2020年11月20日金曜日

SARS-CoV-2:上気道ウィルス量ピークは発症1週間目、発症後9日め超過感染例報告ない

システマティックレビューおよびメタ解析である。その結果、これらのウイルスの動態と脱落期間に関する包括的な理解が得られた。平均SARS-CoV-2 RNAの脱落期間は、上気道で17.0日(最大脱落期間83日)、下気道で14.6日(最大59日)、便で17.2日(最大35日)、血清サンプルで16.6日(最大60日)であった。プールされた平均 SARS-CoV-2 放出期間は年齢と正の相関があった。持続的に高いウイルス負荷にもかかわらず、発病後 9 日目以降の生ウイルスを検出した研究はなかった。上気道における SARS-CoV-2 ウイルス負荷は発病後 1 週間でピークを迎えたが、SARS-CoV と MERS-CoV はそれより後にピークを迎えた。いくつかの研究では、SARS-CoV-2に感染した無症候性患者と症候性患者で感染開始時のウイルス負荷が類似していることが報告されているが、ほとんどの研究ではMERS-CoVと同様に無症候性患者の方がウイルスクリアランスが速いことが示されており、感染期間は短いが、感染開始時の感染性は類似している可能性があることが示唆されている。


SARS-CoV-2, SARS-CoV, and MERS-CoV viral load dynamics, duration of viral shedding, and infectiousness: a systematic review and meta-analysis

Muge Cevik,  et al.

Open AccessPublished:November 19, 2020

DOI:https://doi.org/10.1016/S2666-5247(20)30172-5

https://www.thelancet.com/journals/lanmic/article/PIIS2666-5247(20)30172-5/fulltext

SARS-CoV-2に関する研究79件(5340人)、SARS-CoVに関する研究8件(1858人)、MERS-CoVに関する研究11件(799人)が含まれていた。


SARS-CoV-2 RNAの平均の消失までの期間は、上気道で17.0日(95%信頼区間15.5~18.6;43研究、3229人)、下気道で14.6日(9.3~20.0;7研究、260人)、便で17.2日(14.4~20.1;13研究、586人)、血清サンプルで16.6日(3.6~29.7;2研究、108人)であった。

 消失までの期間で最大は、上気道で 83 日、下気道で 59 日、便で 126 日、血清で 60 日であった。

プールされた平均SARS-CoV-2のshedding期間は年齢と正の相関を示した(傾き0.304[95%CI 0.115-0.493];p=0.0016)。

cycle threshold value から推定される高ウイルス負荷が持続的に認められたにもかかわらず、発病後9日目以降に生ウイルスが検出された研究はなかった。 

上気道における SARS-CoV-2 ウイルス負荷は発病後 1 週間目にピークを迎えるようであったが、SARS-CoV のウイルス負荷は 10~14 日目に、MERS-CoV のウイルス負荷は 7~10 日目にピークを迎えた。

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上記報告がスタンダードな考えになるのだろう


9日目を超えた感染者への対応変革があるのかもしれない


noteへ実験的移行

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