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2014年3月11日火曜日

アジスロマイシン・レボフロキサシンにより、不整脈・死亡リスク増加

安全性情報に関して、建前とは別に、製薬会社は安全性情報より売り上げ最優先のため、この種の安全性情報は流さない。故に、ホントは、学会・医師会などが能動的・積極的に啓発活動すべきで、製薬会社はその情報を各種団体や各医療機関に公表・協力すべきなのだが、新薬創出・売り逃げだけに懸命。後発医薬品が出たら安全性情報などほぼ放置なのでは?

昨年、医療機関・医師たちはこの情報をMRたちからきいたことがあるだろうか?
米国FDA警告:ジスロマック・致死的不整脈リスク 2013/3/13マクロライドや、非マクロライドであるフルオロキノロンなどもQT延長や他の重大な副作用があり、抗菌薬選択には注意が必要と・・ 
QT/QTc間隔延長薬剤:投与前・投与後心電図検査 2013/03/18

まぁ、製薬会社に倫理性だけを求めても、無理。市場原理とはそういうもの!


とにかく、これら薬剤処方時には注意が必要


"Azithromycin and levofloxacin use and increased risk of cardiac arrhythmia and death"
Rao G, et al
Ann Fam Med 2014; 12: 121-127.

米国在郷軍人コホート(平均年齢 56.8歳)・主に外来
アモキサシリン(979,380)、アジスロマイシン(597,792)、レボフロキサシン(201,798)
アジスロマイシンは5日間、アモキサシリン・レボフロキサシン10日間が大部分

アジスロマイシン投与患者(投与1-5日め)、対照薬アモキサシリン投与に比べ、死亡リスク有意増加(ハザード比 [HR], 1.48; 95% CI< 1.05 - 2.09)、重症不整脈 (HR = 1.77; 95% CI, 1.20 - 2.62)。 投与6-10日めでは、リスク有意差なし。

レボフロキサシン(1-5日目)では、対照アモキサシリン比較で、死亡リスク増加(HR = 2.49, 95% CI, 1.7 - 3.64)、 重度心不整脈 (HR = 2.43, 95% CI, 1.56 - 3.79)
この死亡・重度不整脈リスクは、6-10日めで有意差残存(HR = 1.95 ,95% CI , 1.32 - 2.88 、 1.75 ; 95% CI, 1.09 - 2.82)


解説:http://www.medpagetoday.com/Cardiology/Arrhythmias/44703


寄与要素補正後、死亡リスクはレボフロキサシンが最も大!
アジスロマイシンに比較して、治療初期5日間、6-10日間は、全原因死亡率高い。
不整脈リスクは、レボフロキサシンとアジスロマイシンは同等。


医師たちは、自ら情報獲得しなければいけない時代。ふんぞりかえっていたら、MRさんたちが恭しく(ひんまがった)情報をあたえてくれる・・・ってのは本来間違い。ノバルティスや武田が、医者を敬い奴隷のごとく神のごとき正しい情報をくれてるとでも思ってたのだろうか?これらの会社の製品を不買する程度の反応しかできない医者はアホとしか・・・。


2013年5月2日木曜日

若年・中年:アジスロマイシンは心血管死亡リスク増加関連せず

米国FDA警告:ジスロマック・致死的不整脈リスク 2013/03/13

これ以来、少々使用を差し控えている・・・


今回、若年・中年者においては、心血管死亡リスク増加否定的報告がなされた。
この報告を全面的に信頼するにしても、高齢者や背景疾患患者ある場合、真に安全なのか、まだ不安は払拭されない。


"Use of azithromycin and death from cardiovascular causes"
Svanström H, et al
New Engl J Med 2013; 368: 1704-1712.
18-64歳のデンマーク国内ヒストリカル・コホート (1997−2010)
アジスロマイシン使用 1,102,050 エピソード比較
propensity scoreによるマッチ化 1:1 比率
総計 2,204,110エピソード
アジスロマイシン 1,102,41 エピソード
PCV 7,364,292 エピソード(同じ適応による抗生剤投与で、propensity score補正) 
 
