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2022年10月24日月曜日

高齢者ブースター接種効果減衰:広範な機序が推定される

Atypical B cells and impaired SARS-CoV-2 neutralisation following booster vaccination in the elderly

Isabella A.T.M. Ferreira, et al.

doi: https://doi.org/10.1101/2022.10.13.22281024

https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2022.10.13.22281024v1

SARS-CoV-2感染後の入院や死亡は、ワクチン接種者であっても年齢が大きな危険因子となる。 高齢者では、一次接種コースに対する反応が不十分であることが報告されているが、ブースター3回目の接種に対する反応に対する年齢の影響に関する情報はほとんどない。

AZD1222の2回投与スケジュールのprimaryワクチン接種した70歳以上の対象者では、70歳未満の対象者に比較してSARS-CoV-2スパイクpseudotyped virusの中和抗体価は有意に低い。ブースター接種1カ月後の血清結合抗スパイクIgG抗体濃度およびスパイク特異的B細胞頻度には年齢群による差は認められなかった。 

しかし、高齢者のpost-3rdスパイクワクチンの抗体の親和性および多様性(potency or breadth of the overall memory antibody compartment)低下は、特異的CD11cとFCRL5の発現循環中B細胞のenrichmentと相関していた。単細胞RNAsequencingで、 B cell activation/receptor signalling pathway geneのenrichな高齢者でのTBX21-、ITGAX-発現B細胞のexpansionが確認された。

重要なことは、ブースター後の高齢者において、SARS-CoV-2スパイクペプチドに対するT細胞応答はIFNγとIL2分泌の両面で損なわれており、またT細胞受容体シグナル伝達経路遺伝子の減少も観察されたことである。

このようなatypical B細胞のexpansionやT細胞応答の障害は、高齢者では3回目以降の投与で親和性の低い成熟した抗体が生成され、中和能が低下する一因になっている可能性がある。

以上より、高齢者におけるワクチン接種後のワクチン応答障害の程度とそのメカニズムが明らかになり、高齢者のCOVID-19感染感受性を高める一因となっていることが示唆された。

2021年8月31日火曜日

現在のCKD基準では高齢者を過剰診断し高コスト化するだけで若年者リスクを過小評価している

 Accounting for Age in the Definition of Chronic Kidney Disease

Ping Liu, et al.

JAMA Intern Med. Published online August 30, 2021. doi:10.1001/jamainternmed.2021.4813 



キーポイント


【Question】 慢性腎臓病(CKD)の定義には、加齢に伴う生理的な推定糸球体濾過量(eGFR)の低下を考慮すべきか?


【所見】 このコホート研究では、年齢に合わせたeGFR基準ではなく、固定のeGFR閾値を用いてCKDと判定された人のうち、75%が65歳以上で、eGFRが45~59mL/min/1.73m2、アルブミン尿が正常/軽度であった。この後者のグループでは、腎不全および死亡のリスクは、CKDを持たない対照群と同程度の大きさであった。


【意味】 この研究結果は、加齢によるeGFRの低下を考慮しない現在のCKDの定義が、腎臓の加齢が正常な多くの高齢者を疾患に分類することで、CKDの負担を増大させている可能性を示唆している。


要約


【重要性】  患者の年齢に関係なく、同じレベルの推定糸球体濾過量(eGFR)を用いて慢性腎臓病(CKD)を定義することは、生理学的に加齢によるeGFRの低下が正常な多くの高齢者を疾患に分類することになるかもしれない。


【目的】  固定されたeGFR閾値と年齢に合わせたeGFR閾値で定義されたCKDに関連する転帰を比較すること。


【デザイン、設定、参加者】  この人口ベースのコホート研究は、カナダのアルバータ州で実施され、2009年4月1日から2017年3月31日までの間にCKDを発症した成人の行政データと検査データをリンクして使用し、eGFRが固定または年齢に応じたeGFR閾値よりも3カ月以上持続的に低下したと定義した。非CKDの対照者は、65歳以上でeGFRが60~89mL/min/1.73m2の状態が3カ月以上持続し、アルブミン尿が正常/軽度であることと定義した。追跡調査は2019年3月31日に終了した。2020年2月から4月にかけてデータを解析した。


【エクスポージャー】  固定のeGFR閾値60と,年齢が40歳未満,40~64歳,65歳以上でそれぞれ75,60,45mL/min/1.73m2の閾値とを比較した。


【主なアウトカムと測定法】  腎不全(腎代替療法の開始またはeGFR15mL/min/1.73m2未満が3カ月以上持続)および腎不全を伴わない死亡の競合リスク。


【結果】  固定基準と年齢適応基準のCKDコホートには、それぞれ127人132人(女性69,546人[54.7%]、男性57,586人[45.3%])と81人209人(女性44,582人[54.9%]、男性36,627人[45.1%])が含まれていた(10万人年あたりの新規症例数は、537人対343人)。

閾値固定コホートは、年齢順応コホートに比べて、腎不全(5年後に1.7% vs 3.0%)および死亡(21.9% vs 25.4%)のリスクが低かった

両コホートには、合計53,906人の成人が含まれた。閾値固定コホートのみの対象者(n=72703)のうち、54342人(75%)は65歳以上で、ベースラインのeGFRは45~59mL/min/1.73m2、アルブミン尿は正常/軽度だった。

これらの高齢者の腎不全および死亡の5年間のリスクは、非CKD対照者と同様であり、すべての年齢区分において両群で腎不全のリスクは0.12%以下であり、65歳以上69歳未満、70歳以上74歳未満、75歳以上79歳未満、80歳以上では、それぞれ69倍、122倍、279倍、935倍の死亡リスクがあった。



【結論と関連性】  この成人CKDのコホート研究は、すべての年齢で同じeGFR閾値を使用する現在のCKDの基準は、高齢化社会におけるCKDの負担を過大評価し、過剰診断し、加齢に伴うeGFRの低下が見られる多くの高齢者に不必要な介入を行う可能性があることを示唆している。


2020年11月17日火曜日

同世代コホートによる分析で、70歳〜100歳でスタチン一次予防効果最大

現在とは医療技術や患者の健康概念・医療施策が異なるhistorical cohortを用いてリスクやハザードを云々することの危険性が明確に!

