強い逆相関

AIDI最大 vs 最小比較で全原因死亡率リスク減少
 (18% 減少, 95% CI: 14–22%), CVD (20%, 95% CI: 14–26%)
がん死亡率も減少(13%, 95% CI: 5–20%)


現行喫煙で最も強い相関あり 全死亡率 31%、心血管疾患死亡率 36%、、がん死亡率 22%減少


現行喫煙者において、最小AIDI及び非喫煙差hとの比較で最大4分位生存期間の差は4.6年間




AIDI:16の食品群、抗炎症性特性を有する11の食品と、炎症促進性の5つの食品に分けた

<解説>
Briefly, the AIDI was based on 16 foods or food groups, including 11 foods with anti-inflammatory potential and five foods with pro-inflammatory potential.

The foods with anti-inflammatory potential were as follows:

total fruits and vegetables (cut-off ≥6 servings day1); tea (≥3 servings day 1); coffee (≥2 servings day 1); wholegrain bread (≥2 serv- ings day 1); breakfast cereal (≥1 servings day 1); low-fat cheese (≥1 servings day 1); olive and canola oil (>0 servings day 1); nuts (≥2 servings week 1); chocolate (≥1 servings day 1); red wine (2–7 serv- ings week 1); and beer (2–14 servings week 1).
The foods with pro-inflammatory potential were as follows:
unprocessed red meat (≤0.5 serv- ings day 1); processed red meat (≤0.5 servings day 1); offal (0 servings day 1); chips (0 servings day 1); and soft drinks (0 servings day 1) 
食品摂取該当スコア合致で1、非合致で0とする
<解説>





ヘルシーダイエットとなにが違うのだろう

食事性要素が小程度全身性炎症に関与し、喫煙で影響されるという報告



  • Barbaresko J, Koch M, Schulze MB, Nothlings U. Dietary pattern analysis and biomarkers of low-grade inflammation: a systematic literature review. Nutr Rev 2013; 78: 51127.
  • Calder PC, Ahluwalia N, Brouns F et al. Dietary factors and low-grade inflammation in relation to overweight and obesity. Br J Nutr 2011; 106: S578.

この2つがこの報告の根拠としている



2018年8月7日火曜日

非アルコール性脂肪肝疾患:炭水化物や脂肪より、動物性蛋白の影響大

非アルコール性脂肪肝疾患はインスリン抵抗性メカニズムと関連するから、やはり糖代謝の影響が大きいと思いきや・・・このロッテルダム研究報告では動物性蛋白の影響が大きい




住民ベースのRotterdamu研究、3882名の評価
動物性蛋白高摂取は、高齢白人での過体重のNAFLDリスクを40%ほど高める
炭水化物と脂肪摂取が主眼であったNAFLDの食事成分指導、従来は過小評価されがちのmacronutrientである蛋白質へ着眼点が移行?



従来の報告では、単糖類と二糖類のNAFLDの有害関連性示唆されていたが、この報告ではそれを支持しないものであったが、主な供給源は果物であり、今までの多くの供給源が果糖ソフトドリンク中の果糖でありそれが関係する可能性を述べている 
平均年繪69.7歳、女性比率 58.3%、白人 97.6%、NAFLD 337名(34.4%)
BMI包括中央値 26.9、NAFLD症例 29.3、NAFLD群の 90.1%が体重増加、対し NAFLDなし群の過体重 59.1%
カロリー平均摂取量 2031kcalで、NAFLD群 1996kcalでやや少ない
メタボリックシンドロームはNAFLDで 73%、非NAFLDで 40.38%
糖尿病はNAFLDで 23.7% vs 7.5%
被検者全部でやせ 132名、体重増加11205 
人口統計指標・ライフスタイル共役要素補正後過体重NAFLDは総蛋白摂取量と相関 
蛋白摂取量最小4分位(Q1)比較で最大4分位(Q4)ではオッズ比 1.40(95% CI 1.11 - 1.77)
この関連性は主に動物性蛋白による(オッズ比 Q4 vs Q1 1.54, 95% CI, 1.20-1.98) 
代謝共役要素補正後、動物性蛋白のみが過体重関連NAFLDと相関性維持(オッズ比 Q4 vs Q1 1.36, 95% CI 1.05-1.77)  


