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2022年9月28日水曜日

軽症COVID-19後健康状態良好患者の長引く心臓異常

人知れず、心臓への悪影響を与えているのかも知れない 


Lingering cardiac involvement in previously well people after mild COVID-19

Nature Medicine (2022) Published: 26 September 2022

https://www.nature.com/articles/s41591-022-02002-y


問題点

運動不耐性、頻脈、胸痛などの長引く心臓の症状は、COVID-19の急性後遺症としてますます認識されてきている。初発症状が重篤な患者では、蓄積された心筋傷害と既往症で心臓の症状が容易に説明できる。しかし、初発症状が軽度の健常者では、心臓の症状が重いにもかかわらず、トロポニン値の上昇や構造的な心疾患などの心臓障害の徴候はまれである。主に若くて運動量の多い人々を対象としたこれまでの研究で、COVID-19の初発病直後に、虚血性でない微妙な心臓の炎症性変化が見られることが分かっている。しかし、このような初期の観察が症状に関連しているのか、それとも時間とともに持続するのかは、まだ不明である。


観察結果

既知の心臓病がなく、軽度の急性COVID-19病である、以前から健康な人を対象に、連続血液検査、心臓MRIおよび標準化された症状質問票を実施した。ベースライン評価はCOVID-19感染診断から最低4週間後に行い,少なくとも4カ月後にフォローアップを行った。機能およびstrainの微妙な変化を検出するために指示された高感度MRI測定を使用した.拡散性心筋病変は,組織マッピング,特に異常心筋の非特異的指標であるネイティブT1マッピングと,炎症性浮腫を示す心筋水分量に関連するネイティブT2マッピングによって評価した.後期ガドリニウム増強は、心筋および心膜層内の細胞外空間の拡大を可視化するために使用された。また、心嚢液の存在も評価した。これらの測定値により、炎症性心疾患の存在と重症度が評価された。


Fig. 1

Late gadolinium enhancement (a,b) allows visualization of regional accumulation of the gadolinium-based contrast agent, typically along the outer rim of the myocardial free wall (red arrows), as well as within the thickened pericardial layers, separated by small amounts of pericardial effusion (blue arrows). Increased native T1 (c) and T2 (d) measurements indicate diffuse myocardial edema. © 2022, Puntmann, V.O. et al., CCBY 4.0.

ベースラインの評価で73%の参加者が心臓の症状を訴えたのに対し、フォローアップでは57%の参加者が心臓の症状を経験し続けていた(n = 346)。COVID-19急性期発症後、数ヶ月間持続する炎症性心筋梗塞の徴候を発見しました(図1)。これらの所見は、症状のない参加者や非感染の対照参加者に比べて、症状のある参加者でより顕著であった。これらの変化の大きさは概して軽度であり、構造的な心疾患やバイオマーカーの増加とは関連がなかった。 
追跡調査時に画像マーカーに改善がみられたが、心臓の症状が持続しているサブグループではネイティブT2が高いままであった。 
これらの知見は、COVID-19後の炎症性心疾患は、すべての患者に共通する病態生理学的共通点であり、心臓の症状が持続する患者でより顕著になる可能性を示唆するものである。ベースライン時の女性性、Native T1による心筋測定値の異常は、フォローアップ時の症状持続の予測因子であった。


解釈

本研究で述べた軽度だが持続する非虚血性心疾患炎症は、明らかな構造的心疾患やトロポニン放出とは関連していない。ウイルス感染によって引き起こされるが、ウイルス性心筋炎の古典的な定義に反して、深部心筋傷害や機能障害は典型的なものではない。その病態は、ウイルス感染後に発症する他の慢性びまん性炎症症候群(例えば、ヒト免疫不全ウイルス関連心筋症)や自己免疫の結果として起こるもの(例えば、全身性エリテマトーデス)をより想起させる所見である。 

これらの場合、持続的な不顕性心血管系炎症が予後不良や心不全の発症の素因になっているようです。したがって、非虚血性心疾患は重要な危険因子として浮上しており、初発症状が軽度の健常人における急性心疾患後の長期予後との関連性については、さらなる調査が必要である。