contemporary cohortが常に必要とされる

高齢者へのスタチン一次予防に対し、その姿勢が問われる報告となった

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(要約)研究者らは、70~100歳の現代の集団を用いて、70歳以上の患者における心筋梗塞および動脈硬化性心血管系疾患のリスク上昇とLDLコレステロールの増加が関連していないかどうかを調べた。Copenhagen General Population Studyから、ベースライン時に動脈硬化性心血管疾患や糖尿病を有しておらず、スタチン系薬剤を投与されていない人(20~100歳)を対象とした。その結果、心筋梗塞と動脈硬化性心血管系疾患の絶対リスクが最も高く、1つのイベントを予防するために5年間で治療に必要な推定数が最も低いのは、現代の一次予防コホートでLDLコレステロールが上昇している70~100歳の患者であることがわかった。


序文

動脈硬化は、人生の早い時期に始まり、人生の後半に突然臨床的疾患(例えば、心筋梗塞やアテローム性硬化性心血管系疾患)を発症する前に、数十年かけてゆっくりと進行します。この過程の中心的な原動力としてのLDLコレステロールの役割は、動物研究における実験的証拠からコホート研究における疫学的関連性、単因性および多因性ヒト疾患の両方から得られた偏りのない遺伝学的証拠、およびLDLコレステロール低下の無作為化試験の証拠に至るまでの証拠に基づいている。このため、LDLコレステロールは、一次予防および二次予防のすべての主要なガイドラインにおいて、依然として一次治療目標とされている。動脈硬化の発症におけるLDLコレステロールの因果関係にもかかわらず、これまでの研究では、総コレステロール値の上昇と心筋梗塞および虚血性心疾患との関連性は年齢によって大きく異なり、その関連性は高齢者よりも若年者の方がはるかに強いことが示されている。 ほとんどの人では、LDLコレステロールが総コレステロールの主要な割合を占めています。多くの研究では、コレステロールの増加と臨床イベントとの関連性は、70歳以上の高齢者では消失していた。しかし、これまでの研究のほとんどは、動脈硬化性心血管系疾患やその他の慢性疾患の予防や治療が現代の診療と異なっていた40~50年前までの患者を登録した歴史的コホート(historical cohort)で行われたものである。それ以来、平均寿命は大幅に伸びており、少なくとも一部は高齢者の健康状態が改善されたことに起因している。さらに、年齢標準化された心筋梗塞の発生率は高齢者よりも若年者の方が低下しており、心筋梗塞とアテローム性硬化性心血管系疾患の発生率は70歳以上の高齢者の方が高くなっています。これらの経時的な変化は、平均寿命の延長や年齢の上昇に伴う併存疾患の減少により、現代人の70~100歳代の心筋梗塞や動脈硬化性心血管系疾患の発症におけるLDLコレステロールの上昇の重要性を変化させ、エビデンスのギャップを生み出している可能性がある。世界的に70歳以上の高齢者の割合と数が急速に増加していることから,現代の70歳以上の高齢者におけるLDLコレステロール上昇と心筋梗塞や動脈硬化性心血管系疾患のリスクとの関連を理解することは,適切な管理や予防的介入についての患者・医師間の議論のために重要であると考えられる。そこで我々は,70~100歳の高齢者において,LDLコレステロールの上昇が心筋梗塞やアテローム性硬化性心血管病のリスク上昇と関連しているという仮説を検証

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Elevated LDL cholesterol and increased risk of myocardial infarction and atherosclerotic cardiovascular disease in individuals aged 70–100 years: a contemporary primary prevention cohort

Martin Bødtker Mortensen, et al.

The Lancet, Published:November 10, 2020

DOI:https://doi.org/10.1016/S0140-6736(20)32233-9

https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(20)32233-9/fulltext


背景

歴史的研究の知見から,LDLコレステロールの上昇は,70歳以上の患者における心筋梗塞やアテローム性硬化性心血管系疾患のリスク増加とは関連していないことが示唆された.我々はこの仮説を70~100歳の現代人の集団で検証することを目的とした。

方法

ベースライン時に動脈硬化性心血管系疾患や糖尿病を有しておらず、スタチン系薬剤を服用していないコペンハーゲン一般集団調査(CGPS)の対象者(20~100歳)を解析対象とした。LDLコレステロールの測定には標準的な病院のアッセイを用いた。心筋梗塞と動脈硬化性心血管病のハザード比(HR)と絶対イベント率を算出し、1つのイベントを予防するために5年間で治療に必要な数(NNT)を推定した。

所見

2003年11月25日から2015年2月17日までの間に、91 131人がCGPSに登録された。平均7.7年(SD 3.2)の追跡期間中(2018年12月7日まで)、151515人が初の心筋梗塞を発症し、3389人が動脈硬化性心血管系疾患を有していた。

 

LDLコレステロール1.0mmol/L上昇あたりの心筋梗塞のリスクは、全集団で増強され(HR 1.34、95%CI 1.27~1.41)、全年齢群、特に70~100歳で増幅された。動脈硬化性心血管系疾患のリスクも、LDLコレステロールが1.0mmol/L増加するごとに全体で増大し(HR 1.16、95%CI 1.12~1.21)、すべての年齢群、特に70~100歳の人で増幅した。

 

また、心筋梗塞のリスクは、80~100歳の人では3.0mmol/L未満(HR 2.99、95%CI 1.71~5.23)に対して、LDLコレステロールが5.0mmol/L以上(すなわち、家族性高コレステロール血症の可能性)の人では3.0mmol/L未満で増加し(HR 2.99、95%CI 1.71~5.23)、70~79歳の人では1.82、1.20~2.77)、心筋梗塞のリスクも増加していました。

 

LDLコレステロールが1.0mmol/L上昇するごとに1000人年あたりの心筋梗塞および動脈硬化性心血管系疾患のイベント数は70~100歳で最も多く,イベント数は若い年齢ほど少なかった。

 

すべての人に中等度のスタチンを投与した場合の心筋梗塞または動脈硬化性心血管系疾患のイベントを1件予防するための5年間のNNTは、70~100歳で最も低く、年齢が若いほどNNTは増加していた。


 

解釈

現代の一次予防コホートにおいて,LDL コレステロールが上昇している 70~100 歳の人は,心筋梗塞と動脈硬化性心血管病の絶対リスクが最も高く,1 回のイベントを予防するための 5 年間の推定 NNT が最も低かった.今回のデータは増加傾向にある70~100歳人口における心筋梗塞や動脈硬化性心血管疾患の負担軽減を目的とした予防戦略に重要である。


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2020年1月28日火曜日

ベイズ推計メタアナリシス:75歳超でのスタチン投与ベネフィット

事前確率推定した上でのベイズ推計手法でみると、各種リスク要素を具有する確率の多い75歳超でのスタチン投与の真の有益性がわかるのではないか?





