HFNCは、人工呼吸器に匹敵する総流量 60L/min.までの酸素吸気混合ガスを100%加湿化して投与すうし利点として、1)FiO2正確、2)解剖的死腔wash-out、3)上気道抵抗軽減、4)PEEP効果と肺胞リクルートメントの可能性、5)気道粘液線毛クリアランス維持(_https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsrcr/26/1/26_21/_pdf) ということだが、FiO2の正確性はどこまで厳格なのかやや疑問。そして、保険診療上ホントに酸素弁済されるのだろうか?かつて病棟があったとき人工呼吸でも一律10L/min.カットされて保険査定団体事務局へ殴り込んで行こうかと思ったことがある(行けばよかった、なぜなら、事務担当も査定担当医師も人工呼吸の酸素ブレンダーの仕組みさえしらなかったとのことを後で聞いた)。
グチグチいっているが、エビデンスに基づきHFNC を従来の酸素療法(COT)、非侵襲的人工呼吸(NIV)との使い分けしたいということになる
高流量鼻カニュラ(HFNC)は、急性呼吸不全(ARF)の早期非侵襲的管理に、従来の酸素療法(COT)や非侵襲的換気(NIV)と並んで用いられる呼吸補助装置である。HFNCの利点は、臨床的(例:患者の快適性および使いやすさ)および生理学的(例:高酸素化、肺胞の動員、加湿および加温、分泌物のクリアランス増加、デッドスペースの減少)であり、肺機能の悪化および気管内挿管を防ぐことができます .しかし、異なるARFシナリオにおいて、最も適切な非侵襲的呼吸補助の形態に関するエビデンスは限られている。HFNCはCOTやNIVと比較すると快適で忍容性が高いが、ARFにおける呼吸筋の負荷を軽減する能力はNIVによるものよりも低いかもしれない。さらに、HFNCとNIVのいずれでも不全の患者において非侵襲的呼吸補助を延長することは、挿管を遅らせ、病院での死亡率を悪化させる可能性があります [2, 5]。リスクと利益は、異なるシナリオ(例えば、低酸素血症および高CO2圧ARF、術後および抜管後ARF、コロナウイルス病2019(COVID-19)肺炎)で異なる場合がある。
欧州呼吸器学会(ERS)は、成人のARFにおけるHFNCについてエビデンスに基づく勧告を行うためにタスクフォースを設立した。
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一般的な急性呼吸不全はHFNC優先というのが基本となった。COPD急性増悪関連・CO2蓄積呼吸不全はNIV優先に考慮。
問題は、呼吸器合併症と抜管困難関連
ERS clinical practice guidelines: high-flow nasal cannula in acute respiratory failure
Simon Oczkowski, et al.
European Respiratory Journal 2022 59: 2101574;
DOI: 10.1183/13993003.01574-2021
https://erj.ersjournals.com/content/59/4/2101574
【背景】
高流量鼻カニュラ(HFNC)は、急性期における非侵襲的な呼吸補助法として頻繁に用いられるようになったが、その使用を支持するエビデンスはごく最近出てきたものである。本ガイドラインは、急性呼吸不全(ARF)の成人患者において、他の非侵襲的な呼吸補助と並行してHFNCを使用するためのエビデンスに基づく推奨事項を提供するものである。
【材料と方法】欧州呼吸器学会タスクフォースパネルには、呼吸器学と集中治療医学の専門臨床医と方法論者が参加した。タスクフォースはGRADE(Grading of Recommendations, Assessment, Development and Evaluation)法を用いてエビデンスをまとめ、急性期の成人ARFの管理において従来の酸素療法(COT)および非侵襲的人工呼吸(NIV)と並んでHFNCを用いるための臨床勧告を策定した。
【結果】タスクフォースは8つの条件付勧告を作成し、
1)低酸素血症ARFではCOTよりHFNCを
2)低酸素血症ARFではNIVよりHFNCを
3)NIVを中断している間はCOTよりHFNCを
4)肺合併症リスクの低い術後患者ではHFNCかCOTを使用すべきと示唆した。
5) 肺合併症のリスクが高い術後患者にはHFNCかNIVのどちらかを行う
6) 抜管失敗のリスクが低い非手術患者にはCOTよりHFNCを行う
7) 抜管失敗のリスクが高い患者には、NIVに相対・絶対禁忌がなければHFNCよりNIVを行う
8) COPDと高炭酸ガス血症性ARF患者ではHFNC使用前にNIVを試行してみる。
【結論】HFNCは、成人のARFにおいて価値ある介入である。これらの条件付きの推奨は、臨床医がさまざまな急性期環境において患者に提供する最も適切な非侵襲的呼吸補助の形態を選択するのに役立つ。