2013年3月29日金曜日

メタアナリシス:DPP4阻害剤と心血管疾患リスク

2型糖尿病治療で、しかも、1年足らずに、臨床的重大アウトカム改善効果あり


メトホルミン以外でまともに2型糖尿病に関する大血管に関するイベント改善効果がみられたことは大きい。ACCORDなどで冷え上がった治療意欲を少しは回復させた?
でも、短期観察期間のためか、イベント数が少ないのが気になる、逆に言えば、短期間でも改善効果があるということになるのだが・・・


Dipeptidyl peptidase-4 inhibitors and cardiovascular risk: a meta-analysis of randomized clinical trials.
Monami M, et. al.
Diabetes Obes Metab. 2013 Feb;15(2):112-20.
doi: 10.1111/dom.12000. Epub 2012 Sep 20.

41,959名、70トライアルで44.1週間フォローアップ
Mantel-Haenzelオッズ比は、MACE(重大心血管イベント) 0.71[0.59;0.86]、 心筋梗塞 0.64[0.44;0.94]、 卒中 0.77[0.48;1.24]、 死亡率  0.60[0.41;0.88] であった。



Sitagliptin : ジャヌビア
Vildagliptin:エクア
Saxagliptin:オングリザ(大塚・協和発酵)
Linagliptin:トラゼンタ
Alogliptin:ネシーナ


私の中では・・・ネシーナやジャヌビアって削除薬剤候補
併用可能薬剤増えてきたので、 ジャヌビアにこだわる必要もなくなってきた
ネシーナはばらつき大きすぎ

遺伝子リスクは10代の喫煙行動へ影響を与え、将来の喫煙行動への影響重大

 遺伝子リスクが、将来続く喫煙行動へ影響を与える10代の喫煙行動発症へその影響を加速しているという知見

genome-wide hypothesis-free discovery methodは、成人の重度喫煙者で相関みとめられるlocusの発見につながってる。成人重度喫煙の遺伝的リスク新発見んとリンクする開発プロセスの理解が必要となっている。38年間、前向き、縦軸研究であるニュージーランドのDunedin Multidisciplinary Health and Development Study からの知見

Polygenic Risk and the Developmental Progression to Heavy, Persistent Smoking and Nicotine DependenceEvidence
From a 4-Decade Longitudinal Study
Daniel W. Belsky, et. al.
JAMA Psychiatry. 2013;():1-9. 
doi:10.1001/jamapsychiatry.2013.736.
Published online March 27, 2013
【序文・意義】  Genome-wide hypothesis-free discovery methods have identified loci that are associated with heavy smoking in adulthood. Research is needed to understand developmental processes that link newly discovered genetic risks with adult heavy smoking.

【目的】成人喫煙GWAで明らかになった遺伝子リスクが、いかに、連日喫煙開始・変容喫煙行動発症、重度喫煙への進行、ニコチン依存症、禁煙への取り組みへの影響するか検討

【デザイン】代表的誕生コホートの38年、前向き、長軸研究

【セッティング】Dunedin Multidisciplinary Health and Development Study ( New Zealand)

【被験者】1037名の男女

【介入暴露】多焦点遺伝子リスクスコアの遺伝子リスク評価。遺伝子リスクスコアは、喫煙定量発現型に関わるメタアナリシスで同定された3つのSNPs

【主要アウトカム・測定】喫煙開始、連日喫煙開始、重度喫煙発症、ニコチン依存症(Fagerström Test of Nicotine Dependence)、禁煙困難度評価
11歳から38歳までの8つの評価

【結果】遺伝子リスクスコアは、喫煙開始とは関連無し
しかし、高遺伝子リスクでは、10代での連日喫煙移行になりやすく、重度喫煙急激発症しやすく、重度喫煙状態長期化、ニコチン依存高頻度みられやすい、ストレス対処のための喫煙への依存しやすく、禁煙試み失敗しやすい。
追加解析にて、2つの成長期発症発現型、すなわち、早期連日喫煙発症、早期重度喫煙発症、これらは、遺伝子リスクスコアと持続的重度喫煙の発現型との相関を介し、明らかになった。遺伝子リスクスコアは、喫煙リスクに関し、家族歴より予測因子として重要。

