2016年4月13日水曜日

糖尿病虚血性卒中アウトカム悪化の原因は脳内血液脳関門破綻:PE?

糖尿病は脳の様々なレンジで微小血管障害と関連する、仮説として、糖尿病患者の急性卒中患者は血液脳関門の機能障害を有するためアウトカム悪化と関連するのでは?

Blood Brain Barrier Disruption in Diabetic Stroke Related to Unfavorable Outcome
Cerebrovasc Dis 2016;42:49-56 (DOI:10.1159/000444809)

62名の中大脳動脈領域の虚血性卒中発症後3−7日内、BBB破綻を”parenchymal enhancement (PE) on 5 min delayed post-contrast T1 weighted imaging”にて判断


卒中アウトカム不良:19例の糖尿病患者、21名の非糖尿病

糖尿病患者は非糖尿病に比べPE高率 (58.6 vs. 27.3%, p = 0.013)
糖尿病はPEと独立した相関  (OR 4.40; 95% CI 1.22-15.83; p = 0.023)
糖尿病患者において、PEはアウトカム不良で、他3サググループに比べ、高率(73.7%)
・良好な卒中アウトカムの糖尿病患者 (30.0%)
・良好な卒中アウトカムの非糖尿病患者 (38.1%)
・アウトカム不良な卒中 (8.3%; p = 0.002).


PEは糖尿病性卒中(DS)に於るアウトカム不良(UO)と独立相関 DS; OR 7.04; 95% CI 1.20-41.52; p = 0.031)
入院NIHSSスコアは非-DS(NDS)に於るUOと相関 (OR 1.71; 95% CI 1.10-2.66; p = 0.017)

2型糖尿病:代謝リスク→うつ症状追加で相乗的悪循環

うつ症状単独では糖尿病発症リスクとはならないが、”メタボリックシンドローム&うつ症状無し”では対照群の4倍超糖尿病発症リスク。”メタボリックシンドローム&うつ症状有り”では対照群の6倍超のリスク。メタボリックシンドロームとうつの要素は個々要素の個別効果の総和より大きな影響を与える
"vicious cycle":悪循環?
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-04/mu-hdm041216.php




Depression and risk of type 2 diabetes: the potential role of metabolic factors
N Schmitz, et. al.
Molecular Psychiatry , (23 February 2016) | doi:10.1038/mp.2016.7


カナダ・ケベックでの Emotional Health and Wellbeing Study (EMHS) の4.5年間のベースラインからフォローアップ評価2525名成人


うつ症状と、糖尿病としての代謝調節障害の関連性評価
2元層別抽出デザイン、うつ症状と代謝調整障害(肥満、血糖高値、血圧高値、TG高値、HDL低値)存在ベース。糖尿病発症 87(3.5%)。
うつ症状と糖尿病調節障害をともに有する場合、うつ症状も代謝張性障害も無い群(参照群)に比べ、糖尿病のリスクは高い  (補正オッズ比=6.61, 95% 信頼区間(CI): 4.86–9.01)


うつ症状有り・代謝調節障害無しの糖尿病リスクは、参照群と不変  (補正オッズ比=1.28, 95% CI: 0.81–2.03)
一方、”代謝調節障害あり&うつ症状無し”群での補正オッズ比は 4.40 (95% CI: 3.42–5.67)


Synergy Index (SI=1.52; 95% CI: 1.07–2.17) からうつ症状と代謝調節障害の組み合わせ効果は、個別影響の総和より大きいことが示唆される


うつと代謝調節障害の相互関係は、構造方程式モデリング(Structural Equation Modeling, SEM)で示唆される。


この研究から、うつ症状と代謝調整障害の相互作用として2型糖尿病リスクを強調したい
両病態の早期発見、モニタリング、包括的管理アプローチが糖尿病予防戦略として重要

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