心血管疾患原因死亡率は、アジスロマイシン現行使用で有意増加(5日間治療エピソード定義)、抗生剤無治療比較 発生率 2.85; 95% 信頼区間 [CI], 1.13-7.24)
現行抗生剤使用中の心血管原因死亡 アジスロマイシン使用 17 (1000人年あたり粗死亡率 1.1)、PCV使用 146 (粗死亡率 1.5)

propensity score補正後、アジスロマイシン現行使用は、PCV比較で心血管疾患死のリスク増加と関連せず(rate ratio, 0.93; 95% CI, 0.56 − 1.55)。

アジスロマイシンのPCV比較での現行使用の補正絶対的リスク差は、100万治療エピソードあたり −1 (95% CI, -9 〜 11)


抗生剤無使用 vs 抗生剤使用比較をどのように説明しているか・・・discussionの冒頭付近に、抗生剤無使用に関する背景が異なる旨の説明がなされている。propensity score補正が十分でなかったことを告白してるようなものなのだが・・・

2013年4月8日月曜日

COPD急性増悪時抗生剤使用 前向き検討:クラリスロマイシンの心血管イベント・全死亡率への影響

真向きデータベース集積解析;英国の2009−2011年英国12病院いづれか受診したCOPD患者での、1343名の検討
それに市中肺炎1631名患者での検討を加えたもの

COPD急性増悪は、ABC療法  (antibiotics, bronchodilators and corticosteroids)


クラリスをマクロライド系の代表と考えると、その第一である抗生剤(antibiotics)の選択として影響を与える。ただし、フルオロキノロン系もQT延長などに影響を与えるわけで・・・薬剤選択隘路に・・・


Cardiovascular events after clarithromycin use in lower respiratory tract infections: analysis of two prospective cohort studies
Stuart Schembri, et. al.
BMJ : British Medical Journal, Vol. 346 (21 March 2013)
doi:10.1136/bmj.f1235 Key: citeulike:12211912

心血管イベント発生 1年間で、COPD急性増悪 268、 CAPコホート 171


COPD急性増悪では、多変量補正後、クラリスロマイシンは、COPD急性増悪にて、心血管イベント、急性冠症候群で、それぞれハザード比 1.50(95% 信頼区間, 1.13 - 1.97)、 1.67 (1.04 - 2.68)

COPD急性増悪コホートの心血管疾患イベント Cox補正生存率カーブ


市中肺炎では、それぞれ、 1.68 (1.18 - 2.38)、しかし、急性冠症候群では有意でなかった ( 1.65, 0.97 - 2.80)

一般住民肺炎コホートでのCox補正生存率カーブ

クラリスロマイシンと心血管イベントの相関は、 propensityマッチ化後も維持。

COPD急性増悪における、クラリスロマイシンと心血管死亡率の有意相関がみられる(補正ハザード比 1.52, 1.02 - 2.26)が、全原因死亡率では見られない( 1.16, 0.90 - 1.51)。


市中肺炎と全原因死亡率も相関認めず。

クラリスロマイシンのより長期使用は、より心血管イベント増加と関連する。

βラクタム及びドキシサイクリン使用は、心血管イベント増加と関連せず、クラリスロマイシン特有の副作用と思われる。



アジスロマイシンと心血管死亡リスク:絶対的影響は少ないが、心血管疾患患者では考慮必要? 2012/05/17

米国FDA警告:ジスロマック・致死的不整脈リスク 2013/03/13

急性肺障害:マクロライド抗生剤使用によりアウトカム改善 2012/05/02 

COPD急性増悪予防:アジスロマイシン持続療法 2011年 08月 25日

2013年3月28日木曜日

BAT:非CF性気管支拡張症への長期アジスロマイシン治療は、急性増悪減少させ、QOL生存率改善効果の可能性;だが、薬剤耐性が問題

BAT:非CF性気管支拡張症への長期アジスロマイシン治療は、急性増悪減少させ、QOL生存率改善効果の可能性;だが、薬剤耐性が問題
と合わせ、議論の必要有り

日本の呼吸器系学者たちがのんびりやってるうちに、オランダに先を越されたという感じが否めない

非嚢胞性線維症(non-CF)性気管支拡張症急性増悪患者へのアジスロマイシン持続治療の効果

Effect of Azithromycin Maintenance Treatment on Infectious Exacerbations Among Patients With Non–Cystic Fibrosis BronchiectasisThe BAT Randomized Controlled Trial
Josje Altenburg,  et. al.
JAMA. 2013;309(12):1251-1259.
doi:10.1001/jama.2013.1937. 

