2014年2月28日金曜日

FDA:栄養表示基準変更提案

ビタミンA、Cの表示が消えた!

FDA proposes updates to Nutrition Facts label on food packages
http://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm387418.htm

【提案フォーマット】




【現行フォーマット】



【比較】




・食品中の添加糖情報必要(2010年米国食事ガイドラインにおいて、添加糖があまりに多く、減量すべきとされた) 
・サービングサイズのアップデートが必要、これは1994年法律により規定。しかもこれはこの量で食べるべきというものでなく、カロリー・栄養情報を伝えるものである 
・状況が1回もしくは多数でも消費されるであろうより大きなパッケージあたり表示で、現行ではサービングあたり及びパッケージあたりのカロリーと、栄養表示の2重カラム表示 
・カリウム・ビタミンD表示必要で、不足により慢性疾患リスクを高めるだろう要素の表示が求められた 
・総脂肪・飽和脂肪酸・トランス型脂肪酸の表示継続が要求され、脂肪からのカロリーをなるべく減少することも求められている 
・特定のエレメント、例えばカロリー、サービングサイズ、Percent Daily Value強調するようルフレッシュし、肥満・心臓病予防に主眼をおいた






ベジタリアンは血圧低下と関連 → ビーガン・スタートガイドの宣伝へ

ロイター
http://www.reuters.com/article/2014/02/24/us-vegetarian-diets-idUSBREA1N1S920140224

菜食主義は、低脂肪、特に飽和脂肪酸少なく、高含量食物繊維
一般にも、plant-based diet(野菜中心の食事)がやはり重要と、筆者等。薬物と違い、コストがかからない。体重減少から血圧低下をもたらしたと。他、ナトリウム低含量、カリウム高含量と関連するとのコメントもロイターには付記されている。



ベジタリアンと言っても厳格なのから温和なものまであるから・・・


21-Day Kickstart programという無料プログラム
http://pcrm.org/kickstartHome/
;メニュー・レシピ・調理ビデオ紹介と疑問掲示板からなる
日本語:http://pcrm.org/kickstartHome/japan/index.cfm


Vegetarian Diets and Blood PressureA Meta-analysis
Yoko Yokoyama, et.al
JAMA Intern Med. Published online February 24, 2014. doi:10.1001/jamainternmed.2013.14547

258研究のうち、臨床トライアル7つ、観察研究32

7つの対照化トライアル(311名、平均年齢 44.5歳)で、雑食性対照比較にて、平均収縮期血圧低下、拡張期血圧低下と関連  (−4.8 mm Hg; 95% CI, −6.6 to −3.1; P < 0 .001; I2 = 0; P = .45 for heterogeneity、 −2.2 mm Hg; 95% CI, −3.5 to −1.0; P < 0.001; I2 = 0; P = .43 for heterogeneity)

32の観察研究(21,604名、平均年齢46.6歳)でも、同様  (−6.9 mm Hg; 95% CI, −9.1 to −4.7; P< 0.001; I2 = 91.4; P <0 .001 for heterogeneity、 −4.7 mm Hg; 95% CI, −6.3 to −3.1; P < 0.001; I2 = 92.6; P < 0 .001 for heterogeneity)



サプリメント誘導してるから・・・なんだか共感できなかった。


ベジタリアンは一般に死亡率は少なく、男性でその良好性が目立つ、また、ペスコ・ベジタリアンで特に死亡率低下明らか  2013/06/04

ベジタリアンは心疾患リスク3割少ない 2013/02/05

高いIQほどベジタリアンになる 2007/01/19

【中国大迷惑】PM2.5は基準以下でも自然死超過死亡リスク増加をもたらす

中国に対し、謝罪と損害賠償請求するレベルだと思うのだけど・・・
PM2.5: 日本の環境基準(平成21年9月設定)1年平均値 15μg/m3以下 かつ 1日平均値 35μg/m3以下



ヨーロッパ22各国データ(357,251名)コホート・一般住民サンプル


Effects of long-term exposure to air pollution on natural-cause mortality: an analysis of 22 European cohorts within the multicentre ESCAPE project
The Lancet, Volume 383, Issue 9919, Pages 785 - 795, 1 March 2014

総数512万人年・370万名程度(平均フォローアップ期間、13.9年間)、29万名程度の自然死

この状況で、PM2.5の自然死への影響、5μg/m3 あたり 1.07 (95% CI, 1.02 〜 1.23)のハザード比

各個別コホートeffect推定間のheterogeneityは認めず(I2 p value=0·95)

PM2.5あたりのHRsは、ヨーロッパ年間平均値 25 μg/m3 の汚染濃度暴露、または 20 未満でも有意差 (HR 1.06, 95% CI 1.00—1.12、1.07, 1.01—1.13)

強皮症:ターゲット治療 phase I

MEDI-546は、type I INF受容体アゴニスト・ヒト・モノクローナル抗体

pI研究なので、安全性主眼でしょうがないのだが、今回有効性示唆できてない。


Dose-escalation of human anti-interferon-alpha receptor monoclonal antibody MEDI-546 in subjects with systemic sclerosis: a phase 1, multicenter, open label study
Avram Goldberg, et. al.
Arthritis Research & Therapy 2014, 16:R57 doi:10.1186/ar4492

【前向き研究】末梢炎症マーカーCRP高値 →その後のPTSDなりやすさと関連

COPD患者の全身性炎症とうつの関連について少し考えたところだった。

e.g.
Systemic inflammation is linked with depression in COPD patients, say researchers
http://www.news-medical.net/news/20130522/Systemic-inflammation-is-linked-with-depression-in-COPD-patients-say-researchers.aspx
共役要素多すぎて、明確な解答は現時点ではなさそうだが・・・


前向き検討にて、死のリスク高い兵役でのPTSDの炎症マーカーの影響研究


Assessment of Plasma C-Reactive Protein as a Biomarker of Posttraumatic Stress Disorder Risk
Satish A. Eraly, et. al.
JAMA Psychiatry. Published online February 26, 2014. doi:10.1001/jamapsychiatry.2013.4374
序文  Posttraumatic stress disorder (PTSD) は、横断研究上末梢性炎症と相関する。この観察研究的相関は、PTSDが炎症へ繋がる結果なのか(考察時に話題に上る)、炎症がPTSDへ繋がる結果なのか不明。

目的  炎症性マーカーとしてのCRPの血中濃度がその後のPTSD症状予測に繋がるか決定。

デザイン・セッティング・被験者  Marine Resiliency Study、 前向き研究、2600 前線海軍雇用者、PTSD症状、種々身体・心理測定(徴用前、徴用後約3ヶ月〜6ヶ月、7ヶ月後)。4つの前線派遣男性歩兵大隊から登録。登録者陽性2987名;2610名(87.6%)同意、2555(85.8%)研究時点解析。先頭関連外傷の徴用後データは2208名(2555中86.4%)、徴用後3,6ヶ月時点でのPTSD症状は、それぞれ、 1861 (72.8%)と1617 (63.3%) 。

主要アウトカム・測定  徴用後3ヶ月のPTSD症状重症度評価:Clinician-Administered PTSD Scale (CAPS)

結果 ベースラインの血中CRP濃度の徴用後CAPSスコアへの影響を zero-inflated negative binomial regression (ZINBR)(この研究でのCAPSのような分布のためにデザインされた方法で、ほとんどの値がゼロで、時に数字が入ってるような部分布で、正に歪んだ分布に適した方法)を用いて検討
ベースラインCAPSスコア、外傷暴露、他の明確寄与要素補正後、ベースライン血中CRP濃度は、その後の全体的徴用後CAPSスコア予測要素として有意 (P = .002): CRP濃度10倍毎、非ゼロアウトカムオッズ比相関 (全PTSD症状の有無  1.51 (95% CI, 1.15 〜1.97; P = .003) 、nonzero valueの倍のアウトカム増加  (extent of symptoms when present) of 1.06 (95% CI, 0.99-1.14; P = .09)

結論・知見 末梢性炎症マーカー、血中CRPは、PTSD症状出現と前向き検討で関連し、それは、炎症がPTSD生じやすくする要素となることを示唆。


MRSAなど細菌感染予防:おまえの聴診器きれいにしてから、偉そうなことを言え!

私が言ってるんじゃないですよ

Medpage解説記事
http://www.medpagetoday.com/HospitalBasedMedicine/InfectionControl/44513

Source reference: Longtin Y, et al "Contamination of Stethoscopes and Physicians' Hands After a Physical Examination" Mayo Clin Proc 2014; 89: 291-299.


医者の手の大部分より、聴診器にMRSAが付着しているという話


指先が最も汚く、好気的細菌数 中央値 467/ 25 cm 2


しかし、聴診器膜側部分は他の指の部分より多く、 89/ 25 cm 2
対して、親指 37/ 25 cm 2、 小指 34/ 25 cm 2、手背側 8/ 25 cm 2 (p = 0.004  P < 0.001)  


だが、医師たちは月に1回も聴診器を洗ってない。

高齢者たちへの薬物超過状投与の現状を憂う;スタチン・降圧剤 ・・・ ;本邦では糖尿病がもっとひどいと思うが

 欧米のガイドラインでは比較的年齢の区切りにシビアで、80歳以上の高齢者と若年層では処方推奨の内容が異なることは多い。卒中リスクがそれほど高くなく、逆に副作用が問題になる場合に薬剤過剰処方している場合が多い。研究では80歳以上では高血圧は必ずしもキーとなるリスク要素では無く、コレステロール高値 も卒中に対してたいした影響がない。 高齢・脆弱高齢者の卒中予防に対してスタチン・降圧剤は不適切。疫学的にみても、これらの年齢では高血圧は卒中のリスク要素とならに。そして、もともと高コレステロール血症は卒中への影響は少ない。大規模トライアルで、降圧剤・スタチンの心血管系エンドポイントへの効果というのは臨床的効果意義の境界にしかない。


 脆弱な高齢者に対しその潜在的ベネフィットに見合わないスタチン・降圧剤は過剰投与される現状を見直すべきである。


"Overenthusiastic stroke risk factor modification in the over-80s: are we being disingenuous to ourselves and to our oldest patients?"
Byatt K
Evid Based Med 2014; DOI: 10.1136/eb-2013-101646.