我々の研究にはいくつかの限界がある。マッピング技術は貴重な病態生理学的洞察を提供するが,標準化の欠如と方法論の多様性により,これらの知見の移植性は制限される.さらに、これらの結果はCOVID-19から回復した人々の選択された集団に基づいているため、症状や所見の有病率を一般集団に外挿することは不可能であることに留意されたい。この病気は自己免疫過程によって引き起こされた可能性が高いが、その根底にある病態生理はまだ部分的にしか解明されていない。


2020年10月14日水曜日

救急患者用ベッドサイド・ポータブル低磁場核磁気共鳴画像検査実用へ

 low-field, portable MRI

 脳損傷の臨床評価において、神経画像診断は重要なステップである。従来の磁気共鳴イメージング(MRI)装置は高磁場(1.5~3T)で動作するため、アクセス制御された厳しい環境が必要とされていた。集中治療室で神経損傷の発生と進行を効果的にモニターするためには、タイムリーな神経画像診断へのアクセスが限られていることが、依然として重要な構造的障壁となっている。最近の低磁場MRI技術の進歩により、放射線室の外でも、ベッドサイドで強磁性体の存在下でも、臨床的に意味のある画像を取得することが可能になった。


Assessment of Brain Injury Using Portable, Low-Field Magnetic Resonance Imaging at the Bedside of Critically Ill Patients

Kevin N. Sheth, et al.

JAMA Neurol. Published online September 8, 2020. doi:10.1001/jamaneurol.2020.3263

https://jamanetwork.com/journals/jamaneurology/article-abstract/2769858



We investigated patients with neurological injury or alteration using a low-field (0.064-T) portable MRI device at the bed- side in neuroscience intensive care units (ICUs) and COVID-19 ICUs. This point-of-care (POC) MRI used no cryogens and plugged into a single, 110-V, 15-A standard power outlet

The device dimensions rendered it maneuverable within the confines of an ICU patient room (Figure 1). 





A self-contained motor and driving capability facilitated the deployment of a single device across the institution. The 5-Gauss (0.0005-T) safety perimeter had a radius of 79 cm from the center of the magnet. This work aimed to demonstrate the potential role of low-field, portable MRI to obtain bedside neuroimaging in an ICU setting.




The POC MRI examinations were performed at the bedside using a prototype 0.064-T MRI system (with Mk 1.2 RC6.3-7.2 software and Mk 1.6 POC MRI RC8.0.2 software [Hyperfine Re- search Inc]). Examinations were acquired using an 8-channel head coil. The POC MRI used a biplanar, 3-axis gradient system with a peak amplitude of 26 mT/m (on the z-axis) and 25 mT/m (on the x-axis and y-axis). Scan parameters were controlled using a computer interface (iPad Pro, third generation; Apple). 
Available pulse sequences included T1- weighted (T1W), T2-weighted (T2W), fluid-attenuated inver- sion recovery (FLAIR), and diffusion-weighted imaging (DWI) with apparent diffusion coefficient (ADC) mapping


<hr>
本来は日本のメーカーが率先して開発すべき分野だと思うのだけど・・・
全ての分野で遅れてしまった日本

2018年8月22日水曜日

若年成人:修正可能心血管リスク要素と脳血管構造と機能、白質病変の関連性

脳MRIの進化により、自動segmentation、血管形態分析、白質高密度病変、脳血流など測定可能となった

若年成人期から脳の老いは始まっていて、修正可能リスク要素が関与する
若いうちから、健康な日常生活が重要・・・ 


予備研究だが、脳血管疾患無しの対象者において、修正可能心血管疾患リスク推奨域が多いほど、脳血管密度高く、血管径広く、脳血流早く、白質hyperintensity lesion少ない




高齢となっての卒中や脳萎縮は若年青年期からの心血管疾患リスク・レベルに関連するわけだが、若年青年期時代の脳血管変化についての検討

18−40歳125名の横断観察研究、明確な心血管疾患無しを対象

Association of Cardiovascular Risk Factors With MRI Indices of Cerebrovascular Structure and Function and White Matter Hyperintensities in Young Adults
JAMA. 2018;320(7):665-673. doi:10.1001/jama.2018.11498



