2013年2月1日金曜日

KDIGO 2012 CKDガイドライン

CKDガイドライン

KDIGO 2012
Clinical Practice Guideline for the Evaluation and Management of Chronic Kidney Disease.
Kidney Int. 2013;3:1-163 Suppl.
http://www.kdigo.org/clinical_practice_guidelines/pdf/CKD/KDIGO_2012_CKD_GL.pdf
Accessed January 16, 2013.

・GFR分類はStage 1から5まで残存、GFR分類、Stage3を3Aと3Bに分類
・アルブミン尿StageをA1、A2、A3とする、微量アルブミン尿ということばを除外推奨し、A1、A2、A3というステージを使う

 
ガイドラインでは、特定の病態では専門医受診を勧めている
・ GFR < 30 mL/min/1.73 m2 
・アルブミン尿 > 300 mg/g ・Cr or 約 300 mg/day
・蛋白尿 > 500 mg/day
・腎移植プランニング 




小児
Crベース
41.3×(身長/sCr)
40.7×(身長/sCr)0.64×(30/BUN)0.202
(sCr mg/dl表記)

シスタチンCベース
70.69×(sCysC)-0.931
(sCysC mg/L表記)

メタアナリシス:レジンアンジオテンシン系二重遮断治療は勧められない

結論から言えば、レニンアンジオテンシン系(RAS)のdual blockade(二重遮断)は特定のアウトカム改善効果あるかもしれないが、死亡率減少せず、高カリウム血症・低血圧・腎不全悪化の超過リスクと関連。リスク・ベネフィット均衡を考慮すれば選別には反対せざる得ない


Efficacy and safety of dual blockade of the renin-angiotensin system: a meta-analysis of randomized trials.
Makani H, Bangalore S, Desouza KA, et al.
BMJ 2013; 246: DOI:10.1136/bmj.f360. 

RASのdual blockerを単剤使用と比較したランダム化対照トライアル
1年以上の長期、4週間以上の安全性イベント
サンプルサイズ最低50
心不全患者と非心不全患者層別化

RCT 33、58,405例(平均年齢61歳、男性 71%、平均施行期間52週)

RAS・dual blockadeは全原因死亡率にベネフィット認めず(相対リスク 0.97, 95% 信頼区間 0.89 〜 1.06) 、心血管死亡率にも同様 (0.96, 0.88 〜 1.05) 。

 単剤に比べ、dual therapyは18%ほど心不全入院減少 (0.82, 0.74 to 0.92)

しかし、単剤治療に比べ、高カリウム血症リスク55%増加と相関(p<0.001)
低血圧リスク66%増加(P<0.001) 、腎不全リスク 41%増加(P=0.01)、副作用による中断率27%増加(P<0.001)

有効性安全性結果は心不全の有無関係なく、コホートで一致したもの
例外は、心不全なしのコホートでの全原因死亡率(p=0.04 vs p=0.15)と、心不全コホートの腎不全有意増加 (P<0.001 v P=0.79)

Dual blockage の中身
ACE阻害剤+ARB n=22
ACE阻害剤+アリスキレン n=3
ARB+アリスキレン n=7
ACE阻害剤 or ARB + アリスキレン n=1

全原因死亡率



心血管死亡率


医療の専門家集団を自称(公称)する医師会が、インフルエンザを「インフル」と略すとは・・・

マスコミがインフルエンザインフルことに奇異感を感じてたのだが・・・

医療の専門家集団を自称(公称)する医師会が、インフルエンザを「インフル」と略すとは・・・
◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆
       V(^(I)^)V 日医白クマ通信 V(^(I)^)V
◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆
◆日医インターネットニュース 2221号
 ・都道府県に「地域医療対策センター」を
 ・災害時の衛星利用で協定締結
 ・「能力認証」改め「研修制度」に
 ・新型インフル対策で中間まとめ
  ⇒ http://www.med.or.jp/japanese/members/news/netnews/net2221.html

そんなに略したければ、米国ではfluが一般的なのだから、フルでいいじゃないかと思う。

インチキ造語満載は マスコミだけで腹一杯


メールサービス作成者の問題なのだろうかと、「med.or.jp  "インフル"」 で検索すると、多く、インフルという言葉を使用してる。

この言葉の出現場所から見ると、コンセンサスが得られてるわけではなさそうで、一貫してない。

ほんとに、この集団は・・・ 

病名使用法さえコンセンサスのない、学術的厳格性にとぼしい、いいかげんな団体



と書いて、厚労省をしらべたら、厚労省もだった ・・・ 疲れるわ・・・この国
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/inful_taisho.html