糖尿病なんかも、もっとひどいと思う。超高齢者に対しても、あのアホ学会は若年者と同様の線引きをしてるし・・・


厚労省の馬鹿役人たちは、人口高齢化に伴う医療費高騰を憂う。分析がまともで無いため、効果的な対策ができてない。

教えてあげよう。それには、受診制限より先に、まず、高齢者への無駄な処方制限をする方がコスト削減に効果的。そして医師たちに非薬剤的介入をまず第一に考慮する機運や動機付けを与えるべきなのだが・・・。製薬会社主導の厚生行政・薬剤行政からは抜け出せないのだろう・・・、まず、役人様たちが。

ご承知の通り、製薬会社は各医科系大学と癒着しているわけだが、厚労省はそれを利用してきた。

例えば、各学会ガイドライン作成、この折の便宜供与がなされてる。厚労省にとっては都合が良い。なぜなら、ガイドライン作成のコストを肩代わりしてもらってル訳だから・・・。結果、外国のガイドラインの翻訳にしかすぎないガイドライン、そして特定団体利益誘導的ガイドラインが、COIの言葉むなしく並ぶ・・・。

2014年2月27日木曜日

呼吸療法士の業務の独立性の議論

COPD患者教育を独立支払いとするかという議論
http://www.medpagetoday.com/Pulmonology/SmokingCOPD/44156



「Respiratory Therapistは、もしアメリカ呼吸器ケア学会が導入する、 Medicare Respiratory Therapist Access Act of 2013が実現するなら、呼吸器医師不足と患者診察までの時間を充足するものとなろう。適切な教育、適切な確認、独立したケアがエビデンスに基づく医療に十周した、医師・患者の」との主張

Point::Should Medicare Allow Respiratory Therapists to Independently Practice and Bill for Educational Activities Related to COPD? Yes
Fuhrman TM, Aranson R
Chest 2014; 145: 210-213.





 "Counterpoint: Should Medicare allow respiratory therapists to independently practice and bill for educational activities related to COPD? No"
Courtright K, Manaker S
Chest 2014; 145: 213-215.

非侵襲的母体採血検査:cfDNA遺伝子による胎児遺伝子異常スクリーニング

maternal plasma cell-free DNA (cfDNA testing)  はなんと訳すのだろう、母体血中無細胞DNA (cfDNA)とでもしておこう

 関連昨年報道記事:http://www.japancorp.net/Japan/article.asp?Art_ID=59552


NEJMの今回の報告は、ダウン症などの出生前検査に関して革命的な変化をもたらすかもしれない。
www.cbsnews.com/news/new-dna-test-could-revolutionize-pre-natal-screening/


DNA Sequencing versus Standard Prenatal Aneuploidy Screening
Diana W. Bianchi, et. al. for the CARE Study Group
N Engl J Med 2014; 370:799-808February 27, 2014DOI: 10.1056/NEJMoa1311037

平均年齢29.6歳、1914名の女性、異数体なしの単胎、cfDNA検査結果、標準スクリーニングに基づくリスク分類を行う。

トリソミー21に対しては、偽陽性率 0.3% vs 従来法 3.6%とかなり少ない (p < 0.001)
トリソミー18に対しては、0.2% vs 従来法 0.6% (p = 0.03)


cfDNA検査にて異数体全原因(トリソミー21 5例、 トリソミー18 2例、トリソミー13 1)にて、NPV (陰性的中率:陰性とされて実際に罹患してない割合)100%。 標準スクリーニングに対するcfDNA検査PPV(陽性的中率:陽性とされて実際陽性である割合)は、 トリソミー21に対し 45.5% vs 4.2%、トリソミー18に対し 40.0% vs 8.3%



非侵襲的な検査で有り、日本でも随分騒がれている検査法だが、より詳細な検討が報告された。




 

欧州学会共同低ナトリウム診断・治療ガイドライン

Clinical practice guideline on diagnosis and treatment of hyponatraemia
EJE: Clinical and translaiona endocrinology from around the globe
doi: 10.1530/EJE-13-1020 Eur J Endocrinol March 1, 2014 170 



European Society of Intensive Care Medicine (ESICM)、European Society of Endocrinology (ESE) 、European Renal Association、European Dialysis and Transplant Association (ERA–EDTA)、European Renal Best Practice (ERBP)など集中治療・内分泌分野・腎臓関連学会の、診断アプローチ、治療のClinical Practice Guideline

無料フルテキスト→http://eje-online.org/content/170/3/G1.full



低張性低ナトリウム血症 vs 非低張性低ナトリウム血症除外

補正血中Na+:(測定値)Na + 2.4 
× ((血糖 mg/dL-100 mg/dL)/100 mg/dL)





血中浸透圧増加/低ナトリウム血症を生じる【effecitve osmole】
等張性・高張性
e.g.) ブドウ糖、マニトール、グリシン、ヒスチジン・トリプトファン・ケトグルタール酸、高張性造影剤


血中浸透圧増加するも、低ナトリウム血症を生じない【ineffective osmole】
等調整・高張性
e.g.) 尿素、アルコール、エチレングリコール

偽性低ナトリウム血症(検査上の問題で異常)を生じる内在性
e.g.) 中性脂肪、コレステロール、蛋白、免疫グロブリン注射、モノクローナルγグロブリン血症

 鑑別のため何をすべきか・・・まずは尿スポット試料の浸透圧解釈で、尿中Na濃度との合わせ解釈必要。

We recommend interpreting urine osmolality of a spot urine sample as a first step (1D).


 If urine osmolality is %100 mOsm/kg, we rec- ommend accepting relative excess water intake as a cause of the hypotonic hyponatraemia (1D).


If urine osmolality is O100 mOsm/kg, we rec- ommend interpreting the urine sodium concen- tration on a spot urine sample taken simultaneously with a blood sample (1D).


If urine sodium concentration is %30 mmol/l, we suggest accepting low effective arterial volume as a cause of the hypotonic hyponatraemia (2D).


If urine sodium concentration is O30 mmol/l, we suggest assessing extracellular fluid status and use of diuretics to further differentiate likely causes of hyponatraemia (2D).


We suggest against measuring vasopressin for confirming the diagnosis of SIADH (2D).




診断の流れ

2014年2月26日水曜日

COPD救急部門受診時リスク予測スケール Ottwa COPD リスクスケール

Clinical characteristics associated with adverse events in patients with exacerbation of chronic obstructive pulmonary disease: a prospective cohort study
CMAJ February 18, 2014 First published February 18, 2014,
doi: 10.1503/cmaj.130968


6ヶ所のカナダの学術救急部門(ED)受診34名重度副事象イベントあり、945名を登録

多変量モデルにて、56の変数;挿管経験、初回心拍 110/分以上、重症のため歩行困難、Hb 10g/dL未満、尿素 12 mmol/L(25.7 mg/dL)以上

これらと他5つの臨床変数を組み込んだ予備リスクスケールで、以下のリスク予測が示された。



配偶者との死別と急性心血管イベント

家族・配偶者の死別だけじゃなく、配偶者離別は、心理的だけじゃ無く、身体的悪影響を与える。

配偶者の入院により死亡率増加2006年 02月 16日
肉親死後悲嘆の“段階説(stage theory)”2007年 02月 21日
愛する人との別れ:”複雑性悲嘆”治療 2013/07/24

事故・病死を経験した家族・配偶者にはその急性期特段の配慮が必要だろう。できればシステマティックにと思うのだが、その致死性イベント頻度が明らかでなければ、どの程度の介入深度・頻度で効果的となるかも不明。心筋梗塞・卒中などの心血管疾患絶対的イベント頻度は0.2%以下となる。

論文の結論は、配偶者死別から数週間から数ヶ月は重大心血管イベントリスク増加 するというものだが、絶対的頻度としてはかなり少ないといえる。

英国プライマリケア・データベースのマッチ化コホート (401のGP、2005年2月から2012年9月)、60-89歳の30,447名の配偶者喪失後開始(年齢、性別、GPマッチ化対照群 83,588比較)

Increased Risk of Acute Cardiovascular Events After Partner BereavementA Matched Cohort Study
Iain M. Carey, et. al.
JAMA Intern Med. Published online February 24, 2014. doi:10.1001/jamainternmed.2013.14558 

プライマリアウトカムは、遺族配偶者の配偶者喪失30日内致死性・非致死性心筋梗塞(MIR)、卒中
セカンダリアウトカムは、遺族配偶者・非致死性ACS/肺塞栓
全アウトカムは事前設定配偶者喪失後30,90、365日


配偶者死後30日内で、遺族配偶者群 MI/卒中 50 (0.16%) vs 対照 67(0.08%)
 (IRR:Incidence rate ratios (IRRs) , 2.20 [95% CI, 1.52-3.15]).

遺族配偶者男女とも、30日後リスクは減少。


個別アウトカムに対し、それぞれ増加リスクは、MI (IRR, 2.14 [95% CI, 1.20-3.81])、卒中  (2.40 [1.22-4.71])


稀事象相関も死別後存在し、90日目非MI・ACS  (IRR, 2.20 [95% CI, 1.12-4.29]) 、肺塞栓 (2.37 [1.18-4.75])



IRR(Incident rate ratio)
 Closed studyでは、incidence rateと、cumulative incidenceを測定できますが、前者は各々観察期間が分かっていなくてはなりませんし、後者は追跡不能者が少なく、competing riskがなく、観察期間中のexposure riskが同じで有り、対処が皆同じ期間観察sれなくてはなりません。 cumuulative incidenceを使うと発生頻度が多い場合、食中毒や急性感染症流行期などに向きます。・・・・

Closed cohort studyにおいて経過観察が長期化すれば途中死亡や経過追跡不能が増え、観察が困難になってきます。そのような場合person-timeに基くrateを考慮しなくてはなりません。

Incidence rate difference = X1 / T1 – X0 / T0
Incidence rate ratio = ( X1 / T1) / ( X0 / T0)
ここで、Tは、person-timeであらわされます。
http://dr-urashima.jp/pdf/eki-8.pdf


生ワクチンMMR接種は、不活化ワクチンに比べ、全原因感染症入院減少に寄与する

低所得国での生麻疹ワクチンによる他疾患原因死亡率減少効果が示されているが、高所得国ではワクチンの非特異的死亡率減少効果は示されてなかった。


デンマークに於けるMMR生ワクチンによる感染症入院率への効果、主要アウトカムとしては、全感染症入院のDTaP-IPV-Hibと比較した、MMR接種者のIRR(Incidence rate ratio)
on time MMR接種あたりのリスク、リスク差、ワクチン必要数


不活化ワクチン DTaP-IPV-Hibに比べ、生ワクチン MMR接種は、入院率減少に寄与する。


Live Vaccine Against Measles, Mumps, and Rubella and the Risk of Hospital Admissions for Nontargeted Infections
Signe Sørup, et. al.
JAMA. 2014;311(8):826-835. doi:10.1001/jama.2014.470.


