2013年9月24日火曜日

低・中等度ヒ素暴露でも心血管疾患発症・死亡率増加と関連

Association Between Exposure to Low to Moderate Arsenic Levels and Incident Cardiovascular Disease: A Prospective Cohort Study
Katherine A. Moon, et. al.
Ann Intern Med. Published online 24 September 2013 doi:10.7326/0003-4819-159-10-201311190-00719

背景:ヒ素高濃度長期暴露と、心血管リスク増加との関連性は存在するが、飲水中 100μg/L程度の低濃度から中等度ヒ素レベルの長期暴露は不明


目的:低から中等度ヒ素濃度長期暴露と心血管疾患発症相関関係評価


デザイン: Prospective cohort study.

Setting: The Strong Heart Study baseline visit between 1989 and 1991, with follow-up through 2008.


患者: 3575名のアメリカ系インディアン(45−74歳、男女、アリゾナ、オクラホマ、北・南ダコタ州)

測定: ベースラインの尿中試料における無機・メチル化ヒ素合算を長期ヒ素暴露ののバイオマーカーとして使用。アウトカムは、致死性・非致死性心血管合併症


結果: 致死性・非致死性心血管疾患 総数 1184名。 
ヒ素濃度 最高4分位(15.7超) vs 最低4分位(5.8未満)比較社会住民統計指標・喫煙・BMI・脂質レベル補正ハザード比は、
心血管疾患死亡率 1.65 (95% CI, 1.20 to 2.27; P for trend < 0.001)
冠動脈性心疾患死亡率 1.71 (CI, 1.19 to 2.44; P for trend < 0.001)
卒中死亡率 3.03 (CI, 1.08 to 8.50; P for trend = 0.061)



発症頻度ハザード比
心血管疾患発症 1.32 (CI, 1.09 to 1.59; P for trend = 0.002)
冠動脈性心疾患発症 1.30 (CI, 1.04 to 1.62; P for trend = 0.006)
卒中発症 1.47 (CI, 0.97 to 2.21; P for trend = 0.032),


これらの相関は研究地域によりばらつきがあり、糖尿病、高血圧、腎疾患測定項目補正後その相関は減衰


Limitations: 飲水個別ヒ素レベルの直接測定が行われてない

結論: 低濃度・中濃度ヒ素暴露でも、心血管疾患発症、死亡率と相関


Primary Funding Source: National Heart, Lung, and Blood Institute and National Institute of Environmental Health Sciences.


ヒ素及びその化合物に係る健康リスク評価について - 環境省
http://www.env.go.jp/council/former2013/07air/y070-31/mat03-1.pdf


 
発がん性以外の有害性について :発がん性以外のヒトへの有害性に係るいずれの知見も曝露評価が不十分 なこと等から、用量-反応アセスメントを行うことは困難である。また、動物実験データ ではヒ化水素での知見があるが、環境大気中において人がヒ化水素に曝露することは考え にくく、定量評価を行う知見としては不適切と判断した。さらに、動物実験の生殖発生毒 性も報告数が少なく十分な証拠があるとは言えない。このように、吸入曝露による発がん 性以外の有害性に係る適切な低濃度曝露領域における定量的データは、ヒト及び動物実験 ともに得られなかった。

経胸壁心臓超音波検査:適正使用とされるも非効率な検査となる率が高い

経胸壁心臓超音波検査(TTE)は、心臓関連画像検査施行数のほぼ半分を占める。適正使用クライテリア(Appriate Use Criteria)が、患者ケア、健康アウトカム改善のため開発された。 ほとんどのTTEは適正という報告が以前に存在するが、TTEと、AUCTION、臨床的インパクトの関連性は不明だった。

 学術的医療センター施行535名の連続患者での検討で、9割はAUC適正とされるが、治療方針の変化をもたらすのは1/3未満で有り、半数は現行治療の継続というもので、1/5強では変化無し。TTEの適正と区分された場合の31.8%でのみ、TTE施行されるべき状況であ り、今後、高品質医療を担保しながら、適正使用の議論が必要。


TTE 31.8%で、ケアの変化あり、現行治療継続・変化無しが21.3%


2011AUCによると、TTE に関し、 適正 91.8%、不適正 4.3%、 不明 3.9%


ケアの積極的な変化をもたらす状況に関して、適正TTEと、不適正TTEとの、群間差認めず



Appropriate Use and Clinical Impact of Transthoracic Echocardiography
Susan A. Matulevicius,  et. al.
JAMA Intern Med. 2013;173(17):1600-1607. doi:10.1001/jamainternmed.2013.8972.


noteへ実験的移行

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