BAT (Bronchiectasis and Long-term Azithromycin Treatment)研究

ランダム化二重盲験プラシーボ対照化トライアルで、2008年4月〜2010年9月までオランダの14病院、83名の非CF気管支拡張症、1年前の間に3回以上の気道感染増悪症例

介入:アジスロマイシン 250mg/日 vs プラシーボ 12ヶ月間

プライマリ・アウトカム:12ヶ月間治療中の急性増悪回数
セカンダリ・アウトカム:肺機能、喀痰最近、炎症マーカー、副作用、喀痰スコア、QOL

結果
アジスロマイシン 49名(52%)、 プラシーボ 40(48%)で、修正ITT解析

研究終了時、急性増悪数は アジスロマイシン群 0(中間4分位[IQR], 0-1) vs プラシーボ群 2(IQR, 1-3) p<0.001

急性増悪最低1回発症:
プラシーボ治療 32(80%) vs アジスロマイシン治療 20(46%)
(ハザード比、 0.29 [95% CI, 0.16-0.51])
  
mixed-model analysisでは、2群間の経時的FEV1(予測値比)変化は、 F1.78.8=4.085, p = 0.047) (← 知識不足ため意味不明)
3ヶ月で、アジスロマイシン群 1.03%増加、プラシーボ群 0.10%減少

胃腸系副作用は、アジスロマイシン群 40%、プラシーボ群 5%(腹痛相対リスク(RR), 7.44 [ 95% CI, 0.97-56.88] 、下痢 RR 8.36 [95% CI, 1.10-63.15]
いずれも治療中断必要なし

マクロライド薬剤抵抗性発生率 アジスロマイシン 88%、プラシーボ群 26% 

結論:
非CF気管支拡張成人において、アジスロマイシン12ヶ月連日使用はプラシーボ比較で、感染性急性増悪発生減少させる。QOL改善、生存率改善に寄与するかもしれないが、抗生剤耐性に関しては評価必要



2013年3月13日水曜日

米国FDA警告:ジスロマック・致死的不整脈リスク


FDA Drug Safety Communication: Azithromycin (Zithromax or Zmax) and the risk of potentially fatal heart rhythms
View and print full Drug Safety Communication [PDF - 61KB]

 米国FDAは、一般向け警告を発した
アジスロマイシン(日本では、ジスロマックに相当)が、心臓の電気的活動性へ異常を与え、致死的不整脈を生じる可能性に関してである。
QT延長存在のような状況での特異的リスク患者、低カリウム、低マグネシウム血症でのリスク要素で特に発症しやすい。 医学研究者、薬剤メーカーの研究を筆者等がレビューし、アジスロマイシンの心臓の電気活動性異常への評価からなされた警告。

これにより、アジスロマイシン薬剤表示に、QT延長・TdP、特異的心不整脈異常のようなリスクに関するWarnings and Precautionsをアップデート。

医療関係者向け:
Health care professionals should consider the risk of fatal heart rhythms with azithromycin when considering treatment options for patients who are already at risk for cardiovascular events (see Additional Information for Health Care Professionals below).  FDA notes that the potential risk of QT prolongation with azithromycin should be placed in appropriate context when choosing an antibacterial drug: Alternative drugs in the macrolide class, or non-macrolides such as the fluoroquinolones, also have the potential for QT prolongation or other significant side effects that should be considered when choosing an antibacterial drug.

;マクロライドや、非マクロライドであるフルオロキノロンなどもQT延長や他の重大な副作用があり、抗菌薬選択には注意が必要と・・・

FDA は、 「 New England Journal of Medicine (NEJM) study 」のアジスロマイシン、アモキシシリン、シプロフロキサシン、レボフロキサシン、他の抗菌剤治療での心血管死亡リスク増加に関して statement on May 17, 2012を発している。
 (関連:アジスロマイシンと心血管死亡リスク:絶対的影響は少ないが、心血管疾患患者では考慮必要? 2012/05/17)