509,427人年あたりの全感染症入院56,889件、 49,9587名の小児 (発生率, 100人年あたり 11.2 )


推奨スケジュール遵守、DTaP-IPV-Hib3回め投与後MMR接種456,043名の子供に対し、MMR 100人年あたり 8.9 、DTaP-IPV-Hib3回投与 12.4で、全感染症あたり補正IRR 0.86 (95% Ci, 0.84 - 0.88)


シークエンス外ワクチン19,219名存在。補正IRRは、 0.87 (95% CI, 0.80 - 0.95)
DTAP-IPV-HIB2回投与(100人年 15.1)後、MMR接種(100人年 9.9)


MMR後に3回目のDTaP-IPV-Hib3回ワクチン接種後 (100人年 12.8 )の1981名では、IRRは感染入院多い (感染入院 IRR  adjusted IRR, 1.62 [95% CI, 1.28 - 2.05])


16ヶ月から24ヶ月の感染症入院リスクは、MMR後 4.6% (95% CI, 4.5%-4.7%) 、MMR非接種後 5.1% (95% CI, 5.0%-5.2%)



リスク差は、0.5%(95% CI, 0.4 - 0.6)、1入院防止のためのMMRワクチン必要数 201 (95% CI, 159-272)



日本がワクチン後進国になったのは、かつての3大新聞社・主要全国ネットテレビ局までも反ワクチン運動に荷担し、情緒的報道を行い、世論をミスリードしたことが主因と私は思う。ワクチンの功罪の「功」の部分を矮小化し、国民の健康を阻害している日本のマスコミ。Hibワクチンや小児肺炎球菌ワクチンの効果がそろそろまとまってきているようで、某政党あたりが自分たちのおかげと主張しているのも腹立たしい。HPVワクチンを子宮頸がんワクチンと称し、偽の装飾を行い、コンジローマなどのアウトカムを無視する非科学性に荷担してるくせに・・・



2014年2月25日火曜日

システマティック・レビュー&メタアナリシス:非小細胞肺がん術前化学療法 ・・・ 相対リスク、絶対リスク減少効果

切除可能NSCLC、主に、病期 IB-IIIAにおいて、術前化学療法にて、包括的生存率、遠隔再発までの期間、再発無し生存率の改善を認めた。


Preoperative chemotherapy for non-small cell lung cancer: a systematic review and meta-analysis of individual participant data
The Lancet, Early Online Publication, 25 February 2014
NSCLC Meta-analysis Collaborative Group

15のRCT、2385名の患者で、手術前化学療法の生存率への有意ベネフィット
ハザード比 [HR] , 0.87, 95% CI, 0.78 - 0.96 p = p.007
死亡率相対リスク13%減少(トライアル毎ばらつきエビデンス無し)
絶対的生存改善インパクトとしては、5年で5%、40%から45%への改善である。

化学療法レジメン、スケジューリング、薬剤数、プラチナ製剤による、そして術後化学療法施行有無に関する生存率差の明確なエビデンス無し。

年齢、性、PS、組織型、臨床病期による特異的病型の術前化学療法へのベネフィット多寡に関する明確なエビデンス認めず。

再発無し生存率、遠隔再発までの期間も術前化学療法の方が良好であった(HR 0.85, 95% CI, 0.76 - 0.94 , p = 0.002,  0.69 , 0.58 -  0.82, p < 0.001)、但し、ほとんどはIB-IIIAまでの病期。

限局性再発までの期間は統計学的有意ではない (0.88、 0.73-1.07)


インフルエンザA(H1N1) パンデミック(pdm)09ウィルス感染重篤患者

 インフルエンザA(H1N1) pdm09ウィルスは、2009年来世界に循環し続け、時に、入院・重篤合併症・死亡などを生じているされるが、米国内では、今シーズンまでに目立ったものがない。65歳未満成人の検査確認インフルエンザ関連入院・死亡はH1N1が寄与。H1N1 PDM09は発見以来抗原変異認めず。若年・中年男性への比較的影響はワクチン摂取率の低い世代ということと、H1N1 PDM09ウィルス交叉抗原免疫の影響によるものと思われる。 

 インフルエンザシーズンの重症患者のリスクとして、H1N1 PDM09患者のケア・管理への示唆提供

Critically Ill Patients With Influenza A(H1N1)pdm09 Virus Infection in 2014
Lena M. Napolitano, et. al.
JAMA. Published online February 24, 2014. doi:10.1001/jama.2014.2116

 H1N1pdm09ウィルス感染の大多数は重篤な病態を生じないが、時に急激悪化例が存在する。典型的には4-5日程度で、発熱、咳嗽、鼻漏、筋痛突然発症。4-5日後急激悪化有り、低酸素血症、ショック、多臓器障害が生じる。血行動態・酸素モニタリングが必要で、相関・蘇生施設が必要となる。非侵襲的人工呼吸から60%が気管内挿管へ進む。


 挿管必要重篤H1N1pdm09患者は急速進行性ウィルス性肺炎、重症ARDS(PaO2/FiO2 < 100)発症リスク高い。ステロイドはインフルエンザ特異的治療・ARDS治療のため回避すべき。理論的にはステロイドは炎症誘導性損傷を軽減するが、グラム陰性細菌・真菌肺炎促進とウィルス繁殖遷延化の理論的可能性のため忌避。一方、Empiricalな広域抗生剤を開始すべき。ARDSケアの起訴は、低一回換気量・PEEP増加による肺opening維持。ポジショニング(腹臥位を含めた)、ECMO、神経筋遮断、吸入NO、肺保存的介入など、脂肪アウトカムへまだ一致した結論のないアプローチがある。


 敗血症・輸液補正不能難治性低血圧はH1N1pdm09の30%程度に出現。高用量昇圧剤と急性腎障害との関連性示唆。インフルエンザ脳症・脳炎・心筋炎・心膜炎など稀なる合併症。禁煙・横紋筋融解症・肺塞栓・深部静脈血栓リスク。


抗ウィルス薬は果たして有効か・・・重症患者への抗ウィルス治療有効性RCTのエビデンス充分とは言えない。RT-PCRによる下気道検体検査による治療期間・コントロール期間判定に有効かも。オセルタミビル耐性出現によるものより、治療中の臨床的改善不良・悪化は、主に、急性肺障害やインフルエンザ関連ARDS合併症によるものと考えられる。


 今後、急激悪化例をいかに早期同定するか、適切な抗ウィルス薬治療戦略・エンドポイントの設定、免疫調整剤・アジュバント治療の役割が課題。



朝からの状況、インフルエンザB → インフルエンザA 3連続 → インフルエンザB 2連続 ・・・ 見事に混在してるわ

2014年2月24日月曜日

24時間継続人工呼吸:PPIは、対H2RAに比べ、消化管出血・肺炎、C. difficle感染リスク増加

24時間以上機械式人工呼吸必要成人患者の薬物疫学的コホート研究

PPIは、上記病状において、消化管出血、肺炎、C. difficile感染増加をもたらす。


Histamine-2 Receptor Antagonists vs Proton Pump Inhibitors on Gastrointestinal Tract Hemorrhage and Infectious Complications in the Intensive Care Unit
Robert MacLaren, PharmD, et. al.
JAMA Intern Med. Published online February 17, 2014.

プライマリアウトカムは、侵襲的人工呼吸開始48時間以降のICD-9コード化・胃腸出血、肺炎、CDI(Clostridium difficile感染)

35312名のうち、H2RA 13,439(38.1%) 、 PPI
 21,873(61.9%) 
H2RAの方が頻度少ないのは、胃腸出血(2.1% vs 5.9% ; P < 0.001)、 肺炎(27% vs 38.6% ; p <  0.001)、 CDI 2.2% vs 3.8% ; p <  0.001)

propensity score・共役要素補正後、PPIsでのオッズ増加は、  GI hemorrhage (2.24; 95% CI, 1.81-2.76)、 肺炎 (1.2; 95% CI, 1.03-1.41)、 CDI (1.29; 95% CI, 1.04-1.64)

同様な結果がpropensity-matched モデル 8799名のコホートでも見られる。

2014年2月23日日曜日

COPD患者には、入院イベント増加させないため、軽強度運動維持を!

COPD患者にとって、日々の運動が入院防止にとって重要


運動量が少ないあるいは、運動量が時間と共に減少するCOPD患者では、COPDによると思われる入院イベント増加明らかで、低運動強度、1日3-6km歩行を維持し続けることが、COPD関連入院を減少させる。


Influence of changes in physical activity on frequency of hospitalization in chronic obstructive pulmonary disease
Cristóbal Esteban, et. al.
Respiratology
First published: 2 February 2014  DOI: 10.1111/resp.12239

COPD治療通院患者 543名の身体活動量自己報告、週間3日異常の補強距離と、2年フォローアップ後予後検討 
生存者 391名検討、平均1秒率予測値:FEV1% pred. 52% (± 14%)
身体活動量減少持続では、入院発生 オッズ比 1.90 ( 95% CI, 1.09 - 3.32 )
補正後でもオッズ比 2.13と関連性有り


医療コスト増大させないためにも、FEV1を少しでも増加させ、それが、運動量増加につながるよう指導すべきで、動機付け及び動機付け維持が必要なのだろう。公的コストはこういったことにより使われるべきだろう。

重症市中肺炎原因菌:肺炎球菌の次はレジオネラ

18ヶ月継続多施設前向き臨床研究、サンチアゴ市の4つの病院ICU入院の重症成人患者

104名の重症CAPのうち、肺炎球菌26%、次は、L. pneumophila 9%
Na低値は予後悪い





Importance of Legionella pneumophila in the Etiology of Severe Community-Acquired Pneumonia in Santiago, ChileMgr
Francisco Arancibia,et, al.
Chest. 2014;145(2):290-296. doi:10.1378/chest.13-0162


細菌学的検査は,喀痰・気管気管支吸引試料グラム染色・培養、血液培養2回、L. pneumophilla血清群1と、黄色ブドウ球菌抗原を免疫化学検査(BinaxNOW)施行
鼻腔分泌物を用いて、インフルエンザA、B、parainfluenza 1-3、adenovirus,
RSウィルス検査、間接免疫蛍光検査(Chemicon/EMD Millipore Corp.)検査。
血清IgM:Mycoplasma pneumoniae/C. pneumoniae(RIDASCREEN; R-Biopharm AG)、胸水・BAL検査、結核菌・Hantavirus IgM・IgG抗体にて臨床判断。ELISAで、hantavirus検査
Laguna Negra virus、Andes virus IgM、 Si Nombre virus、Andes virus IgG検査。


2014年2月22日土曜日

COPD患者のADL測定 → 臨床アウトカム評価へ利用されるべき

COPD患者について、ADL指標がいくつかあるが、BADLsもしくはIADLs、両者の選択、検査の種類(疾患特異的 vs  一般化、自己報告 vs パフォーマンス実践ベース)、情報の深さの程度を評価したシステマティック・レビュー


COPD患者の生活に応じたADLの程度の評価は、マネージメント上の臨床的アウトカム評価にももっと多く取り入れられるべきだろうとご託宣。


Measurement of Activities of Daily Living in Patients With COPD: A Systematic Review
Tania Janaudis-Ferreira, et. al.
Chest. 2014;145(2):253-271. doi:10.1378/chest.13-0016




GOLD report でも、ADL評価記載ほとんど無し
http://www.goldcopd.org/uploads/users/files/GOLD_Report2014_Feb07.pdf

抽出ビタミンはガン促進性に働く:セレニウムあるいはビタミンEサプリメント服用男性は、前立腺ガンリスク倍に!