植物性蛋白ではリスク増加は認めない 
単糖類、2糖類は包括的なNAFLD有病率低下と関連(オッズ比 Q4 vs Q1 0.66, 95% CI 0.52-0.83)という結果であるが、代謝的共役要素、BMIで補正後相関性低下 
食物線維、単価不飽和脂肪酸を含む脂肪の種類では関連性認めず

非アルコール性脂肪肝疾患と蛋白質関連の作用機序は不明、硝酸塩、亜硝酸塩、ヘム鉄や副産物が媒介してる可能性など、酸化ストレス、インスリン抵抗性関連するヘム鉄、血管内皮障害、インスリン抵抗性と関連する亜硝酸塩。これらはコホートで慢性肝疾患と関連することが認められている。動物性蛋白酸負荷による軽度の代謝性アシドーシス関与の可能性、食事由来の酸負荷は、細胞外pHやインスリン感受性低下させ、β細胞反応を減弱させる可能性など考察

"Association of dietary macronutrient composition and non-alcoholic fatty liver disease in an ageing population: the Rotterdam Study"
Gut 2018;  DOI: 10.1136/gutjnl-2017-315940.
https://gut.bmj.com/content/early/2018/07/31/gutjnl-2017-315940

2018年8月6日月曜日

【ガッテン?】コハク酸によるメタボリックシンドローム抑制効果

テレビのサプリメント宣伝か、ためしてガッテンかと・・・思うような話



コハク酸は"ベージュ”・褐色脂肪細胞の活性化にてエネルギー消費を導く
ATPを生産する替わりに、エネルギーが熱を生成する、酸化的呼吸のuncoupleするUCP1を具有するミトコンドリアの密度増加する。
ただ、この機序を薬物学的なターゲットするには難しいが、コハク酸がこの鍵となる
筋肉から血中に遊離され、主に褐色脂肪組織に取り込まれ、ミトコンドリアで急激に代謝される。
水と共にコハク酸を付与することで、体重増加の大幅な抑制と可逆性を示し、食事由来の肥満への糖耐性改善をもたらすことをマウスで認めた

食事中のコハク酸は代謝疾患の治療として有望


Succinate goes in to BAT, turning up the heat on metabolic disease

Nature
Metabolic disease and obesity develop when energy intake chronically exceeds energy expenditure. One way to combat these diseases is to increase energy expenditure by activating brown and beige fat, which produce heat through non-shivering thermogenesis. Beige and brown adipose tissue (BAT) contains a high density of mitochondria that are unique because they possess uncoupling protein-1 (UCP1), which uncouples mitochondrial oxidative respiration from ATP production to produce heat. Cold exposure drives intracellular lipolysis in the BAT and activates UCP1. However, pharmacological targeting of this pathway has proven to be difficult. Here, Edward Chouchani and colleagues identify a novel pathway of UCP1 activation upon cold exposure that is independent of the adrenergic cascade. The key molecule for this pathway is succinate, which is released into circulation largely by muscle, and is taken up exclusively by BAT, where it is quickly metabolized in the mitochondria. Mitochondrial oxidation of succinate boosts production of reactive oxygen species, driving UCP1 activation and heat production. Supplementation of drinking water with succinate causes robust suppression and reversal of weight gain and improves glucose tolerance in mice with diet-induced obesity. These effects are mediated by an elevation in whole-body energy expenditure. Dietary succinate thus may hold promise as therapy for metabolic diseases.

Accumulation of succinate controls activation of adipose tissue thermogenesis
Nature, volume 560, pages102–106 (2018) 



食品中のコハク酸・・・貝類が多いらしい

では、サプリメントとして、そのものを調味料にすれば・・・と考えるが、コハク酸は量が多いと、【えぐみ】が出るらしい・・・調味料としては難しいのかもしれない

故に、貝類料理を推奨と・・・「あさりがあっさりしておいしい」と書き込みたくてしかたなくなった

【しじみ成分】=【亜鉛含量換算】のようなサプリメントCM詐欺のようにならなければ良いが・・・

2018年7月24日火曜日

2型糖尿病:間歇的ダイエットは継続的ダイエットの代替手段として有効



動物実験(Longo VD, Mattson MP. Fasting: molecular mechanisms and clinical applications. Cell Metab. 2014;19(2): 181-192.)でも、間歇的エネルギー制限は、継続的エネルギー制限より効果的でないにしても、肥満、2型糖尿病リスク軽減効果がみとめられている。間歇的断食によるぶどう糖毒性解除によるインスリン感受性改善効果など考慮されると思うが、このやり方にフィットできる場合は代替的効果はありそう。