言葉の乱れは、厚労省から・・・ってのが多いけど
・「コメディカル」というお笑い誤用
・「EBMに基づく」(日本語に訳せば、エビデンスに基づく医療に基づく ってなんのこっちゃ)
・「インシデントとアクシデントの誤用」(前者は発生(率)であり、後者は偶発的事項故に、この関係に軽重の意味はない)
・・・
特に、介護系・看護系にひどい造語が多い 多くに厚労省が絡む

eGFR低下・尿中アルブミン増加による死亡・終末期腎障害予測に性別関係なし

日本の為政者やかれらが相談する連中は自分たちの懐や名誉がたかまることが優先で、介入に関する有害性と有益性を天秤にかけた実証的検討をしようなんて考えず、常に、「検診=すべて正しい、治療=手遅れで次善策」と考えているようだ。



慢性腎臓病(CKD) 検診・治療は エビデンスに乏しい メタボ+CKD検診なんて詐欺に詐欺を重ねてるようなモノ 2012/04/19


CKDに関わる検診をするなら、”CKDの病態”の詳細が問題なのではなく、実際に、検診をしてどのような介入効果あるいは有害性があるかを確認してから行うべきなのである。こういう功利的な考え方じゃなく、 自らの懐をあたためるため検診を主張する経済界の連中とかが太い態度で口出しするから、日本は無駄な検診が跋扈することとなった。

以下のメタアナリシスをみて、勘違いをするか、あるいは意図的世論誘導をおこなうのかもしれない・・・憂鬱

 あくまでも、現象論であり、意図的介入が効果あるかどうかは別問題

 男女とも、推定糸球体濾過率(eGFR)低値と尿中アルブミン量増加の指標は、全原因死亡率や心血管疾患死亡率、終末期腎障害リスク増加と関連するという報告。

慢性腎臓病のリスクの性差に関する報告があり、女性では、終末期腎障害の頻度が少ないことが示唆されたための研究。


Associations of estimated glomerular filtration rate and albuminuria with mortality and renal failure by sex: a meta-analysis
BMJ 2013; 346 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.f324 (Published 29 January 2013)

2,051,158名、女性 54%登録
うち、一般住民コホート高リスク n=1,861,052、高リスクコホート n=151,494、CKD n=38,612
CKDコホートを除いた登録コホートは最低1000名
アウトカムは死亡率 もしくは、50イベント異常の終末期腎疾患
ベースライン測定は、eGFR(Chronic Kidney Disease Epidemiology Collaboration equation (mL/min/1.73 m2)とurinary albumin-creatinine ratio (mg/g)

男性の方が、 全原因死亡率と心血管死亡率は、eGFR、アルブミン・Cr比すべてのレベルで高値。

高リスクは、eGFR低値およびアルブミン・Cr比高値と男女とも相関するが、
全原因死亡率、心血管死亡率に対するリスク相関の勾配は、男性より女性の方が急峻

eGFR 95と比較すると、
全原因死亡補正ハザード比は
eGFR 45において 女性  1.32(95% CI 1.08 to 1.61)  男性 1.22 (1.00 to 1.48)(p< 0.01)

尿中アルブミン・Cr比 5との比較で
尿中アルブミン・Cr比 30の場合 女性で  1.69 (1.54 to 1.84) 男性で 1.43 (1.31 to 1.57)

 逆に言えば、eGFRと尿中アルブミン・Cr比の終末期腎障害リスク予測に関し、性差がないということ


KDIGO 2012 Clinical Practice Guideline for the Evaluation and Management of Chronic Kidney Disease.
Kidney Int. 2013;3:1-163 Suppl.
http://www.kdigo.org/clinical_practice_guidelines/pdf/CKD/KDIGO_2012_CKD_GL.pdf