Meta-analysis of Usefulness of Treatment of Hypercholesterolemia with Statins For Primary Prevention in Patients Older Than 75 Years
John B. Kostis, et al.
The American Journal of Cardiology
Published:January 27, 2020
DOI:https://doi.org/10.1016/j.amjcard.2020.01.020
https://www.ajconline.org/article/S0002-9149(20)30061-8/fulltext




American College of Cardiology (ACC)/American Heart Association (AHA) guidelineでは75歳超での一次予防のためのスタチン使用を推奨していない。" 2019 Task Force for the management of dyslipidemias of the European Society of Cardiology (ESC) and European Atherosclerosis Society (EAS)"では IIb推奨として、高リスクなら75歳超での一次予防のためのスタチン使用開始が推奨される。
75歳超対象に、ベイズ解析にて改めて35のRCTを解析


Methodの一部

Twenty one of the 35 studies included data on persons >75 years as well as <75 and 14 studies had only data on persons <75.
The studies were analyzed using both the frequentist and Bayesian approaches. For all-cause death, the log of the risk ratio (treatment/placebo) was modeled by a normal distribution. The prior distribution was assumed to have a mean equal to a weighted average of the logarithm of risk ratio (RR) with weights equal to the inverse of the sum of the estimates of between study variability and within study variability plus a drift term.  The prior variance was divided into two components, an estimate of between-study variability and an estimate of within-study variability.
 The posterior distribution was calculated using Bayes’ rule and the 95% confidence interval was determined using the highest posterior density region. 
In toto, 192,079 individuals and 18,260 deaths were included in this analysis and were subdivided into 2 groups: patients aged 75 or younger versus patients older than 75. Data were extracted by two reviewers (JBK, MG) independently and disagreements were adjudicated by face to face discussion.


米国および欧州の臨床ガイドラインでは、75歳以上の高コレステロール血症患者の初期予防のためにスタチンによる治療を推奨していません。 一次予防のためのスタチン療法をプラセボまたは通常のケアと比較したこの年齢層の35件のランダム化比較試験のデータを分析しました。 結果として全死因を使用して、2種類の分析を実行しました: frequentist とBayesian。
Frequentist analysis<頻度確率解析>では、症例(スタチン)と対照(プラセボまたは通常のケア、p = 0.16)の死亡率に有意な差は示されませんでした。
しかし、ベイジアン分析では、75歳以上の人はスタチン治療による死亡率が低かった(p = 0.03)。
結論として、ベイジアン分析は、75歳以上の人における一次予防のためのスタチン治療の明確で統計的に有意で臨床的に関連するベネフィットを示しています。







For all-cause death frequentist analysis indicated a non-significant effect for treating patients older than 75 with statins. However, using Bayesian analysis,a significant benefit in terms of all-cause death is observed.
Redline is the prior distribution
Blackline shows data in studies on patients older than 75
Greenline is posterior distribution after consideration of the prior distribution and the data available on patients older than 75 using Bayes’rule

オランダ:ビタミンB12血中濃度高値だと全原因死亡率増加 ;サプリメント有害性の可能性も

末梢神経症状あれば、「メチコバール」処方しがちな日常臨床・・・安全な薬なのだろうか? ビタミンB12サプリメントの方がマーケットとしては大きいのでインパクト大きいはず。


高齢者、特に軽度でも肝機能低下、腎機能低下のものにとって、ビタミンB12は安全と言えるのだろうか? 安全性懸念を惹起する報告





オランダの一般成人国民でのビタミンB12と全死亡率の関連性

長軸コホート・post hoc 解析




Association of Plasma Concentration of Vitamin B12 With All-Cause Mortality in the General Population in the Netherlands
Jose L. Flores-Guerrero, et al.
JAMA Netw Open. 2020;3(1):e1919274. doi:10.1001/jamanetworkopen.2019.19274




被検査は5571名(平均[SD]年齢、53.5 [12.0]歳; 2830 [50.8%]男性)を分析対象とし
ビタミンB12の中央値(四分位範囲)血漿濃度は394.42(310.38-497.42)pg / mL

フォローアップ期間中央値(四分位範囲)8.2(7.7-8.9)年間、死亡 226人(4.1%)


血漿ビタミンB12濃度レベルの分布の四分位数だと、死亡率はビタミンB12の血漿濃度が最も低い四分位数で1万人年あたり33.8人、最高四分位数で1万人年あたり65.7人死亡。

複数の臨床変数および検査変数調整後Cox回帰分析で、ビタミンB12血漿濃度レベルの上昇と全死因死亡のリスク増加との間に有意な関連性あり(1-SD増加あたりのハザード比、1.25 [95%CI、1.06-1.47] ; P = .006)





ビタミンB12は可溶性ビタミンで1-carbon metabolismに重要な役割を果たす

役割:
https://lpi.oregonstate.edu/jp/mic/%E3%83%93%E3%82%BF%E3%83%9F%E3%83%B3/%E3%83%93%E3%82%BF%E3%83%9F%E3%83%B3B12