アジスロマイシン五日間投与群は、アモキシシリン、シプロフロキサシン、他の薬剤に比べ、心血管死亡・全原因死亡リスク増加の報告。
レボフロキサシン関連心血管死亡もアジスロマイシン治療と同等であった。





心臓突然死や不整脈を含む既往歴・家族歴確認と、心電図確認を、ジスロマックやフルオロキノロン投与時すべきなのかもしれない。

2013年1月19日土曜日

インフルエンザ:クラリスロマイシンをまるで臨床上確定的なごとくテレビで主張する研究者・・・

クラリスロマイシンのインフルエンザへの効果について、ヒトでの高品質エビデンスはないはず。

だが・・・

ある感染症研究者が「ある種の抗生剤が小児のインフルエンザ抗体産生に役立つ」として、フジテレビの朝のワイドショーである「土曜めざましテレビ」で、それを、紹介していた。

確かに、以下のような、実験的事項は存在する
Oral clarithromycin enhances airway immunoglobulin A (IgA) immunity through induction of IgA class switching recombination and B-cell-activating factor of the tumor necrosis factor family molecule on mucosal dendritic cells in mice infected with influenza A virus.
Takahashi E, et. al. J Virol. 2012 Oct;86(20):10924-34.

Clarithromycin inhibits type a seasonal influenza virus infection in human airway epithelial cells.
Mutsuo Yamaya, et. al. Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics 

だが、これらは、臨床上の意義・有害性を担保する研究ではない。


基礎医学的事項だけで、実際の臨床上の効果を宣伝するって行為
時に、テレビで見受けるが、R1の時もそう思ったが、医療関係者全般の評価を下げる行為だと私は思う。

「R1」は二重盲検されてないもともとエビデンスレベルの低い研究で、共役補正などレフリーのいる雑誌に掲載されてるわけでもないのに、メディア露出先行で、ステマ逃げ切りをねらったという意味で悪質だった。

今回のは、「基礎研究」の成果を、「臨床研究」とミスリードする別の意味で悪質な宣伝行為と思う。


インフルエンザ流行期には、その情報ニーズが勃発的に高まる。そのときに、このような宣伝行為が出現するのは必然性があるのかもしれない・・・


クラリスロマイシンなどの抗菌剤は世界的にも乱用とその耐性が問題となっている。基礎研究者はその危機感がたりないから無責任な発言をするのかもしれない。



Flu Epidemic: Fact or Fiction?
By Chris Kaiser, Cardiology Editor, MedPage Today
Published: January 19, 2013
http://www.medpagetoday.com/InfectiousDisease/Vaccines/36924

インフルエンザに関わる、現実の流行や、人々の不安につけ込む様々なフィクションなど議論がなされている

流行期ほど、医療関係者の情報発信には抑制的でかつ、信頼性のある情報が求められる。
“これを機に、自己主張や宣伝を行う”などという行為は厳に慎むべき。
 

2013年1月16日水曜日

急性咳嗽疾患:咳持続 ・・・ 患者は5-7日間と思い込むが、実際は18日間 ・・・しかも抗生剤に過剰期待

 患者の中には薬を飲めばぴたりと咳がとまるとおもってる人もいる。 咳が止まらなければ、医者の抗生剤選択が失敗したものと思ってる・・・そういう患者やその家族が存在する。ひどい場合は、薬代返せとのたまう妙齢の女性も・・・説明しても、そこまで説明しない医者がすべて悪いと・・・ 
 咳嗽に関する患者教育パンフを作成する必要があるのかも・・・
 ついでに、抗生剤なんて咳嗽期間短縮に役立たない、百日咳なんて病初期しか抗生剤意味ないとか・・・知らない医者が多すぎるのも問題。

 開業医にとっての冬場の憂鬱のひとつ・・・咳嗽に関わる患者の誤解と医者の不勉強・・・


患者予測の咳嗽期間と、実際の咳嗽期間に、ミスマッチがあり、さらに、抗生剤が咳嗽期間や症状軽減に役立つという誤解に基づくミスマッチも存在する。

不適切な抗生剤使用はこれらの乖離が要因の一つかもしれない。

How Long Does a Cough Last? Comparing Patients’ Expectations With Data From a Systematic Review of the Literature
Ann Fam Med January/February 2013 11:5-13; doi:10.1370/afm.1430