毎度おなじみ、ビタミン有害作用示唆報告。



シアトルにある Fred Hutchinson Cancer Research Center のCancer Prevention Program研究


昨年の報告:血中セレニウム濃度高濃度では、進行期前立腺ガンを倍に!
Advanced Prostate Cancer Risk in Relation to Toenail Selenium Levels
Oxford JournalsMedicine JNCI J Natl Cancer Inst Volume 105, Issue 18Pp. 1394-1401

さらに、 SELECT(Selenium and Vitamin E Cancer Prevention)研究で、
マルチビタミンとして、ビタミンEも、前立腺ガンリスク倍という報告。
これは、セレニウム低濃度でもリスク増加が示された。
12年間計画のトライアルだったが、リスク推定のため、早期中断トライアル。

その後顧的追加検討という次第だと思う。

症例 2840名、前立腺ガン無しの対照3117名の症例対照研究で、エビデンスレベルは低い。


http://www.philly.com/philly/health/topics/HealthDay685137_20140221_Vitamin_E__Selenium_Supplements_Might_Double_Chances_of_Prostate_Cancer.html#YaDDFKekfdKXYs8f.99


2014年2月21日金曜日

高齢者:正常値内高値 ・低値とも、その後のうつ発症リスク増加と関連

高齢者のうつに、甲状腺機能はかかわるのか?

わずかな甲状腺機能異常でも、うつリスク増加と関連するという、甲状腺検査値とその後のうつ発症の横断研究(1503名、70歳平均)



http://www.science20.com/news_articles/thyroid_gland_linked_risk_depression_older_people-130195



Marco Medici (オランダ、Erasmus Medical Center)らが、JCEM掲載と掻かれてるのだが、まだ、発見できない。

"正常範囲上限の甲状腺活性を有する高齢者は、正常範囲内の下位活動性高齢者に比べ、8年間のうつ発症リスク高く、わずかな甲状腺機能変化が有る場合でも、メンタル面に対して、overtな甲状腺機能異常(- 低下症、- 亢進症とも)と同様な変化をもたらす。
ベースにメンタル上異常の無い対象者で、8年間経過中、うつ症状発症観察し、TSH低値、高値 の末端ともに、うつ発症リスク増加させる。


心房細動ガイドラインに見え隠れする、臨床ガイドライン推奨のいびつさ ・・・ 作成委員の利益相反は担保されてない

これでは、ドロネダロン、アミオダロン推奨するガイドライン信頼性検討だが、ガイドライン作成者と製薬会社の癒着は普遍的問題だろう。現在日本では、臨床研究での製薬会社の関連性が問題だが、多くのガイドラインでは、宿泊・移動費・会食まで世話する製薬会社の存在が見え隠れする。もちろん、協議資料も製薬会社全面依存では・・・まともな臨床ガイドラインができるはずも無い。厚労省などは知っていても、費用出したくないため、見ぬ振り・・・巨悪がはびこる、日本のレベルの低い臨床ガイドライン。


利益相反のお題目なんて、各種広告ステッカーと同じお題目だけ


AMAは、このような報告を機関紙といえる雑誌に記載させるだけまとも。日本医学会雑誌は・・・ゴミ箱に直行させたくなる。


Dronedarone for Atrial FibrillationThe Limited Reliability of Clinical Practice Guidelines
Primiano Iannone,  et. al.
JAMA Intern Med. Published online February 17, 2014. doi:10.1001/jamainternmed.2013.14485 


臨床ガイドライン信頼性に対する関心が高まっている。

dronedarone hydrochlorideについての医学専門機関からの3つのガイドラインを検討

 
同じエビデンスベースに基づくはずの、 Grading of Recommendations Assessment
とDevelopment and Evaluation (GRADE) Methodを適応し到達した結論に関する比較検証。

心拍コントロールについて、ドロネダロンがプラシーボより良好なのは、候補アウトカム(心拍)に対してのみ。
調律コントロール薬剤では、ドロネダロンはプラシーボに比較して超過死亡1千名あたり13  (95% CI, -15 〜 61) と関連。

アミオダロンと比較して、ドロネダロンの有効性低く、心房細動再発率高い   (1千名治療患者あたり、214 [95% CI, 130 〜 294]  ) 。耐用性は同様  (薬剤中止となった重度副作用イベント1千名あたり −28 [95% CI, −69 to 33] )


 エビデンス限定的なのに、3つの全てのガイドラインはドロネダロンを心房細動再発予防地超として推奨。2つのガイドラインでは、心拍コントロール薬剤として推奨までしている。


この検討では、臨床ガイドラインの信頼性への疑念、多くのガイドライン作成委員メンバーのドロネダロン製造製薬会社との関連性も認められた。



日本でも、ガイドライン作成メンバーと製薬会社のつながり検討すべきだろう。  講演料収入などウェブ公開されるから、作成メンバーの推奨内容とを結びつけた検討もできるだろう。

2014年2月20日木曜日

ARTEMIS-IPF :HRCT上の特発性肺線維症診断;possible UIP所見でも不要な肺生検回避可能

ランダム化2重盲験多施設第三相試験

Diagnosis of idiopathic pulmonary fibrosis with high-resolution CT in patients with little or no radiological evidence of honeycombing: secondary analysis of a randomised, controlled trial
Ganesh Raghu et.al.
The Lancet Respiratory Medicine, Early Online Publication, 18 February 2014

ARTEMIS-IPFの1087名の連続篩い分け患者のうち315名、29%で、HRCT及び手術的サンプルあり
HRCTのUIPクライテリア一致 108/111で、組織学的にもUIPと確認(PPV 97.3%, 95% CI, 92.3 - 99.4%)


HRCT上”possible UIP”クライテリア 79/84で、組織学的UIP  (94·0%, 86·7—98·0)


HRCT上“inconsistent UIP”クライテリア 22 / 120では、組織学的に、UIP否定か、もしくは、possible UIPとされた(NPV 18.3% , 85% CI, 11.9 - 26.4)

DELIRIA-Jグループ RCT:ロゼレム せん妄予防効果 ・・・ 劇的効果

順天堂大学の名前が出てくる研究


多施設判定側盲目ランダム化プラシーボ対照トライアル・・・パーフェクトな盲目化試験じゃないことが、ちょっと問題か?

劇的効果が示されている。高齢者入院者にほぼルーチンに使いたくなるほどの効果・・・ホントなら


Preventive Effects of Ramelteon on Delirium
A Randomized Placebo-Controlled Trial
ONLINE FIRST
Kotaro Hatta, et. al.; for the DELIRIA-J Group
JAMA Psychiatry. Published online February 19, 2014. doi:10.1001/jamapsychiatry.2013.3320 



4つの大学病院と1つの一般病院のICUと通常救急病棟患者、65-89歳、重症医学的状況での新規入院・経口投与可能患者 77名

ラメルテオン 8mg/日 33名、 プラシーボ 34名

主要アウトカムは、せん妄(DSM -IV基準)


ラメルテオン投与は、せん妄のリスク低下:3% vs 32% p=0.003
相対リスク 0.09(95% 0.01 - 0.69)

リスク因子補正後も、オッズ比 0.07(95% CI, 0.0008 - 0.54)


せん妄発症までのKaplan-Meier 推定にて差:  6.94 (95% CI, 6.82-7.06) 日 vs プラシーボ 5.74 (5.05-6.42)日



ADA2変異:血管内皮・免疫系と関連 ・・・ 多発血管炎・再帰性卒中



Early-Onset Stroke and Vasculopathy Associated with Mutations in ADA2
(DOI: 10.1056/NEJMoa1307361)
February 19, 2014DOI: 10.1056/NEJMoa1307361
CECR1の機能損失変異と、血管・免疫系発現型との関連性は、早期再発性卒中から血管症・血管炎に広く関連する


Mutant Adenosine Deaminase 2 in a Polyarteritis Nodosa Vasculopathy
(DOI: 10.1056/NEJMoa1307362)
February 19, 2014 | P. Navon Elkan and Others
細胞外ADAは成長因子として働くが、これが多発性血管炎と関連する

米国からと、イスラエルからの2つの報告

adenosine deaminase 2 (ADA2)の関連変異が、血管炎、卒中、免疫不全、結節性関節炎の症例に見られ、血管内皮集積性・マクロファージ文化と関連する


2014年2月19日水曜日

【紆余曲折の末:疑念の承認】神経原性起立性低血圧:症状ベネフィットが示された唯一の薬剤ドロキシドパ米国FDA承認ということに・・・

ドロキシドパ(ドプスカプセル)は日本では、パーキンソン病(Yahr III)・シャイドレーガー症候群・FAP、透析などの立ちくらみなどNOH的症状に対し健保適用がある。


Chelsea Therapeutics社のNorthera (Droxidopa:ドロキシドパ)
有症状神経原性起立性低血圧(NOH: Neurogenic orthstatic hypotension)へFDA承認

http://www.businesswire.com/news/home/20140218006891/en#.UwP-kl5yTcM


NOH患者の症状ベネフィットをFDAが承認した初めて、かつ、唯一の薬剤となるのだが・・・


承認の経緯を見ると・・・ちょっと納得しがたい気がする
http://www.medpagetoday.com/Cardiology/Prevention/43819

FDA承認が遅れたのは、1週間を超す治療有効性確認が必要という宿題が出されてたため。
ドロキシドパは、ノルエピネフリン(ノルアドレナリン)のプロドラッグ

306B トライアルでは、プライマリエンドポイント検出に失敗している。ウクライナのデータに不明瞭なところがあり、有意差がしめせなかった経緯。

174名の短期的トライアルでは、プラシーボ比較で、患者のdizziness、lightheadedness、瞬間的意識喪失を改善したが、 1週間でのみ示され、その後のポイントではその効果不明となった。



治験結果が曖昧だった時点で早期承認してしまっている日本の厚労省。その薬剤承認のええ加減さが分かる薬剤でもある。
 

小児肥満傾向:肥満関連遺伝子は満腹充足感不足と関連するのだろう

 肥満では、関連遺伝性及びその特異的遺伝子も見いだされている。肥満関連遺伝子の体重への影響メカニズムを見いだせれば、介入の新しいターゲットとなる。一つの候補メカニズムは、満腹充足反応であり、この特性が多くの肥満要素と関連する可能性がある。
 satiety responsivenes(満腹充足反応)が、行動表現型を仲介し、小児肥満の遺伝子出現と関連するか仮説検証。

 PRS(頻度の多い肥満関連SNPs28種によるスコア)は満腹充足度と逆相関、さらに、実際のBMI、ウェスト径と正相関する。


Satiety Mechanisms in Genetic Risk of Obesity
Clare H. et. al.
JAMA Pediatr. Published online February 17, 2014. doi:10.1001/jamapediatrics.2013.