週末断食ならやりやすいけど、週2日連続してない日に極度カロリー制限というのは難しそう・・・


1日500−600kcal/日を週2日連続しない日に設定するという間歇的エネルギー制限法は、継続的なエネルギー制限 1200-1500kcal/日と比較してHbA1c低下効果は同等


体重や脂肪体重・除脂肪体重は間歇的エネルギー制限の方が減少しているようにみえるが・・・


Effect of Intermittent Compared With Continuous Energy Restricted Diet on Glycemic Control in Patients With Type 2 Diabetes
A Randomized Noninferiority Trial
JAMA Network Open. 2018;1(3):e180756. doi:10.1001/jamanetworkopen.2018.0756

2型糖尿病成人被検者 n=137名を1:1平行ダイエット群ランダム割り付け

  • 間歇的エネルギー制限:intermittent energy restriction [n = 70]
  • 継続的エネルギー制限:continuous energy restriction [n = 67]

2015年4月7日〜2017年9月7日、 University of South Australia
薬物管理プロトコールにしたがいベースランで低血糖原因となりやすい薬物を減らす


  • 介入:
  • 間歇的エネルギー制限食(500-600 kcal/d)を2連続日とならない日に2日施行し他2日はエネルギー制限しない普通食
  • 継続的エネルギー制限(1200-1500 kcal/d)週7日

12ヶ月継続

主要アウトカムと測定項目:

  • プライマリアウトカム:HbA1c値の変化、事前設定equivalence(同等性)値 90% CI限界 ±0.5%
  • セカンダリアウトカム:体重減少equivalence setを ±2.5 kg (体脂肪 ±1.75 kg、除脂肪体重 ±0.75 kg)

他のアウトカムは優越性検証


結果
137ランダム化被検者(女性77名、男性60名、年齢 61.0[9.1]、BMI 平均[SD] 36.0 [5.8] 、平均 HbA1c 7.3% [1.3%])で完遂97名

ITT解析では同様の減少(継続的エネルギー制限 vs 間歇的エネルギー制限)
平均 (SEM) HbA1c 値l (–0.5% [0.2%] vs –0.3% [0.1%]; P = .65)
群間差は0.2%(90% CI, -0.2% - 0.5%)でequivalenceクライテリアに合致


平均(SEM)体重変化も同様(継続的エネルギー制限 vs 間歇的エネルギー制限)
–5.0 [0.8] kg vs –6.8 [0.8] kg; P = .25),
しかし、群間差はequivalenceクライテリアに合致せず(–1.8 kg; 90% CI, –3.7 to 0.07 kg)

体脂肪も除脂肪体重もequivalenceクライテリアに合致せず (–1.8 kg; 90% CI, –3.7 to 0.07 kg、–1.3 kg; 90% CI, –2.8 to 0.2 kg、–0.5 kg; 90% CI, –1.4 to 0.4 kg)





12ヶ月時点でのfinal step count、空腹時血糖、脂質値、総薬物効果スコアで有意差無し

completer解析では効果に差は認めず

治療初期2週目での低血糖・高血糖イベントは継続的エネルギー制限および間歇的エネルギー制限では同等 (平均イベント数 [SEM] , 3.2 [0.7] vs 4.9 [1.4]; P = .28)で、SU剤やインスリン使用に影響されたもので被検者の35% (16 / 46)


結論・知見
間歇的エネルギー制限は、HbA1c低下を目的とした場合、食事戦略としては継続的エネルギー制限の代替となり、2型糖尿病のエネルギー制限としては継続的方法に匹敵する



2018年6月15日金曜日

【論文撤回後改訂報告】PREDIMED研究:オリーブオイル/ナッツを含むメディタレニアン食の一次予防効果




ACCがコメント出しているし、NEJMなので日本語訳も出てるのであえて訳す必要も無いのだろうが・・・

http://www.acc.org/latest-in-cardiology/articles/2018/06/13/16/05/mediterranean-diet-supplemented-with-extra-virgin-olive-oil-or-nuts-shows-lower-cv-risk



二次予防だけでなく、一予防にメディタレニアン食有効ということ 高リスク群対照なので、万人で認められたわけではなさそうだが・・・

問題はこの論文のretraction騒動!
https://www.npr.org/sections/health-shots/2018/06/13/619619302/errors-trigger-retraction-of-study-on-mediterranean-diets-heart-benefits



"Carlisle method"による8つのジャーナル、数千もの臨床トライアルを検討し、2%に問題を発見
https://retractionwatch.com/2017/06/05/two-100-clinical-trials-eight-major-journals-likely-contain-inaccurate-data-study/





NEJM誌は、2013年の研究を置き換え、他の5つのトピックスを補完し、Carlisleの正当性を認めたことになる ・・・ 医学上重要な事件?


