2013年1月10日木曜日

薪ストーブなどバイオマス対策教育にて、心血管系・呼吸器系冬季死亡率減少

薪ストーブ、ウッドストーブってのは、いろいろ環境に気をつかわなければならない。
そのままだと、健康には良くない。


http://www.medpagetoday.com/PublicHealthPolicy/EnvironmentalHealth/36766


室内煖房・調理のためのバイオマス・木片燃焼による粒子物質やPAHなどの害 2011年 02月 07日http://intmed.exblog.jp/12067633/
用量依存的に、PM(1.25-100μg/ml)でROS、やDNAダメージ(strand breaks and formamidopyrimidine DNA glycosylase sites assessed by the comet assay )がみられた。

たばこや電子たばこの有害成分である、polycyclic aromatic hydrocarbons (PAH)が多く含まれ、4種のPMとともに用量依存的に、8-oxo-7,8-dihydro-2′-deoxyguanosineを増加させる。

炎症誘起遺伝子、MCP-1、IL-8、TNF、酸化ストレス遺伝子heme oxygenase-1などののmRNA発現増加し、THP-1細胞のupregulateさせる。





オーストラリアの2つの町で介入比較



 Central Launcestonと、 central Hobartで、前者で、バイオマス煙減少への積極的介入を行い、死亡率への影響確認


空気中のバイオマス煙による大気汚染減少対策で、男性では、死亡率減少効果を認め、冬季心血管系・呼吸器系死亡率を減少させた。
心血管系で20%、呼吸器系で28%減少

Evaluation of interventions to reduce air pollution from biomass smoke on mortality in Launceston, Australia: retrospective analysis of daily mortality, 1994-2007
BMJ 2013; 346 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.e8446 (Published 8 January 2013)
Cite this as: BMJ 2013;346:e8446


バイオマス・スモークによる大気汚染減少による、日毎死亡率への影響


介入:地域住民教育キャンペーン(環境基準指導、残存wood stomveからwood heater代替)
主要アウトカム測定:2001年6月前後の日毎全原因死亡率・心血管疾患・呼吸器系死亡率の変化

冬季日毎PM10濃度平均は、Launcestonでは、44μg/m3から27μg/m3へ低下
空気環境改善期間は有意ではないが年間死亡率減少軽度みとめた



男性では、年次死亡率は全原因で有意、心血管疾患、呼吸器系死亡で有意(全原因 −11.4%, 95% 信頼区間 −19.2% to −2.9%; P=0.01)、心血管疾患 (−17.9%, −30.6% to −2.8%; P=0.02)、呼吸器系疾患(−22.8%, −40.6% to 0.3%; P=0.05) )

男女での検討で、心血管死亡減少、呼吸器系疾患死亡率の冬季減少は、有意差境界的であった (−19.6%, −36.3% to 1.5%; P=0.06、−27.9%, −49.5% to 3.1%; P=0.07)

Hobartの対照市での死亡率は有意で無かった

米国:若年(13-18歳)の自殺行動

6483名の、13から18歳の子供と、その親に対面聞き取り調査

米国では、自殺関連事象の場合は大多数精神疾患を有するし、自殺行為発生前に、多くが精神医療受診し、治療を受けている。しかしながら、お世辞にもその効果が有るとは言えない状況である。


思春期自殺をその念慮・企図、計画・遂行に関し分析した報告。

Prevalence, Correlates, and Treatment of Lifetime Suicidal Behavior Among AdolescentsResults From the National Comorbidity Survey Replication Adolescent Supplement
Matthew K. Nock, et. al.
JAMA Psychiatry. 2013;():1-11. doi:10.1001/2013.jamapsychiatry.55.





1-4歳を0としたときの自殺行為の発症年齢カーブ


自殺行為変容スピード

生涯において、自殺念慮、自殺計画、自殺企図はそれぞれ12.1%、4.0%、4.1%
これらの行動を有する少年の大多数はDSM-IV精神障害の少なくとも一つのクライテリアに合致する。
(後顧的年齢発症報告にもとづく)多くの一時的なプライマリな恐怖/怒り、悩み、破壊行為、薬物依存が、2因子モデルでのその後の自殺行動へのオッズ増加予測因子となる
これらの疾患に一致有意相関するのは、自殺念慮であるが、疾病数の多さが念慮者のなかで、計画・突発的な自殺行動の予測となる。
精神医療治療を受けたのは自殺成年の80%超
55%超の多くは、自殺行為以前から治療スタートされてるが、この行為を予防するのに失敗している。



日本では、20歳以上の自殺率の高さに比べ、20歳未満では自殺率低下が目立つという特徴が有るらしい。それでも、15-19歳の死因トップは自殺であり、死亡原因の31.7%に及ぶ。


3.年齢階級別の自殺者数の推移(PDF) - 内閣府
http://www8.cao.go.jp/jisatsutaisaku/whitepaper/w-2012/pdf/honbun/pdf/p7-13.pdf
http://www8.cao.go.jp/jisatsutaisaku/whitepaper/w-2012/html/gaiyou/s1_3.html


 