デザイン・セッティング・被験者  横断的観察研究、住民ベースコホート双生児出生(1994年1月1日から1996年12月31日)(Twins Early Development Study)
 2258無関連小児(女児 53.3%、平均年齢[SD], 9.9 [0.8]歳、双子の片方をランダム選択



暴露  肥満の遺伝的傾向、polygenic risk score (PRS)作成(28のコモンな肥満関連SNPs同定、肥満関連GWA研究メタ解析による) 


主要アウトカムと測定項目  満腹充足反応を標準化心理測定スケール (Child Eating Behavior Questionnaire)で指数化 。1990 UK参照データ、BMI標準偏差スコア、ウェスト標準偏差スコアを計算し、各児童の親報告体測定値データを集計。
満腹充足反応情報、身体測定評価、遺伝子型を2258名の子供で入手。PRS、肥満程度、満腹充足反応の関連性を評価 


結果  PRSは満腹充足度と負相関  (β coefficient, −0.060; 95% CI, −0.019 to −0.101) 、肥満と正相関 (BMIのSDスコアに於けるβ coefficient, 0.177; 95% CI, 0.136-0.218 、 同様ウェスト径SDスコアに於けるβ coefficient, 0.167; 95% CI, 0.126-0.208 )

PRSの上位25%の子供は、下位25%子供に比較して、過体重( 18.5% vs 7.2%; オッズ比, 2.90; 95% CI, 1.98-4.25)

PRSと肥満の相関性は、満腹充足反応により有意に影響を受ける  (P = .006 for body mass index SD scores and P = .005 for waist SD scores)


結論・知見 これらの結果は、満腹充足反応の影響が、食べ物が豊富になる環境の中で、体重増加遺伝的傾向を示すメカニズムの一つとの仮説を支持することとなる。満腹感充足が充分なされるような戦略が可能なら、遺伝的にリスク状態有る場合でもそれを改善することが可能となるだろう。

ラジオ波焼灼が第一選択か?:RAAFT-2: 発作性心房細動第一選択比較 ラジオ波焼灼 vs 抗不整脈薬

 抗不整脈薬剤治療歴のない発作性心房細動症例において、ラジオ波焼灼術(RFA)では、2年時点での心房性頻拍不整脈再発率を減少する。しかし、再発は、RFA群も、対照群も多い。

 QOLの改善の群差は認めないとなると・・・ 治療選択に関しては、このことを留意する必要がある。職業上の必要性とか、年齢とか・・・


Ablation May Be First-Line Option for Atrial Fibrillation
http://www.doctorslounge.com/index.php/news/pb/44612
Radiofrequency ablation is more effective than medications in treating previously untreated paroxysmal atrial fibrillation, suggesting that ablation may be considered as a first-line treatment
という解説も登場


Radiofrequency Ablation vs Antiarrhythmic Drugs as First-Line Treatment of Paroxysmal Atrial Fibrillation (RAAFT-2)A Randomized Trial
Carlos A. Morillo, et. al.
JAMA. 2014;311(7):692-700. doi:10.1001/jama.2014.467. 

発作性心房細動 127名の治療naive患者
・抗不整脈薬
・ラジオ波


プライマリ有効性アウトカム(予定・非予定心電図、Holter、電話回線経由、rhythm strip による 30秒を超える心房性頻拍:有症状・無症状心房細動、心房粗動、心房性頻拍)
プライマリ・アウトカム:抗不整脈群:44名(72.1%) vs 焼灼群 36(54.5%) (hazard ratio [HR], 0.56 [95% CI, 0.35-0.90]; P = .02)

セカンダリアウトカムは、心房性頻拍不整脈有症状再発とQOL(EQ-5D tool)
セカンダリアウトカムの不整脈部分では、59% vs 47%   (HR, 0.56 [95% CI, 0.33-0.95]; P = .03)

死亡・卒中報告されず
RFA群で4例の心タンポナーデ


標準治療群で、1年後焼灼術受けたのは26名(43%)


両群、ベースラインでのQOL障害中等度あるも、1年後フォローアップで改善。 ただ、群間有意差は認めない。

レクサプロ(シタロプラム)のアルツハイマー病:中核症状認知機能低下するも、BPSDとしてのagitation、世話者負担は改善

アルツハイマー病のagitation(激高)、せん妄はよく見られる合併症で、その後の予後悪化と関連する。

このトライアルの主目的は、シタロプラムのアルツハイマー病agitationへの有効性評価と安全性、認知機能への悪影響、耐用性の検討


結論として、患者本人の認知症中核症状である認知機能への悪影響あり、本人のADLs改善を シタロプラム:レクサプロ はもたらさない。しかし、BPSDとしてのagitationは改善し、世話者の心的負担を改善する


認知症治療原則が果たして現行のだけでよいのか、ケア・ギバーへの負担などは考慮せずに良いのか。考えさせられる薬剤投与である。


Effect of Citalopram on Agitation in Alzheimer Disease
The CitAD Randomized Clinical Trial
JAMA. 2014;311(7):682-691. doi:10.1001/jama.2014.93.



ランダム化プラシーボ化二重盲験平行群トライアル
アルツハイマー病診断例・臨床的意味あるagitationを示した 事例
シタロプラム(n=94) vs プラシーボ(n=92)の比較


プライマリアウトカムは、18点NBRS-A(Neurobehavioral Rating Scale agitation subscale)とmADCS-CGIS(modified Alzheimer Disease Cooperative Study-Clinical Global Impression of Change )
他のアウトカムは、CMAI( Cohen-Mansfield Agitation Inventoryと、NPI( Neuropsychiatric Inventory、 ADLs( ability to complete activities of daily living  )、 世話人dsitress、 認知機能安全性 (based on scores from the 30-point Mini Mental State Examination [MMSE])と副事象

結果:シタロプラム処方患者は、両プライマリアウトカム(18点 NBRS-A、 M-ADCS-CGIS)比較でプラシーボに比較して有意改善


NBRS-Aは9週間 時点での差 (citalopram minus placebo) was −0.93 (95% CI, −1.80 to −0.06), P = .04.


mADCS-CGISのベースラインからの改善程度は、プラシーボ26%改善に比べ、シタロプラム群で中等・劇的改善を示す ( 一定程度の CGISカテゴリーより良好な改善を示す場合のオッズ比  [OR] ) 2.13 (95% CI, 1.23-3.69), P = .01


シタロプラム投与患者は有意にMAI、総NPI、世話者のdistressスコアを改善するが、NPI agitation subscale、ADLs、 ロラゼパム(ワイパックス)・レスキュー使用低下には関与しない(日本では発売されてないワイパックス注射のようである)。


下プラム投与群では、認知悪化 (−1.05 点; 95% CI, −1.97 to −0.13; P = .03) 、QT間隔延長 (18.1 ms; 95% CI, 6.1-30.1; P = .01)が示される 


2014年2月18日火曜日

10代の男の子・・・唾液検査で、大うつリスクを予測

今度は、唾液検査で10代男性大うつ同定に役立つというもの


Test could predict which teen boys get depression
http://bigstory.ap.org/article/test-could-predict-which-teen-boys-get-depression

1800名超の12-19歳、唾液コルチゾール値測定

 生涯において6名に1名が大うつとなり、24歳未満で生じることが多い。
コルチゾール高値 と軽度うつをもつ場合、男性では、正常値群と比較し、14倍も大うつになりやすく、女性では4倍。



Proceedings of the National Academies of Science誌にて掲載



MDDScore うつ病血液検査

MDDScore
http://mddscore.com/

末梢血9つのバイオマーカーの組み合わせ(α1アンチトリプシン、アポリポ蛋白CIII、brain-derived neurotrophic factor、cortisol、 epidermal growth factor、myeloperoxidase、 prolactin、 resistin 、 sTNFα受容体 type II)


Assessment of a multi-assay, serum-based biological diagnostic test for major depressive disorder: a Pilot and Replication Study
Molecular Psychiatry (2013) 18, 332–339


MDDScore 50 以上、陽性と判断


Pilot Studyで、 36名の MDD vs 43名の非うつ比較
感度 91.7%、特異度 81.3%

34名のMDD患者・Replication Studyでは、感度91.1%、特異度81%

フットボールヘルメットの効果は限定的

フットボールヘルメットは平均して、外傷性脳損傷を20%しか減少せず、10のヘルメットブランド検証では、Adams a2000が最良のパフォーマンス、最悪は、Schutt Air Advantage。
ヘルメットは、線形の衝撃を防ぎ、損傷(70%から80%)や頭蓋骨折(60%から70%)を防ぐ。
"rotational acceleration" forceへの効果は限定的。


Press Release
FOR IMMEDIATE RELEASE
How Well Do Football Helmets Protect Players from Concussions?
https://www.aan.com/PressRoom/Home/PressRelease/1241

USPSTF:一般住民無症状対象の無症候性頸部頸動脈狭窄・閉塞の検査は行うべきでない

USPSTF [米国予防医療専門委員会]の推奨原案


U.S. Preventive Services Task Force Opportunities for Public Comment
Screening for Carotid Artery Stenosis: U.S. Preventive Services Task Force Recommendation Statement
DRAFT
Summary of Recommendation and Evidence
http://www.uspreventiveservicestaskforce.org/draftrec3.htm


一般住民無症状対象、無症候性頸部頸動脈狭窄・閉塞の検査は、すべきでない、という原案


無症状頸動脈狭窄検診への有害性が中等度の信頼性として示されたとの報告。2007年task forceと一致した内容である。いくつかの要素がこの推奨に寄与しており、一般住民の頸動脈狭窄頻度は少なく、1%以下である。狭窄が存在しても卒中のトリガーになることは少なく、問題症例同定の有益なツールとはなり得ない。ツールは、デュプレックス超音波検査法(リアルタイム超音波画像とパルスドップラー合成)であるが、正確性はかなり高いが、偽陽性があり、フォローアップ検査として不適切。頸動脈狭窄リスクより高い患者のピックアップに信頼性がなく、また、狭窄確認したとしても、切除術やステントなどのベネフィット限定されている。 1年間に1%以下の頸動脈狭窄では、薬物治療と同程度という、無症状頸動脈狭窄トライアルの結果。
USPSTFは、CREST-2トライアルにて手術・ステントと、現行薬物治療のベネフィットに着眼、インターベンション+強化薬物治療 vs 強化薬物治療との比較を試み。task forceによると、どちらが有益かのエビデンスはないとのこと。
http://www.medpagetoday.com/Cardiology/Strokes/44344 