→日本語訳で詳しいことを知りたい場合は
https://gigazine.net/news/20180621-mediterranean-diet-study-retraction/





Primary Prevention of Cardiovascular Disease with a Mediterranean Diet Supplemented with Extra-Virgin Olive Oil or Nuts
the PREDIMED Study Investigators
N. Engl. J. Med. June 13, 2018
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1800389

スペインの多施設トライアル
7447名、50−80歳、女性比率 57%、心血管リスク高いが心血管疾患合併無し
プライマリエンドポイント:重大心血管イベント(心筋梗塞、卒中、心血管疾患死亡)
フォローアップ期間中央値 4.8年間


プライマリエンドポイント:288名
  • extra-virgin olive oilを含むメディタレニアン食割り付け群:96 , 3.8%
  • ナッツを含むメディタレニアン食割り付け群: 83 , 3.4%
  • 対照群:109 , 4.4%

 ITT解析(ベースライン特性、propensity score補正)対照群比較ハザード比
  • extra-virgin olive oilを含むメディタレニアン食割り付け群: 0.69 (95% 信頼区間 0.53 - 0.91)
  • ナッツを含むメディタレニアン食割り付け群: 0.72 (95% 信頼区間 0.54 - 0.95)

研究群既知あるいはプロトコール離脱疑われる1588名省いても同様




エンドポイント累積頻度Kaplan-Meier推定曲線





Table 1. Summary of Dietary Recommendations to Participants in the Mediterranean-Diet Groups and the Control-Diet Group.


食品 目標
Mediterranean diet
推奨  
オリーブオイル ≧4 tbsp/day
Tree nuts and peanuts ≧3 servings/wk
Fresh fruits ≧3 servings/wk
Vegetables ≧3 servings/wk
Fish (especially fatty fish), seafood ≧3 servings/wk
Legumes ≧3 servings/wk
Sofrito ≧3 servings/wk
White meat Instead of red meat
Wine with meals (optionally, only for habitual drinkers) ≧3 servings/wk
   
Discouraged  
Soda drinks <1 drink/day
Commercial bakery goods, sweets, and pastries  <2 servings/wk
Spread fats <1 servings/wk
Red and processed meats <1 servings/wk


Low-fat diet (control)
Recommended  
Low-fat dairy products ≧3 servings/day
Bread, potatoes, pasta, rice ≧3 servings/day
Fresh fruits ≧3 servings/day
Vegetables ≧2 servings/day
Lean fish and seafood ≧3 servings/day
   
Discouraged  
Vegetable oils (including olive oil) ≦2 tbsp/day
Commercial bakery goods, sweets, and pastries.% ≦1 serving/wk
Nuts and fried snacks ≦1 serving/wk
Red and processed fatty meats ≦1 serving/wk
Visible fat in meats and soupsD Always remove
Fatty fish, seafood canned in o I ≦1 serving/wk
Spread fats ≦1 serving/wk
Sofritot ≦2 serving/wk



2018年5月29日火曜日

食事アンケート大集団調査の愚行(卵摂取量と心血管医ベント)

食事アンケート調査によりクリニカルアウトカムと結びつける報告多いが、Medpageで随分批判されている。まぁ似たような報告は多く、比例ハザードモデル解析だけで論評する講演経験しなんだか不満累積してたところで小気味が良い


「食事摂取回数と特定の健康アウトカムの影響研究なんて意味がありません。以下の論文を使って解説してみましょう」

I'll put it really plainly: Studies that use responses to a food-frequency questionnaire to link to some health outcome are not worth the paper they are printed on. And so let me use this recent egg study as an object lesson in the problems with dietary epidemiology research.