ビタミンB12欠乏による貧血、神経精神症状や他の臨床所見は明確だが、血中ビタミンB12高濃度の潜在的危険性は明らかではなかった。


しかし、高齢者でビタミンB12高濃度超過死亡・一般住民での入院率高さなど危惧されていたが一般人口対象では不明であった。

透析患者での血中ビタミンB12高濃度と全死亡率増加の関連性、腎機能障害でビタミンB12血中濃度増加相関が報告され、葉酸、ビタミンB6、ビタミンB12のサプリメントが腎機能低下減少、血管イベント発生率増加が糖尿病患者で観られる。CKDでのビタミンB12と全死亡率増加の関連性について過小評価されている可能性がある







2019年10月15日火曜日

高齢者大うつ治療:SNRI副事象多し




Adverse Effects of Pharmacologic Treatments of Major Depression in Older Adults
Diana M. Sobieraj , et al.
Journal of the American Geriatrics Society
First published: 29 May 2019 https://doi.org/10.1111/jgs.15966
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/jgs.15966

大うつ病性障害(MDD)中等症急性期(12週間未満)での19のRCT、2つの観察研究の検討
SSRIs、SNRIs、bupropion、mirtazapine、trazodone、vilazodone、vortioxetineを他の抗うつ薬、プラシーボ、非薬物治療と比較
測定:副事象、不整脈、認知障害、転倒、骨折、入院、死亡率、QTc延長、重大副事象、副事象による薬剤中止

SSRIは、対プラシーボにおいて全体的副事象イベント頻度同様( 中等度 エビデンス強度)
SNRIは、対プラシーボにおいてより、急性期治療官において全体的副事象イベント頻度を多く生じる(高 エビデンス強度)

SSRIもSNRIも対プラシーボにおいて、副事象理由薬剤中止研究が多い(SSRIs 低エビデンス強度、SNRIs 中等度エビデンス強度)

MDD急性期24週間、継続中、Duloxeine(サインバルタ)はプラシーボより転倒多い(中等度エビデンス強度)





高齢者抗うつ治療は難しい
高齢者のうつ病に対しても 抗うつ薬は効果を認めるが.75 歳以上の高齢者に対する臨床 試験の結果では,プラセボの改善率が高く実薬との有意差が 得られていない.このことは高齢になるにつれ心理社会的 要因に対するアプローチなど非薬物療法が重要になることを 意味する. 
三環系抗うつ薬は, SSRI と比較して抗コリン症状,眠気,めまい等が高率にみ られ,副作用による中止率も高い.このため,高齢発症のう つ病に対して三環系抗うつ薬の使用はできるかぎり控えるべ きである.このほか,痙攣,緑内障,前立腺肥大による排尿 障害などの身体症状がある場合,多くの抗うつ薬が慎重投与 となり,なかには使用禁忌のものがある.抗うつ薬は転倒リ スクも認めるが,三環系よりも SSRI,SNRI,そのほかの抗 うつ薬(mirtazapin, trazodone など)の方が転倒リスクはより高いとする報告もあることに留意すべきである.また SSRI は循環器系への影響が三環系抗うつ薬に比して軽いが, 消化管出血や脳出血のリスクを高めることが報告されてい る.出血の既往がある患者や出血をきたしやすい薬剤を使用 中の患者には注意が必要である.また SSRI 使用に際して は,薬剤代謝酵素チトクローム P450 の阻害による併用注意 あるいは禁忌薬剤に対する注意,突然の中止による離脱症状 や開始や増量時のアクチベイションシンドロームなどに注意 が必要である.食欲不振がみられるうつ状態の患者に sulpiride が使用されることがあるが,sulpiride は Parkinson 症状や遅発性ジスキネジアなど錐体外路症状のリスクが あり,使用はできるかぎり控えるべきである.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsnt/34/3/34_155/_pdf/-char/ja

2019年6月24日月曜日

高齢者スタチン:アドヒアランスと死亡率

高齢者スタチン・アドヒアランス傾向と高アドヒアランス関連決定因子の後顧的住民ベースコホート解析 スタチンアドヒアランスと全死亡率の関連性検討

南カリフォルニア地区の急性心筋梗塞入院、5629名の検討

スタチン治療高アドヒアランスは68.8%で報告、一部アドヒアランス 20.4%、アドヒアランス無し 10.8%

高アドヒアランスは男性、白人

観察期間 4.3±2.6年間、知見としては、高アドヒアランスは心筋梗塞後生存率改善と相関

CLINICAL INVESTIGATION Statin Adherence and Mortality in Patients Aged 80 Years and Older After Acute Myocardial Infarction
Journal of the American Geriatrics Society 00:1-5 ,2019
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1111/jgs.16037






後顧的研究であり、さらに徹底的に共役要素補正されてるか疑問が残るが、" This association may not have been due only to adherence to statins but to other related factors as well. "と結論づけされている。


高齢者スタチン治療の安全性と有効性
The Lancet — Armitage J, et al. | February 04, 2019
https://kaigyoi.blogspot.com/2019/03/blog-post.html
タチン治療は重大血管イベントに関しては年齢にかかわらず有意な減少効果を示すが、75歳超患者では、閉塞性血管疾患のエビデンスを有さない場合、ベネフィット直接エビデンス減少。今後この限界に関して将来トライアル検討


高齢者でもスタチン有効のサブグループとして“心筋梗塞既往”はその候補?



“スタチン全て無用である宗教”はやっぱりダメだろ

2019年5月28日火曜日

免疫療法:経口 TORC1 inhibitor RTB101:高齢者喘息への抗ウィルス抑制効果確認

" RTB101 was used as immunotherapy"だそうで、免疫療法

ラパマイシン標的複合体1(TORC1)シグナル伝達を阻害・・・正直、代謝系しか頭になかった。高齢喘息をターゲットにしているが、COPDでも同様だろう。






高リスクの高齢患者(85歳以上もしくは喘息・2型糖尿病・慢性閉塞性肺疾患(COPD)または現在喫煙している65歳以上)に経口 TORC1 inhibitor RTB101 (ダクトリシブ) (10 mg once daily)x16週間投与

RTB101は "potent small molecule TORC1阻害剤”、半減期 4-6時間
抗ウィルス免疫促進のための用量は最大耐容量の120分の1
ウィルス性RTI、例えば、インフルエンザAやライノウィルスは喘息急性増悪の重要因子で、症例の75%で検出される、この問題に対し予防薬となる可能性示唆