急性咳嗽性疾患(ACI)に対する抗生剤過剰投与は、患者の予測と、ACIの自然史のギャップ(mismatch)による部分が大きい。

ジョージア州の493名の成人を住民ベースランダムデジタルにてランダムな数値で電話し、ACIに関する予測を測定。文献上の観察研究・ランダム化対照トライアルの未治療対照群のシステマティック・レビューでACIの期間を調査。

咳嗽期間中央値は文献上は17.8日間

調査回答者の予測期間は、5-7日間、さらに、特異的なシナリオでの回答では7.2-9.3日間が平均。

咳嗽期間がより長いと考える回答者群は、白人、女性に多く、喘息・慢性肺疾患を自認する場合である。

抗生剤が常に役立つと信じている場合の独立した予測要素は、非白人 (OR = 1.82, 95% CI, 1.14–2.92)、短大教育以下 (OR = 2.08, 95% CI, 1.26–3.45)、以前の抗生剤使用歴の有る場合 (OR = 2.20, 95% CI, 1.34–3.55)




この雑誌おもしろい

前の報告だが、インフルエンザ診断ルールなんて存在しないという報告、さらに、COPD診断の矛盾なども・・・

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インフルエンザ診断に関わる信頼できる多変量モデル・臨床的意思決定ルールは存在するか・・・否!

A Systematic Review of Clinical Decision Rules for the Diagnosis of Influenza
Ann Fam Med January 1, 2011 vol. 9 no. 1 69-77

12研究を登録するも、前向き評価多変量モデル・臨床的意思決定に関わる信頼に足りうる研究存在せず

熱、咳嗽といったルール、熱、咳嗽、急性発症ルールといった単純な経験則をいくつかの論文で検討。
AUROCは、0.70、0.79、サマリー診断閾値計算不能。

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次の論文は、慢性咳嗽の時プレドニゾロン内服にて可逆性判断を利用してCOPD/喘息の診断使用とすると・・・喘息では可逆性証明できず、COPDでは可逆性を示す例が多いと・・・

ベースラインの処方の影響も考えられると思うけど・・・


Diagnostic Value of Oral Prednisolone Test for Chronic Obstructive Pulmonary Disorders
Ann Fam Med March/April 2011 vol. 9 no. 2 104-109


233名の14日以上の咳嗽例で、COPD・喘息診断されたことのない症例で、プレドニゾロン 30 mg/日、気管支拡張剤前後でFEV1測定

プレドニゾロン反応を
FEV1>200mL もしくは
ベースラインから12%増加
とする

COPD患者では 23%(14/61)
喘息では 4%(1/25)
喘息・COPD無しの患者では 11%(14/133)

予想外なことに、レスポンダーではCOPDと関連(OR、2.4; 95%信頼区間 1.1~5.2)

多変量解析にて、年齢・性別・喫煙状態補正後、OR 2.0(95%CI, 0.8-5.0)で、ROC areaは増加せず (0.78; 95% CI, 0.72–0.85 vs 0.79; 95% CI, 0.72–0.85)

2012年12月20日木曜日

プライマリケア:咳に対する抗生剤投与は効果少なく、見合わない重篤な副作用の可能性

プライマリケア急性下気道感染(非肺炎)へのアモキシシリン投与に利益性少ない。60歳以上でも効果があるというわけではない。

・・・ というRCT報告

Amoxicillin for acute lower-respiratory-tract infection in primary care when pneumonia is not suspected: a 12-country, randomised, placebo-controlled trial
Prof Paul Little et. al.
 on behalf of the GRACE consortium
The Lancet Infectious Diseases, Early Online Publication, 19 December 2012
http://www.thelancet.com/journals/laninf/article/PIIS1473309912703006/fulltext

下気道感染はプライマリケア管理の急性疾患の一つであるが、抗生剤のプラシーボ対照化トライアルは少数で、包括的有効性、特に、高齢者で議論がある。
急性下気道感染へのアモキシシリン投与のベネフィット・有害性について検討

【方法】
18歳超の急性下気道感染(28日間以下の咳嗽)で肺炎で無い場合を1:1にランダム割り付け
・アモキシシリン(1g×3/7日間)
・プラシーボ

プライマリアウトカムは、”中等度”のratingの症状期間もしくは”悪化”と判断される期間
セカンダリアウトカムは、2-4病日の症状重症度と、新規もしくは症状悪化