https://www.medpagetoday.com/blogs/themethodsman/73009

比例ハザードモデルといってもリスク補正十分されたとは言えない、社会・経済的背景を受け、味覚要素さえ影響を受ける。フォアグラ( foie gras)を食す人間と食さないのを比較して、この要素で生命予後や心血管疾患予後を推し量る愚とのこと


意訳をかなり含むが・・・
1)まず誰もランダムに食事を取ることなんてしない、例外は、評価家の2歳児で・・・、社会、経済、プラクティカル、味覚要素など食事の選択理由なんて様々。この単純な研究では多共役要素を補正してない。フォアグラの例・・・ 
2)卵はいろんな食品に含まれる。故に、この調査法だと信頼性が低い 
3)130を超える食品アイテム調査で、偶発的蓋然性、偽陽性確率が高くなる可能性指摘(日本のくだらない人間ドック商売と一緒でたくさん調べれば異常を検出する確率高くなり、医療商売に結びつきやすいのと同じ) 
4)130以上のアイテムに限定しているが、実際上はそれ以上の食品内容を摂取している。意図的な選択バイアスがかかっている。 
5)サンプル集団が大きい、50万もの調査の時は有意差示しやすい。多ければ多いほどよいというものではなく、普通の人間が一生涯関わりの無いイベント確率で杞憂しているようなもんだ。研究自体の意味が無い・・・

以下、その論文




Associations of egg consumption with cardiovascular disease in a cohort study of 0.5 million Chinese adults
BMJ, Heart
http://heart.bmj.com/content/heartjnl/early/2018/04/17/heartjnl-2017-312651.full.pdf

中国の異なる10地点、30−79歳500万名
層別化Cox比例ハザードモデル解析

ベースラインにおいて通常1日 0.76個、連日摂取13.1%、滅多に食べない群 9.1%(通常摂取 1日0.29個)
卵非摂食者に比べ、卵摂取はCVDリスク低下  (HR 0.89, 95% CI 0.87 to 0.92)

多変量補正HRs(95%CI) IHD 0.88 (0.84 to 0.93)、MCE 0.86 (0.76 to 0.97)、出血性卒中 0.74 (0.67 to 0.82)、虚血性卒中 0.90 (0.85 to 0.95)

全CVDエンドポイントにおいて、量依存相関認める 線形傾向 P< 0.05

連日卵摂取はCVD死亡リスク18%減少、出血性卒中死亡 28%減少


この絵の方がインパクトある



2018年5月7日月曜日

中国:卵の摂取と死亡率関連性みとめず

食事性コレステロールの心血管疾患リスクに関して明確な関連性は示せてない
Dietary cholesterol and cardiovascular disease: a systematic review and meta-analysis
The American Journal of Clinical Nutrition, Volume 102, Issue 2, 1 August 2015, Pages 276–294, https://doi.org/10.3945/ajcn.114.100305
それでも市井には、「食事性コレステロールが悪者」という概念が残存している


アジアでのこの種のコホート研究、中共(最近、この表現聞くこと少なくなった)からのが多くなった。日本・韓国ともに、小泉政権以降、科学研究費の出し渋りのため、中国に猛追され、さらには超された感、日々増している(平成の大獄)。悪の権化、財務省の不正追及されそうもない政局・・・日本の科学研究さらに没落することとなるのだろうと・・・傍から見ている。実際、大学からのご報告を見るとエリート大学とそれ以外の大学との格差拡大と全体的なアカデミックな質低下を現実のものとして実感する

小泉以前の日本からの報告
Egg consumption, serum cholesterol, and cause-specific and all-cause mortality: the National Integrated Project for Prospective Observation of Non-communicable Disease and Its Trends in the Aged, 1980 (NIPPON DATA80)  The American Journal of Clinical Nutrition, Volume 80, Issue 1, 1 July 2004, Pages 58–63, https://doi.org/10.1093/ajcn/80.1.58
休み明けから、ぼやくが・・・


卵の摂取と心血管疾患、全原因死亡率との関連性コホート研究



Egg consumption and the risk of cardiovascular disease and all-cause mortality: Guangzhou Biobank Cohort Study and meta-analyses
Lin XuTai Hing Lam ,et al.
European Journal of Nutrition pp 1–12 

