2012年6月3日日曜日

急性冠症候群:尿酸は死亡予後因子である

Prognostic value of uric acid in patients with acute coronary syndromes.
Ndrepepa G, et. al.
Am J Cardiol. 2012 May 1;109(9):1260-5. Epub 2012 Feb 9.

1629名の急性STEMI、1332名の名の急性(非STE)MI、2163名の不安定狭心症

1年死亡率をプライマリエンドポイント

4分位比較 : Q 1, 1.3 to <5.3 mg/dl; Q 2, 5.3 to <6.3 mg/dl; Q 3, 6.3 to <7.5 mg/dl; Q 4, 7.5 to 18.4 mg/dl

観察期間中450名の死亡、Q1 80、Q2 77、Q3 72、Q4 221 (Kaplan-Meier推定1年死亡率 6.4%、 6.2%、 5.6%、 17.4% ;尿酸 Q4 vs Q1非補正ハザード比 3.05, 95% 信頼区間 2.54 to 3.67, p <0.001

従来の心血管リスク要素、腎機能、炎症状態補正後、尿酸と死亡率の相関残存
尿酸値1mg/dL増加毎、1年死亡率は12%増加。
尿酸は、1年死亡率予測モデルの判別的パワーを改善する  (absolute integrated discrimination improvement 0.008, p = 0.005)

PCI後の急性冠症候群では、1年生存率と尿酸高値との間に関連性が横断的に見られる。


とは言っても、尿酸低下薬剤により尿酸低下により、急性冠症候群の予後がよくなるという証拠はない。

急性冠症候群:アスピリン抵抗性と投与量比較

急性冠症候群患者・アスピリン治療 2用量(150mg/日 vs 300mg/日)比較

アスピリン抵抗性患者での比較

Resistance to low-dose aspirin therapy among patients with acute coronary syndrome in relation to associated risk factors
Journal of Clinical Pharmacy and Therapeutics, 06/02/2012


この報告での「アスピリン抵抗性」の定義
対照比較で、コラーゲン (1 μg/mL)・adenosine diphosphate (ADP) (5 μmol/L)-による血小板凝集40%以上を示したとき

そのアスピリン抵抗性 11/50(22%)


アスピリン抵抗性患者での比較検討として、150mg/日後と300mg/日後で、コラーゲン血小板凝集 66 ± 7·01% vs. 26·87 ± 2·85%、 ADP刺激血小板凝集 62 ± 4·34%  vs.  16·5 ± 3·8% 、 TxB2値 620 ± 64·58 pg/mL vs. 77 ± 11·3 pg/mLで、平均値に有意差あり、薬剤増量後アスピリンの反応促進を意味する。

動脈硬化リスク要素(高血圧、喫煙、虚血性心疾患家族歴、心筋梗塞既往)は、アスピリン抵抗性・感受性対象者間に差は認めない。

しかし、アスピリン感受性・低抗群差では、糖尿病・脂質異常症での有意差認める (P < 0·01)

アスピリン標準投与量による抗血小板効果の個体差は、150mgより300mg/日で大きい。150mg/日で抵抗性患者は300mg/日で効果促進。

血小板測定ってテクニカル上の差が大きいと聞く。検体採取から搬送、測定技術の差などが要素と思われる。日常臨床でアスピリン投与量を補正しながらってことが出来ない以上、アスピリン抵抗性らしき対象者の類推は重要となる・・・ってのが、表面的スタンスか?

noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note