2016年3月24日木曜日

禁煙指導:医療側は5Asを守ってるか?

喫煙しているかどうかを尋ねる(Ask)、すべての喫煙者に禁煙をアドバイスする(Advice)、禁煙する意志がどれほどあるか見極める(Assess)、患者が禁煙するのを助ける(Assist)、追跡するための診療予約をとる(Arrange)という5つの方法である(Fiore et al., 2000)
http://www.mhlw.go.jp/topics/tobacco/kin-en-sien/izonshou/03.html







喫煙はCOPDの主因。禁煙にてCOPD発症・併発予防可能。禁煙治療の臨床実践上黄金律は5As 。

 医療側はCOPDの状態有無にかかわらずCOPD喫煙者には優先的に禁煙カウンセリングと治療を提示しなければならない。

COPD有無を問わず喫煙者へ5A戦略遵守されているか?

Health-care Provider Screening and Advice for Smoking Cessation Among Smokers With and Without COPD: 2009-2010 National Adult Tobacco Survey
Gillian L. Schauer,  et. al.
Chest. 2016;149(3):676-684. doi:10.1378/chest.14-2965


 米国内18歳以上の電話調査2009-2010 National Adult Tobacco Surveyの既往喫煙者20021名からのデータ

現行喫煙のうち、COPDでは非COPDより、タバコ使用について聞かれる報告が多い( 95.4% vs 85.8%)、同様、禁煙助言 (87.5% vs 59.4%)、禁煙意思評価(63.8% vs 37.9%)、 禁煙手助け  (58.6% vs 34.0%)、フォローアップ (14.9% vs 5.2%)
補正ロジスティック回帰モデルにて、COPD患者は非COPD患者に比べ、5Asのいずれも受けている率は高い





日本では悲惨だろうと想像・・・ 医師自らが禁煙できないから禁煙指導施設基準出せないという施設多いし・・・

治療不応性咳嗽:プレガバリン・Speech Pathologist併用治療効果

論文テーマとは違うが、慢性咳嗽に関するspeech pathologistの役割を改めて記憶した。


Pregabalin and Speech Pathology Combination Therapy for Refractory Chronic Cough : A Randomized Controlled Trial

Anne E. Vertigan,  et. al.
Chest, Volume 149, Issue 3, March 2016, Pages 613-614
doi:10.1378/chest.15-1271
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S001236921500046X


背景
慢性治療不応性咳嗽:Chronic refractory cough (CRC) には治療上困難性がつきまとう。
Speech pathology treatment (SPT) により症状改善するが、改善は不十分。
中枢神経作用性neuromodulatorも咳嗽症状改善するも、咳反射過敏性は改善せず、効果も短期的。
仮説として、SPTと中枢神経作用modulatorの併用でSPT単独よりアウトカム優越性示せないか検討。

方法
ランダム化プラシーボ対照化トライアル。40名のCRC患者をランダム割り付け
・ combined SPT and pregabalin 300 mg daily
・ combined SPT and placebo
アウトカム測定は、ベースライン、治療終了時、治療終了後4週後
プライマリアウトカムは、咳嗽回数(LCM: Leicester Cough Monitor)、咳嗽VAS判定咳嗽重症度 (coughVAS)、咳嗽関連QOL: Leicester Cough Questionnaire (LCQ)

結果
咳嗽重症度、咳嗽回数、咳嗽QOL両群改善
LCQとcoughVAS改善程度は、SPT単独よりSPT/プレガバリン併用群で大 ; LCQ 差平均 3.5, 95%CI 1.1 to 5.8;  coughVAS差平均 25.1, 95% CI 差 10.6 to 39.6
両群咳嗽回数改善に有意差無し
プレガバリン中止後症状悪化認めず
カプサイシン咳嗽感受性中央値はSPT・プレガバリン併用群15.7 →47.5 μM、 SPT単独群  3.92  → 15.7 μM




結論:
慢性治療不応性咳嗽に対し、SPT/プレガバリン併用群は、SPT単独より、症状改善、QOL改善をもたらす







Speech pathology treatment
Efficacy of speech pathology management for chronic cough: a randomised placebo controlled trial of treatment efficacy
A E Vertigan, et. al.
Thorax 2006;61:1065–1069. doi: 10.1136/thx.2006.064337




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