無症候性頸部頸動脈狭窄・閉塞
中等度ないし軽度の無症候性頸動脈狭窄に対しては、動脈硬化リスクファクター の管理と必要に応じての抗血小板療法を含む内科的加療が勧められる(グレードC1)。頸動脈内膜剥離術および経皮的血管形成術/ステント留置術などの血行再建術を行うことについて十分な科学的根拠はない(グレードC1)
http://www.jsts.gr.jp/guideline/227_229.pdf 


「超音波による大動脈・末梢動脈病変の標準的評価法(案)」
https://www.jsum.or.jp/committee/diagnostic/pdf/39-2_1.pdf

Health and Retirement研究:「孤独感」は「貧困」と同様、早期死亡リスク増加

50歳を超える2100名超の対象者を6年間追跡調査
the Health and Retirement Study





 「孤独感」を感じてるヒトは、してないヒトに比べ、早期死亡リスク14%高い。
19%ほど増加と関連する「貧困」と同様のインパクト。
 Cacicoppoらは、restful(のんびり感)欠如、睡眠障害 、血圧増加、ストレスホルモンとしてのコーチゾル増加、うつ、包括的生活充足感の不足などが関連としている。
 1人の方が幸せという人もいるが、多くは、他人のサポートや他人とのラポートの存在する社会状況に多くは好む。

http://www.usatoday.com/story/news/nation/2014/02/17/loneliness-seniors-early-death/5534323/



press release
http://medicalxpress.com/news/2014-02-loneliness-major-health-older-adults.html



友達のいない自分などは、早死にするに違いない・・・でも、1人遊びの方がが好き自分でもそうなのだろうか・・・

2014年2月17日月曜日

研究室でヒト肺作成成功

UTMB(University of Texas Medical Branch)のチームは、交通外傷死した2名の子供の臓器移植困難なほどのダメージのあった肺からスタートし、コラーゲンやエラスチン構造を除きstrip awayし、他方の肺からの細胞で、構造を形成に成功


Human lung made in lab for first time
By Elizabeth Cohen, Senior Medical Correspondent
February 14, 2014 -- Updated 2137 GMT (0537 HKT)
http://edition.cnn.com/2014/02/14/health/texas-lungs-grown/



2014年2月16日日曜日

学会提灯:柑橘系食品摂取にて卒中減少 ・・・ 学術集会(学会)ってどうしてこうも大衆的話題に迎合するのか

洋の東西問わず、内容はたいしたことなく、エビデンスレベルとしてもかなり下位なのに、学術集会の宣伝用に、大衆受けする話題をプレスリリースして、関心を引き寄せようとする・・・下衆の極み


これなんて、


Annual meeting of the American Academy of Neurology

Can Citrus Ward Off Your Risk of Stroke?
https://www.aan.com/PressRoom/Home/PressRelease/1240

症例は頭蓋内出血及び脳内血管破裂経験65名、対照は65歳健康の症例対照トライアル
血中ビタミンC濃度、正常値は41%、45%ビタミンC欠乏、14%ビタミン不足

平均的に出血性イベントではビタミン不足が多かった。


ジェネリック材料バルク・・・・インド産医薬品は安全か?

India-made medicines not that safe: Report http://www.nation.com.pk/business/16-Feb-2014/india-made-medicines-not-that-safe-report
India is coming under increased scrutiny by American regulators for safety lapses, falsified drug test results and selling fake medicines, according to U.S. media report.



2014年2月15日土曜日

COPD見逃し:下気道症状有っても7割はスパイロメトリーしない情けない現状

早期にCOPD診断する機会をいかにのがしてるか、臨床的描写。下気道症状の時、専門家ですらスパイロメトリーをせず、機会喪失を生じさせている。下気道症状症例発見機能改善がなされるべき。


Opportunities to diagnose chronic obstructive pulmonary disease in routine care in the UK: a retrospective study of a clinical cohort
The Lancet Respiratory Medicine, Early Online Publication, 13 February 2014


【背景】医療利用と合併症のパターンは、COPD診断前の期間に現れている。今回症例発見戦略目的要素調査知見研究。


【方法】後顧的解析:UK臨床コホート(1990年1月1日から2009年12月31日):Research Database and Optimum Patient Care Research Database
40歳以上の電子コード化COPD診断(プライマリケア記録) で、3年以上継続COPD(診断前2年間から最大20年、診断後1年)で、かつ、診断後2回以上COPDのための治療症例。 ルーチン集積患者データからCOPD診断見逃しを同定し、診断前合併症同定。医療機関受診パターンとして、呼吸器コンサルテーション(感染症、非感染症)、抗生剤・経口ステロイド、胸部レントゲンの経過の下気道コンサルテーション。COPD診断に直結しない場合を「機会損失」と判断


【結果】38,859名評価。

「診断機会喪失」に関し、
COPD診断前直前5年間で、85% (32,900/38,859名)
同6-10年で、58% (12,856/22,286名)
同11-15年で、42% (3943/9351)
同16-20年で、8% (95/1167)


1990-2009年の間に、診断時年齢は0.05歳ずつ1年毎減少(95% CI, 0.03 - 0.07)、下気道薬剤コンサルテーション回数1年毎増加(rate比、 0.982回/年、 95% CI, 0.979 - 0.985)


COPD診断時の合併症頻度は喘息・気管支拡張以外で増加
喘息: 281/842 (33.4%) 〜 451 / 1465 (30.8%)
気管支拡張: 53 / 842 (6.3%) 〜 53 / 1465 (3.6%)


診断前2年では、胸部レントゲン写真を受けた6897名のうち、スパイロメトリー施行はたったの6897名の33%


呼吸器専門医と自称してても、スパイロメトリーせず喘息・COPD診断してる医者が周辺に多い・・・。医療保険査定側に居る医者の中に、COPD・喘息診断・管理のためのスパイロメトリー認めないアホが居る状況。抗議しても無視され、なんだか、むなしくなる。

そういう現状は、この日本の田舎だけかと思いきや、 グローバルな状況なのかもしれない。世界的に呼吸器科医はアホなのかもしれない。

急性卒中:マグネシウム治療効果認めず

Early Magnesium Tx No Help for Acute Stroke
Published: Feb 14, 2014
http://www.medpagetoday.com/MeetingCoverage/ISCCardioEdition/44323


急性卒中早期に、硫酸マグネシウム投与しても、3ヶ月後 修正Rankinスケールによる全般機能障害に差を認めず




2014年2月14日金曜日

腎動脈デナーベーション: Symplicity HTN-1 長期成績良好 vs HTN-3エンドポイント未到達結果

この相反する報告をいかに解釈すべきか?


日本不整脈学会 腎動脈デナベーション治療に関する米報告への見解を発表
http://www.qlifepro.com/news/20140124/presented-to-a-us-report-on-japan-society-of-cardiac-arrhythmias-and-renal-arterial-treat-views.html
Medtronic社は、治療抵抗性高血圧に対する腎動脈デナベーション治療の有効性および安全性の確認を目的とし、米国における臨床試験、Symplicity HTN-3試験を実施していた。・・・・ 事前に設定された十分な降圧効果が得られたことも確認できない・・・一次エンドポイント到達せず。

こちらは、Symplicity HTN-1の長期効果の報告


Percutaneous renal denervation in patients with treatment-resistant hypertension: final 3-year report of the Symplicity HTN-1 study
Henry Krum, et. al.
The Lancet, Volume 383, Issue 9917, Pages 622 - 629, 15 February 2014


オープンラベル、登録 153名、36ヶ月フォローアップ111名
3剤以上で血圧コントロール困難(160 mmHg未満困難)症例

36ヶ月88名完遂。ベースライン平均年齢57(SD 11)歳、女性 37(42%)、2型糖尿病 25(28%)、eGFR 85(SD 19) ml/min/1.73m2、平均血圧 175/98(SD 16/14) mmHg

36ヶ月時点で収縮期血圧 -32.0、 95% CI, - 35.7 〜 - 28.2 、拡張期血圧 - 14.4 、 - 16.9 〜 -11.9 mmHg

 収縮期血圧減少 -10 mmHg以上低下が1ヶ月後69%、 6ヶ月後 81%、 12ヶ月後 85%、 24ヶ月後 83%、 36ヶ月後 93%に見られた。


ステント必要な新規腎動脈狭窄1例、RDNと無関連死亡3例





腎デナーベーション:renal radiofrequency ablation
システマティックレビュー:抵抗性高血圧治療:腎交感神経不活化治療:2013/05/01

5つの感染症既往と、認知機能・記憶能力に関連性有り

横断研究で、原因結果関連性に関する踏み込みがない、喫煙要素などの寄与要素考察されている。だから、解釈には注意が必要だ。


NOMASコホート1625名の被験者の血清学検査(C. pneumoniae、H. pylori、 CMV、HSV1・2)によるIB(Infectious Burden)指数と、認知機能評価 (MMSE、TICS-m、(modified Telephone Interview for Cognitive Status ))の関連性

Infectious burden and cognitive function: the Northern Manhattan Study.
Neurology. 2013 Mar 26;80(13):1209-15. 

粗データ比較、高IB指数は、認知機能悪化と相関(IB SD毎変化にて、 MMSE -0.77であり、TICS-m初回測定からの変化は -1.89), P< 0.0001

これらの影響は、リスク要素補正後減衰、MMSE変化 -0.17 , p = 0.06 、TICS-m 0.68 , p  < 0.0001

 IBは、MMSE 24以下にて関連(24未満比較、 補正オッズ比 1.26/ IB SD あたり)

IBは、期間毎認知機能減衰と相関せず、 同様結果は、IBをウィルス血清学検査のみに限定しても同様。

上記観察期間短すぎたということで、追加報告

"Infectious burden and cognitive performance: the Northern Manhattan Study"
Wright CB, et al

ISC 2014; Abstract 107.


