2020年12月29日火曜日

Covid-19(武漢肺炎ウィルス)に明け暮れた年

Covid-19だらけの年だったということが、JAMA誌、JAMA Internal Medicine誌の読まれた記事ランキングでも表れている


2020年12月28日月曜日

COPD併存症状としての認知機能障害

交絡因子補正後も認知機能障害・認知症発生率増加とのことで、併存病態としての認知機能障害の意義があるか検討する必要がある


Risk of Incident Dementia and Cognitive Impairment in Patients with Chronic Obstructive Pulmonary Disease (COPD): A Large UK Population-based Study

 R.A. Siraj, et al.

Respiratory Medicine, Published:December 22, 2020

https://www.resmedjournal.com/article/S0954-6111(20)30428-5/fulltext

DOI:https://doi.org/10.1016/j.rmed.2020.106288



背景

慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者では、認知機能障害と認知症は一般的な併存疾患であるが、COPDの診断後の発生率の推定値は決定的ではない。

目的

COPD の診断を受けた人と受けていない人の認知機能障害と認知症の発生率を調べる。

方法

健康改善ネットワークのデータベースから英国の一般診療所(GP)の診療記録を用いた集団ベースの研究が実施された。40歳以上のCOPDと診断された患者を、年齢、性別、GPの診療所別にCOPDと診断されていない最大4人の対象者とマッチングさせた。認知障害と認知症の発生率を評価するためにCox比例ハザードモデルを用いた。

結果

COPD 患者(n=62,148)のうち 9%が認知機能障害を発症したが、COPD なしの被験者(n=230,076)の 7%と比較して、p<0.001であった。COPD診断後の認知機能障害の発生率は、指標日後にCOPDがない被験者よりも高かった(調整ハザード比(aHR)、1.21;95%CI:1.16 ─ 1.26、p<0.001)。認知障害または認知症のいずれかのコード化された発生率も、交絡因子を調整した後のCOPD患者で高かった(aHR:1.13、95%CI:1.09 ─ 1.18、p<0.001)。コード化された偶発的認知症のみでは、COPD患者とCOPDなしの被験者の間に差はなかった(aHR、0.91、95%CI:0.83 ─ 1.01、p=0.053)。

結論

COPD患者では認知機能障害の発生率が増加しているにもかかわらず、COPD患者では認知症の発生率はそれほど高くなかった。このことは、未診断の認知症の懸念を提起し、この集団における体系的な評価の必要性を強調している。


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2020年12月24日木曜日

post-Covid-19ではありません、long Covid-19です

post-でなく、long Covidの方が現時点では正しい


COVID-19 rapid guideline: managing the long-term effects of COVID-19

NICE guideline [NG188] Published date: 18 December 2020







ぜんそくの薬「オルベスコ」 新型コロナへの有効性は示されず ・・・ というが

一次資料で無く、マスコミからの情報のためなのか、かなり問題ある報告である


これで、「オルベスコは無効」と結論づけるのは時期尚早すぎるか(もしくは馬鹿)

なんせ、この治験「CTでの肺炎発症」を比べてるのに過ぎず、臨床的アウトカムであるべき「重症化」(人工呼吸必要性、入院期間、ウィルス排泄量、死亡率など)を評価したものではない


https://www.ncgm.go.jp/pressrelease/2020/20201223_1.html

今回の研究結果からは、無症状・軽症のCOVID-19患者に対するシクレソニド吸入剤の投与は推奨できません。

こういう結論づけに非常に疑問を感じる!

しかるべき投稿と批評を受けてから結論をメディアに報道して欲しいものだ


喘息治験でも吸入ステロイドの肺炎への影響示唆されているが、こんなに明確な差があったかな? 吸入ステロイド使用中の方にとって、不安な情報を与えることになるのかもしれない。

喘息に関する吸入ステロイドの臨床的ベネフィットは肺炎だけを指標とするのでは無く、急性増悪、ER/入院リスクなどにおいて評価されるべきものである

今回の報告は肺炎のみをアウトカムとしているとしたら、臨床的包括的評価としてはどうなのだろうか? 



2020年12月23日水曜日

医療崩壊を防ぐ第一の方策:医療機関周囲の社会感染を防ぐこと!

Variation in US Hospital Mortality Rates for Patients Admitted With COVID-19 During the First 6 Months of the Pandemic

JAMA Intern Med. Published online December 22, 2020. 

doi:10.1001/jamainternmed.2020.8193 


REGN-COV2:中和抗体カクテル


EMPACTA (Evaluating Minority Patients with Actemra):Covid-19

Covid-19治療に関し、「米国で唯一承認されている治療法はレムデシビルであり、これまでのところ死亡率を低下させることが示されている唯一の治療法はデキサメタゾン」だが、ご承知の如く、前者の有効性/安全性に関して確たるエビデンスレベルがあるとは言えない状況。

米国CDC調査報告によると、非ヒスパニック系の黒人では非ヒスパニック系白人の3.7倍、ヒスパニック系またはラテン系の4.1倍、非ヒスパニック系アメリカインディアンまたはアラスカ先住民では非ヒスパニック系白人の4.0倍となっており、これは世界的な問題でもあり、英国の1700万人の患者のうち、白人以外の人種・民族の患者はすべて、白人患者よりもCovid-19関連の死亡リスクが高かったとのことで、この報告は、ハイリスク患者や人種・民族的マイノリティ集団に焦点を当てた治験



Tocilizumab in Patients Hospitalized with Covid-19 Pneumonia

Carlos Salama, et al.

N. Engl. J. Med. DOI: 10.1056/NEJMoa2030340

https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2030340

機械式人工呼吸を受けていないCovid-19肺炎入院患者へ2:1ランダム化割り付け

標準ケア+

tocilizumab ( 8mg/kgBW)1回投与 or 2回投与 or placebo

高リスク・マイノリティ人種登録の所在地を組み入れ、site selectionに焦点を当てた

プライマリアウトカム:day 28に人工呼吸 or 死亡



389名をランダム化、修正ITTに含めたのはtocilizumab群 249名、プラシーボ群 128
ヒスパニック、ラテン系:56.0%、黒人 14.9%、アメリカ系インディアンあるいはアラスカ原住民 12.7%、非ヒスパニック系白人 12.7%、他不明を含む群が 3.7%
 
day 28の機械式人工呼吸を受けるか・死亡までの累積比率はトシリズマブ群で12.0% (95% 信頼区間 [CI], 8.5 to 16.9) 、プラシーボ群で19.3% (95% CI, 13.3 to 27.4)p (ハザード比 for mechanical ventilation or death, 0.56; 95% CI, 0.33 to 0.97; P=0.04 by the log-rank test)
clinical failureでは、time-to-event analysis評価で、プラシーボに比べトシリズマブが良好(hazard ratio, 0.55; 95% CI, 0.33 to 0.93)

day 28までの全原因死亡は、tocilizumab群では 10.4%、プラシーボ群では 8.6% (加重差, 2.0 パーセントポイント; 95% CI, –5.2 to 7.8)

safety populationでは、重大副事象発生は、トシリズマブ群では38/250(15.2%)、プラシーボ群では 24/127(19.7%)

機械換気を受けていないCovid-19 肺炎入院患者において,トシリズマブは,機械換気または死亡の複合アウトカムへの進行の可能性を低下させたが,生存率の改善には至らなかった.新たな安全性シグナルは確認されなかった。(Genentechによる資金提供;EMPACTA ClinicalTrials.gov番号、NCT04372186)。

2020年12月22日火曜日

SARS-CoV-2;「ポピヨンヨードうがい」

 やたらと「ポピヨンヨードうがい」もらいたがる

うがい薬といえど、薬剤であり、政治家も意見表明する上でも慎重であるべきなのに・・・

慎重さを欠いたメディア露出 その後の影響大きいぞ! 
一応、エビデンストやらも検索してみた




非常時使用としての ヨウ化カリウム使用量は・・・



あくまでもin vitroでの知見で
安全性レビュー
in vivoでの安全性は担保されてない

COVID-19:炎症抑制因子IL-37の役割 サイトカインも暴れる奴だけではない


要約

powerfulな抗炎症性サイトカインである、IL-37の早期応答において、254のSARS-CoV-2感染患者において臨床介入前と臨床予後の相関を検討

SARS-CoV-2感染語のIL-37の増加を示した。観察研究だが、type 1 IFNを保持しながら、炎症応答に対して拮抗する、IL-37の防御的役割が示唆された

virus RNA negative conversion、CT画像改善、咳嗽改善、結果としての早期退院といった結果は、早期IL-37反応高値と相関する。

重症臨床クラススクリーニングの正確なモデルがIL-37、IL-8、CRPによりformulateされれば、臨床にとってより良い価値ある値となるだろう


<hr>


 Correlation Between Early Plasma Interleukin 37 Responses With Low Inflammatory Cytokine Levels and Benign Clinical Outcomes in Severe Acute Respiratory Syndrome Coronavirus 2 Infection

Ang Li, Yun Ling, et al.