275,343人年フォローアップ(平均期間 9.8年間)、全原因死亡 2685、CVD死亡 873

全原因死亡に関して、高摂取(週 7個以上)と低摂取(週 1未満)では有意差認めず
(補正ハザード比 (HR) 1.08 , 95%CI、 0.93 - 1.24、 CVD死亡率 0.99 , 95% CI, 0.76 - 1.27、虚血性心疾患 0.92, 95% CI 0.63 - 1.36、 卒中 0.88 95% CI 0.57 - 1.35)

今回のデータを含むupdated meta-analysis施行
週7個以上では全原因死亡率と関連せず  (HR 1.09, 95% CI 0.997–1.200) 、同様、虚血性心疾患 (HR 0.97, 95% CI 0.90–1.05)、しかし、卒中に関しては軽度の減少関連性示唆  (HR 0.91. 95% CI 0.85–0.98)





2018年4月21日土曜日

ナッツ摂取と心血管疾患リスク:心房細動予防効果

不飽和脂肪酸の供給源としてナッツ類摂取だけでなく、蛋白、食物線維、ミネラル、ビタミンE、葉酸、他のphenolicsやphytosterolなどのbioactiveな成分摂取として重要らしい

何に効果があるの・・・心房細動の予防効果あるらしい

Nut consumption and incidence of seven cardiovascular diseases
Larsson SC, et al. Heart 2018;0:1–6. doi:10.1136/heartjnl-2017-312819
http://heart.bmj.com/content/heartjnl/early/2018/03/21/heartjnl-2017-312819.full.pdf

スウェーデン成人  61,364名 前向き研究 17年間フォローアップ調査


ナッツ摂取は、心筋梗塞、心不全、心房細動、腹部大動脈と年齢補正・性補正後逆相関

しかし、他リスク要素補正後この相関は減弱し、線形、量依存的なのは心房細動のみ(ptrend=0.004)、心不全との相関は非線形 (pnon-linearity=0.003)

 ナッツ無摂取に比較し、心房細動の多変量ハザード比(HRs 95% CI)は、1-3回/月 0.97 (0.93 to 1.02)、1-2回/週 0.88 (0.79 to 0.99) 、週3回以上 0.82 (0.68 to 0.99)
 
  心不全に対しては、HRs(95% CI)   0.87 (0.80 to 0.94)、 0.80 (0.67 to 0.97) 、 0.98 (0.76 to 1.27)
 
  ナッツ摂取は大動脈弁狭窄、虚血性卒中、脳内出血とは相関無し
 
 
 

2018年4月10日火曜日

“肉由来” と "ナッツ・シーズ由来”蛋白では、心血管疾患への影響異なる;高齢者では違うパターンの可能性

脱炭水化物ダイエットが市民権を得て、結果、蛋白摂取量増加することになるかもしれない。そうなれば、蛋白摂取源が問題になる

“肉由来” と "ナッツ・シーズ由来”蛋白では、心血管疾患への影響異なる


食事パターンを"Adventist Health Study-2"から81,337男女選別群から調査


Patterns of plant and animal protein intake are strongly associated with cardiovascular mortality: the Adventist Health Study-2 cohort
Marion Tharrey , et al.
International Journal of Epidemiology, dyy030, https://doi.org/10.1093/ije/dyy030
Published: 02 April 2018

フォローアップ平均9.4年間、心血管死 2276名

心血管死亡率<最大 vs 最小5分位比較>
"肉”蛋白成分  1.61 [98.75% 信頼区間 (CI), 1.12 2.32; P-trend < 0.001]
"ナッツ・シーズ"蛋白成分  0.60 (98.75% CI, 0.42 0.86; P-trend < 0.001)

"穀類"、”加工食品”、”レギューム、フルーツ&野菜”蛋白成分では相関認めず

"ベジタリアン食パターン・栄養”補正後も結果に影響を与えない




で、“肉由来蛋白”より“ナッツ・シーズ由来”蛋白摂取で、めでたし、目出度し


って、訳にはいかない

上記結論は 65歳未満での話で、
高齢被検者では、“ナッツやシーズ”有意差認めないながらリスク増加の可能性あり さらに、肉類蛋白成分は影響を与えない?

