2013年10月25日金曜日

喘息ひろいあげのための FEV1/FVC比 閾値  

喘息患者を一般住民から鑑別するための、FEV1/FVC比 Z-スコア 閾値の検討

1608名、年齢中央値39歳、女性71%、白人61%、喘息発症期間中央値 13年間の病歴患者、ACQスコア 1.71、 ASUIスコア 0.80、FEV1% 予測値中央値 84% 

Accuracy of Using FEV1/FVC Z-Score Thresholds to Diagnose Asthma
Allison Lambert, et. al.
Chest. 2013;144(4_MeetingAbstracts):67A. 
doi:10.1378/chest.1702284


喘息有病率50%なら、Z-score -0.1 (16パーセンタイル)予測比率からの6%減少に相当(accuracy 68%) 
喘息有病率5%なら、至適 Z-scoreは、 -2.0 (2パーセンタイル)、予測比率からの12%減少に相当

喘息・COPDに対する有望薬剤:PDE3・PDE4阻害剤 ネブライザー投与が玉に瑕・・・ 


喘息・COPD患者の多くは、気管支拡張剤と吸入ステロイド併用が行われているが、重症疾患において、これらのクラスの薬剤では不十分なことも多い。

dual phosphodiesterase 3(PDE3)とPDE4阻害剤、nebulized RPL554

喘息において、プラシーボ比較で14%改善 ( p < 0.0001)、しかも副作用はプラシーボと同等。ただ、健康ボランティアでの喀痰中好中球LPS刺激誘導の軽減効果示せず、免疫細胞全体は減少。故に、抗炎症効果は充分示せたとは言えず。

"Efficacy and safety of RPL554, a dual PDE3 and PDE4 inhibitor, in healthy volunteers and in patients with asthma or chronic obstructive pulmonary disease: findings from four clinical trials"
Franciosi LG, et al
Lancet Respir Med 2013 DOI: 10.1016/S2213-2600(13)70187-5.

・喘息患者において、 0.01 mg/kg投与で、1時間でFEV1 520ml増加、その差は14% 
メサコリン吸入用量依存カーブが,投与量1.5倍平均まで観察される

・軽症・中等症COPD患者で、FEV1 5%の差が見られ、ピーク効果 194mLで、17.2%ベースライン比較増加に相当

・健康ボランティアでは、LPS暴露誘発喀痰5時間後好中球に変化無し( 803% vs 84.2% p = 0.15)。だが、好中球絶対数と免疫細胞全体数のセカンダリアウトカム減少あり(p = 0.001 から  0.044)


SPARKトライアルの固定用量吸入 indacaterol (Arcapta) と長時間作動型 beta2 agonist glycopyrronium (marketed in Europe as Seebri Breezhaler)合剤が、主役になる可能性あるが、これに対抗するためには、ネブライザーじゃ普及しにくいぞと、medpageに解説。

ACCP年次集会:気腫合併(特発性)肺線維症 喫煙者関連肺疾患・臨床的発現型特徴

CPFEを気腫合併(特発性)肺線維症と訳すのはどうなのだろう。合併肺線維症・気腫症の方が直訳なのだが・・・

CPFEは喫煙関連疾患の明確なphenotypeで、上肺小葉中心性 and/or 傍中隔型肺気腫に、下肺の肺線維症が合わさった病態

やはり予後不良の臨床特性であり、アウトカムは呼気流量制限や肺容量減少はさほどないが、拡散能低下が著明。血栓や肺がんの合併が他の報告でも特徴として報告されている。肺高血圧症の高頻度合併を示唆する。


Combined Pulmonary Fibrosis and Emphysema: A Distinct Phenotype of Smoking-Related Lung Disease
Serir Özkan,  et, ak,
Chest. 2013;144(4_MeetingAbstracts):38A. doi:10.1378/chest.1689732 

検討例は平均65歳、全て男性。喫煙歴全員有り(平均, 41 pack-years)、1名30pack-yearだったが鉛・硫酸ガス8年間暴露歴有り

平均FVC、FEV1、FEV1/FVC、DLCOは、それぞれ64%、66%、81%、%30


HRCT 画像では、9名は傍中隔型気腫・ブラ形成、5名は小葉中心型、8名honeycombing、10名網状、traction bronchiectasia、ガラス状陰影、6名bronchial distorsion
主肺動脈直径平均は32.6 mm

1例では、1年前に存在しない1.2 cmの新規結節陰影出現

フォローアップ中、8名では酸素投与必要。2名死亡

2名気胸・胸膜癒着術施行、1名再発性

深部静脈血栓1名

生存期間中央値3.6年

インド:不健康食品への税金増加で心血管死亡数減少

不健康な食品への税金アップは、不健康食を是正する可能性がある。


不健康食品の代表として、パーム油の飽和脂肪酸比率は、49g/100g

対して
ピーナッツ油 17g/100g
大豆油 16g/100g
キャノーラ・菜種油 7g/100g
 高脂血症対策として、20%のパーム油税を導入したところ、高脂血症、心血管疾患死軽度低下した。


