2017年2月22日水曜日

リンパ脈管筋腫症(LAM): シロリムス+ヒドロキシクロロキン 第1相臨床治験

医師人生に一度遭遇するかどうかの疾患だが・・・専門医としては常に念頭に置くべき疾患でもあるLAM


難病情報センター | リンパ脈管筋腫症(LAM)(指定難病89)

オーファン/ドラッグとして承認されている:シロリムス
http://www.bmrctr.jp/lam/pdf/20140704_lam.pdf



autophagy inhibitorとしてのhydroxycholoroquine併用 phase 1臨床トライアル



Sirolimus and Autophagy Inhibition in LAM: Results of a Phase I Clinical Trial
Souheil El-Chemaly, et. al.
Chest. 2017. doi:10.1016/j.chest.2017.01.033


14名インフォームドコンセント
13名治療し、3つの治療コホートとしてヒドロキシクロロキン 200mgと400mgとエスカレートし、さらなる治療相として 400mg投与量まで
最頻副作用は粘膜炎、頭痛、下痢
薬剤重大副事象報告無し

セカンダリ・エンドポイントとして、24週後肺機能改善、48週後時点での肺機能減少改善

高用量治療相を個別検討し、FEV1、FVCは48週後jも安定、6分間歩行距離はベースラインに次第に復す状況

スタチンによるがん死亡率抑制効果

WHIコホート報告なども最近あり
Statin use and all-cancer survival: prospective results from the Women’s Health Initiative
British Journal of Cancer 115, 129-135 (28 June 2016) | doi:10.1038/bjc.2016.149
http://www.nature.com/bjc/journal/v115/n1/full/bjc2016149a.html

目新しくはないのだが・・・


スタチンによるがん死亡率抑制効果の日本人での報告

コレバイン(コレスチミド)などの陰イオン交換樹脂(レジン:resin)の優秀性が目立つのだが・・・背景因子補正十分かどうか?




Statin use and all-cause and cancer mortality: BioBank Japan cohort
Hiroshi Yokomichia, et. al.
BioBank Japan Cooperative Hospital Group
Journal of Epidemiology  11 February 2017 
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0917504016301095
http://dx.doi.org/10.1016/j.je.2016.12.011

スタチン単剤とライフスタイル修正治療患者では、生存率曲線に関しほぼ明確
スタチン使用は非有意だが、直腸結腸癌関連死亡率に関して防御的可能性あり

このコホートでの死亡率最小はレジン単剤


高齢男性:テストステロン維持療法にて骨密度・骨強度改善


テストステロン:原因不明・原因特定貧血治療効果 https://kaigyoi.blogspot.jp/2017/02/blog-post_22.html

上記でも懸念記載したが、ホルモン補充療法には十分なリスクマネージメント必要と思うのだが、国内外含め、あまり熟慮されてない論評が目立つ

以下はテストステロン低値確認された高齢者へのトライアルなので、肯定的に評価したいと思う

臨床的意義検討必要




Effect of Testosterone Treatment on Volumetric Bone Density and Strength in Older Men With Low Testosterone
A Controlled Clinical Trial
Peter J. Snyder,  et. al.
JAMA Intern Med. Published online February 21, 2017. doi:10.1001/jamainternmed.2016.9539



脊柱と股部の椎体骨密度(vBMD)をベースラインと12ヶ月目定量的CTにて評価

平均[SD] 72.3 [5.9]歳、白人比率 86%、BMI 31.2 [3.4]の主に肥満高齢者が目に浮かぶ

介入はテストステロン値維持 vs プラシーボ 

平均脊柱骨梁部vBMD  (7.5%; 95% CI, 4.8% to 10.3% vs 0.8%; 95% CI, −1.9% to 3.4%; treatment effect, 6.8%; 95% CI, 4.8%-8.7%; P < .001)
脊柱椎体骨梁強度 (10.8%; 95% CI, 7.4% to 14.3% vs 2.4%; 95% CI, −1.0% to 5.7%; treatment effect, 8.5%; 95% CI, 6.0%-10.9%; P < .001)
椎体末梢骨、椎体骨梁、末梢骨なども改善



テストステロン:原因不明・原因特定貧血治療効果

骨髄性疾患など既存疾患鑑別されているかどうか?
また、テストステロンによるホルモン依存的腫瘍や造血系疾患増悪だけでなく、結腸癌などへの悪影響懸念もありそのままこの結果を受け入れて良いかどうか熟慮必要と思う
http://munews.missouri.edu/news-releases/2014/1210-testosterone-may-contribute-to-colon-cancer-tumor-growth/

また、正常域を超したHb増加の可能性有り、その弊害は?など・・・懸念を保つ


Association of Testosterone Levels With Anemia in Older Men
A Controlled Clinical Trial
Cindy N. Roy, et. al.
JAMA Intern Med. Published online February 21, 2017. doi:10.1001/jamainternmed.2016.9540

二重盲検プラシーボ対照トライアル: 788名男性 最小化割り付け
65歳以上 平均テストステロン値 275 ng/dL未満 
ヘモグロビン 12.7 g/dL以下、126名、 うち 62名原因不明
12ヶ月:テストステロン値を若年正常値にまで維持投与量


原因不明貧血ではテストステロン治療で

  • 12ヶ月めヘモグロビン値 1.0 g/dL以上改善比率 54% vs プラシーボ 15%  (adjusted OR, 31.5; 95% CI, 3.7-277.8; P = 0.002) 
  • 12ヶ月目非貧血状況比率 58.3% vs 22.2%  (adjusted OR, 17.0; 95% CI, 2.8-104.0; P = .002)


テストステロン治療は、原因特定例でも12ヶ月目のヘモグロビン値増加 52% vs プラシーボ 19% (adjusted OR, 8.2; 95% CI, 2.1-31.9; P = 0.003)

テストステロン治療はベースライン非貧血 6名で17.5 g/dLを超過した





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