The Journal of Infectious Diseases, jiaa713, 

https://doi.org/10.1093/infdis/jiaa713

Published: 17 November 2020

https://academic.oup.com/jid/advance-article/doi/10.1093/infdis/jiaa713/5983749





2020年12月21日月曜日

COVID-19の“VUI-202012/01”変異

VUI-202012/01

https://nypost.com/2020/12/15/uk-finds-new-mutation-of-covid-19-behind-rapid-spread-in-london/


wikiは記載は速い

https://en.wikipedia.org/wiki/VUI_%E2%80%93_202012/01


12月18日のtelecon meetingで、 New and Emerging Respiratory Virus Threats Advisory Group (NERVTAG)は、 antigenic escapeの可能性を検討し、"[t]he location of the mutations in the receptor-binding domain of the spike glycoprotein raises the possibility that this variant is antigenically distinct from prior variants. Four probable reinfections have been identified amongst 915 subjects with this variant, but further work is needed to compare this reinfection rate with comparable data sets."

antigenic escapeの可能性と、今までの変異と抗原性が異なる可能性がある、スパイク蛋白のの受容体結合ドメインの変異、再感染報告(4名/915名)


2020年12月18日金曜日

喘息概日気道反応の鍵:REV-ERBα

喘息の概日気道反応の鍵


生誕時点でその後の喘息リスクが一部決定づけられている

生誕時点でその後の喘息リスクが一部決定づけられているという仮説

生誕時肺機能検査評価とその後のコホートにて明確になりつつある

胎内成長との関連ということに話がなってくるのだが・・・


先行研究にて生誕時maximal expiratory flow at FRC (V̇maxFRC)が生後3ヶ月後の喘鳴と関連している(N Engl J Med 1988; 319:1112-1117) 。さらに、24歳時点での活動性喘息とも関連という報告(Pediatr Pulmonol 2018; 53: 1082-1088)があった。peak tidal expiratory flow to the total expiratory time (tptef/te)、T<sub>me</sub>/T<sub>E</sub>maximal expiratory flow at FRC (V̇maxFRC)よりその後の喘鳴リスク予測となるとの報告と10歳時点での活動性喘息との関連性有りという報告(NEJM 2006; 355 : 1682-1689)もある

2020年12月17日木曜日

D-ダイマーと肺病変の相関性、そして予後推定の関連性

12月時点の総説としてはまとまっていると思う 


" reduced IFN signaling, and an overaggressive immune response compounded by heightened cytokines/chemokines"が重症度の根管というお話

     ↓

Mechanisms of SARS-CoV-2 Transmission and Pathogenesis

Trends in Immunology


Volume 41, Issue 12, December 2020, Pages 1100-1115https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1471490620302337




故に、INFやサイトカイン・ケモカイン系のマーカーならすんなり世間に受け入れられるのだろうが・・・D-ダイマーと肺病変の相関性、そして予後推定の関連性についての報告では納得し難いというのも理解できる。

(“サイトカインストーム”の定義が果たしてdefinitiveなのだろうかという根幹的問題も https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMra2026131

D-ダイマー指標が初期指標としてはガイドライン上否定的なのは知っているが、現実的なツールとしてD-Dimer使用して良いのでは?


D-Dimer as a potential biomarker for disease severity in COVID-19

Mert Ozen, et al.

the American Journal of Emergency Medicine, Published:December 14, 2020

DOI:https://doi.org/10.1016/j.ajem.2020.12.023

https://www.ajemjournal.com/article/S0735-6757(20)31142-6/fulltext?rss=yes


方法

RT-PCRに基づいてCOVID-19と診断された120例の臨床データ,画像データ,検査データをレトロスペクティブに評価した.臨床的には,COVID-19の重症度を非合併性肺炎,軽症または重症の肺炎に分類した.放射線学的には,各患者のコンピュータ断層撮影でウイルス性肺炎に適合する罹患肺の面積を,全肺面積の 0~30%または 31%以上に分類した.COVID-19患者のDダイマー値および臨床検査データを,入院状態,入院期間,治療中および追跡調査中の肺病変と比較した.D-ダイマーの予測値を評価するために、受信機操作特性(ROC)分析を行った。

結果

D ダイマー上昇(> 243 ng/ml)は 63.3%(76/120 例)の患者で検出された。集中治療室の重症肺炎入院患者の平均 D-ダイマー値は 3144.50 ± 1709.4 ng/ml(1643-8548)と算出された。D-ダイマー値は、年齢、入院期間、肺病変、フィブリノーゲン、好中球数、好中球リンパ球比率(NLR)、血小板リンパ球比率(PLR)と正の相関を示した。ROC分析で閾値Dダイマー値が370 ng/mlであった場合、この値はCOVID-19患者の肺病変に対する特異度が77%、感度が74%と計算された。



 

結論

COVID-19患者のD-Dimerレベルは予後と相関しているが、予後を決定する上でどの程度有用であるかについては、さらなる研究が必要である。



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2020年12月16日水曜日

COPD:喀痰中ADAM9値とFEV1予測比、気道上皮表面ADAM9と気腫構造の関連

無理矢理名付けた感のあるADAM9・・・COPDの病態と関連するという報告


Relationship Between Proteinase with a Disintegrin and a Metalloproteinase Domain-9 (ADAM9), Inflammation, Airway Remodeling, and Emphysema in COPD Patients

International Journal of Chronic Obstructive Pulmonary Disease  Volume 15 Published 14 December 2020 Volume 2020:15 Pages 3335—3346

DOI https://doi.org/10.2147/COPD.S276171

https://www.dovepress.com/relationship-between-proteinase-with-anbspdisintegrin-and-anbspmetallo-peer-reviewed-fulltext-article-COPD


背景と目的:COPD 患者における ADAM9 と気道リモデリングおよび肺気腫の重症度との関連は明らかにされていない。ここでは、喀痰および気道上皮中のADAM9レベルとCOPD患者の臨床的特徴との関連を検討した。


方法:喀痰コホートと肺組織コホートを調査対象とした。COPD患者、非COPD喫煙者、非喫煙者を対象に、肺機能およびCTデータを解析した。喀痰上清中の可溶性 ADAM9 およびインターロイキン 8(IL-8)レベル気道上皮中のsurface ADAM9 expressionが検出された。肺気腫スコアはpercentage of low attenuation area (%LAA-950)で計算し、気道リモデリングは気道肥厚と気道数の損失を介して測定した。

結果:喀痰中の可溶性ADAM9レベルと気道上皮中のrelative surface ADAM9 expressionの両方がCOPD患者で増加した。喀痰中 ADAM9 レベルは予測 1 秒間の強制呼気量(FEV1% of predicted) と負の相関があり、喀痰 IL-8 レベルと正の相関があったが、CT で測定された肺気腫や気道リモデリングとは相関がなかった。気道気道上皮中のsurface ADAM9 expressionは、%LAA-950と気道壁肥厚パラメータ(壁面積率、WA%、内周10mmの標準気道における壁面積の平方根、Pi-10)と正の相関がありましたが、第4〜第9次の気管支から派生した気道数と負の相関がありました。


結論喀痰と気道上皮の気道ADAM9レベルは両方ともCOPD患者で非COPD対照と比較して上昇した。喀痰ADAM9はCOPDにおける炎症性反応と関連しているように思われたが、上皮ADAM9は肺気腫や気道リモデリングとより相関していた。


Keywords: chronic obstructive pulmonary disease, proteinase with a disintegrin and a metalloproteinase domain-9, computed tomography, emphysema, airway remodeling

うつと炎症性シグナルGlycA

炎症性反応として急性期蛋白が肝臓から放出されglycosylateされ、GlycAシグナルと関連定量的評価が可能となる

GlycA testは、proton nuclear magnetic resonance (<sup1</sup>H-NMR) spectroscopy-based assayによる新しい検査

The GlycA test quantifies an NMR signal that appears in a region of the NMR LipoProfile® test spectrum separate from that used for lipoprotein particle analysis. Data indicate that this signal is a marker of systemic inflammation, suggesting it may have clinical utility similar or complementary to high sensitivity C-reactive protein (hsCRP), fibrinogen, and other biomarkers of inflammation.The NMR signal, named "GlycA," originates from the N-acetyl methyl groups of the N-acetylglucosamine moieties on the carbohydrate portions of circulating glycoproteins.  The measured amplitude of this signal reflects the extent of plasma protein glycosylation (not to be confused with nonenzymatic glycation reflecting glucose levels). Most acute phase proteins, released from the liver during an inflammatory response, are glycosylated, and some are glycosylated differentially as a function of inflammation. Acute-phase proteins, such as α1-acid glycoprotein (also known as orosomucoid), haptoglobin, α1-antitrypsin, α1-antichymotrypsin, and transferrin circulate at high enough concentrations to make major contributions to the GlycA signal. Therefore, GlycA is hypothesized to be a nonspecific measure of global inflammation status.Unlike existing biomarkers of inflammation that are discrete molecular species, such as CRP or inflammatory cytokines, GlycA is a composite biomarker that integrates the protein levels and glycosylation states of several of the most abundant acute-phase proteins in serum. This allows for a more stable measure of systemic inflammation with lower intra-individual variability for GlycA than hsCRP. While guidelines recommend two serial measurements be taken at least two weeks apart when using hsCRP for CV disease risk assessment, only one measurement is necessary for evaluation of a patient's CV risk using the GlycA test.

https://www.labcorp.com/tests/123850/glyca


An Association Between the Inflammatory Biomarker GlycA and Depressive Symptom Severity

Samara Huckvale , et al.

J Clin Psychiatry 2021;82(1):20m13245

https://doi.org/10.4088/JCP.20m13245


【目的】うつ病の根底にあるメカニズムは明らかにされていないが、現在の文献では炎症とうつ病の関係が示唆されている。炎症性バイオマーカーである高感度C反応性蛋白(hs-CRP)とうつ病との関連はこれまでにも検討されているが、新しい分光学的炎症性バイオマーカーであるGlycAとうつ病との関連はこれまで検討されていないようである。


【方法】データは、ダラス郡の住民の大規模な地域密着型サンプル(N = 3,033)からなるダラス心臓研究(DHS、2000年から2002年の間に実施)から得た。抑うつ症状の重症度は、Quick Inventory of Depressive Symptomatology-Self-Report(QIDS-SR)を用いて評価した。人口統計学的共変量をコントロールした後、血清GlycA値がQIDS-SRスコアの統計的に有意な予測因子になるという仮説が立てられた。GlycA値とQIDS-SRスコアの関係を評価するために重回帰法を用いた。また、QIDS-SRスコアの予測におけるhs-CRPの役割についても検討した。


【結果】GlycAレベルは、性別、年齢、抗うつ薬使用、民族、喫煙状況、飲酒状況、肥満度指数、教育年数をコントロールした場合、QIDS-SRスコアの統計的に有意な正の予測因子であった(β=0.053、P=0.038)。中等度から重度のうつ病を有する成人のサブセットでは、GlycA値はQIDS-SRスコアと関連していなかった。さらに、hs-CRP値はQIDS-SRスコアの統計的に有意な予測因子ではなかった。


【結論】本研究では、多民族・多国籍の大規模な地域住民を対象に、炎症性バイオマーカーであるGlycAと抑うつ症状の重症度との間に正の相関があることを明らかにしたが、hs-CRPには相関がなかった。したがって、これらの結果は、GlycAがうつ病の新規バイオマーカーとして有用である可能性があることを初めて示している。


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2020年12月15日火曜日

後顧的研究:カルシウム拮抗剤による活動性結核抑制作用

後顧的症例対照研究で、DHP系CCBの方がより強固に活動性結核発症リスク抑制するとのこと


Use of Calcium Channel Blockers and Risk of Active Tuberculosis Disease

A Population-Based Analysis

Chien-Chang Lee, et al.