 マスメディアは、事件・事故同様、話題に上る自殺が生じると、すぐ犯人捜しをする。この状況というのはまともなのだろうか? 
自殺に関わる要素は単純ではないだろう。精神心理的特徴を広く知らしめ、予防的手段がうてるよう啓発、そして、効果的な介入の開発が必要と考えるのだが・・・
行き過ぎた犯人捜しや追求は、別の自殺を誘発する可能性すらある・・・と思う。

3剤併用降圧治療にNSAIDs加えると急性腎障害発症リスク増加、特に1ヶ月め

“治療抵抗性高血圧” が注目されている中、降圧剤3剤併用使用者はまれならずよく見られる

ACE阻害剤/ARB・降圧利尿剤を含む多剤治療において、NSAIDs併用すると、急性腎障害発症リスク増加するという注意すべき報告がなされた。


nested case-control analysisの症例対照後顧的検討

利尿剤、ACE阻害剤、ARBからなる2薬剤合剤・降圧剤に、NSAIDsを加えたとき、急性腎障害リスク増加の可能性示唆

Concurrent use of diuretics, angiotensin converting enzyme inhibitors, and angiotensin receptor blockers with non-steroidal anti-inflammatory drugs and risk of acute kidney injury: nested case-control study
BMJ 2013; 346 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.e8525 (Published 8 January 2013)

UK Clinical Practice Research Datalink

48万4872名の降圧薬使用者のコホート

現行の2・3剤併用降圧剤+NSAIDs使用と、急性腎障害との関連性をrate ratioで比較

平均フォローアップ5.9年(SD 3.4年)、急性腎障害 2215(1万人年あたり 7)

全体では、利尿剤もしくはACE阻害剤もしくはARBを含む2剤併用現行使用では急性腎障害発症リスク増加と関連しない

一方、3剤併用は急性腎障害発症率増加と関連 (rate ratio 1.31, 95% 信頼区間 1.12 ~ 1.53)
二次解析すると、最大リスクは使用30日めに見られる(rate ratio 1.82, 1.35-2.46)


NSAIDSは、最低限、最小期間で・・・
NSAIDs適正使用;アメリカ心臓病協会科学的ステートメント COX2阻害剤心血管系副作用など H25/01/07


“治療抵抗性高血圧”と、降圧剤治療のベネフィットばかりフィーチャーするのでなく、やはりリスクも配慮すべき!

小児・若年大うつ:グルタミン作動性過剰状態が特徴 

大うつの病態生理としてGABAの意味合いが大きくなってきた。皮質への経頭蓋磁気刺激及び抑制パラダイムが存在し、成人では検討され、治療応用までなされている。
e.g.)治療的利用のReview
Clinically Meaningful Efficacy and Acceptability of Low-Frequency Repetitive Transcranial Magnetic Stimulation (rTMS) for Treating Primary Major Depression: A Meta-Analysis of Randomized, Double-Blind and Sham-Controlled Trials
Neuropsychopharmacology (19 November 2012) | doi:10.1038/npp.2012.237



小児では無かったとのこと。皮質GABA系toneを小児・思春期対象で調べたもの


Evidence for Increased Glutamatergic Cortical Facilitation in Children and Adolescents With Major Depressive Disorder  
Paul E. Croarkin, et. al.
JAMA Psychiatry. Published online January 09, 2013. doi:10.1001/2013.jamapsychiatry.24

横断研究になるが、24名の大うつ、22名の対照

主要アウトカムは 運動閾値(Motor Threshold:刺激により50%以上の確率で50μVのMEP振幅を誘発できる最低の刺激強度を運動閾値)、皮質内促通(intracortical facilitation:single-pulse TMS により得られた振幅値と比較して、 8~20ms の刺激内間隔時間(ISI)のpaired-pulse TMS により得られた振幅値が促通される効果) cortical silent period(刺激後、MEPが生じた直後から一時的に随意収縮による筋活動電位が消失する現象でその時間)、 intracortical inhibition(短間隔皮質内抑制:50-200msの刺激間間隔(ISIs)で閾値以上の条件刺激と試験刺激により引き出される抑制)

健康対照に比べ、うつ患者では、両側10 mSec、15 mSec間隔刺激で、有意に皮質内促進する。
皮質内抑制に関しては差を認めなかった。

小児・思春期うつ患者では、皮質内促進亢進し、グルタミン作動性過剰状態が存在する。

骨粗鬆症カルシウムにて腎結石・腎疝痛リスク増加みとめず・・・という報告なのだが・・・

結論は、骨粗鬆症治療としてのカルシウム補給は他の薬剤併用の場合でも、腎結石・腎疝痛リスク増加有意でない・・・というもの


サマリーしか見てないのでなんなんだが、 観察期間が短すぎ、イベント数のみ表示で信頼区間表示してない、heterogeneity・出版バイアスに関する記述無し・・・

それなりの報告ということで・・・


Calcium supplementation and kidney stone risk in osteoporosis: a systematic literature review.
Candelas G, et. al.
Clin Exp Rheumatol. 2012 Nov-Dec;30(6):954-61. 


8千名を超える例数となる、8つのRCT、2つの中等以上のqualityのコホート
カルシウム量120mgから1500mgまでの投与量で、期間は3日間から3年間

尿中沈渣に変化を認めた
しかし、一般的には臨床的変化認めず

研究群の半数超で、腎結石例はない
腎結石3例、尿管結石2例、腎結石・尿路結石 16例、血尿 4例、腎部疼痛5例

noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note