推奨レベルの修正可能心血管リスク要素数:BMI <25 100="" 130="" 200="" 6="" 8="" 90="" and="" dl="" mg="" mmhg="" or="" p="" wk="">いずれかのリスク要素推奨レベルでなら値1と割り付け、0−8にカテゴリー化
数が多いほどより健康カテゴリーとなる

被検者 125名 平均(SD)年齢 25(5)歳、女性 49%、修正可能リスク要素 平均(SD)スコア 6.0(1.4)、全例で心血管疾患評価とMRIプロトコール施行

多変量モデルにおいて、心血管リスク要素は、脳血管の形態と白質高密度(hyperintensity)カウントと相関

健康修正可能リスク要素付加される毎、血管密度 0.3  (95% CI, 0.1-0.5; P = 0.003)血管/cm3増加、vessel valiber:血管径 8(95% CI, 3-13; P =0 .01)μm毎増加、白質hyperintensity lesion 1.6 lesion (95% CI, −3.0 to −0.5; P =0 .006)少なくなる

データ活用可能52名被検者のうち、脳血流は血管密度により変化し、修正可能リスク要素健康カテゴリー毎 2.5mL/100 g/min増加  (95% CI, 0.16-4.89; P = .03)




私らくらい年とってからの健康生活ではどのていど修正可能なのだろう?


2016年9月7日水曜日

妊娠初期MRIの安全性と、造影MRIの胎児リスク




Association Between MRI Exposure During Pregnancy and Fetal and Childhood Outcomes
Joel G. Ray, et. al.
JAMA. 2016;316(9):952-961. doi:10.1001/jama.2016.12126.


研究意義  妊娠1st trimesterにおけるMRIの胎児安全性、ガドリニウム造影時の全妊娠期安全性不明
目的 1st trimester中のMRI後、妊娠全時期のガドリニウム造影時の長期安全性
デザイン・セッティング・被検者 カナダ・オンタリオ州 Universal health care database、2003-2015年20週間超生存児同定
暴露 妊娠1st trimester中のMRI、妊娠全期間ガドリニウムMRI暴露
主要アウトカム・測定 1st trimester MRI暴露に対し死産・新生児死亡(28日内)、先天異常、腫瘍、聴力・視力障害:4歳まで評価
妊娠全時期ガドリニウムMRI暴露に対しては、 nephrogenic systemic fibrosis (NSF-like) 様結合織・皮膚疾患(参考:http://emedicine.medscape.com/article/1097889-overview#showall)やより広範なリウマチ関連、炎症性、浸潤性皮膚疾患を同定
結果 1,424,105出産(女児 48%; 平均妊娠期間 39週)、MRI包括発生率 1千対3.97
no MRIに対する1st trimester MRI比較
死産・死亡 19 vs 9844(補正相対リスク[RR], 1.68; 95% CI, 0.97 to 2.90)、補正リスク差 1千人年 4.7s (95% CI, −1.6 to 11.0)
リスクは先天、新生物、視力・聴力障害で有意な増加見られず

no MRI (n = 1 418 451)に対するガドリニウム MRI(n=397)では
NSF-様アウトカムハザード比統計学的有意差認めず

リウマチ関連、炎症性、浸潤性皮膚疾患のより広いアウトカムは 123 vs 384,180(補正HR, 1.36; 95% CI, 1.09-1.69)、補正リスク差は1千人年で 45.3(95% CI, 11.3 - 86.8)
死産・児死亡は、 7 vs 9844(補正RR 3.70; 95% CI, 1.55 - 8.85) 、補正リスク差は1千人年あたり47.5 (95% CI, 9.7 - 138.2)

結論・知見 妊娠1st trimesterでのMRI暴露は非暴露に比べ胎児へ有害性リスク増加と相関せず
全妊娠期ガドリニウムMRI暴露はリウマチ関連、炎症、浸潤性皮膚疾患リスク、死産・児死亡リスク増加と関連
稀な副事象アウトカム検出不能な研究の可能性あり


添付文書上「妊娠、産婦、授乳婦等への投与」に関して、曖昧な「診断上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与」とある。

https://www.medicallibrary-dsc.info/di/omniscan_intravenous_injection_syringe_10ml/pdf/pi_oms2_1109.pdf

2015年6月25日木曜日

MRIで、その後10年の認知症を予測できるか? No! ただ、他のリスク指標と合わせれば多少は役立つ

フランス Three-City Study コホート

MRIで、その後10年の認知症を予測できるか?


