2020年1月7日火曜日

ACP臨床ガイドライン:加齢テストステロン低値成人男性へのテストステロン使用

世間ではおそらく臨床外来で最後の推奨事項に反する説明がなされているのだろう。性機能低下以外の効用(例えば、うつ症状や関筋骨格系症状などの効用を強調しすぎた)のコメントをマスメディアでよく見聞きする。



あらためて、以下強調したい
男性更年期障害(LOH症候群)とは性腺機能低下に関わる疾患名であること
もし、「 improve energy, vitality, physical function, or cognition 」目的なら、それなりのエビデンスを提示できる臨床研究の提示が必要


有害性に関する記述;エビデンスパワー不足で現時点で判断不能、可能性として心血管疾患リスク、前立腺癌リスクなど

Evidence for harms was difficult to judge because of the low power of studies or limited information available; thus, conclusions about the impact of testosterone therapy on cardiovascular health, prostate cancer, or other harms are difficult to make. The FDA requires labeling of testosterone products to include a warning about a possible increased risk for heart attacks and strokes. Evidence shows variability associated with patient values and preferences; thus, it does not support the use of testosterone treatment in all patients with age-related low testosterone without informed decision making.




Testosterone Treatment in Adult Men With Age-Related Low Testosterone: A Clinical Guideline From the American College of Physicians
Amir Qaseem, et al.; for the Clinical Guidelines Committee of the American College of Physicians
https://annals.org/aim/fullarticle/2758507/testosterone-treatment-adult-men-age-related-low-testosterone-clinical-guideline







推奨事項1a:

ACPは、性機能を改善したい性機能障害のある年齢に関連した低テストステロンの男性でテストステロン治療を開始するかどうかを臨床医が議論することを示唆しています(条件付き推奨;確実性の低い証拠)。議論には、潜在的な利益、害、費用、および患者の好みを含める必要があります。



推奨事項1b:

ACPは、臨床医が12か月以内に症状を再評価し、その後定期的に再評価することを提案しています。臨床医は、性機能が改善されていない性機能障害のある年齢に関連した低テストステロンの男性のテストステロン治療を中止する必要があります(条件付き推奨;確実性の低い証拠)。



推奨事項1c:

ACPは、年齢に関連する低テストステロンの男性の性機能を改善するためにテストステロン治療を開始する場合、筋肉内製剤のコストがかなり低く、臨床的有効性と有害性が似ているため、臨床医は経皮製剤よりも筋肉内製剤を考慮することを示唆しています。



推奨事項2:

ACPは、臨床医がエネルギー、活力、身体機能、または認知を改善するために年齢に関連した低テストステロンの男性でテストステロン治療を開始すべきでないことを示唆しています(条件付き推奨;低確実性エビデンス)。







**大学泌尿器科教授の方々も・・・エビデンス外の効用を強調してるもんなぁ
https://cutt.ly/IrifHyN

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