Palm oil taxes and cardiovascular disease mortality in India: economic-epidemiologic model
BMJ 2013; 347 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.f6048 (Published 22 October 2013)
Cite this as: BMJ 2013;347:f6048

パームオイル購入20%税は、約36万(95%信頼区間 24.7万〜 47.9万)名の心筋梗塞・卒中死亡減少: インド 2014-23 in India (心血管死亡減少 1.3%)


パームオイル20%値段増加後、多価不飽和脂肪酸(PUFA)摂取量増加によるベネフィットである死亡率減少は 42.1万(25.6万 〜 58.6万)名

税金によるベネフィットは女性より男性、田舎より都市部で大きく、摂取量や心血管リスクにより異なる。
食品安全性低下は1%未満で、これによる悪影響死は1万6千(1.2 〜 2.2万)名と推定

ユニバーサルに消費税アップするより、メリハリのきいた税制体系にした方が良いはず。手法上の面倒くささをどうのこうの政府や企業は言うが欧州などでは実施されてるわけだし・・・ 単なる業界団体と政府のご都合だけ


ネットワクーク・メタアナリシス:ARB全般が、詐欺的存在ということが明らかに ディオバンだけじゃない!

ARB詐欺と言ってもいいだろう、むしろ、JIKEI、KYOTOのインチキに限らず、ARBs全般に詐欺的薬剤と言ってもいいと思う。ARBは、ACE阻害剤耐用不能の例のみに限定した薬剤と解釈せざる得ない。実際、そのように公的保険で強制している国(高血圧:ARB処方禁止でカナダでは数百ドルの医療費節約・・・日本も是非・・・2011年 01月 25日)もある訳だし・・・



ネットワーク・メタアナリシスって、こういうインチキを暴くにはすばらしい手法


ネットワーク・メタアナリシスで、糖尿病患者への単剤・併用薬剤の生存率・重大腎障害アウトカムへの降圧剤治療効果比較
最小フォローアップ12ヶ月、36,917名、83トライアル、死亡 2400, 透析 導入766、Cr倍化 1099
プラシーボ比較
ACE阻害剤のみが有意にCr倍化減少 (odds ratio 0.58, 95% credible interval 0.32 to 0.90)
β遮断剤のみが死亡率増加を示す (odds ratio 7.13, 95% credible interval 1.37 to 41.39)

全治療比較で、透析アウトカムに関しては統計学的有意差認めず 
ACEs阻害剤とARB比較でのベネフィット効果は統計学的に有意でなく、ACE阻害剤のみが一致して3つのアウトカムで、ARBに対する優位性あり 
対プラシーボ、ACE阻害剤+カルシウム拮抗剤の予防効果は統計学的に有意でないが、この併用のランキングで死亡率減少確率を高める(73.9%)、次に優秀な組み合わせはACE阻害剤+利尿剤(12.5%)、ACE阻害剤(2.0%)、CCB(1.2%)、ARBs(0.4%)


Comparative effectiveness of renin-angiotensin system blockers and other antihypertensive drugs in patients with diabetes: systematic review and bayesian network meta-analysis
BMJ 2013; 347 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.f6008 (Published 24 October 2013)
Cite this as: BMJ 2013;347:f6008










結局、こういう状況を容認している日本国・糞役人や、大学や関連学会ののおえらいさんたちが問題なんだよなぁ ・・・ インチキをはびこらす素地は医師たちの不勉強だとは思うが・・・



直接比較でない、間接比較としてのネットワーク・メタアナリシス(http://www.bmj.com/content/346/bmj.f2914)

同じ疾患・アウトカムを比較するとき、複数種治療比較メタアナリシスあるいは、多種治療メタアナリシスにより、エビデンス視覚化、相対的メリット解釈のための手法。 
通常のpairwise メタアナリシスに比べ、比較対象が拡大し、ガチンコ比較でないものも比較可能という利点を持つ。 ということで、この手法は急激に拡大している。しかしながら、解釈上の問題点に関する理解は乏しい。heterogeneityとincoherenceが存在するか、なぜ存在するか、何が治療として最善なのか、評価周辺不確実性など理解の機会獲得の可能性がある。透明性の高い、信頼性に基づくエビデンス作成方法である。
ネットワークのgeometry化は、治療法それぞれのエビデンスの強度を示し、特定の比較だけというのを防御し、選択肢に特定パターンが存在するということも示すことができる。
概念的・統計学的heterogeneityとincoherenceは「Estimates of treatment effects」にて評価し、その不確実性に配慮すべき。

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