例えば、http://www.jpn-geriat-soc.or.jp/publications/other/pdf/clinical_practice_geriatrics_49_425.pdf
アルツハイマー病においては,内側側頭部の選択的萎縮が早期に起こることが知られている.萎縮には軽度の左右差がみられる.この中でも最も早く神経細胞脱落が起こり萎縮のみられる部位である嗅内皮質は海馬傍回の最前部である.ただし,その容積は正常でも 2 m l に満たず萎縮の視覚評価は困難である.また,嗅内皮質の容積測定のランドマークとなる側副溝には変異が多く,用手による領域設定で容積を測定したとしても誤差が大きい.一方,海馬の容積は正常では両側で 6 m l を超え,測定誤差も少ないものの,海馬
の萎縮は嗅内皮質の萎縮に比べ,特異性が乏しいとされる
・・・と、最初っから、MRI、CTなどの画像的変化では認知症予測できそうもない


では、従来の認知症リスクスコアにMRI所見をプラスすると、予測の品質は向上するか?

・・・答えは 一応 Yes





Usefulness of data from magnetic resonance imaging to improve prediction of dementia: population based cohort study
Blossom C M Stephan, lecturer ,  et. al.
BMJ 2015; 350 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.h2863 (Published 22 June 2015)

1721名の認知症無し、ベースラインMRI施行齢

フォローアップ10年間で、認知症確認 119名、うち、84名がアルツハイマー病

年齢・性別・教育・認知・身体機能・ライフスタイル(喫煙、アルコール)・健康状態(心血管疾患、糖尿病、収縮期血圧)、アポ・リポ蛋白genotypeを入れ込んだ通常リスクモデル:判別パフォーマンスC統計は  0.77, 95% 信頼区間 0.71 〜 0.82)


通常のリスクモデルと、灰白質を含むMRI所見を組み入れたモデルで、有意差なし (C statistic 0.77, 95% 信頼区間 0.72 〜 0.82; P=0.48 for difference of C statistics),
、脳容量  (0.77, 0.72 to 0.82; P=0.60)、海馬容積 (0.79, 0.74 to 0.84; P=0.07)、これら3つでは有意差ぎりぎり (0.79, 0.75 to 0.84; P=0.05)




海馬容積もしくは、3つMRI指標を、通常のモデルに加えると、 integrated discrimination improvement indexを用いて再評価改善が見られた (P=0.03 and P=0.04) 、decision curve analysisのネット・ベネフィット増加


同様の結果が、アウトカムをアルツハイマー病に限定しても見られる。



日本人って、画像診断で何でも分かると信じ込んでるから・・・MRIで私は安心と思ってる人多いと思う・・・




2012年8月31日金曜日

X線所見のないMRI異常の病的意味は無い

MRIだと異常を認めるが膝レントゲン所見のない中年・高齢者の脛骨大腿骨関節(tibiofemoral joint)の病変は、変形性関節症を示すわけではない。これは、疼痛の有無と無関係。



Prevalence of abnormalities in knees detected by MRI in adults without knee osteoarthritis: population based observational study (Framingham Osteoarthritis Study)
BMJ 2012; 345 doi: 10.1136/bmj.e5339 (Published 29 August 2012)
Cite this as: BMJ 2012;345:e5339

Frminghamの地域コホート、50歳超のレントゲン上所見のない710名

この被験者710名のうち、女性393(55%)、白人660(93%)
1ヶ月内膝痛206名(29%)

平均年齢62.3%、平均BMI 27.9

包括的異常所見頻度は89%(631/710)

骨棘形成(osteophyte)が最も多い(74%, 524/710)所見、軟骨ダメージ (69%, 492/710) 、骨髄病変(52%, 371/710)

高齢になるほど、MRIの異常所見すべての種類で頻度増加。

BMI群間に有意な特性差頻度認めず

異常所見一つでもある場合の頻度は疼痛、疼痛無しでも高頻度  (90-97%,、86-88%)

noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note