【結果】
アモキシシリン群 1038名
プラシーボ群 1023名

”中等度”ratingもしくは”悪化”症状期間 (ハザード比 1.06, 95% CI 0.96—1.18; p=0.229) も、平均的症状重症度 (プラシーボ 1.69  vs アモキシシリン 1.62; 差 −0.07 [95% CI −0.15 to 0.007]; p=0.074) も群間差有意で無い。
新規症状もしくは悪化症状は、アモキシシリン群は、プラシーボ群比較で、有意に多くない (162/2021 [15.9%] vs 194/1006 [19.3%] of 1006; p=0.043; number needed to treat 30)

アモキシシリン群では、対照群に比べ、吐気、皮疹、下痢症例多い (number needed to harm 21, 95% CI 11—174; p=0.025)、1例アナフィラキシーショック
プラシーボ群2例、アモキシシリン群1例で入院必要
研究関連の死亡例なし

60歳以上に関し、選択的ベネフィット存在しなかった。



COPDなどの気道系基礎疾患や他臓器基礎疾患有る場合は別だろうが・・・もっとも、 この場合は、アモキシシリンよりレスピラトリーキノロンがより効果的だが・・・

2012年12月4日火曜日

プロバイオティック投与によるクロストリジウム-ディフィシル関連下痢症予防効果

クロストリジウム-ディフィシル関連下痢症:Clostridium difficile–associated diarrhea (CDAD)は時に重篤な合併症を生じることがある。

成人・子供の抗生剤投与時のCDAD予防のためのプロバイオティック投与による予防効果のRCTレビュー



Probiotics for the Prevention of Clostridium difficile–Associated Diarrhea: A Systematic Review and Meta-analysis ONLINE FIRST
Bradley C. Johnston, et. al.
Ann Intern Med. 13 November 2012

プロバイオティックは、CDAD発生を66%減少(pooled 相対リスク、 0.34 [ 95% CI, 0.24- 0.49, I2=0%)

 CDAD5%発生頻度の住民ベースでは、プロバイオティック予防は、1000名あたり、33(CI、 25-38)エピソード減少効果


プロバオティック患者において、重度副作用イベント 9.3% vs 対照 12.6% (相対リスク 0.82[CI、 0.65 - 1.05]、 2 17%)






結論は、中等度品質のエビデンスではあるが、プロバイオティック予防は、CDADに対し、予防効果があるという報告


でも、住民ベースで考えれば、100名あたり3名強の効果。

プロバイオティックが副作用などほとんどないと合わせ考えれば、合理性有りとかんがえることができるか?臨床的最小意義を考えることも必要あるとおもうのだが・・・


そして、このレビューは、“偽膜性大腸炎”を、臨床的アウトカムしてるわけではない。

2012年7月2日月曜日

FDA:腎障害時のマキシピーム投与慎重に ;非痙攣性てんかん重積


FDA Drug Safety Communication: Cefepime and risk of seizure in patients not receiving dosage adjustments for kidney impairment
http://www.fda.gov/Drugs/DrugSafety/ucm309661.htm


 腎障害患者へのセフェピム(Cefepime: マキシピームなど)投与は慎重に。

nonconvulsive status epilepticus( 非痙攣性てんかん重積)のリスクと関連するということ。



先発・後発メーカー、果たして、安全性情報提供するか?各医療機関監視してみればよろし。
情報提供無い場合、日本の薬事行政上の問題といえる。

2012年5月17日木曜日

アジスロマイシンと心血管死亡リスク:絶対的影響は少ないが、心血管疾患患者では考慮必要?