パイプライン:https://www.restorbio.com/pipeline

American Thoracic Society(ATS)の年次総会での喘息高齢者への投与報告

https://www.medpagetoday.com/meetingcoverage/ats/79982



最高医療責任者であるJoan Mannick、MDら報告

喘息を有する65歳以上という事前層別化群で、インフルエンザシーズン気道感染発症率は 治療群 47名の12%、対照プラシーボ 51名の40%
相対リスク 68.9% p=0.0001


喘息患者でも、臨床検査で確認されたRTIの調整率が78.6%低下した(P = 0.001)、American Thoracic Society(ATS)の年次総会での発表

初期phase IIaトライアル 264名高齢者all-comer RTIで42%減少
その後phase IIbトライアルへ移行し、652名の高リスク(高齢喘息を含む)で検査室確認RTIの30.6%減少、重度RTI症では52%減少




「これらの患者の感染症の約60%から80%がライノウイルスであり、ライノウイルスには100種類の血清型があるため、現在このライノウイルス感染を予防する方法はありません」とMannickは述べた。 「喘息患者は気道に十分な抗ウイルス免疫を欠いているため、このウイルス感染にかかりやすいのです。」  研究のために、高リスクの高齢者参加者は、インフルエンザのシーズン中16日間毎日ダクトリシブを単独で、またはエベロリムス、または対応するプラセボと組み合わせて投与されました。高リスクの高齢患者には、85歳以上、および喘息、2型糖尿病、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、または現在喫煙している65歳以上が含まれた。 この研究の主要評価項目は、16週間の治験薬治療中に1人以上の検査室で確認されたRTIを持つ患者の割合でした。 著者らは、事前定義された分析において、85歳以上または65歳以上の喘息患者はプラセボと比較して高反応者(それぞれOR 0.184、P = 0.007、OR 0.105、P = 0.0001)と見なされたと報告した。  全体として、副作用プロファイルはグループ間で類似していました。参加者の2%以上が報告した有害事象(AE)の中で、最も一般的なものは頭痛(RTB101患者は5.7%、プラセボ患者は7.2%)であり、「安全性の兆候は現れなかった」とMannickは述べた。 「呼吸器感染症の全体的な感染率は40%減少しています」と彼女は述べた。 「私たちがこの治療効果を私たちの第III相試験で見続けるならば、これは高齢患者、特に高齢喘息患者にとって医学的進歩となるでしょう。」 ロンドンのインペリアルカレッジおよびロイヤルブロンプトン病院NHS財団のアンドリューブッシュ医学博士は、「すべての年齢において、呼吸器ウイルス感染が喘息発作の主要な原因であることは疑いない」と述べた。 「喘息発作を約3分の1に軽減することが知られているため、喘息患者には1年間のインフルエンザワクチンを接種することをお勧めします。」


resTORbioのプレスリリースによると、2件の第III相試験が2019年の第2および第4四半期に開始され、合計2,000人を超える患者を採用することを目指しています。






2019年3月12日火曜日

高齢者高コレステロール血症治療推奨再考

Reexamining Recommendations for Treatment of Hypercholesterolemia in Older Adults
Neil Skolnik
JAMA. Published online March 11, 2019. doi:10.1001/jama.2019.1676
https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2728377

Recommendations for Treatment of Hypercholesterolemia in Older Adults
高齢者における高コレステロール血症の治療に対する推奨

2018年ACC/AHCガイドライン( American College of Cardiology (ACC)/American Heart Association (AHA) guideline on the management of blood cholesterol )では75歳以上ではLDL-C 70-189 mg/dLの時、中強度スタチンがreasonableとしている。

AHA/ACC/AACVPR/AAPA/ABC/ACPM/ADA/AGS/APhA/ASPC/NLA/PCNA guideline on the management of blood cholesterol: executive summary: a report of the American College of Cardiology/American Heart Association Task Force on Clinical Practice Guidelines.  J Am Coll Cardiol. 2018;S0735-1097(18):39033-39038. doi:10.1016/j.jacc.2018.11.002
このクライテリアに基づく全患者にスタチン導入されると、この年齢群へのスタチンベネフィットのエビデンス不足しているのにかかわらず、高齢者1800万人がスタチン関連副作用リスクに晒されることになる。そもそも75歳を超える患者ではスタチン治療RCTエビデンスはそれほどstrongではない。開始時のリスクに年齢が含まれており、年齢と共にリスクとして計算され、リスクスコアが年齢に支配されている。年齢は住民コホート集団では強力なリスク要素だろうが、個別的なリスクを果たして反映するのだろうか、また、治療効果まで検討した場合に選別上の個別リスクとして年齢は適切なのだろうか?


米国内ガイドライン要約化推奨はサポートしているエビデンスの解析と一致している。ガイドラインは、バイアス無く、曖昧性をできるだけ最小化するべきもの。ACC/AAHガイドラインは75歳超の一次予防を支持するエビデンス不足している、さらにはLDLコレステロールカットオフを支持する治療閾値として 70 mg/dL超を設定するエビデンスは存在しない。治療推奨対象が住民で何パーセントとなるかの要素にもなるので治療選別と年齢閾値はクリティカル

糖尿病無しの8つの一次予防トライアルでは、平均登録LDLコレステロールは 140 mg/dLであり、 70 mg/dLではない。LDL登録コレステロール値が低い唯一の一次予防研究はJUPITERトライアルで、これはhsCRP濃度を含むエントリー登録クライテリアとなっている。実際には、被検者登録時年齢平均66歳、LDLコレステロール 108 mg/dLでACC/AHA推奨より年齢若く、LDL高値の登録となっている

広くpolicy推奨を考えるとき、65歳前後での高コレステロール管理比例ベネフィット差の認識が重要。65歳超成人のベネフィットのエビデンスは、75歳超では適応されないし、一次予防のスタチンベネフィットを示す臨床トライアルデータは75歳超では適応されない