Originally published14 Dec 2020Hypertension. ;0

https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/HYPERTENSIONAHA.120.15534

カルシウム拮抗薬(CCB)は、細胞内病原体にとって重要なミネラルである鉄の利用可能性を低下させることが知られている。それにもかかわらず、CCBの使用が臨床現場での活動性結核のリスクに影響を与えるかどうかは不明である。


 CCBが活動性結核のリスクに影響を与えるかどうかを判断するために、1999年1月から2011年12月までの間に台湾の国民健康保険研究データベースを用いて、入れ子にした症例対照研究を行った。

CCBの使用に関連した活動性結核疾患のリスクを計算するために、条件付きロジスティック回帰と疾患リスクスコア調整を用いた。サブグループ解析では、異なるタイプのCCBの効果と、異なるサブ集団における潜在的な効果の修正を調査した。


合計8164例の新規活動性結核患者と816 400例の対照群を調査した。CCBの使用は、疾患リスクスコアで調整した後の活動性結核のリスクの32%低下と関連していた(相対リスク[RR]、0.68[95%CI、0.58-0.78])。

CCBs非使用との比較として、dihydropyridine CCBはリスク減少(RR, 0.63 [95% CI, 0.53–0.79]) で、非dihydropyridine CCBは(RR, 0.73 [95% CI, 0.57–0.94])で、前者の方がリスク減少程度大きい

 サブグループ解析では、CCBの使用に関連した結核リスクは心不全または脳血管疾患を有する患者でも同様であった。

ジヒドロピリジン系CCBの使用が活動性結核のリスクを低下させることを確認した。


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<hr>

メカニズムとしては

CCBs reduced iron deposition, inhibited proliferation, induced apoptosis, and elevated expression of matrix metalloproteinase-13 (MMP-13) and tissue inhibitor of metalloproteinase-1 (TIMP-1)


鉄とカルシウムチャネル 鉄の細胞内取り込みの機序として,トランスフェリン受容体,DMT1(divalent metal transporter 1),L型カルシウムチャネルなどがある. もともと,心筋が過剰な鉄に対して高い感受性 をもつ,つまり鉄の細胞内取り込みが多い機序 は長い間不明であった.トランスフェリン受容 体,DMT1 による取り込みだけでは説明が難し かった.L型カルシウムチャネルは,心筋細胞の 興奮収縮連関に重要な働きをしているが,この チャネルがFe2+の細胞内取り込みに重要な働き をしていることが報告された.鉄負荷心不全動 物モデルにおいて,Ca(カルシウム)拮抗薬の 慢性投与により,心筋鉄過剰沈着およびそれに よる酸化ストレスの減少と心機能増悪改善が見 られる.

https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/99/6/99_1241/_pdf




State of Art レビュー:COPDにおける好酸球性炎症

State of Art Review

Eosinophilic inflammation in COPD: from an inflammatory marker to a treatable trait David B, et al. Thorax 2020;0:1–8. doi:10.1136/thoraxjnl-2020-215167

https://thorax.bmj.com/content/thoraxjnl/early/2020/12/14/thoraxjnl-2020-215167.full.pdf

究極として、多くのバイオマーカーが診断、予後、管理上の手助けとなる様になってきた。COPDのtreatment traitのバイオマーカーとして好酸球を支持するエビデンスが存在するようになってきたが、まだ確実ではなく、研究自体もongoing。それにもかかわらず、COPD管理に血液好酸球数を広く導入することは価値があると思われる。統一されたコンセンサスと、COPDのためのあらゆるバイオマーカーを使用するための実用的でアクセスしやすく手頃な価格の方法が最も重要であると考えられていました。その利用に関する課題としては、バイオマーカーを用いた治療の明確で実用的な根拠の提示、プライマリーケアとセカンダリーケア間でのICSの中止に関するガイダンスの提示、そして広く臨床に適用するための財政的なインセンティブの欠如が挙げられる。近い将来、COPDにおける根本的な病態経路の明確な理解に基づいて、治療可能な形質の臨床バイオマーカーが、気道疾患患者に対する最も効果的な治療法について臨床家の判断を導くことができるようになるだろう

<hr>全てを読んでないどころか一部だけ読んだ

ACOとCOPD biomarkerとしての好酸球数の混乱が、いわゆる専門家たちでも存在するようだ。

「The limitations of using diagnostic labels such as ‘COPD’ or ‘asthma’, however, are becoming increasingly apparent; Agusti et al proposed a precision medicine strategy based on the presence (or absence) of ‘treatable traits’. 」

精密医療では、COPDや喘息と診断された患者を治療するのではなく、存在する治療可能なtritに基づいて気道疾患の患者を治療する(図1)。



Agustiらは、気道疾患における治療可能な形質の3つのセットを強調した:pulmonary treatable traits (eg, eosinophilic airway inflammation), extrapulmonary traits (eg, cardiovascular disease) and treatable behaviour/lifestyle risk factors of airway diseases (eg, exposure to sensitising agents/pollution).

Treatable traits: toward precision medicine of chronic airway diseases

Alvar Agusti, et al. European Respiratory Journal 2016 47: 410-419; DOI: 10.1183/13993003.01359-2015

https://erj.ersjournals.com/content/47/2/410


<hr>概念図にすぎませんけどね 

2020年12月12日土曜日

病的心リモデリングに関係するIgE、FcεR1:抗IgE抗体にて治療可能性

  • 心不全などの慢性的なpressure overloadによりIgE高値誘発 → さらに受容体側の高親和性受容体である、FcεR1の方も有意に増加
  • 抗IgE抗体(オマリズマブ)によるAngII誘発心筋緩和の可能性も示唆


心筋リモデリングにおいて喘息でおなじみの機序関係


Role of IgE-FcεR1 in Pathological Cardiac Remodeling and Dysfunction

Hongmei Zhao, et al.

Originally published11 Dec 2020

https://doi.org/10.1161/CIRCULATIONAHA.120.047852Circulation. ;0

https://www.ahajournals.org/doi/abs/10.1161/CIRCULATIONAHA.120.047852

血清IgE値は、心不全(HF)患者と、 transverse aortic contraction (TAC) chronic angiotensin II (Ang II) infusionによる慢性的な圧力過負荷によって誘発された2つのマウス心疾患モデルにおいて有意に上昇した。

 興味深いことに、FcεR1の発現レベルは、ヒトおよびマウスの心不全モデルにおいても有意に上昇していた。FcεR1ノックアウトによるIgE-FcεR1経路の遮断は、TACまたはAng IIによる病的な心臓リモデリングおよび/または機能不全を緩和した。

 抗IgE抗体(臨床薬であるオマリズマブを含む)もまた、Ang II誘発の心臓リモデリングを有意に緩和した。骨髄移植実験では、IgE誘導心筋リモデリングは非骨髄由来の細胞を介して媒介されることが示された。

FcεR1は cardiomyocytes (CMs)cardiac fibroblasts (CFs)の両方で発現していることがわかった。培養ラットCMでは、IgE誘発CM肥大と肥大マーカー発現はFcεR1を枯渇させることで消失した。


培養ラットCFでは、FcεR1欠損によりIgE誘発CF活性化およびマトリックス蛋白質産生も阻害された。

RNA-seqおよびシグナル伝達経路の解析から、トランスフォーミング増殖因子-β(TGF-β)が重要なメディエーターであることが明らかになり、TGF-βを阻害することで、IgE誘発心筋細胞の肥大および心筋線維芽細胞の活性化がin vitroで緩和された。


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2020年12月9日水曜日

STRENGTH Randomized Clinical Trial:高リスク心血管疾患:EPA製剤やEPA/DHA製剤追加投与は意味があるのか? 無さそう

EPA製剤やEPA/DHA製剤を心血管疾患リスク状態患者において付加する必要があるのだろうか?


 


November 15, 2020

Effect of High-Dose Omega-3 Fatty Acids vs Corn Oil on Major Adverse Cardiovascular Events in Patients at High Cardiovascular Risk

The STRENGTH Randomized Clinical Trial

Stephen J. Nicholls,  et al.

JAMA. 2020;324(22):2268-2280. doi:10.1001/jama.2020.22258

https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/10.1001/jama.2020.22258


キーポイント

質問 心血管リスクが高く、トリグリセリドが高く、HDL コレステロール値が低いスタチン治療患者において、オメガ 3 脂肪酸のカルボン酸製剤(エイコサペンタエン酸とドコサヘキサエン酸)を背景療法に追加すると、心血管アウトカムが改善されますか?