【結論・新知見】思春期における喫煙行動発症を防止するイニシャチブは、成人での喫煙問題発症に関わる遺伝子リスクを防止することになるだろう。喫煙開始直後の喫煙行動に焦点をあて、また、若年喫煙者研究に焦点を当てることで、将来の遺伝子研究による改善効果が最大限となることだろう

英国:口蹄疫ワクチン開発報告

日本ではもっと騒がれていいのではないか?

googlen news日本語で検索してもこの報道されてないのはおかしい

口蹄疫ワクチン開発の報道
http://www.guardian.co.uk/science/2013/mar/28/scientists-foot-and-mouth-vaccine
http://www.reuters.com/article/2013/03/28/us-footandmouth-vaccine-idUSBRE92Q1BF20130328

Rational Engineering of Recombinant Picornavirus Capsids to Produce Safe, Protective Vaccine Antigen
PLoS Pathog 9(3): e1003255. doi:10.1371/journal.ppat.1003255

ピコルナウィルスは、小型RNAウィルスで、ポリオ、普通感冒、口蹄疫などと関連
recombinant virus-like粒子で、ウィルスゲノムなしで、増殖しない
2つの重大問題として、宿主細胞への毒性を示すpolyprotein precursorの適切な処理のため、proteaseが必要ということと、recombinant粒子は核酸を含むウィルスと比べ物理的に不安定であること。口蹄疫ウィルス(FMDV)では特に問題。新しい方法により、ワクチン製造への改善を行い、抗原性を直接与えるようになったとのこと。



日本からの開発報道がないので、寂しい限り、日本の農業関係・創薬関係技術力ってほんとに一流なのだろうか?


ネット・ウヨさえ騒がない・・・
口蹄疫、アジアから侵入と推定 詳細経路判明せず 2013/03/27 

COGS (Collaborative Oncological Gene-environment Study)

EUベースのconsortiumで、世界160研究グループ、20万名もの遺伝子検査(10万名の乳がん、卵巣がん、前立腺がん患者と、10万名の健康対照)による国際的なメガ共同研究

Collaborative Oncological Gene-environment Study, or COGS

74のDNA新規発見領域 された
 

Press:http://www.cogseu.org

Nature Geneticsでの解説
http://www.nature.com/ng/journal/v45/n4/full/ng.2587.html

COGSによる検出された多くのがんでのPleiotropy(多面作用)とこれまでの研究結果




COGS overview—研究デザイン・特性、発表結果
http://www.nature.com/ng/journal/v45/n4/fig_tab/ng.2587_T1.html
GWAS meta-analysis and validation (Phenotype-cancer subtype and subgroups)
乳がん:ER negative, BRCA1 mutation carriers, BRCA mutation carriers, East Asians
卵巣がん: Serous、 BRCA1 mutation carriers
前立腺がん
Fine-mapping studies of the 5p15 locus
テロメア長
乳がん: ER negative, ER positive, BRCA1 mutation carriers
卵巣がん:Serous、 Serous low malignant potential
前立腺がん
Fine-mapping analysis of the 11q13 locus
乳がん:ER positive






詳細は追記していくつもりだが、GWAは国家レベルというより多国でやらないとお話にならない時代

LDL Friedewald推定式で 70mg/dLの場合過小評価の可能性

【日本の世界標準と異なるLDL直接法臨床利用問題】もついでに強調したい
LDL直接測定法標準化問題が結局は問題だと思うのだが、Friedewald法に頼らざる得ない現状はかわらない。
LDL直接法は臨床の場から消滅すべき 2012/07/04
だが、日本では、LDLコレステロールの特定健診による誤用、それを訂正しようとしない東京大学の某先生をはじめとするクソ官僚側の暴走により、世界的な評価法と異なるLDL評価が臨床の場にはびこってしまっている。