プロスパー試験では、75歳以上の平均年齢(N = 5804;試験登録時の平均年齢、75.4歳)の患者に対するスタチン治療の唯一の試験で、平均登録LDLコレステロール値は147 mg / dLであり、これはACC / AHAガイドラインでスタチンが推奨されているLDLコレステロール閾値の2倍この試験では、2565人の参加者(44%)が血管疾患を発症し、二次予防を試みました。血管疾患を持たない患者の一次予防コホートでは、冠動脈死、致命的でない心筋梗塞、および致命的または致命的でない脳卒中の複合評価項目に対するスタチンの有意な利益はありませんでした。


Shepherd  J, Blauw  GJ, Murphy  MB,  et al; PROSPER study group. Pravastatin in elderly individuals at risk of vascular disease (PROSPER): a randomised controlled trial.  Lancet. 2002;360(9346):1623-1630. doi:10.1016/S0140-6736(02)11600-XPubMedGoogle ScholarCrossref


ACC/AHAガイドラインでのエビデンスでは75歳超での死亡率へのスタチンのベネフィット示せない一方、有害性を示し、死亡率増加確率の可能性すらある

Han  BH, Sutin  D, Williamson  JD,  et al; ALLHAT Collaborative Research Group.  Effect of statin treatment vs usual care on primary cardiovascular prevention among older adults: the ALLHAT-LLT randomized clinical trial.  JAMA Intern Med. 2017;177(7):955-965. doi:10.1001/jamainternmed.2017.1442

観察研究では75歳超・糖尿病なしの場合の一次予防観察研究でスタチンのベネフィット認めず、28のRCTのメタアナリシスでは、75歳超を含む高コレステロール血症・血管疾患存在下の全年齢群ではスタチンの有意なベネフィット示した。血管疾患病歴無し(即ち、一次予防)では年齢と共にスタチン使用による比例的リスク減少効果認めなくなり、70歳超で有意なベネフィット消失。

AHA / ACCガイドラインでは、75歳以上の成人でスタチン治療をいつ中止するかについて言及していません。患者が年をとるにつれて、多くの薬物治療を必要とする複数の併存症を患う可能性が高まります。価値を最大化し、悪影響を最小限に抑えるために各薬の重要性を比較検討することは臨床医には必須。継続的な薬に関する決定は定期的に見直されるべき。決定は、利益対害の証拠、ならびに患者の価値観および好みによって知らされるべきであり、そして決定は、共通の意思決定を強調するアプローチを通して決定されるべきである。

スタチンによる予防治療をいつ中止すべきかの意志決定はいくつかのカテゴリーに分かれる。
重度認知症あるいは他の疾患で生命予後限られている場合を含めfrail older patientsが最初のカテゴリで、これら患者は薬剤中止を考慮
2つめのカテゴリーは、心血管疾患あるいはイベント既往患者の二次予防のためのスタチン使用。二次予防で、ベネフィットが観られるwindowは約2-3年間。再発動脈硬化性疾患予防が患者・家族のゴールである限り、二次予防のためのスタチンは継続
3つめのカテゴリーは、75歳超の糖尿病患者。この群ではランダム化データ存在しない。観察研究で、80歳超を含めたこの群での中止が支持されている。
・4つのめのカテゴリーは75歳以上の健康者で一次予防のためのスタチン治療。エビデンスが不足していること、ベネフィット尤度が年齢とリスク要素で左右され、エビデンスの不確実性について適切なコミュニケーションにて意志決定のシェアがなされなければならないことがこのカテゴリー群では推奨される

ガイドラインの推奨事項は、証拠と判断の組み合わせに基づく。すべての臨床医が補助文書の詳細を読むわけではないが、ほとんどが責任を持って中核となる推奨事項に従う。したがって、推奨事項の表現方法は、それらが臨床医によってどのように解釈および実施されるかに重要な影響を及ぼす可能性がある。 AHAガイドラインでは、LDLコレステロール値が70 mg / dL〜189 mg / dLの75歳以上の成人にスタチン療法を開始することが「妥当である可能性がある、しかし、75歳以上の成人はほとんどLDLコレステロール値が70mg / dL以上であるため、75歳以上の健康な成人全員にスタチン療法を推奨するガイドラインもある。ミオパチー、認知機能障害、2型糖尿病の増加の可能性、多剤併用、および健常人に医学的診断を表示することによる潜在的な影響を含む潜在的な有害作用高齢者にとって重大な問題である。

言語学的には、ワードやフレーズは、外延的(denotative)と内包的(connotative)意味を両方有する。即ち、"...であることは合理的である" と "...でないことが合理的である"が、本質的に同じ意味であることがある。内包的意味(connotative meaning)は、換言すれば、情緒的意味、言語とフレーズが有する関連性、その言葉が発するcontextにより影響されるとなる。
高コレステロール血症管理についてのガイドラインを臨床医が解読するcontextにおいて、フレーズ「...治療することが合理的」は、LDL 70 mg/dL超高齢者治療がactionする方向性として推奨することを意味してしまう。しかし、ガイドラインを単純に遵守するのではなく、各患者のケアのcontextにおいてクリティカルに評価し、解釈する義務がある。


75歳以上の成人におけるスタチンの使用の推奨は、推奨が各個々の患者のニーズに最もよく合うように、リスクと利益、そして嗜好と価値についての共通の意思決定を通して最適に決定されるべき






日本の後期高齢者の健康診査において、脂質異常当然の如く項目として含まれる

論理的思考のできない(させない)日本の風土が、予防・治療ベネフィットをもたらさない無駄な検診を増大させている

2019年3月2日土曜日

高齢者スタチン治療の安全性と有効性

全ての年齢層で血管イベント減少効果はある
問題は、75歳以上の一次予防・・・というのが結論か?