抗うつ薬とQTc延長

薬剤の海外個人輸入などが問題になってるが、シタロプラム(セロクサ)は米国FDAが、致死的不整脈と関連するため、再三警告している薬剤。

それ以外でも、抗うつ薬として、エスシタロプラム(レクサプロ)やアミトリプチリン(トリプタノール)でもQTc延長に注意が必要。他、タケプロンなどのランソプラゾール、オメプラゾールなどのPPI、ブイフェンドなどのボリコナゾールが注意すべき薬剤として挙がる。

”日本人の5人に一人がCYP2C19の活性異常あり、臨床上日本人にとって臨床的影響が懸念されるCYP分子機構である” (参考 PDF)

このため、これら薬剤は投与を避けることが望ましいのでは・・・



Torsades de pointesなどの致死的不整脈は心室性再分極の遷延化が関係する。無数の市販薬が、"心電図上のQT時間延長と関連する”再分極時間延長と関連する。市販後調査で確認され市場から撤退した薬剤も存在する。

2011年、米国FDAは、SSRI高用量の場合のQT時間延長に関するアナウンスとして、シタロプラム(セロクサ)は用量依存的にQT時間延長をもたらし、40mg/日超過の使用をすべきでないしている。さらに、2012年3月60歳未満/Cyp450 2C19の阻害作用薬剤服用者という再分類で20mg/日投与制限も提示している。

(注意; 参照例
CYP2C19*2 / *3 関連 http://www.medibic.com/product/okusuri/professional/02-3.html

心電図、処方、臨床データから、抗うつ薬とQT時間延長との関連性を調査

QT interval and antidepressant use: a cross sectional study of electronic health records
BMJ 2013; 346 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.f288 (Published 29 January 2013)

QTc時間延長と用量依存的関連性があるものは
citalopram (adjusted beta 0.10 (SE 0.04), P<0.01)
escitalopram (adjusted beta 0.58 (0.15), P<0.001)
amitriptyline (adjusted beta 0.11 (0.03), P<0.001)

他の調査薬剤では見られなかった。

QTc時間短縮は
bupropion (adjusted beta 0.02 (0.01) P<0.05)

被験者内ペア観察により、QTc時間延長効果は、 citalopram 10 mg → 20 mgで、平均 QTc 増加 7.8 (SE 3.6) ms, 補正 P<0 .05="" 10.3="" 40="" br="" mg="" ms="" p="" qtc="">

結論から言えば、シタロプラムのQT時間延長は確認された。それ以外の抗うつ薬でも、一部延長が見られた。エスシタロプラム(レクサプロ)やアミトリプチリン(トリプタノール)に関してQT時間延長が存在した。

発作性心房細動: ヨガで効果あり?

品良くまとめてはいるが、前後比較研究で、エビデンスレベルとしては、漢方などの医者向けパンフ程度の信用性(=これを全面的に信用する方のレベルが疑われる程度)


Effect of Yoga on Arrhythmia Burden, Anxiety, Depression, and Quality of Life in Paroxysmal Atrial Fibrillation
The YOGA My Heart Study
Dhanunjaya Lakkireddy, et. al.
J Am Coll Cardiol. 2013;():. doi:10.1016/j.jacc.2012.11.060

ヨガの心房細動周辺、QOL、うつ、不安への効果研究

単施設前後研究

ヨガトレーニングは有症状心房細動エピソード減少(p < 0.001)を示した
同様に、有症状心房細動エピソード(2.9 ± 3.4 vs. 1.4 ± 2.0; p < 0.001)、無症状心房細動エピソード (0.12 ± 0.44 vs. 0.04 ± 0.20; p < 0.001)
また、SF36上のうつ・不安、身体機能QoLパラメータ、精神健康ドメインの改善を示した
 (p = 0.017, p < 0.001, p < 0.001, p = 0.019, p < 0.001)

対照相と介入相のプライマリ有効性検討結果



心拍、収縮期・拡張期血圧の前後減少が見られた (p < 0.001)


 いままで、ヨガと心疾患に関しても多くの報告がある
ヨガ: 心拍調律異常半減効果あり2011年 04月 03日 

心不全のヨガ治療  2008年 06月 26日
残念ながら、高品質エビデンスはほぼなきに等しい

ただ、マインドフルネスの向上がのぞめる
線維筋痛症におけるヨガの効用:マインドフルネス向上・コーチゾル値改善2011年 07月 28日


COPD運動療法として太極拳有効かもしれない  2012/08/09

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