所見 早期に中止された13 078人の患者を対象としたこの無作為化臨床試験では、コーン油と比較して、オメガ3脂肪酸の毎日の補給は、主要な有害心血管系イベントの複合アウトカムに有意な差をもたらさなかった(ハザード比、0.99)。

意味 これらの知見は,心血管系リスクの高い患者における主要有害心血管イベントの減少を目的とした本オメガ 3 脂肪酸製剤の使用を支持するものではない。


 抄録

【重要】 オメガ 3 脂肪酸エイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)が心血管リスクを低下させるかどうかは不明である。

【目的 】動脈原性脂質異常症および高心血管リスクを有する患者における脂質および炎症マーカーに対する良好な効果が文書化されているEPAおよびDHA(オメガ3脂肪酸CA)のカルボン酸製剤の心血管アウトカムに対する効果を明らかにする。

【デザイン、設定、および参加者】 心血管リスクが高く、高トリグリセリド血症、高密度リポ蛋白コレステロール(HDL-C)が低いスタチン治療患者を対象に、オメガ3 CAとコーン油を比較する二重盲検無作為化多施設共同試験(登録:2014年10月30日~2017年6月14日、試験終了:2020年1月8日、最終患者受診:2020年5月14日)を実施した。北米、ヨーロッパ、南米、アジア、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカの 22 カ国にある 675 の学術病院と地域病院で、合計 13 078 人の患者が無作為に割り付けられました。

【介入群 】参加者は、スタチンを含む通常の背景療法に加えて、1日4g/日のオメガ3系CA(n = 6539)または不活性コンパレータとしての役割を意図したコーンオイル(n = 6539)の投与を受けるように無作為に割り付けられました。

【主要評価項目】 主要評価項目は、心血管死、非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中、冠動脈血行再建術、または入院を必要とする不安定狭心症の複合値であった。

【結果】 1384人の患者が主要エンドポイントイベント(予定されていた1600件のイベントのうち)を経験した時点で、オメガ3系CAとコーン油比較試験の臨床的有益性が低い確率であることを示す中間解析に基づいて、この試験は早期中断された。治療を受けた13 078人の患者(平均年齢[SD]、62.5[9.0]歳、女性35%、糖尿病70%、低密度リポタンパク質[LDL]コレステロール値中央値75.0mg/dL、トリグリセリド値中央値240mg/dL、HDL-C値中央値36mg/dL、高感度C反応性タンパク質値中央値2.1mg/L)のうち、12 633人(96.6%)が一次エンドポイントの状態を確認しながら試験を終了した。一次エンドポイントは、オメガ3系CA投与群785例(12.0%)とコーン油投与群795例(12.2%)で発生した(ハザード比、0.99[95%CI、0.90~1.09];P=0.84)。消化管有害事象の発生率は、コーン油投与群(14.7%)と比較してオメガ3 CA群(24.7%)で高率であった。

【結論と関連性】 高心血管リスクでスタチン治療を受けた患者において、通常の背景療法にコーン油と比較してオメガ3 CAを追加しても、主要な有害心血管イベントの複合転帰において有意差は認められなかった。これらの所見は、高リスク患者における主要な有害心血管イベントを減少させるためのこのオメガ3脂肪酸製剤の使用を支持するものではない。




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Trial Registration  ClinicalTrials.gov Identifier: NCT02104817


2020年12月8日火曜日

コントロール不良仮面高血圧はout-of-clinicアルドステロン分泌と関連

コントロール不良仮面高血圧(Masked Uncontrolled Hypertension : MUCH)は、院外アルドステロン分泌と関係

MUCH患者では交感神経系の緊張がレニン放出の増加を介してアルドステロン分泌を増加させ、それが out-of-clinic BPの上昇に寄与している可能性が高い


Masked Uncontrolled Hypertension Is Accompanied by Increased Out-of-Clinic Aldosterone Secretion

Mohammed Siddiqui,  et al.

Hypertension, Originally published7 Dec 2020

https://doi.org/10.1161/HYPERTENSIONAHA.120.15950Hypertension.

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33280407/

治療を受けた患者におけるMasked uncontrolled hypertension (MUCH)とは、 office blood pressure (BP) はコントロールされているが、外来血圧はコントロールされていない状態であると定義される。これまでに、MUCH患者では臨床外交感神経系の活動が亢進していることを示してきた。

本研究の目的は、真のコントロールされた高血圧患者と比較して、MUCH患者ではアルドステロン分泌が高いという仮説を検証することである。

222人の患者を、3回以上の受診でオフィスでの血圧測定を管理した上で登録した。MR(ミネラルコルチコイド受容体)拮抗薬および上皮内ナトリウムチャネル遮断薬を服用している患者は除外した。

すべての患者は、診療所のclinic automated office BP、朝の血清アルドステロンおよび血漿レニン活性によって評価。また、Out-of-clinic ambulatory BP monitoring、24時間尿中アルドステロン、カテコールアミン、メタネフリンも測定した。

64人の患者がMUCHで、残りの48人の患者は真のコントロールされた高血圧であった。

MUCH患者では、真のコントロールされた高血圧患者と比較して、24時間尿中アルドステロン、カテコールアミン、メタネフリンのout-of-clinic levelが有意に高かった。

両群間では、in clinicで採取された血清アルドステロン、血漿レニン活性、アルドステロン-レニン比に差はなかった。

さらに、MUCH患者の32.8%は、out-of-clinic 24時間尿中アルドステロン値(≧12μg)は高かったが、 clinic 血清アルドステロン値(<15 ng/dL)とアルドステロン・レニン比(<20)は正常であった。

さらに、correlation matrix analysisでは、MUCH患者では24時間尿中カテコールアミンとメタネフリンが高く、24時間尿中アルドステロンと血漿レニン活性レベルが高くなっていました。

MUCH患者は真のコントロールされた高血圧患者と比較して、out-of-clinicの尿中アルドステロン値が高い。この研究は、MUCH患者では交感神経系の緊張がレニン放出の増加を介してアルドステロン分泌を増加させ、それが out-of-clinic BPの上昇に寄与している可能性が高いことを示唆しています。


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多変量メンデルランダム化研究:アルコール摂取・タバコと心血管疾患の関連性

観察研究では、アルコール摂取とCVDとの間に複雑な関係が示されており、軽度から中等度のアルコール摂取がMIとCHDのリスクを中等度に低下させると報告している研究もある。

 同様に、メタアナリシスや短期試験では、アルコール摂取と高密度リポ蛋白コレステロール(HDL-C)の増加などのCVD危険因子との関連が示唆されているが、低密度リポ蛋白コレステロール(LDL-C)やトリグリセリド(TRG)との関連は明らかではない。

観察研究は潜在的な交絡因子や逆因果関係の影響を受けやすく、因果関係の推論が困難

暴露と結果の間の潜在的な因果推論を調査するための代替戦略の一つとして、メンデル無作為化(MR)分析が考えられる。MR は、アウトカムの発症前に確立され、交絡因子とは比較的独立しているランダムな遺伝的変異を、関心のある健康アウトカムに対するリスク因子曝露の因果関係を評価するための曝露の手段として利用。

他の脂質やリポ蛋白質を考慮したMultivariable Mendelian randomization (MVMR) モデルではLDL-Cの効果が減衰していることを発見などこの手法の意義に評価が高まっている。

2サンプルのsingle-variable Mendelian randomization (SVMR) aおよびMVMR解析で幅広い範囲のCVD転帰と危険因子を対象に、アルコール消費量、タバコ喫煙、CVDとの間の総合的な関係と直接的な関係の両方を包括的に調査


Evaluating the relationship between alcohol consumption, tobacco use, and cardiovascular disease: A multivariable Mendelian randomization study

Daniel B. Rosoff, et al.

PLos Medicine, https://journals.plos.org/plosmedicine/article/file?id=10.1371/journal.pmed.1003410




大規模な公開ゲノムワイド関連研究(GWAS)(研究参加者を合わせた120万人以上の結果)を用いて、2標本の単変量メンデルランダム化(SVMR)と多変量メンデルランダム化(MVMR)を実施し、アルコール消費と喫煙が広範囲のCVD危険因子と転帰に及ぼす独立した影響を同時に評価した。

相補的メンデル無作為化(MR)法を含む複数の感度解析、および二次的なアルコール消費量と喫煙のデータセットを使用した。

SVMRにより、アルコール消費の遺伝的素因が高密度リポ蛋白質コレステロール(HDL-C)(β0.40、95%信頼区間(CI)、0.04-0.47、P値=1.72×10<suo>-28</sup>)、トリグリセリド(TRG)(β-0.23、95%CI、-0.23)、トリグリセリド(TRG)(β-0.23、β-0.23)を含むCVDリスク因子と関連していることが示された。 23、95%信頼区間(CI)、-0.30、-0.15、P値=4.69 × 10<sup>-10</sup>)、自動収縮期血圧(BP)測定(β0.11、95%CI、0.03-0.18、P値=4.72 × 10<sup>-3</sup>)、および自動拡張期血圧測定(β0.09、95%CI、0.03-0.16、P値=5.24 × 10-3) .

逆に、遺伝的に予測された喫煙はTRGの増加と関連していた(β0.097、95%CI、0.014-0.027、P値=6.59×10<sup>-12</sup>) 。

アルコール摂取は心筋梗塞(MI)と冠動脈性心疾患(CHD)リスク(MIオッズ比(OR)=1.24、95%CI、1.03-1.50、P値=0.02;CHD OR=1.21、95%CI、1.01-1.45、P値=0.04)の増加とも関連していたが、その影響は喫煙を調整したMVMRでは減衰していた。

逆に、アルコールは冠動脈硬化との関連を維持していた(OR 1.02、95%CI、1.01-1.03、P値=5.56×10-4)。

一方、飲酒量を調整した後も、喫煙はMI(OR = 1.84、95%CI、1.43、2.37、P値 = 2.0×10-6 )、CHD(OR = 1.64、95%CI、1.28-2.09、P値 = 5.56×10-4 )を含むいくつかのCVD転帰との関連を維持していた。 28-2.09、P値=8.07 × 10-5 )、心不全(HF)(OR=1.61、95%CI、1.32-1.95、P値=1.9 × 10-6 )、および大動脈のアテローム性動脈硬化症(OR=2.4、95%CI、1.41-4.07、P値=0.003)。

注目すべきは、FinnGenコホートデータを使用して、喫煙とMI(OR = 1.77、95%CI、1.10-2.84、P値 = 0.02)、HF(OR = 1.67、95%CI、1.14-2.46、P値 = 0.008)、末梢動脈疾患(PAD)(OR = 2.35、95%CI、1.38-4.01、P値 = 0.002)を含むいくつかのCVDアウトカムとの関連性を再現することができたことである。

本研究の主な制限事項としては、測定されていない交絡因子によるバイアスの可能性、アルコール消費量とCVDリスクの間の潜在的な非線形関係を調査するためのサマリーレベルのMRが不可能であること、およびUK Biobank(UKB)の他の集団への一般化可能性が挙げられる。


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2020年12月4日金曜日

ベルギーコホート:重症喘息:biologics使用ではSARS-CoV-2感染増加と関連せず?

type 2 low 表現型、経口コルチコステロイドの使用、および重度の喘息が悪化因子である可能性があるが、吸入コルチコステロイド(ICS)による維持治療および良好な喘息コントロールはおそらく保護的

重度の喘息および/または生物学的製剤の使用がある被験者におけるCOVID-19に関連するリスクに関する情報は現在のところ乏しい。好酸球減少症はCOVID-19の重症度のバイオマーカーであるため 、抗IL5および抗IL5受容体ブロッキングモノクローナル抗体によって誘発される好酸球減少は、患者およびその治療を行う医師に懸念を抱かせる。

ベルギー重症喘息登録(BSAR)のデータに基づいて、重症喘息の成人患者におけるCOVID-19の発生を評価し、生物製剤を使用している重症喘息患者が、これらの薬剤を使用していない患者と比較して重症COVID-19のリスクが増加するかどうかを評価


結論は以下の通り 

In conclusion, among this cohort of adult patients with severe asthma, a small number of COVID-19 cases was found, none of which resulted in death or a very severe disease course. Treatment with biologics for severe allergic or severe eosinophilic asthma was not associated with a higher risk of SARS-CoV-2 infection nor with more severe COVID-19. 