本来、トリグリセライド400mg/dL以上という例外以外は、Friedewald推定式を用いるべきはず。

だが、このFriedewald法ではLDLーCの過小評価可能性があるという論文

かんちがいするアホがいるとこまるのだが、あくまでも、Friedewald式を用いたLDL-Cがその評価の中心で有り、例外事項が増えるという話

Friedewald Estimated versus Directly Measured Low-Density Lipoprotein Cholesterol and Treatment Implications
Seth S. Martin, et. al.
J Am Coll Cardiol. 2013;():. 

doi:10.1016/j.jacc.2013.01.079
【目的】  Friedewald推定値と、LDL-C直接測定値との比較

【背景】  ルーチンに治療ガイドのためには、LDL-Cは、Friedewald式で大まかに推定されているが、直接測定値とのcompatibilityに関して、比較的少ない検討しかされてない、特に、< 70 mg/dlで、高リスク患者における治療目標とされるレベルにおいて検討が十分と言えない。

【研究手段】  1,340,614 U.S. 米国成人、 vertical spin density gradient ultracentrifugation (Atherotech, Birmingham, AL) による脂質特性profilling化(2009 〜 2011)。 標準診療に従い、トリグリセライド(TG) 400 mg/dL以上(n = 30,174)なら、Friedewald LDL-C推定は行わず、総数として1,310,440名、Friedewald LDL-C < 70 mg/dLは191,333名

【結果】  59±15歳(平均±SD)、女性 52%、脂質のデータ分布はNHANESのそれにマッチ化 。
低LDL-C及び高TG値では、Friedewaldと直接法の差が大きい

Friedewald推定LDL-Cが 70 mg/dL 未満の時
TG 150−199 mg/dL なら、直接法LDL-C中央値のほうが、9.0 mg/dL(5〜95パーセンタイル、1.8−15.4 mg/dL)高い
TG 200-399 mg/dL なら、直接LDL-C中央値のほうが、18.4 mg/dL(5〜95パーセンタイル 6.6-36.0 mg/dL)高い 

Friedewald LDL-C 70 mg/dL未満の患者では、直接測定法 LDL-C 70 mg/dL以上が23%存在する(TG 150-199 mg/dLなら 39%、 TG 200-399 mg/dLなら 59%)

【結論】  Friedewald 推定式は、正確性きわめて必要な場合に、LDL-Cを過小評価する傾向にある。
Friedewald推定で、LDL-C 70 mg/dL未満に分類されるなら、例えばTGが 150 mg/dL以上の場合高リスク群患者で評価につき配慮が必要である

メタアナリシス:総じて食物線維抗摂取は卒中減少は確か、しかし 食物種情報や卒中病型情報不足

Dietary Fiber Intake and Risk of First Stroke
A Systematic Review and Meta-Analysis
Diane E. Threapleton, et. al.
STROKEAHA.111.000151Published online before print March 28, 2013,doi: 10.1161/​STROKEAHA.111.000151

背景と目的—食物線維摂取は前向きに卒中リスク減少と関連するが、出版されたメタアナリシスはない。

研究方法—食物線維摂取と初回出血性卒中あるいは虚血性卒中に関わる健康被験者研究多数の電子化データベース、1990年5月から2012年5月までを検索

結果—米国、北欧、豪州、日本の8つのコホートが登録クライテリア一致。総食事性線維は、出血性+虚血性卒中と逆相関するが、研究間にheterogeneityのエビデンスが一部存在(I2:7g/日あたり相対リスク, 0.93; 95% 信頼区間, 0.88-0.98 ; I2=59%)
可溶性線維摂取、4g/日あたりで、研究間のheterogeneityエビデンス有る状態で、の卒中リスク減少リスクとの相関認めず、相対リスク 0.94 (95% 信頼区間, 0.88-1.01; I2=21%)
不溶性線維、シリアル由来、果物、野菜由来線維と関連する卒中リスク研究は少ない。

結論—食事性線維分大量摂取は、初回卒中のリスク低下と相関。包括的には、食物線維総摂取量増加を推奨支持する内容であった。しかし、由来食物の種類に関わるデータが不足し、線維の種類と卒中の相関に関する結論を曖昧とした。今後、食物線維の種類に注目した研究、そして、虚血性・出血性卒中を区分けした検討が必要
 

noteへ実験的移行

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