100万疾患経過中最大で超過死亡250程度というのをどうみるか? また、propensity -score マッチ化といえど、アジスロマイシン投与例はレジオネラ・オウム病などの重篤な肺炎が多く含みやすいはずだが、十分考慮されているのか?・・・考察が必要だろう。

心血管系疾患を有する患者では、アジスロマイシン投与に関して注意が必要という結論になっているようだ


急性肺障害:マクロライド抗生剤使用によりアウトカム改善 (2012年5月2日水曜日)

こういう報告もなされていたばかり・・・


いくつかのマクロライド系抗生剤は催不整脈性に働き、突然死リスク増加と関連が示されているが、アジスロマイシンは心毒性少ないと思われている。しかし、不整脈の出版報告に関してアジスロマイシンが心血管死リスク増加と関連するかもしれない報告がなされていた。


薬剤による死亡率・短期的心影響を検討するTennessee Medicaid cohort

アジスロマイシン群(347795処方)、propensity-score-matched person、アモキシシリン(1348672処方)、シプロキサン(264626処方)、レボフロキサシン(193906処方)比較



Azithromycin and the Risk of Cardiovascular Death
Wayne A. Ray,et. al.
N Engl J Med 2012; 366:1881-1890May 17, 2012
治療5日間中で、アジスロマイシン服用患者は、抗生剤未投与に比べ、心血管リスク増加(hazard ratio, 2.88; 95%信頼区間 [CI], 1.79 ~ 4.63; P<0.001)、全死亡率増加 (hazard ratio, 1.85; 95% CI, 1.25 ~ 2.75; P=0.002)

アモキシシリン服用ではこの期間中死亡リスク増加なし

アモキシシリン比較で、アジスロマイシンは心血管死亡リスク増加と相関 (hazard ratio, 2.49; 95% CI, 1.38 ~ 4.50; P=0.002)、全原因死亡とも相関(hazard ratio, 2.02; 95% CI, 1.24 ~ 3.30; P=0.005)、100万経過あたり47の超過死亡と推定;心血管による最大10分位リスク群では100万経過あたり245の超過死亡と推定


心血管リスクは有意にアジスロマイシンで、シプロキサンより高いが、レボフロキサシンよりは有意で無かった。

2012年4月13日金曜日

ヒトの寄りつけない洞窟で、耐性菌多数検出 ・・・ 抗生剤耐性化は自然界でも存在

“Lechuguilla Cave”:参考 wiki http://bit.ly/liuAig

レチュギア・ケイブ(Lechuguilla Cave)は、全米最深(1,604フィート;489メートル)で、長さは世界第5位(126.1 miles;203 km)の石灰岩の洞窟である。

  400万年に渡って外から完全に隔離されている洞窟

 その洞窟内部に抗生剤耐性菌を発見!

多くの細菌は、少なくともひとつは薬剤耐性あり、 14を越える抗生剤耐性も見られる。

明確な説明として、天然の抗生物質があり、他の微生物との競合で、細菌自体が自然発生的に耐性菌となった。
耐性菌の存在は人類出現より遙か前から存在し、人類が抗生剤を手に入れたのはわずか70年。それより20倍も前に耐性菌が存在していたという話。、

Antibiotic Resistance Is Prevalent in an Isolated Cave Microbiome.
Bhullar K, Waglechner N, Pawlowski A, Koteva K, Banks ED, et al. (2012) 
PLoS ONE 7(4): e34953. doi:10.1371


14の商用使用されている抗生剤耐性
耐性は、MRSA治療薬ダプトマイシンへの耐性を含み、酵素による耐性メカニズムは、自然・半合成マクロライド抗菌剤で、糖鎖形成、キナーゼを介したリン酸化反応メカニズムなどをを含む。

 耐性菌の遺伝子シークエンスとして、マクロライドキナーゼをエンコードする遺伝子同定し、これは、現代の抗生剤耐性病原菌で知られているものであった。


ヒトが抗生剤使用から分離された微生物にとっても、耐性出現の意味合い理解という面で重要である。


参考: http://io9.com/5901482/the-worlds-most-isolated-cave-is-home-to-4-million-year-old-superbugs


まともな日本語訳が、ナショナルジオグラフィックサイトに・・・掲載されたので、そちらをご参考に・・・
 http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20120412003&expand#title

2012年4月4日水曜日

経口キノロンと網膜剥離リスク



フルオロキノロンの副作用について
・末梢神経障害(senosory or sensor motor axonal polyneuropaty or large axons damage?)  (The Annals of Pharmacotherapy . Vol. 35, No. 12, pp. 1540-1547.,Fluoroquinoloneの神経障害  2007年 12月 17日)
・腱障害(関節?):肩・手、アキレス腱断裂(Clinical infectious diseases 2003, vol. 36, no11, pp. 1404-1410 )
・心拍(QT延長:TdP)( Drugs. 2004;64(10):1091-124.)

