2018年10月23日火曜日

重症喘息T2 endotypeは喀痰ペリオスチン値で判別

T2 immunity 重症喘息 endotypeは、喘息患者の半数でkey driverとなるため重要な特性
The most common endotype is one described as “type-2-high” (i.e. high levels of interleukin [IL]-13, eosinophilia, and periostin). :IL-13、好酸球増加、ペリオスチン増加
 Becerra-Díaz M, Wills-Karp M, Heller NM. New perspectives on the regulation of type II inflammation in asthma. F1000Res. 2017;6:1014.


末梢血好酸球、喀痰好酸球数、NO呼気濃度、血中ペリオスチン値などT 2 endotypeのマーカーが提案されてきたが、単一では成功していない。

この報告は気道ペリオスチン値での検討

Looking for Airways Periostin in Severe Asthma Could It Be Useful for Clustering Type 2 Endotype?
Giovanna E. Carpagnano, et. al.
CHEST in press
DOI: https://doi.org/10.1016/j.chest.2018.08.1032

重症喘息 40名連続登録、 T2 endotype n=25、 non-T2 endotype n=15
21名は軽症・中等症喘息、 15名は健康対照
呼気condensate(EBC)、喀痰採取、血中好酸球、FeNO、IgE値など

結果:
EBC中ペリオスチン値(重症喘息 対 軽症・中等症 対 健康対照 ) 
0.75 ± 0.46 vs 0.70 ± 0.19 vs 0.11 ±   0.05 ng/mL, P < 0.05 and P < 0.01

誘発喀痰においては、ペリオスチン値(重症喘息 対 軽症・中等症 対 健康対照 ) 
0.55 0.23 vs 0.31 ± 0.13 vs 0.16 ± 0.120 ng/mL, P < 0.05 and  P < 0.01



T2 endotypeではnon-T2 endotypeに比べ、両サンプルともペリオスチン値増加
 (EBC: 0.88 ± 0.46 vs 0.52 ± 0.46 ng/mL; IS: 0.69 ± 0.19 vs 0.39  ± 0.16 ng/mL; P < 0.05) 、EBC、喀痰中ペリオスチン値相関


重症にならないと、endotype分けられないのか?

かつて、FeNOや血中好酸球はダイナミックな変化があり、血中ペリオスチンは比較的安定した値を示すとされていた(. Allergol Int. 2017;66(3):404-410)が、喀痰中(IS、EBC)ペリオスチンはコントロール有無に関連せず、endotypeが反映とのこと

解釈には注意が必要と思われる


癌予防のためオーガニック食品促進を・・・ という報告

”オーガニック”の定義をはっきりさせないと、へんな宣伝に使われたり、へんな概念に凝り固まった・・・”ロハス”的のような曖昧さを具有する事となる。それが信念となり、なんらかの凝り塊、プロパガンダとなる・・・そういうのを毛嫌いする私としては、オーガニック・ロハスというのには個人的に距離を置いているのだが・・・


この論文は、殺虫剤残留物がテーマの書き出し・・・

殺虫剤濃度は低濃度であっても毒性増加示唆。オーガニック食品マーケットはヨーロッパ各国で急激に広がり、合成肥料・殺虫剤、さらには、遺伝子操作食品使用を許容せず、さらには医動物薬物使用も制限するような許容性の狭い状況となっている。結果的にはオーガニック製品は通常食品より殺虫剤残留物少ない状況となる。
2018  2018 European Food Safety Authority reportによると、製品サンプルにて1つ以上の定量可能な残留物存在は44%、即御低可能な殺虫剤残留物存在は6.5%。
米国観察研究で、ジアルキルリン酸塩濃度がオーガニック食品非使用者は 163 nmol/gCr vs 使用者 106 nmol/gCrといおう観察研究結果。オーストラリア・ニュージーランドの研究ではオーガニック食品使用者は90%程減少した成人報告。

殺虫剤残留物が少ないため、オーガニック食品嗜好頻用者は発癌リスクが少ないという仮説 その検証のための報告というのだが・・・


EU認可の有機農法としてのnatural pesticideの存在は残留農薬少なく、また、今まで非ホジキンリンパ腫で発癌リスク報告ある程度しかない。また、オーガニック食品嗜好性は健康的なライフスタイル嗜好性の高い人が多く、交絡要素となり得る。従って病因論的な解釈は慎重になされるべき。


そのような前置きが書かれている。

Association of Frequency of Organic Food Consumption With Cancer Risk
Findings From the NutriNet-Santé Prospective Cohort Study
Julia Baudry, et. al.
JAMA Intern Med. Published online October 22, 2018. doi:10.1001/jamainternmed.2018.4357

目的 オーガニック食品摂取と癌リスクをフランス成人大規模コホートにおいて前向きに検討

デザイン・セッティング・被検者 住民ベース前向きコホート(フランス成人ボランディアにおいて、データはオーガニック食品摂取頻度、食事摂取量の入手情報利用可能者から)。16製品に対しては、ラベルオーガニック職員の摂取回数報告(never、時々、ほとんど)、オーガニックスコアを計算(range 0-32点)
The follow-up dates were May 10, 2009, to November 30, 2016.


68,946名、女性 78.0%、ベースライン平均[SD]年齢 44.2 [14.5]歳フォローアップ

フォローアップ期間中 初回のがん発症 130
多くは 乳癌 459、前立腺癌 180、 皮膚癌 135、直腸結腸癌 99、 非ホジキンリンパ腫 47、他リンパ腫 15

オーガニック食品スコアは、がん包括リスクと逆相関(最大4分位 vs 最小4分位 ハザード比  0.75 ; 95% CI, 0.63-0.88 ; p for trend 0.001; 絶対的リスク減少 0.6% ; ハザード比 5-point増加  0.95; 95% CI, 0.88-0.96)



結論・知見:オーガニック食品摂食回数増加と、癌リスク減少は相関する
確認が必要だが、やはり、一般に対しオーガニック食品促進は癌予防に対して効果ありそう





オーガニック食品促進報告の結論になっているが・・・


序文をみる、本質は、食品中の殺虫剤残留物の危険性であり、決して、遺伝子組み換えなんちゃらなどではないはず。だが、オーガニック食品全般促進を結論づけている。

序文には「EU認可の有機農法としてのnatural pesticideの存在は残留農薬少なく、また、今まで非ホジキンリンパ腫で発癌リスク報告ある程度しかない。また、オーガニック食品嗜好性は健康的なライフスタイル嗜好性の高い人が多く、交絡要素となり得る。従って病因論的な解釈は慎重になされるべき。」としているのに・・・

違和感をもつ報告!


一方で、一般的にEU基準は日本に比べてかなり厳しい
日本の食は世界一安全とは言いがたい・・・という事実

日本の残留農薬基準は国際的比較でどうなのか?
http://www.maff.go.jp/j/export/e_shoumei/zannou_kisei.html





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