2018年1月12日金曜日

肥満関連遺伝子高リスクでも減量感受性あり

肥満に関連する77SNPs
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4382211/



肥満の遺伝的リスク高い場合は、長期健康食遵守で、肥満遺伝リスク少ない場合より、却って減量効果認めた。



Improving adherence to healthy dietary patterns, genetic risk, and long term weight gain: gene-diet interaction analysis in two prospective cohort studies
Tiange Wang,  et al.
BMJ 2018; 360 doi: https://doi.org/10.1136/bmj.j5644 (Published 10 January 2018)



デザイン:前向きコホート

セッティング:米国内医療従事者

被検者:Nurses' Health Study 8828名女性、Health Professionals Follow-up Study 5218名男性


暴露:BMIと関連した77の変異をベースにした遺伝的感受性スコア(genetic predisposition score):
Dietary pattern :Alternate Healthy Eating Index 2010 (AHEI-2010), Dietary Approach to Stop Hypertension (DASH), and Alternate Mediterranean Diet (AMED)
主要アウトカム:BMI、体重4年毎変化の5回の反復調査(1986 - 2006)


結果:
20年間フォローアップ期間中、BMI関連遺伝子は有意にAHEI-2010のアドヒアランス増加を減衰 ; Nurses’ Health Study (P=0.001 for interaction) と Health Professionals Follow-up Study (P=0.005 for interaction)

コホート混合にて、BMI4年間の変化/10 risk allel増加は
AHEI-2010スコア減少被検者では 0.07 (SE 0.02)、AHEI-2010スコア増加被検者では -0.01( 0.02)、これは4年間の0.16(0.05) kg vs -0.02(0.05)kg体重変化に相当 (P<0 .001="" for="" interaction="" p="">

観点を変えてみると、AHEI-2010スコアの1SD増加毎BMI変化は、低、中間、高度遺伝リスク毎に、  −0.12 (0.01)、 −0.14 (0.01)、 −0.18 (0.01) (体重変化: −0.35 (0.03)、 −0.36 (0.04)、 −0.50 (0.04) kg)




同様の関連性がDASHに見られたが、AMEDでは観察されない


結論:健康的な食事パターンを遵守することで体重増加と関連する遺伝子の影響を軽減することを示す。さらに、体重管理の食事の質を改善する有益性効果は肥満遺伝子リスクの高いヒトで特に顕著。

2017年9月9日土曜日

卒中後回復期:マグネシウムとカリウム摂取は神経学的パフォーマンス上重要

食事摂取基準(Dietary Reference Intake:DRI)に基づくカリウムとマグネシウムを摂取させることは卒中後神経学的パフォーマンス上重要




卒中後3群二重盲検ランダム化対照割り付け
1) 通常塩群 (Na 塩群) (n = 99)
2) カリウム-enriched 塩群(K 塩群) (n = 97)
3) カリウム-  マグネシウム-enriched 塩群 (K/Mg salt) (n = 95)

台湾の状況に合わせ、マグネシウム 4.1 mmol 、カリウム 44.8 mmol
醤油や他の調味料塩分を含む 6.5gまでの塩質量/日
カリウム塩は NaCl とKClを1:1で、Na塩 6.5g毎 K 2555mg含み
K/Mg塩は NaCl 42.85%、 KCl 42.85% MgSO4 14.3%とする

NIH Stroke Scale (NIHSS), Barthel Index (BI), mRS を3ヶ月、6ヶ月時点で評価
良好神経学的パフォーマンス定義: NIHSS = 0, BI = 100, mRS #1

介入6ヶ月で、神経学的パフォーマンス良好患者比率は、K塩、Na塩群より、K/Mg塩群で増加
K/Mg塩群ではNa塩群に比べ神経学的パフォーマンス到達オッズ比有意に増加  (2.25; 95% CI: 1.09, 4.67)
しかし、K塩群単独の効果は統計学的有意に至らず (OR: 1.58; 95% CI: 0.77, 3.22)




Intake of potassium- and magnesium-enriched salt improves functional outcome after stroke: a randomized, multicenter, double-blind controlled trial
Wen-Harn Pan , et al.
Am J Clin Nutr First published September 6, 2017, doi: 10.3945/​ajcn.116.148536
ajcn148536






卒中リハビリテーション時、マグネシウム・カルシウム摂取量に関心を向けるべき?

HPVワクチンをめぐる日本の"失われた8年"と、私たちが検証すべきこと

「子宮頸がんワクチン」という呼び方に、以前から違和感があります。 HPVワクチンが子宮頸がん予防に重要であることは間違いありません。日本では女子への定期接種として導入され、子宮頸がん予防を中心に説明されてきたため、この名称が広まった経緯も理解できます。 しかし、このワクチンが...