COVID-19 and biologics in severe asthma: data from the Belgian Severe Asthma Registry

Shane Hanon, et al.

European Respiratory Journal 2020 56: 2002857; 

DOI: 10.1183/13993003.02857-2020

https://erj.ersjournals.com/content/56/6/2002857?rss=1







2020年12月2日水曜日

歌唱での安全な距離の実験: 正面は2-2.5m未満、側面 1.5m未満は認めがたい

メロディーありの歌詞歌い上げで強い、弱い(MT+、MT-)の場合は、前方へのエアロゾル距離の中央値が1m未満になったが,多くの被験者が1.4mまでの距離に達していた.分散距離が最大であることから,安全距離としては,人と人との距離が正面から2-2.5m,側面から1.5m以下の距離を推奨すべきではない


Impulse Dispersion of Aerosols during Singing and Speaking: A Potential COVID-19 Transmission Pathway

Matthias Echternach , et al.

American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine   Volume 202, Issue 11

https://www.atsjournals.org/doi/full/10.1164/rccm.202009-3438LE?af=R

https://doi.org/10.1164/rccm.202009-3438LE       PubMed: 33064957

集団での歌唱イベントは、コロナウイルス病(COVID-19)のパンデミックの間、いくつかの感染症アウトブレイクと関連

プロの歌手におけるエアロゾルのインパルス分散ダイナミクスを、歌詞を歌う、母音を歌う、または異なるレベルの音量で話すことの違いについて解析することを目的


倫理的承認(LMU-20-395)を得た後、バイエルン放送合唱団に所属する健常者(病歴、急性感染症質問票、歌声ハンディキャップ指数、spirometryによる)10名のプロ歌手(女性5名、男性5名。平均年齢44±11歳)に、

to perform the melody from Beethoven’s “Ode to Joy” to the original text “Freude schöner Götterfunken, Tochter aus Elysium” in the key of D major, 

(歓喜の歌(喜びの歌)の一節)

starting on F#3 for the male voices and F#4 for female voices (task “melody and text” [MT]). 

Moreover, the singers were asked to read out the text (T) at a comfortable pitch (心地よいピッチでテキストを読み上げる)and to vocalize only the melody (M) without text on the vowel [ə]. (母音[ə]に文字を入れずにメロディ(M)だけを発声)

All three tasks were performed with soft (−) and loud (+) phonation. 

Thus, the following six tasks were performed: MT+, MT−, M+, M−, T+, and T−. 

In addition, a 6-second exhalation and a coughing task were performed.


3つのフルHDソニーHDC 1700Rカメラは、側面(カメラ1)とトップビュー(カメラ2)の視点からの実験を記録した。すべての測定は、バイエルン放送のテレビネットワークスタジオ(寸法、27メートル×22メートル×9メートル)で行われた。壁は少なくとも4m離れており、黒で覆われていた。煙は、少なくとも3.5 mの距離に配置された3つのスポットライトで照らされた。曝気後、存在するすべての人々は、さらに2分間動かないように指示された。温度は平均(SD)23.27℃(0.46)、相対湿度は46.12%(0.95)で測定した。


煙の雲は、閾値ベースの領域成長アルゴリズムを用いて、各ビデオフレームでセグメント化され、雲の面積とその輪郭を時間の関数として、歌手の口から3次元(正面からX次元、左から右へのY次元、下から上へのZ次元)で得られた。関心領域(ROI)の寸法は,ROIx × ROIy × ROIz = 260 cm × 270 cm × 180 cm(カメラ1),190 cm × 270 cm × 180 cm(カメラ2)とした.


結果


X方向の impulse dispersionは、Y方向やZ方向よりも大きいことがわかった。

前方への距離の中央値は、MT+で0.86m、MT-で0.78m、T+で0.82m、T-で0.74mであった。

task Mでは、それぞれ0.62 m(M+)、0.49 m(M-)と明らかに低い値を示した (Friedmann/Wilcoxon/Bonferroni-correction P values: MT± vs. M± = 0.003, T± vs. M± = 0.015, and MT± vs. T± = nonsignificant). 

被験者間変動は大きく、MTタスクでは0.61 mから1.36 mの範囲であった(図1)。




タスク終了後3秒後には、エアロゾル雲の運動は、タスク終了後3秒後にすべてのタスクで0.04 mから0.11 mの間で、前方(x方向)への追加の中央値の移動とともに減少した。



側方への分散ははるかに小さかった(図2)。



しかし,被験者によっては,課題開始直前に歌手の運動によって発生した小さな対流が原因と考えられ,y方向の距離は横方向へのアンバランスを示した.また、課題終了時の左右のy径の中央値は0.57mから0.88mであった。


音圧レベルは、1.5mの距離でMT-=57.08dB(A)、MT+=67.75dB(A)、T-=44.69dB(A)、T+=65.32dB(A)、M-=61.74dB(A)、M+=73.12dB(A)であった。ラウドタスクではソフトタスクとは異なる分散パターンを示す傾向があったが、統計解析では有意性を示さなかった(LoudMT,T,M vs. SoftMT,T,M Wilcoxon P = 0.069)。


呼吸タスクと咳タスクの両方に関して、検出された距離は、すべての音韻関連タスクよりもはるかに大きかった。呼気6秒後のx方向の距離の中央値は1.19m(最大1.71m)であり、咳嗽後のx方向の距離の中央値は1.32m(最大1.89m)であった。


2020年11月30日月曜日

COPDにおけるsmall airway 機能障害、購入急性炎症、急性増悪との関連性


小気道(small airway)は、COPD発症前からのprodrome所見という考えもあるだろうが、COPDの併存状態での評価ということになる

CTでの評価、body plethysmography、それにFOT指標、Multiple Breath Nitrogen Washout (MBNW) を指標として評価したところ、急性増悪頻回群は、BAL好中球数増加、R5-R19やAXというFOT指標、RV/TLC、paired CT scanの平均肺密度と相関ということに


【序文から】

小気道の変化は、換気の不均一性と gas trappingの増加によって識別できるが、このSADの測定のための普遍的に合意されたゴールドスタンダードは存在しない。

SADの間接的な測定法であるガストラップは、paired high resolution  computed tomography (HRCT) scan and/or body plethysmographyを用いて評価することができる。

HRCT測定では、呼気スキャンの平均肺密度(MLD)と吸気スキャンの平均肺密度(MLD E/I)の比(MLD E/I)が得られ、不完全な容積減少による呼気後の低減衰領域の増加( increased low attenuation areas after expiration due to incomplete volume reduction)を反映しています。 

Body plethysmography では、小気道内の病理学の結果として不完全な体積減少のためにも上昇しているResidual volume to total lung capacity ratio (RV/TLC) が得られます。 

まだルーチンの臨床には採用されていませんが、Forced Oscillation  Technique (FOT) とMultiple Breath Nitrogen Washout (MBNW) から得られた測定値は、喘息とCOPDのSADに起因する換気の不均一性と関連していることが示されており、MBNWは最近COPDの集団で実行可能であることが示されています。

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Interrelationships between small airways dysfunction, neutrophilic inflammation andexacerbation frequency in COPD

Kerry Day, et al.

CHEST journal

Published:November 24, 2020

DOI:https://doi.org/10.1016/j.chest.2020.11.018

https://journal.chestnet.org/article/S0012-3692(20)35299-5/

背景

小気道疾患(SAD)はCOPDの主要な構成要素であり、肺機能低下の主な要因となっている。

研究内容

小気道疾患は頻繁に起こるCOPDの増悪の主な特徴であり、これは気道炎症と関連しているのか?

研究デザインと方法

増悪頻度の高いCOPD患者(年間2回以上の増悪、n=17)と頻度の低い増悪患者(年間1回以下の増悪、n=22)のどちらかと定義された39人のCOPD患者が、 Forced Oscillation Technique (R5-R19, AX), multiple breath nitrogen washout (S <sub>cond</sub>, S <sub>acin</sub>), plethysmography (RV/TLC), single breath transfer factor (TLCO), spirometry (FEV 1%, FEV 1/FVC) とpaired inspiratory – expiratory CT scansを行い、小気道疾患を確認した。亜集団は気管支鏡検査を受け、BAL細胞の割合を集計できるようにした。

結果

細葉換気不均一性(S <sub>acin</sub>)は、IEと比較してCOPD FE群で有意に高かった(P = 0.027)。 

FE群では、SADのマーカーは、BAL好中球割合、R5-R19(P = 0.001、r = 0.795)、AX(P = 0.049、rho = 0.560)、RV/TLC(P = 0.004、r = 0.730)、およびペアCTスキャンの平均肺密度(P = 0.018、r = 0.639)と強く関連していた。

解釈

細葉換気の不均一性の増加は、以前の急性増悪の結果かもしれないし、増悪を起こしやすい患者群を強調しているかもしれない。SADの測定値は、FEの小気道における好中球性炎症と強く関連しており、このことは、頻繁な増悪が細胞性炎症の増加に関連した小気道疾患と関連しているという仮説を支持するものであった。



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FOT、RV/TLC測定可能となっているから、SAD指標として再認識しようっと

2020年11月27日金曜日

フェブリク 心血管系安全性懸念 (vs アロプリノール) 否定?