Efficacy and safety of statin therapy in older people: A meta-analysis of individual participant data from 28 randomized controlled trials
The Lancet — Armitage J, et al. | February 04, 2019
Open AccessPublished:February 02, 2019DOI:https://doi.org/10.1016/S0140-6736(18)31942-1


【背景】スタチン治療は広い対象において重大血管イベント及び血管原因死亡減少をもたらすことが示されているが、高齢者に於ける有効性安全性については不明確。
大規模スタチントライアルからのデータメタアナリシスで異なる年齢でスタチン治療の有効性比較


【研究方法】 このメタアナリシスでは、2年以上の期間1千名以上登録予定のスタチン治療のランダム化トライアル
スタチン治療 vs 対照の22トライアル(n=134,537)の個別データと強化治療 vs 非強化スタチン治療の1つのトライアルと詳細サマリーデータ(n=12 705)解析+強化治療 vs 非強化治療比較の5つのトライアル(n=39 612)の個別データ
6つの年齢群(55歳以下、56-60歳、61-65歳、66-70歳、71−75歳、75歳超)に分けた
LDL 1.0 mmol/L減少毎の 重大血管イベント(ie, 重大冠動脈イベント、卒中、冠動脈再建)、原因別死亡率、がん発生率への影響推定
(訳註:LDLコレステロール LDL LDL Cholesterol mg/dL x0.02586 mmol/L)

2群以上の群の場合2群傾向比較heterogeneity検証のため標準χ2検定を利用し年齢群毎比例リスク減少比較


【結果】ランダム施行時 186 854被検者中 14 483(8%)が75歳超、フォローアップ中央値 4.9年間。

全体的に、スタチン強化以上の治療レジメン以上はLDL 1.0 mmol/L減少毎重大血管イベント 21%減少 (RR 0.79, 95% CI, 0.77 - 0.81)

重大血管イベント減少は全ての年齢群で観察される。
重大結果にベント比例減少は年齢とともに軽度元素府、この傾向は統計学的に有意ではない   (ptrend=0·06)

全体的に、スタチン強化治療以上では、LDL 1.0 mmol/L減少毎 冠動脈疾患比例減少率 24% (RR 0.76, 95% CI, 0.73 - 0.79)で、年齢増加毎重大冠動脈イベントの比例減少率小さくなる傾向がある(p = 0.009)



スタチン強化治療以上では、LDL 1.0 mmol/L減少毎 冠動脈再建術施行25%比例減少 (RR 0.75, 95% CI, 0.73 - 0.78)、之は年齢群横断的差は有意ではない (ptrend=0·6)

同様に、全ての病型を含む卒中の比例リスク減少(RR 0.84, 95% CI, 0.80 - 0.89)も年齢群横断的差は有意でない (p trend =0.7)

心不全・人頭石施行のみ登録の(効果性認めない)4トライアル除外後、重大冠動脈イベントに関して年齢増加毎比例リスク減少軽減傾向あり(ptrende = 0.01)、重大血管イベントでは有意差認めず (ptrend = 0.3)

年齢群で変化せず、事前血管疾患存在患者でも重大血管イベントの比例的減少は同様だが、血管疾患の知られてないより若年年齢群に比べても高齢年齢群では効果より少ないI(ptrede = 0.05)

、LDL 1.0 mmol/L減少毎 血管イベント死亡比例減少率 12%(RR 0.88 , 95% CI, 0.85-0.91)で、高齢者においてその比例減少より小規模となる傾向 (ptrend=0.004)、だが、心不全・透析トライアル除外後はその傾向は維持できず(p=0.2)


スタチン治療は、非血管性死亡率、がん死、がん発生率に対しては効果認めず


【結論】
スタチン治療は重大血管イベントに関しては年齢にかかわらず有意な減少効果を示すが、75歳超患者では、閉塞性血管疾患のエビデンスを有さない場合、ベネフィット直接エビデンス減少。今後この限界に関して将来トライアル検討




"Research in context"をGoogle翻訳
この研究の前の証拠
このメタアナリシスの前は、高齢者におけるスタチン療法の効果に関する無作為化試験から得られた証拠は、公表された報告からの集計データのメタアナリシスでしか要約されていなかった。 1996年1月1日から2017年12月31日までの間に発行された英語の出版物をMEDLINE、Embase、およびPubMedで検索し、検索用語「statins OR HMG CoA還元酵素阻害剤」および「Elderly OR Aged」を使用して検索しました。高齢者(一般に65歳以上と定義される)の間で効力の相反する評価を用いた分析。個々の参加者データへのアクセスの欠如のために、これらの以前のメタアナリシスのいずれも、一次予防および二次予防における特定の高齢者グループ(例えば、> 75歳)内のスタチンの効果を調べることができなかった。我々は以前に年齢によるスタチンの効果のメタ分析を報告したが、これらの分析は範囲が制限されており、年配の個人を含むいくつかの大規模な無作為化試験が発表されてから報告されている。
この研究の付加価値
27件のランダム化比較試験(n = 174 149)からの個々の参加者データと1件の試験(n = 12 705)からの詳細な要約データを分析した。 4・9年間の追跡調査の間、75歳以上の14,483人の参加者を含む、1.0mmol / LのLDLコレステロールの減少あたり約5分の1まで、すべての年齢層の間で主要な血管事象はスタチン療法によって有意に減少した。ランダム化高齢のグループは心不全および透析試験(スタチン療法による全体的な利益を示さなかった)で過度に代表され、それらの試験を除外すると血管イベントおよび死亡率転帰における相対リスクの減少が減少する傾向が見られた。すべての年齢層(無作為化で75歳以上のものを含む)で主要冠動脈イベントの有意な減少が見られたが、心不全および透析試験を除外した後でも、年齢の増加とともにより小さい相対的減少の傾向は持続した。しかし、これらの事件の絶対的リスクは高齢者でより高かったので、絶対的な利益はより若くてもそうではないにしても、類似していました。以前の血管疾患を有する参加者の間で年齢に関係なく有意な有効性が観察されたが、一次予防設定では年齢の増加と共に相対リスクの減少がより小さくなる傾向があった。 。以前の懸念にもかかわらず、我々はどの年齢層においても癌または非血管死亡率に悪影響を及ぼさなかった。
利用可能なすべての証拠の意味
スタチンは年齢に関係なく、75歳以上の人々を含む血管イベントを減少させました。一次予防の設定では、75歳以上の人々の間では、スタチン療法の効果の証拠はほとんどありません。進行中の試験はこのグループを直接調査しています。

2018年12月29日土曜日

60歳以上高齢者長期運動効果:頻回転倒・入院・死亡リスク減少効果認めず、運動は万能?