 慢性下気道感染二次感染において不可欠薬剤のため、低血糖、痙攣/てんかん、関節性障害が他薬剤共通の各アレルギー反応、偽膜性大腸炎などと共に注意が必要となる。



Oral Fluoroquinolones and the Risk of Retinal Detachment
JAMA. 2012;307(13):1414-1419. doi: 10.1001/jama.2012.383 


Nested case-control study of a cohort of patients in British Columbia, Canada

989591名のコホート、網膜剥離 4384例、対照 43840

フルオロキノロン現行使用は網膜剥離リスク増加と関連
 (症例 3.3%  vs 対照 0.6% 、補正rate ratio [ARR], 4.50 [95% CI, 3.56-5.70])

現行使用なし(症例 0.3% vs 対照 0.2% ; ARR, 0.92 [95% CI, 0.45-1.87])
使用経験無し(症例 6.6% vs 対照 6.1% ; ARR, 1.03 [95% CI, 0.89-1.19])


網膜剥離リスク絶対的増加としては、1万人年で4  (number needed to harm = 2500 computed for any use of fluoroquinolones)

網膜剥離とβラクタム系抗生剤・短時間作動βアゴニストとの相関エビデンス認めず  (ARR, 0.74 [95% CI, 0.35-1.57]、ARR, 0.95 [95% CI, 0.68-1.33]).

症例対照報告であり、かつ、1万人年で4という絶対的リスク・・・さて どう考えるか?

合併症や基礎疾患の無い急性上気道炎での使用差し控えるのは当然だろうが・・・

2012年2月15日水曜日

急性鼻扁桃炎:RCT アモキシシリン10日投与はプラシーボ比較で、疾患特異的QOL改善せず


166名の急性鼻扁桃炎:ランダム化対照化トライアルで、アモキシシリンの疾患特異的なQOL評価

アモキシシリン(1500mg/日)×10日間投与は、プラシーボと比較して、治療後3日目の症状改善減少させない。



Amoxicillin for Acute Rhinosinusitis
A Randomized Controlled Trial
JAMA. 2012;307(7):685-692. doi: 10.1001/jama.2012.138


2012年2月3日金曜日

プライマリ・ケア:抗生剤使用制限医師向け多面的柔軟教育プログラムの有効性


細菌の抗生剤耐性化の問題や医療費の問題で、プライマリ・ケアレベルでの対策が急務。

医師向けのよりソフトな多面的教育プログラムが効果をもたらす。


Effectiveness of multifaceted educational programme to reduce antibiotic dispensing in primary care: practice based randomised controlled trial

BMJ 2012; 344 doi: 10.1136/bmj.d8173 (Published 2 February 2012) Cite this as: BMJ 2012;344:d8173


経口抗生剤使用(1000登録患者あたりのアイテム数)は介入群で14.1減少、対照群では12.1増加。ネットの差は26.1。
ベースライン抗生剤使率補正後、年あたり経口抗生剤使用、介入群で対照群比較において、総数で42%(95%信頼区間 0.6%-7.7%)減少 (P=0.02)

ペニシリナーゼ耐性ペニシリン以外の他の全クラスの抗生剤減少が見られたが、 phenoxymethylpenicillins (penicillin V)とマクロライドが最大でかつ有意に区別される (7.3%, 0.4% to 13.7%、 7.7%, 1.1% to 13.8%)

指数としたコンサルテーション数日において入院数、7日以内の再診数は、介入群と対照群の有意差認めず

プログラム平均コスト £2923 (€3491, $4572) /実践(SD £1187)

介入群 コスト削減5.5% (−0.4% to 11.4%)で、介入平均毎1年間あたり約£830と等価



HPVワクチンをめぐる日本の"失われた8年"と、私たちが検証すべきこと

「子宮頸がんワクチン」という呼び方に、以前から違和感があります。 HPVワクチンが子宮頸がん予防に重要であることは間違いありません。日本では女子への定期接種として導入され、子宮頸がん予防を中心に説明されてきたため、この名称が広まった経緯も理解できます。 しかし、このワクチンが...