Long-term cardiovascular safety of febuxostat compared with allopurinol in patients with gout (FAST): a multicentre, prospective, randomised, open-label, non-inferiority trial

Isla S Mackenzie,  et al.

The Lancet, Published:November 09, 2020

DOI:https://doi.org/10.1016/S0140-6736(20)32234-0

https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(20)32234-0/fulltext?rss=yes



背景

フェブキソスタットとアロプリノールは、痛風患者の治療に使用される尿酸値低下治療薬です。フェブキソスタットの心血管系の安全性に関する懸念を受け、欧州医薬品庁は、アロプリノールと比較したフェブキソスタットの心血管系の安全性を評価するための使用許可後試験を推奨した。

試験方法

我々は、英国、デンマーク、スウェーデンの痛風患者を対象に、フェブキソスタットとアロプリノールの非劣性試験をプロスペクティブ、無作為化、オープンラベル、盲検、エンドポイント、非劣性試験として実施した。対象患者は60歳以上で、すでにアロプリノールの投与を受けており、少なくとも1つの心血管系危険因子が追加されていた。過去6ヵ月間に心筋梗塞や脳卒中を発症した患者、重度のうっ血性心不全や重度の腎障害を有する患者は除外された。リードイン試験では、血清尿酸値0.357mmol/L未満(6mg/dL未満)を達成するためにアロプリノールの投与量を最適化した後、患者は無作為に割り付けられた(1:1、心血管イベントの既往歴に応じて層別化)。主要アウトカムは、非致死的心筋梗塞またはバイオマーカー陽性の急性冠症候群による入院、非致死的脳卒中、または心血管疾患による死亡を複合したものであった。Cox比例ハザードモデル(層別化変数と国別に調整)におけるフェブキソスタット対アロプリノールのハザード比(HR)は、治療後の解析で非劣性(HR限界値1.3)と評価された。本試験は EU 臨床試験登録(EudraCT 2011-001883-23)および ISRCTN(ISRCTN72443728)に登録されており、現在は終了しています。

所見

2011年12月20日から2018年1月26日までに、6128人の患者(平均年齢71.0歳[SD 6.4]、男性5225人[85.3%]、女性903人[14.7%]、心血管疾患の既往歴あり2046人[33.4%])が登録され、アロプリノール投与群(n=3065)またはフェブキソスタット投与群(n=3063)に無作為に割り付けられました。試験終了日(2019年12月31日)までに、フェブキソスタット群189例(6.2%)、アロプリノール群169例(5.5%)がすべてのフォローアップを辞退した。追跡期間中央値は1467日(IQR 1029~2052)、治療中の追跡期間中央値は1324日(IQR 870~1919)であった。主要エンドポイントである治療時のイベント発生率については、フェブキソスタット群(172人[100人年あたり1.72イベント])はアロプリノール群(241人[100人年あたり2.05イベント];調整後HR 0.85[95%CI 0.70-1.03]、p<0.0001)よりも非劣っていた。フェブキソスタット群では,3063 例中 222 例(7.2%)が死亡し,安全性解析セットの 3001 例中 1720 例(57.3%)が少なくとも 1 つの重篤な有害事象を有していた(治療に関連する事象は 19 例中 23 件[0.6%)]。アロプリノール群では、3065例中263例(8.6%)が死亡し、3050例中1812例(59.4%)に1件以上の重篤な有害事象が認められた(治療に関連した5例中5件[0.2%]の患者に5件の事象が認められた)。無作為化治療が中止されたのは、フェブキソスタット群で973例(32.4%)、アロプリノール群で503例(16.5%)であった。

解釈

フェブキソスタットは、主要心血管系エンドポイントにおいてアロプリノール療法と比較して劣ることはなく、長期投与ではアロプリノール療法と比較して死亡または重篤な有害事象のリスクが増加することはありません。


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2020年11月25日水曜日

USPSTF推奨ステートメント:心血管疾患予防のためのリスク要素成人への健康食と身体活動促進のための行動的カウンセリング介入

あらためてそうなんだと思ったところ

血糖値の異常、肥満、喫煙など、その他の修正可能な心血管リスク因子を有する成人は、本勧告には含まれず既知の高血圧または血圧上昇を有する18歳以上の成人、脂質異常症を有する成人、またはメタボリックシンドロームなどの混合または複数の危険因子を有する成人、または推定10年間のCVDリスクが7.5%以上の成人に適用

血糖値異常や肥満、喫煙は修正可能リスク要素らしい


アメリカ糖尿病協会は、喫煙、身体不活発、食事、肥満としている



US Preventive Services Task Force Recommendation Statement

Behavioral Counseling Interventions to Promote a Healthy Diet and Physical Activity for Cardiovascular Disease Prevention in Adults With Cardiovascular Risk Factors

US Preventive Services Task Force Recommendation Statement

JAMA. 2020;324(20):2069-2075. doi:10.1001/jama.2020.21749

https://jamanetwork.com/article.aspx?doi=10.1001/jama.2020.21749



抄録

重要性 心血管疾患(CVD)は米国における死亡原因の第一位である。CVDの修正可能な危険因子としては、喫煙、過体重・肥満、糖尿病、血圧・高血圧、脂質異常症、運動不足、不健康な食生活などが知られている。健康的な食事と身体活動のための国のガイドラインを遵守している成人は、そうでない人に比べて心血管疾患の罹患率と死亡率が低い。CVDリスクの状態にかかわらず、すべての人は健康的な食事行動と適切な身体活動から恩恵を受ける。


目的 2014年の勧告を更新するために、USPSTFは、心血管リスク因子を有する成人のCVD予防のための健康的な食事と身体活動を促進するための行動カウンセリングに関するエビデンスのレビューを依頼した。


母集団 この勧告文は、既知の高血圧または血圧上昇を有する18歳以上の成人脂質異常症を有する成人、またはメタボリックシンドロームなどの混合または複数の危険因子を有する成人、または推定10年間のCVDリスクが7.5%以上の成人に適用される。血糖値の異常、肥満、喫煙など、その他の修正可能な心血管リスク因子を有する成人は、本勧告には含まれません。


エビデンス評価 USPSTFは、行動カウンセリング介入は、CVDリスクが増加している成人のCVDリスクに対して中程度の純利益を有すると中程度の確実性をもって結論づけている。


勧告 USPSTFは、CVDリスク因子を有する成人に対して、健康的な食事と身体活動を促進するための行動カウンセリング介入を提供または紹介することを推奨している。(B推奨)


おすすめのまとめ

重要性

CVDの修正可能な危険因子としては、喫煙、過体重・肥満、糖尿病、血圧・高血圧、脂質異常症、運動不足、不健康な食事などが知られています。健康的な食事と身体活動のための国のガイドラインを遵守している成人は、そうでない人に比べて心血管疾患の罹患率と死亡率が低くなっています。CVDのリスク状態に関係なく、すべての人が健康的な食事行動と適切な身体活動によって健康上の利益を得ることができます。


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食事カウンセリング

減らすべき:飽和脂肪、ナトリウム、sweet、糖添加

増やすべき:野菜、果物、フルーツ、全粒粉、健康的脂肪(e.g. ω3)、魚

DASH、地中海食のような特異的な食事を促進

身体活動カウンセリング

中等度〜強度身体活動を週90〜180分助言するのが典型


ベネフィット

行動介入した場合包括的なベネフィット

  • 心血管イベント(eg. 心筋梗塞、卒中、PAD)16年間フォローアップ 減少(pooled RR 0.81 [95% CI, 0.74 - 0.88])
  • 血圧低下  :収縮期血圧 -1.8 mm Hg[95% CI, -2.5 to -1.2)、拡張期血圧 -1.2 mm Hg [95% CI, -1.6 to -0.7])
  • 総コレステロール低下 (-3.7 mg/dL [95% CI, -5.9 to -1.5])
  • LDLコレステロール低下 (-2.3 mg/dL [95% CI, -4.3 to -0.2])
  • BMI低下 (-0.4 [95% CI, -0.7 to -0.2])
  • 体重減少 ( -1.5 kg [95% CI, -2.1 to -1.1])
  • ウェスト周径 (-1.6 cm [95% CI, -2.3 to -0.9])

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その他のおすすめポイント

米国心臓協会/米国心臓病学会、米国栄養栄養学アカデミー、米国退役軍人局/国防総省を含む多くの組織が、CVDの危険因子を持つ成人に対する行動カウンセリングに関する推奨を行っている。例えば、米国心臓協会(American Heart Association)と米国心臓病学会(American College of Cardiology)は、臨床医がカウンセリングによる介入を行い、すべての成人に対して健康的な食事と身体活動(米国食品医薬品局/保健福祉省のガイドラインに準拠)を促進することを推奨している17 。これらの団体は、血圧や高血圧の成人に対して、減量、心臓に良い食事パターン、ナトリウムの削減、食事性カリウムの補給、構造化された運動プログラムによる身体活動の増加、アルコール摂取の制限を特に推奨している。

米国臨床内分泌医協会(American Association of Clinical Endocrinologists)と米国内分泌学会(American College of Endocrinology)は、脂質異常症とメタボリックシンドロームを持つ成人のための推奨事項として、週2回の筋力トレーニングと週4~6回の中程度の強度の有酸素運動を週30分行うことを挙げている。 米国栄養・栄養アカデミーは、高血圧症の成人の血圧を下げるための定期的な有酸素運動だけでなく、登録管理栄養士による栄養カウンセリングを推奨している。

米国家庭医学会は、CVDを予防するための行動カウンセリングに関する2014年のUSPSTF勧告を参照し、これを支持している 。米国医師会は現在、成人の健康的な食事や身体活動を促進するための行動カウンセリングに関する臨床勧告を持っていない。


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2020年11月24日火曜日

AstraZeneca: Covid-19ワクチン ChAdOx1 vaccine 初回投与量がキモ?

preliminary dataの70.4%有効性が一人歩きしているようだ


Oxford University breakthrough on global COVID-19 vaccine

https://www.ox.ac.uk/news/2020-11-23-oxford-university-breakthrough-global-covid-19-vaccine


These preliminary data indicate that the vaccine is 70.4% effective, with tests on two different dose regimens showing that the vaccine was 90% effective if administered at a half dose and then at a full dose, or 62% effective if administered in two full doses.



