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2018年10月27日土曜日

ACE阻害剤の肺癌リスク

英国臨床研究データリンクからのACE阻害剤(ACEIs)はARBに比較して肺癌リスク増加の可能性報告

992,061名の降圧治療コホート、1995年1月1日〜2015年12月31日、フォローアップ2016年12月31日まで


ベネフィット・リスク議論必須


Angiotensin converting enzyme inhibitors and risk of lung cancer: population based cohort study
BMJ 2018; 363 doi: https://doi.org/10.1136/bmj.k4209 (Published 24 October 2018)

コホートは平均6.4(SD 4.7)年間、肺癌イベント発生 7952(粗発生率 1千人年対 1.3 (95% 信頼区間:CI 1.2 - 1.3))

包括的に、ACEIs使用はARB使用と比べ、肺癌リスク増加と関連 (発生率比 1千人年対 1.6 vs 1.2 ; ハザード比 1.14, 95% CI 1.01-1.29)

ハザードは使用期間長期に比例増加、5年間使用後関連性明確(ハザード比 1.22, 1.06-1.40)で、10年超使用でピーク (1.31, 1.08 - 1.59)

開始からの期間でも同様所見確認





RCTのメタアナリシスではACEIsと癌発生増加の関連性は示されてないが観察研究では混在的結果でACE-阻害剤の癌との関連懸念浮上している
機序としては、肺内ブラジキニン累積、substance P累積、血管形成・腫瘍増殖因子への影響など。


心血管系イベント抑制効果に関する臨床的エビデンスでは、ACE阻害剤の方がARBより評価が高いはず、誤嚥性肺炎予防効果なども考慮されているが・・・ACE阻害剤をこの世から駆逐して良いのだろうか?




Effect of angiotensin-converting enzyme inhibitors and angiotensin II receptor blockers on cardiovascular events in patients with heart failure: a meta-analysis of randomized controlled trials.
BMC Cardiovasc Disord. 2017 Oct 5;17(1):257. doi: 10.1186/s12872-017-0686-z.
:
In HF patients, ACEIs, but not ARBs reduced all-cause mortality and cardiovascular deaths. Thus, ACEIs should be considered as first-line therapy to limit excess mortality and morbidity in this population.

Comparison of angiotensin-converting enzyme inhibitors and angiotensin II receptor blockers on cardiovascular outcomes in hypertensive patients with type 2 diabetes mellitus
A PRISMA-compliant systematic review and meta-analysis
This meta-analysis suggests that treatment with ACEI showed a significant CV protection for all-cause mortality, CV death, and major CV events, whereas ARBs had no benefits on these outcomes except MI. In consideration of high mortality and morbidity, ACEI was preferable than ARBs on patients with hypertension and T2DM.

2018年10月1日月曜日

ACE阻害剤とスタチンの認知症予防への可能性

あらためて・・・ということになるのだろうか?認知症治療(予防)一般に言えることだが、介入からその臨床的アウトカム差異発現まで随分な時間がかかり、利益こそが命題の企業側がトライアルをするには困難な分野である。これこそ国家的・国際的な行政レベルの取り組みが必要な臨床研究分野であろう。
メーカーの利益をくすねて、行政の財政的・人的負担を減らそうとばかりする厚労省や財務省じゃ・・・こういう発想は出てこないのだろうが・・・


RAS系

  • ARBよりACE阻害剤の方に機序的説得力があり、脂溶性ACE阻害剤が再度クローズアップ? トランドラプリルだが、先発品販売中止してしまっている(https://e-mr.sanofi.co.jp/-/media/EMS/Conditions/eMR/di/information/preran_201711.pdf?la=ja-JP)。おそらく、薬効可能性を宣伝するところもないのだろう。


  • スタチン
    • 脂溶性スタチンとしては、アトルバスタチン(リピトール)、ピタバスタチン(リバロ)、シンバスタチン(リポバス)、フルバスタチン(ローコール)
    • 水溶性で気を吐いているロスバスタチン(クレストール)


    Connecting the brain cholesterol and renin‐angiotensin (RAS) systems. Potential role of statins and RAS‐modifying medications in dementia
    B. Petek  M , et al.
    Journal of Internal Medicine, 28 Sep. 2018 8 https://doi.org/10.1111/joim.12838
    https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1111/joim.12838?af=R


    脳内の"RASおよびコレステロール代謝経路"は、全身性のcounterpartから自律しており、コレステロール代謝物27-ヒドロキシコレステロール(27-OHC)を介して相互に関連している。このシステムは、アミロイド-βカスケード、血管機構、グルコース代謝、アポトーシス、神経炎症および酸化ストレスから、記憶および認知症の病因に寄与する。


    これらの治療と認知と認知症のリスクとの関係を調べた以前の研究では、一貫性のない結果出逢った。だが、この薬剤の血液脳関門浸透定義は困難で、認知作用機序は明確に確立されていない。

    疫学的研究・臨床的研究ともバイアス潜在が明らかで、reverse epidemiology、適応バイアス、薬剤暴露定義問題、投与量の不明確性・変化性、アウトカムと薬剤の不適切グループ化など存在


    脳コレステロールおよびRAS代謝の現在の知識、およびこれらの経路が神経変性に影響を与えるメカニズムを要約






    HPVワクチンをめぐる日本の"失われた8年"と、私たちが検証すべきこと

    「子宮頸がんワクチン」という呼び方に、以前から違和感があります。 HPVワクチンが子宮頸がん予防に重要であることは間違いありません。日本では女子への定期接種として導入され、子宮頸がん予防を中心に説明されてきたため、この名称が広まった経緯も理解できます。 しかし、このワクチンが...