平均年齢71歳、588名、卒中既往無し、住民ベースコホート、5年間フォローアップ287名

5年経過時、ベースライン・パフォーマンス・住民統計的・血管リスク卯要素補正後、記憶低下と相関(p < 0.07)





2014年2月13日木曜日

禁煙は、メンタル面にも好影響を与える

禁煙の効果は、身体面だけで無く、メンタル面にも良い影響を及ぼす


4800名の連日喫煙者の解析で、40%気分・不安障害、あるいはその既往を持ち、問題飲酒 50%、ドラッグ問題 24%を抱える。


二次調査で、気分障害の比率は、禁煙へ移行者 29%、喫煙継続 42%
問題飲酒は 18%、28%
ドラッグ問題は、5%、16%



Smoking cessation may improve mental health
February 11, 2014
https://news.wustl.edu/news/Pages/26493.aspx


journal Psychological Medicine : http://journals.cambridge.org/action/displayJournal?jid=psm

2014年2月12日水曜日

マンモグラフィー役立たず

http://live.wsj.com/video/mammograms-may-be-useless-study-finds/FCB134AB-3E65-482E-A4AD-A2552DB3096F.html



検診発見乳がんの2割以上に過剰診断、マンモグラフィー424名に1人が過剰診断


マンモグラフィー検診施行・未施行比較での、40-59 歳女性の25年フォローアップで、がん頻度と死亡率比較

結論から言えば、40-59歳の年次マンモグラフィーは、アジュバント治療を自由にしたとき、乳がん死亡率を、身体所見あるいは通常ケアと比較して、減少しなかった。
22%(106/484)が過剰診断で、トライアルに於けるマンモグラフィーあたり424名に1人が乳がん過剰診断に相当。


Twenty five year follow-up for breast cancer incidence and mortality of the Canadian National Breast Screening Study: randomised screening trial
BMJ 2014; 348 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.g366 (Published 11 February 2014)
Cite this as: BMJ 2014;348:g366


5年間の検診期間(25年間フォローアップ)
進行期乳がん マンモグラフィー群 666名(被験者 44,925)、 対照群 524(被験者 44,910)
乳がん死亡 マンモグラフィー群 180、 対照群 171

乳がん死包括ハザード比は、マンモグラフィーにて  1.05 (95% 信頼区間 0.85 to 1.30)


40-49歳、50-59歳発見がほとんど。


研究全期間で
乳がん診断は、マンモグラフィー群 3250、 対照群 3133
乳がん死は、マンモグラフィー群 500、 対照群 504

 乳がん累積死亡率は、マンモグラフィー群も、対照群も同様(ハザード比 0.99,
95% CI 0.88 - 1.12)

106のガンresidual excessが15年フォローアップ後見られ、これは過剰診断による弊害と考えられる。 

【乳がん特異的死亡率】・・・みごとに重なってる!

 

手術契機にオピオイド継続となる率 3%

確かに、オピオイドは、侵襲的検査や治療の恐怖感を軽減し、前向きに使うのは正しいと思う。だが、 パーシャルアゴニストを含め、オピオイド作動性薬剤をじゃんじゃん使う昨今の状況。 怖いなぁとおもってるのは、私の考えがアップデートについてけないからだろうか?パーシャルμ受容体アゴニストなど、今後も継続使用が増えると思うが、 使用期間制限をなんらか加えた方が良いと思うのだが・・・



カナダ・オンタリオの2003年から2010年までの住民ベース後顧的コホート研究


オピオイドnaiveな患者の約3%が90日後もオピオイド使用継続している状況


Rates and risk factors for prolonged opioid use after major surgery: population based cohort study
BMJ 2014; 348 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.g1251 (Published 11 February 2014)
Cite this as: BMJ 2014;348:g1251




Procedures検討数 (n=39 140)オピオイド(Op.)使用期間
術後1-90日内Op.処方率 % (95% CI)術後91-180日内Op.処方率 % (95% CI)
泌尿器手術:根治的前立腺摘出


(open and minimally invasive)519365.2 (63.9 to 66.5)2.8 (2.4 to 3.2)
冠動脈バイパス via 胸骨切開948853.5 (52.4 to 54.5)3.3 (2.9 to 3.6)
胸腔内手術:


 最小侵襲肺切除72065.7 (62.1 to 69.2)6.3 (4.6 to 8.3)
 開胸242372.4 (70.6 to 74.2)8.5 (7.4 to 9.6)
腹腔内手術:


 最小侵襲手術320244.1 (42.3 to 45.9)3.2 (2.6 to 3.9)
 開腹回腸直腸手術 864238.0 (37.0 to 39.1)2.8 (2.4 to 3.1)
婦人科手術:


 子宮摘出最小侵襲手術528735.7 (34.4 to 37.0)1.5 (1.2 to 1.8)
 開腹 418547.3 (45.7 to 48.8)2.5 (2.1 to 3.0)

コンジローマ予防のためのHPVワクチン至適回数 2回でも充分?

HPVワクチンを子宮頸がんワクチンと呼称することで、コンジローマ予防効果についての議論がおかしくなる。


コンジローマ発症抑制目的ための、4価HPVワクチン・3回投与は最大の減少効果有るが、2回投与でも充分減少効果認める


Association of Varying Number of Doses of Quadrivalent Human Papillomavirus Vaccine With Incidence of Condyloma
Eva Herweijer, et. al.
JAMA. 2014;311(6):597-603. 

フォローアップ中20,383ケース発症

ワクチン1回投与を含む322例の症例

コンジローマIRR(Incidence rate ratio)
ワクチン3回投与群では、  0.18 (95% CI, 0.15 - 0.22)
ワクチン2回投与群では、0.29 (95% CI, 0.21-0.40)


ワクチン1回投与群では、  IRR of 0.31 (95% CI, 0.20-0.49)
IRD(Incidence rate difference) は、非ワクチン群に対し、1回投与では、10万人年対 384症例(95% CI, 305 - 464)
さらに、2回投与では 400 (95% CI, 346 - 565)、3回投与では  459  (95% CI, 437 - 482)


10万対あたりの予防可能症例数の投与3回・2回間での差は  59 (95% CI, 2 - 117)

国会の質疑応答にこの呼称問題の根源がある・・・ 

XEN-D0501(カプサイシン受容体TRPV1経口阻害剤):COPD慢性咳嗽 第IIa治験開始

参考:
https://en.wikipedia.org/wiki/Discovery_and_development_of_TRPV1_antagonists
http://physiology.jp/exec/page/stopics11/
カプサイシン受容体TRPV1はカプサイシン、酸、熱という3つの侵害刺激を受容するイオンチャネル型受容体で、感覚神経終末で痛み受容の入り口を担う分子である。炎症性疼痛の発生メカニズムにATPやブラジキニンといった炎症関連物質によるTRPV1の感 作が重要


唐辛子などに含まれる、カプサイシンは、リガンド・ゲート化・イオンチャンネル TRPV1を介して作用発現する。そのTRPV1の強力選択的小分子阻害剤、  イオンチャンネル制御剤 XEN-D0501 の COPD持続咳嗽への臨床治験


http://www.news-medical.net/news/20140211/Ario-Pharma-begins-XEN-0501-Phase-IIa-study-for-treatment-persistent-cough-in-COPD-patients.aspx 


2014年Q3に結果判明予定

2014年2月10日月曜日

猫から咬まれると、処置必要で、医療費も高額となりやすいそうだ

犬猫問わず、咬傷の2006年の報告

Dog and Cat Bites to the Hand: Treatment and Cost Assessment
Journal of Hand SurgeryVolume 31, Issue 3 , Pages 468-473, March 2006
犬咬傷71、猫咬傷40、後顧的レビュー

・けんかしている動物の仲介時
・外傷動物手助けの時
この2つが多い


半数以上は、なじみの動物


軽症のものから解放創、骨髄炎を含む持続性深部感染、神経損傷、腱断裂、組織欠損といった重大外傷まで様々。2/3ほどは抗生剤注射のため入院必要
3分の1ほどは、手術1つは必要。医療費は7万7千ドルを超す場合。


今回は、猫のついて報告。


結論から言えば、猫のかみ傷は重症化しやすい。入院、抗生剤注射、手術治療が必要となることが多い。


Cat Bite Infections of the Hand: Assessment of Morbidity and Predictors of Severe Infection
Journal of Hand SurgeryVolume 39, Issue 2 , Pages 286-290, February 2014

猫咬傷・手外傷の30%(n=57)で、入院必要、入院期間長は、平均3.2日間。
 67%(n=38)で、洗浄・デブリードマン、8名で1つ以上の手術処置必要。

合併症は多く、リスク要素は、喫煙、免疫不全、関節・腱鞘といった創傷部位

紅斑・腫脹は所見として、入院リスク増加と関連。

白血球数、ESR、CRPは入院リスクと相関せず



RCT:ω3脂肪酸:インターフェロンによるうつ改善効果

C型慢性肝炎へのインターフェロン治療は、うつと関連することが多い。

24週間二重盲験トライアル(EPA、DHA、プラシーボ比較)
162名登録比較

IFN-α誘起うつ:EPA群では減少、DHAでは減少見られず
 (EPA 10% vs DHA 28% , プラシーボ 30%)
EPA、DHAとも有意にIFN-誘起うつ発症遷延化( onset 週  12.0、 11.7 vs プラシーボ 5.3, p = 0.001)

Omega-3 fatty acids in the prevention of interferon-alpha-induced depression Results from a randomized, controlled trial
Biological Psychiatry, 02/09/2014


 EPA/DHAの抗炎症効果による症状改善関与も否定できないそうだ

韓国:加湿器消毒剤による肺障害、間質性肺炎;イソチアゾリノン系

韓国では、加湿器消毒剤による肺障害が報告されている。


e.g.
加湿器殺菌剤による死亡事故多発、有害物質が新たに判明=韓国  2013/04/12(金)
 加湿器殺菌剤による肺損傷が疑われる人の使用製品を分析したもので、有害物質であるCMITとMIT成分が含まれていたことが明らかになった。CMIT(クロロメチルイソチアゾリノン)とMIT(メチルイソチアゾリノン)は、殺菌・消毒機能を持つ一方で、加湿器殺菌剤として使用した場合、人体への毒性があることが確認された。・・・環境省がCMITとMIT両方の物質についてラットを対象に有害性の検査をした結果、強い毒性が確認されたとして、これらの成分を有害物質に指定した。
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=0412&f=national_0412_030.shtml

イソチアゾリノン ; wiki,jp
クロロメチルイソチアゾリノン
メチルイソチアゾリノン
イソチアゾリノンの誘導体には、イソチアゾリン系(イソチアゾロン系)と総称される殺菌防かび防藻防腐剤が数種類あり、食品・医療用を除く、シャンプー化粧品その他工業製品用の防腐剤、冷却水用殺菌剤等として広く用いられる。





・家庭用吸入加湿器によると考え等得る、肺障害・呼吸不全症例の17例集団的発生
A cluster of lung injury associated with home humidifier use: clinical, radiological and pathological description of a new syndrome
Thorax doi:10.1136/thoraxjnl-2013-204135



・加湿消毒機器による小児間質性肺疾患
Humidifier Disinfectant-associated Children's Interstitial Lung Disease.
Am J Respir Crit Care Med. 2014 Jan 1;189(1):48-56.