これは、通常チンパンジーの風邪の原因となる無害で弱毒なアデノウイルスです。ChAdOx1は、他のワクチンでは1回の投与で強い免疫反応が得られることが示されているため、SARS-CoV-2ワクチンに最適なワクチン技術として選ばれました。ChAdOx1は、ヒトでの増殖が不可能なように遺伝子組み換えされています。これにより、子供や高齢者、糖尿病などの持病を持つ人にも安全に投与することができるようになりました。チンパンジーアデノウイルスベクターは非常によく研究されたワクチンで、何千人もの被験者に安全に使用されています。


 

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Covid-19: Oxford vaccine is up to 90% effective, interim analysis indicates

BMJ 2020; 371 doi: https://doi.org/10.1136/bmj.m4564 (Published 23 November 2020)

Cite this as: BMJ 2020;371:m4564

https://www.bmj.com/content/371/bmj.m4564.short


オックスフォード大学が開発したcovid-19ワクチン候補は、最初に半量を投与した後に全量を投与した場合に90%の有効性があることが、第III相中間試験の結果から明らかになった。

解析には131例のcovid-19の症例が含まれており、1ヶ月間隔で2回の標準用量(8895人)を投与した場合には62%の有効性を示したが、半量投与後に標準用量レジーム(2741人)を使用した場合には90%の有効性を示した。ワクチンを受けた人に入院や重症化は認められなかった。

この結果はまだ査読や公表されておらず、11月23日にプレスリリースされた。ワクチンチームは、24時間以内に出版に向けて提出したいと述べている。

ワクチンの製造元であるアストラゼネカ社は、2020年末までに400万人分のフルドーズが英国で利用できるようになるとしており、半量投与体制がとられている場合は800万人分のワクチンを接種するために使用される可能性があるとしています。また、2021年の第1四半期末までには、約4,000万回分の全量投与(8,000万回分の半量投与)が英国で利用可能になるはずです。

世界的には、アストラゼネカ社は、2021年の第1四半期末までに3億人以上のフル用量が入手可能になると述べています。ピーク時の製造能力では、冷蔵庫の温度(2~8℃)で保存されるこのワクチンは、1~2億用量を1ヶ月で製造することができます。

チームはすでに世界中の規制当局との連携を進めている。英国を含むいくつかの国では、すでにローリング提出を開始しており、データを入手した時点で審査のためのデータを提供しています。規制当局への提出物には、4月以降に追跡調査が行われたブラジル、南アフリカ、英国の試験で得られた2万4,000人以上の安全性情報が含まれています。

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米国内コホート研究・身体活動強度と死亡率の関連 やっぱり運動強度により利益性有り

日本国内では、歩数だけを指標にして、死亡率低下に関して一定程度以上の負荷は不必要という話もあるが、果たして、運動強度無視して良いのだろうか? 

死亡率と運動強度との関連性が米国内コホートで明らかになったようだ

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中程度の強度の身体活動(MPA)の総量が同じであれば、MPA と比較して高強度の身体活動(VPA)の方が実際に健康上の有益性が高いかどうかは不明

同じ総身体活動量であれば,VPA の割合が高いほど死亡率が低いことと関連するという仮説をたて、同じ総身体活動量(総MVPAと定義)であれば、VPAはMPAと比較して死亡リスクの低下が大きいかどうかを検討


Association of Physical Activity Intensity With Mortality

A National Cohort Study of 403 681 US Adults

Yafeng Wang,  et al.

JAMA Intern Med. Published online November 23, 2020. 

doi:10.1001/jamainternmed.2020.6331

https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/fullarticle/10.1001/jamainternmed.2020.6331

【意義】 同一の総身体活動量に対して、総身体活動量に対する精力的な身体活動(VPA)の割合が高いほど、死亡率の低下が大きいかどうかは不明である。

【目的】 総身体活動量に対するVPAの割合(中等度から活発な身体活動[MVPA]と定義)と全死因死亡率、心血管疾患死亡率、およびがん死亡率との関連を検討する。

【デザイン、設定、および参加者】 このコホート研究には、自己申告による身体活動に関するデータを提供し、2015年12月31日までの国民健康面接調査(National Health Interview Survey 1997~2013年)の記録にリンクされた成人403,681人が含まれていた。統計解析は、2018 年 5 月 15 日から 2020 年 8 月 15 日までに実施した。

【暴露】 任意のMVPAを実施した参加者の総身体活動量に対するVPAの割合。

【主なアウトカムおよび測定方法】 全死因死亡率、心血管疾患死亡率、がん死亡率。Cox比例ハザード回帰モデルを用いて、社会統計学的特徴、生活習慣病リスク因子、および総身体活動量で調整したハザード比(HR)および95%CIを推定した。

【結果】 本研究に参加した403,681人(女性225,569人[51.7%]、平均[SD]年齢42.8[16.3]歳)のうち、中央値10.1年(四分位間範囲5.4~14.6年)の追跡調査期間中(4億730万人年)に36,861人が死亡した。 

相互補正モデルにて、moderate physical activity (MPA; 150-299 vs 0 minutes per week)とVPA (≥75-149 vs 0 minutes per week) を比較して同様に全死亡率は同等y (MPA: HR, 0.83; 95% CI, 0.80-0.87; and VPA: HR, 0.80; 95% CI, 0.76-0.84) 、心血管死亡率同等 (MPA: HR, 0.75; 95% CI, 0.68-0.83; and VPA: HR, 0.79; 95% CI, 0.70-0.91)

同じ比較で、VPA VPA (HR, 0.89; 95% CI, 0.80-0.99) はMPA (HR, 0.94; 95% CI, 0.86-1.02に比較してがん死亡率に関して強い逆相関

いずれかのMVPAを実施している参加者では、総身体活動量に占めるVPAの割合が高いほど、全死因死亡率の低下と関連していたが、心血管疾患およびがん死亡率とは関連していなかった。例えば、VPAが0%の参加者(精力的な活動を行わない)と比較して、総身体活動に対するVPAの割合が50%から75%以上の参加者では、総MVPAとは無関係に、全死因死亡率が17%低下した(ハザード比、0.83;95%CI、0.78-0.88)。 



 

総身体活動量に対するVPAの割合と全死因死亡率との間の逆相関は、社会人口統計学的特徴、ライフスタイルの危険因子、およびベースライン時の慢性疾患にかかわらず一貫していた。

【結論と関連性】 本研究は、同じ量のMVPAでも、総身体活動量に占めるVPAの割合が高いほど、全死因死亡率が低いことを示唆している。臨床医や公衆衛生介入者は、週に150分以上のMVPAを推奨すべきであるが、人口の健康を最大化するためには、VPAに関連する潜在的な利益についても助言すべきである。


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2020年11月20日金曜日

SARS-CoV-2:上気道ウィルス量ピークは発症1週間目、発症後9日め超過感染例報告ない

システマティックレビューおよびメタ解析である。その結果、これらのウイルスの動態と脱落期間に関する包括的な理解が得られた。平均SARS-CoV-2 RNAの脱落期間は、上気道で17.0日(最大脱落期間83日)、下気道で14.6日(最大59日)、便で17.2日(最大35日)、血清サンプルで16.6日(最大60日)であった。プールされた平均 SARS-CoV-2 放出期間は年齢と正の相関があった。持続的に高いウイルス負荷にもかかわらず、発病後 9 日目以降の生ウイルスを検出した研究はなかった。上気道における SARS-CoV-2 ウイルス負荷は発病後 1 週間でピークを迎えたが、SARS-CoV と MERS-CoV はそれより後にピークを迎えた。いくつかの研究では、SARS-CoV-2に感染した無症候性患者と症候性患者で感染開始時のウイルス負荷が類似していることが報告されているが、ほとんどの研究ではMERS-CoVと同様に無症候性患者の方がウイルスクリアランスが速いことが示されており、感染期間は短いが、感染開始時の感染性は類似している可能性があることが示唆されている。


SARS-CoV-2, SARS-CoV, and MERS-CoV viral load dynamics, duration of viral shedding, and infectiousness: a systematic review and meta-analysis

Muge Cevik,  et al.

Open AccessPublished:November 19, 2020

DOI:https://doi.org/10.1016/S2666-5247(20)30172-5

https://www.thelancet.com/journals/lanmic/article/PIIS2666-5247(20)30172-5/fulltext

SARS-CoV-2に関する研究79件(5340人)、SARS-CoVに関する研究8件(1858人)、MERS-CoVに関する研究11件(799人)が含まれていた。


SARS-CoV-2 RNAの平均の消失までの期間は、上気道で17.0日(95%信頼区間15.5~18.6;43研究、3229人)、下気道で14.6日(9.3~20.0;7研究、260人)、便で17.2日(14.4~20.1;13研究、586人)、血清サンプルで16.6日(3.6~29.7;2研究、108人)であった。

 消失までの期間で最大は、上気道で 83 日、下気道で 59 日、便で 126 日、血清で 60 日であった。

プールされた平均SARS-CoV-2のshedding期間は年齢と正の相関を示した(傾き0.304[95%CI 0.115-0.493];p=0.0016)。

cycle threshold value から推定される高ウイルス負荷が持続的に認められたにもかかわらず、発病後9日目以降に生ウイルスが検出された研究はなかった。 

上気道における SARS-CoV-2 ウイルス負荷は発病後 1 週間目にピークを迎えるようであったが、SARS-CoV のウイルス負荷は 10~14 日目に、MERS-CoV のウイルス負荷は 7~10 日目にピークを迎えた。

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上記報告がスタンダードな考えになるのだろう


9日目を超えた感染者への対応変革があるのかもしれない


2020年11月17日火曜日

Cardiac Deceleration Capacity:血管迷走神経失神診断に役立つ

ホルター心電図に、データ分析項目入れ込むと、 血管迷走神経失神(VVS)診断の決め手となり得る?