筆者等の結論と異なるタイトルになってしまったが・・・

All kinds of intervention structure (eg, home-based or group-based) were eligible, with unsupervised exercises being included only when a personalized exercise plan had been used; participants had to be 60 years or older at baseline or the mean population age should be 60 years or older.

この運動介入は構成要素の種類を問わず、superviseされたものでない
特定のstructure運動の有益性を見てるわけではない



高齢者における長期運動の転倒、骨折、入院、死亡リスクへの効果のメタアナリシス・システミック・レビュー

40の長期RCT、21,868名被検者
多要素トレーニング:バランス運動を含む

運動は、転倒、外傷性転倒リスクを減少示すが、骨折リスク減少有意性示せず
さらには、頻回転倒、入院、死亡リスク減少示せず

運動は万能というわけではなさそうだ


だが、結論は「 高齢者にとって、長期的運動は、転倒、外傷性転倒リスクを減少させ、骨折リスク減少の可能性有り。この効果は心臓・代謝疾患や神経疾患を有する高齢者を含む


Association of Long-term Exercise Training With Risk of Falls, Fractures, Hospitalizations, and Mortality in Older Adults
A Systematic Review and Meta-analysis
Philipe de Souto Barreto,  et al.
JAMA Intern Med. Published online December 28, 2018. doi:10.1001/jamainternmed.2018.5406


運動の死亡率・入院リスクへの関連




運動の(A)転倒者、(B)多数回転倒者リスクの関連性
Weights are from random effects analysis.



外傷性転倒、骨折



大雑把すぎるが、運動は転倒予防になるのは確か ・・・ それ以上の効果は運動のstructureやsuperviseを含め今後検討が必要



2018年9月18日火曜日

健康高齢者にはアスピリン使用は効果無く、有害の可能性

万能薬みたいな呼称されてきたアスピリン

大腸がんの予防効果もNEJM自体にとりあげられてたのに・・・

ASPREE Investigator Group 19万名(オーストラリア 16,703、米国 2,411)名のランダム化二重盲検研究


70歳以上で登録、米国内はアフリカ系アメリカ人・ヒスパニックは65歳とややトリッキーな基準。平均フォローアップ4.7年間と比較的短い期間に結果・有意差出現。

アスピリン 100mg

アスピリン服用にて重大出血リスク増加、全原因死亡リスク増加、とくに癌原因死亡増加、ベネフィットとしての心血管イベントリスク減少認めず


Effect of Aspirin on Cardiovascular Events and Bleeding in the Healthy Elderly
John J. McNeil
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1805819

高齢成人の一次予防としてのアスピリン少量投与はプラシーボに比較して有意に重大出血リスク増加するも、心血管イベント有意低下示せず
(Funded by the National Institute on Aging and others; ASPREE ClinicalTrials.gov number, NCT01038583.)

重大出血累積リスク






Effect of Aspirin on Disability-free Survival in the Healthy Elderly
John J. McNeil
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1800722

健康高齢者アスピリン使用は、5年間においては、プラシーボ比較で、無障害生存(健康生存)期間延長示せず、重大出血リスク増加
(Funded by the National Institute on Aging and others; ASPREE ClinicalTrials.gov number, NCT01038583.)


プライマリ複合エンドポイント累積頻度



死亡・認知症・持続的障害累積頻度




Effect of Aspirin on All-Cause Mortality in the Healthy Elderly
John J. McNeil
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1803955
プラシーボに比較してアスピリン連日投与健康高齢者で全原因死亡増加し、がん原因死亡が主に関連。以前の研究と異なり予想外で今後解釈に注意が必要
(Funded by the National Institute on Aging and others; ASPREE ClinicalTrials.gov number, NCT01038583.)


死亡原因による累積死亡頻度
 

2018年9月11日火曜日

転倒高リスク高齢者に太極拳は通常運動より有効



高齢者転倒予防に対する、太極拳 vs ストレッチ運動対照比較

単盲検3群平行群ランダム臨床トライアル

  • TJQMMB(Tai Ji Quan: Moving for Better Balance) :修正法 太極(tai ji, taichi) 週2回、60分クラス、24週間
  • MME(multimodal exercise)プログラム:integrating balance、エアロビクス、strength、柔軟運動
  • ストレッチ運動

主要アウトカム:6ヶ月後の転倒頻度

Effectiveness of a Therapeutic Tai Ji Quan Intervention vs a Multimodal Exercise Intervention to Prevent Falls Among Older Adults at High Risk of Falling A Randomized Clinical Trial
Fuzhong Li, et al.
JAMA Intern Med. Published online September 10, 2018. doi:10.1001/jamainternmed.2018.3915


ランダム化 670名、年齢平均(SD) 77.7(5.6)歳、 女性 436(63.5%)、白人 617 (92.1%)、アフリカ系 31(4.6%)

転倒 TJQMBB群 152(85名)、 MME群 218 (112名)

6ヶ月時点での進展運動比較の罹患率比(incidence rate ratio)はTJQMBB群で低値 (IRR, 0.42; 95% CI, 0.31-0.56; P < .001) 、 MME 群も低値 (IRR, 0.60; 95% CI, 0.45-0.80; P = .001)

転倒は、TJQMBB群ではMME群比較で31%減少 p (IRR, 0.69; 95% CI, 0.52-0.94; P = .01)


結論・知見:転倒高リスク地域在住高齢者において治療的にテイラー化した太極拳バランストレーニング介入は通常の運動アプローチに比べ転倒頻度減少へより有効なアプローチ



単盲検試験ということだが、こういう種の研究デザインというのは難しそう

evidence map報告されているが、一般健康状態、心理状態、高齢者、バランス、高血圧、転倒予防、認知機能など全般的にpromisingなmapとなっている

An evidence map of the effect of Tai Chi on health outcomes
https://doi.org/10.1186/s13643-016-0300-y





HPVワクチンをめぐる日本の"失われた8年"と、私たちが検証すべきこと

「子宮頸がんワクチン」という呼び方に、以前から違和感があります。 HPVワクチンが子宮頸がん予防に重要であることは間違いありません。日本では女子への定期接種として導入され、子宮頸がん予防を中心に説明されてきたため、この名称が広まった経緯も理解できます。 しかし、このワクチンが...