イソチアゾリノン系抗菌剤として、各種日用品に遣われてるのはショッキング


2014年2月8日土曜日

うつを冠動脈性心疾患予防のための治療オプションとすべき?

うつを、冠動脈性心疾患の治療オプションとすることが妥当か?

うつと、心血管疾患関連性の信頼しうる2つの研究


20年間に及ぶうつ症状反復測定研究(Whitehall II cohort)では、量依存的にうつと冠動脈死・非致死性心筋梗塞の関わりがあきらかとなったが、卒中との関連性は認めなかった。

うつと、冠動脈疾患との量依存的関連性
卒中にともなう、うつ症状の先行的関連性が、一部・あるいは全体的に関連するかが問題

Depressive disorder, coronary heart disease, and stroke: dose–response and reverse causation effects in the Whitehall II cohort study
European Journal of Preventive Cardiology February 3, 2014 2047487314520785
Eric J Brunner ,et. al.
フルフリーテキスト pdf

Whitehall II study (n = 10,036, 31,395 人観察, 開始時年齢 44.4歳)
30項目のGHQ-30と、1項目のCES-Dでうつ症状6回反復計測

このコホートは、主要冠動脈イベント(冠動脈血管死/非致死的心筋梗塞)、卒中(卒中死/合併症)を国内死亡統計Hospital Episode Statistics、ECG検診、カルテ、自己アンケート施行。

 GHQ-30 caseness(症状ベースでなされた精神診断)は、0-5年間では、卒中予測可能だったが、5-10年間では予測できず (年齢-、 性別-、 民族-補正 HR 1.60, 95% CI 1.1–2.3、 HR 0.94, 95% CI 0.6–1.4) 
直近5年観察周期では、累積 GHQ casenessでは、量依存的に、冠動脈疾患イベントと相関 ( 1 - 2 倍: ハザード比 1.12 , 95% CI 0.7 -  1.7 ; 3 - 4 倍 :  2.06 95% CI 1.2 - 3.7)、さらに CES-D casenessは冠動脈疾患予測となる (HR 1.81, 95% CI 1.1–3.1)


Improving Mood-Promoting Access to Collaborative Treatment (IMPACT)

CVD(心血管疾患)発症前に、行われた、collaborativeなうつ治療は、高齢者うつ患者に、重度CVDリスク超過を半減するという結論


臨床的CVD発症前のうつ治療がCVDイベント減少させるかの検証のため、ランダム化対照、8年間フォローアップ研究。

Effect of Collaborative Care for Depression on Risk of Cardiovascular Events: Data From the IMPACT Randomized Controlled Trial
Psychosomatic Medicine January 2014 vol. 76 no. 1 29-37

60歳以上のプライマリケア患者(うつ、気分変調症)235名
12ヶ月間の、抗うつ・心理療法治療 vs 通常治療で比較
CVDイベント総数119(51%) 
仮説通り、治療xベースラインCVD相関は有意 (p = .021) 
ベースラインCVDの無いIMPACT 患者は、通常ケアに比べ48%リスク減少(28% vs 47% ハザード比 0.52, 95% 信頼区間 0.31 - 0.86) 
5年間NNTは、6.1。イベント尤度の差は認めず (86% versus 81%, ハザード比 = 1.19, 95% 信頼区間, 0.70–2.03).






低脂肪発酵乳製品、特にヨーグルトは2型糖尿病発症を抑制する?

 EPIC-Norfolk Study(nested case cohort)で、後顧的解析なので、決定的結論とは言いがたい。


Dietary dairy product intake and incident type 2 diabetes: a prospective study using dietary data from a 7-day food diary
DiabetologiaFebruary 2014
 トータルの乳製品、高脂質乳製品、ミルク、チーズ、高脂質発酵乳製品の摂取では、糖尿病発症率と相関せず

低脂肪乳製品摂取 は、年齢-、性別-補正解析にて、糖尿病と逆相関する(3分位(T) 3 vs T1 、ハザード比 0.81 [95% CI 0.66, 0.98])、しかし、身体測定値補正後、この関連性は減弱した。

多変量解析では、逆相関に加え、糖尿病と低脂肪発酵乳製品摂取と逆相関  (T3 vs T1, HR 0.76 [95% CI 0.60, 0.99]; p trend = 0.049) 、 特にヨーグルト摂取と逆相関 (HR 0.72 [95% CI 0.55, 0.95]; p trend = 0.017)

テレビドラマ Dr. House をヒントに診断

Dr. House DVDボックス・シーズン1、随分、安くなったので、リスニングの勉強をかねて、視聴開始しはじたところだった。


Cobalt intoxication diagnosed with the help of Dr House
The Lancet, Volume 383, Issue 9916, Page 574, 8 February 2014





和製Huluだと、英語字幕ないので、DVD買わざる得ない・・・


表層的善人でないところが気に入ってる


日本のクソドラマは見る気がしない ・・・ 白い巨塔に始まり、おとぎ話より空想的だし、勧善懲悪ものだらけだし・・・底の浅い偽善主義だらけ



ドラマじゃ無いけど、NHKの【総合診療医】もひどかったし・・・ 神経内科専門医だったろと突っ込みたくなるケースが多かった

米国:成人ワクチンスケジュール 2014年

Advisory Committee on Immunization Practices Recommended Immunization Schedule for Adults Aged 19 Years or Older: United States, 2014
Ann Intern Med. 2014;160(3):190-197-197. doi:10.7326/M13-2826 

CDCウェブサイト
http://www.cdc.gov/vaccines/schedules/hcp/adult.html

http://www.cdc.gov/vaccines/schedules/downloads/adult/adult-schedule.pdf





従来のインフルエンザワクチンは、鶏卵利用の、生弱毒化ワクチン(LAIV)と不活化ワクチン(IIV)。新しいワクチン、遺伝子組み替えインフルエンザ(RIV)を導入。



日本のワクチン後進国ぶりは相変わらず、反ワクチンを反政府プロパガンダにされるのは、全世界共通のようだが、それに屈するのは日本くらい。テロに屈した福田元総理的施策は続いている。

2014年2月7日金曜日

AHA/ASAガイドライン:女性卒中予防のためのガイドライン

AHA/ASA Guideline
Guidelines for the Prevention of Stroke in Women
A Statement for Healthcare Professionals From the American Heart Association/American Stroke Association
Stroke Published online before print February 6, 2014
フルテキスト・pdf 

男女で、卒中リスクで相違がある
AHAが初めて女性のための卒中予防ガイドラインを公表

解説による注目点
  • 避妊ピル: 経口避妊薬使用前の高血圧チェックは、その組み合わせで卒中リスクを増加する。リスクは小さいが、45-49歳ではそのリスクは急激に増加する。
  • 妊娠:  妊娠中卒中は通常少ないが、リスクはかなり高い。特に出産後3ヶ月間、直後は高く、特に、preeclampsiaで、危険な高血圧にて、痙攣などを生じる。妊娠後卒中リスクは倍に、高血圧リスクは4倍となる。妊娠三ヶ月後低用量アスピリンを推奨、カルシウムサプリメント使用にて、preecampsia軽減とガイドライン。160/110を超える高血圧では、薬物治療すべきで、150から159/100から109では薬物治療考慮する。降圧剤は安全性に注意する。 
  • アスピリン: 血栓より出血が原因の卒中でなく、卒中既往者では推奨。アスピリンは、そっちゅりすくが低い糖尿病患者にも推奨。低用量隔日が65歳以上の女性の低リスク群に、もし、潜在的出血リスクよりベネフィットが有益という条件で有用。
  • 片頭痛: 男性より女性で4倍ほどの罹病、ホルモン変動と関連するとされる。卒中リスクを直接あげるわけではないが、前兆は関連する。経口避妊薬や喫煙もリスクを増加する禁煙が重要。
  • 心拍不整:75歳を超えた場合、心房細動チェックを!
  • 閉経: ホルモン療法は、卒中予防のため使用するな!


妊娠中降圧剤に関する要約
α遮断剤、利尿剤、カルシウム拮抗剤は、奇形原性・胎児新生児副作用に関し「No」とある。




現時点では、日本の薬剤添付文書では、ニフェジピン、例えばアダラートCRに関して【妊娠20週未満・妊娠可能性の場合禁忌】となっている。
他、禁忌一覧:http://www.okusuri110.com/kinki/ninpukin/ninpukin_04-130.html

ACE阻害剤・ARBはほぼ未来永劫禁忌となるだろうが、CCBに関して検討されるのだろうか? 現時点では妊娠中サイアザイド系主薬の現状は・・・

State of the Art : 神経障害性疼痛

人騒がせな、リリカやサインバルタのDTC広告でおなじみの、Neuropathic pain:神経障害性疼痛

Neuropathic pain: mechanisms and their clinical implications
BMJ 2014; 348 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.f7656 (Published 5 February 2014)
Cite this as: BMJ 2014;348:f7656
 【要約・直訳】
 末梢から中枢神経への外傷は、神経障害性疼痛の原因となる侵害受容系内のニューロンの不適合性変化をもたらす。急性疼痛と異なり、慢性神経障害性疼痛は、それ自体が疾患であり、個別的、発展的意味合いに寄与しない。
神経障害性疼痛に関わる無数のメカニズムは、非神経障害性疼痛と他の神経学的病態ともかなりオーバーラップしていると思われる。
 疼痛のメカニズムに基づく治療は広く受け入れられているが、それは疼痛原因や経験に基づくというより、理論により広く行われている。このパラダイムが、臨床の場で導入困難となっている。

臨床症状発症前モデルにおいて、侵害受容的検査から「ヒトの疼痛」を区別可能な、慢性疼痛の異なるメカニズムの程度、感情-動機付け要素により、神経障害性疼痛が形成される。このため、医学的問題であり、社会経済的問題として考慮されなければならない。

【治療のためのメカニズムのまとめ】
  • 定義
  •  研究方法
  • 生理・分類
  • 感情的側面vs生理学的側面
  • 末梢性メカニズム(sensitization、イオンチャンネル、発現switch、感覚脱失・側副神経発芽)
  • 交感神経性維持疼痛
  • 脊髄メカニズム
  • 脊髄グルタミン作動性調整
  • glia活性化、催炎症性サイトカイン
  • 脊髄上位メカニズム
  • Disinhibition:脊髄レベル、脊髄上位レベル
  • 神経障害性vs侵害受容性疼痛:異なる病気 or 連続的疾患?
  • 新しい治療法


パラダイムシフトになっている神経障害性疼痛、臨床医として充分な勉強が必要なようだ。単に、批判するだけで無く・・・

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