DC > 7.5 ms は心迷走神経活動をモニターし、特に Tilt Table Test(TTT)陰性者において VVS を識別するための良いツールとなりうる。


The Diagnostic Value of Cardiac Deceleration Capacity in Vasovagal Syncope

Lihui Zheng, et al.

Circulation: Arrhythmia and Electrophysiology

Originally published16 Nov 2020

https://doi.org/10.1161/CIRCEP.120.008659C

https://www.ahajournals.org/doi/abs/10.1161/CIRCEP.120.008659


背景 - 血管迷走神経失神(VVS)患者の失神イベントでは、副交感神経活動の亢進が重要な役割を果たすと考えられている。しかし、迷走神経の制御を直接測定することは困難である。そこで、迷走神経の変調を特徴づけるために、心拍数測定の新しい減速能(DC)が用いられてきた。本研究では、VVS患者の迷走神経制御を評価し、VVSにおけるDCの診断的価値を評価することを目的とした。

方法-連続した161名のVVS患者(43±15歳、男性62名)が登録された。チルトテーブルテスト(TTT)は101人で陽性、60人で陰性であった。健常者65名を対照として登録した。24時間心電図、心エコー図、生化学検査におけるDCと心拍変動(HRV)を失神群と対照群で比較した。

結果 - 

DCは失神群で対照群に比べて有意に高かった(9.6±3.3ms vs. 6.5±2.0ms,P0.001)。TTTが陽性・陰性のVVS患者でもDCは同様に上昇した(9.7±3.5ms vs. 9.4±2.9ms,P=0.614)。 

多変量ロジスティック回帰分析では、DCは失神と独立して関連していた(OR=1.518、95%CI 1.301-1.770、P=0.0001)。 

失神の予測については、曲線下面積(AUC)解析では、DC単独とDC併用を他の危険因子と比較しても同様の値を示した(P=0.1147)。 

失神判別のためのレシーバーオペレータ特性(ROC)曲線から、DCの最適カットオフ値は7.12msであった。

結論:DC > 7.5 ms は心迷走神経活動をモニターし、特に Tilt Table Test(TTT)陰性者において VVS を識別するための良いツールとなりうる。 


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Deceleration capacity of heart rate as a predictor of mortality after myocardial infarction: cohort study     www.thelancet.comVol 367 May 20, 2006

https://www.thelancet.com/pdfs/journals/lancet/PIIS0140-6736(06)68735-7.pdf




Step 1:  anchorの定義

 deceleration capacity (DC)の計算のため、先行心拍間隔より長い心拍間隔を'anchor'として同定(図の●; γ1, γ2, γ3,...γn). 

acceleration capacity (AC)の計算のため、先行心拍間隔より短い心拍間隔を'anchor'として同定(図の○)

典型的な24時間ホルター記録では、100,000個のRR間隔のうち約45,000個がアンカーとなる。

アーティファクトによる誤差を抑制するために、5%以上のRR間隔の延長(またはAC計算のための短縮)は除外しています。

Step 2: Definition of segments (S1, S2, S3,...Sn)

'anchor'周辺の間隔のsegment(図中のbar:線)を選択。全てのsegmentは同じサイズ(最小frequencyにより選択し視覚化) 。近接したanchorの周囲のsegmentはoverlap可能。明解とするため、setmentはこの図では12心拍間隔に切り詰めた

Step 3: Phase rectification

segmentはanchorでそろえる


Step 4: Signal averaging

PRSA信号X(i)は、すべてのアンカーのRR間隔の平均値(灰色の線)、X(1)とX(-1)はアンカーの前後のRR間隔の平均値(黒色の線)など、アラインメントされたセグメント内の信号を平均化して得られる。


 Step 5: Quantification of DC or AC

DC (AC)=[X(0)+X(1)–X(–1)–X(–2)]/4

技術的にはHaar wavelet analysisのXの定量化に基づく定量化指標で、scale 2を使用。PRSA曲線を得るための技術は、心周期シーケンスをコンピュータ処理する必要がありますが、曲線自体は視覚的に容易に解釈することができます。PRSA curve取得のための技術には心拍sequenceのコンピュータ処理が必要だが、curve自体は視覚的に解釈も容易である。カーブの中心部の凹み(deflection)は心拍から心拍への心拍の減少する心拍の平均capacityを意味する。減速に関連した心拍変動と加速に関連した心拍変動を区別できることが、心拍変動の測定に使用される標準的なアプローチに対するPRSAの主な利点となる。

Black circle=average of anchors—X(0). Grey circles=averages of adjacent intervals




同世代コホートによる分析で、70歳〜100歳でスタチン一次予防効果最大

現在とは医療技術や患者の健康概念・医療施策が異なるhistorical cohortを用いてリスクやハザードを云々することの危険性が明確に!

contemporary cohortが常に必要とされる

高齢者へのスタチン一次予防に対し、その姿勢が問われる報告となった

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(要約)研究者らは、70~100歳の現代の集団を用いて、70歳以上の患者における心筋梗塞および動脈硬化性心血管系疾患のリスク上昇とLDLコレステロールの増加が関連していないかどうかを調べた。Copenhagen General Population Studyから、ベースライン時に動脈硬化性心血管疾患や糖尿病を有しておらず、スタチン系薬剤を投与されていない人(20~100歳)を対象とした。その結果、心筋梗塞と動脈硬化性心血管系疾患の絶対リスクが最も高く、1つのイベントを予防するために5年間で治療に必要な推定数が最も低いのは、現代の一次予防コホートでLDLコレステロールが上昇している70~100歳の患者であることがわかった。


序文

動脈硬化は、人生の早い時期に始まり、人生の後半に突然臨床的疾患(例えば、心筋梗塞やアテローム性硬化性心血管系疾患)を発症する前に、数十年かけてゆっくりと進行します。この過程の中心的な原動力としてのLDLコレステロールの役割は、動物研究における実験的証拠からコホート研究における疫学的関連性、単因性および多因性ヒト疾患の両方から得られた偏りのない遺伝学的証拠、およびLDLコレステロール低下の無作為化試験の証拠に至るまでの証拠に基づいている。このため、LDLコレステロールは、一次予防および二次予防のすべての主要なガイドラインにおいて、依然として一次治療目標とされている。動脈硬化の発症におけるLDLコレステロールの因果関係にもかかわらず、これまでの研究では、総コレステロール値の上昇と心筋梗塞および虚血性心疾患との関連性は年齢によって大きく異なり、その関連性は高齢者よりも若年者の方がはるかに強いことが示されている。 ほとんどの人では、LDLコレステロールが総コレステロールの主要な割合を占めています。多くの研究では、コレステロールの増加と臨床イベントとの関連性は、70歳以上の高齢者では消失していた。しかし、これまでの研究のほとんどは、動脈硬化性心血管系疾患やその他の慢性疾患の予防や治療が現代の診療と異なっていた40~50年前までの患者を登録した歴史的コホート(historical cohort)で行われたものである。それ以来、平均寿命は大幅に伸びており、少なくとも一部は高齢者の健康状態が改善されたことに起因している。さらに、年齢標準化された心筋梗塞の発生率は高齢者よりも若年者の方が低下しており、心筋梗塞とアテローム性硬化性心血管系疾患の発生率は70歳以上の高齢者の方が高くなっています。これらの経時的な変化は、平均寿命の延長や年齢の上昇に伴う併存疾患の減少により、現代人の70~100歳代の心筋梗塞や動脈硬化性心血管系疾患の発症におけるLDLコレステロールの上昇の重要性を変化させ、エビデンスのギャップを生み出している可能性がある。世界的に70歳以上の高齢者の割合と数が急速に増加していることから,現代の70歳以上の高齢者におけるLDLコレステロール上昇と心筋梗塞や動脈硬化性心血管系疾患のリスクとの関連を理解することは,適切な管理や予防的介入についての患者・医師間の議論のために重要であると考えられる。そこで我々は,70~100歳の高齢者において,LDLコレステロールの上昇が心筋梗塞やアテローム性硬化性心血管病のリスク上昇と関連しているという仮説を検証

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Elevated LDL cholesterol and increased risk of myocardial infarction and atherosclerotic cardiovascular disease in individuals aged 70–100 years: a contemporary primary prevention cohort

Martin Bødtker Mortensen, et al.

The Lancet, Published:November 10, 2020

DOI:https://doi.org/10.1016/S0140-6736(20)32233-9

https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(20)32233-9/fulltext


背景

歴史的研究の知見から,LDLコレステロールの上昇は,70歳以上の患者における心筋梗塞やアテローム性硬化性心血管系疾患のリスク増加とは関連していないことが示唆された.我々はこの仮説を70~100歳の現代人の集団で検証することを目的とした。

方法

ベースライン時に動脈硬化性心血管系疾患や糖尿病を有しておらず、スタチン系薬剤を服用していないコペンハーゲン一般集団調査(CGPS)の対象者(20~100歳)を解析対象とした。LDLコレステロールの測定には標準的な病院のアッセイを用いた。心筋梗塞と動脈硬化性心血管病のハザード比(HR)と絶対イベント率を算出し、1つのイベントを予防するために5年間で治療に必要な数(NNT)を推定した。

所見

2003年11月25日から2015年2月17日までの間に、91 131人がCGPSに登録された。平均7.7年(SD 3.2)の追跡期間中(2018年12月7日まで)、151515人が初の心筋梗塞を発症し、3389人が動脈硬化性心血管系疾患を有していた。

 

LDLコレステロール1.0mmol/L上昇あたりの心筋梗塞のリスクは、全集団で増強され(HR 1.34、95%CI 1.27~1.41)、全年齢群、特に70~100歳で増幅された。動脈硬化性心血管系疾患のリスクも、LDLコレステロールが1.0mmol/L増加するごとに全体で増大し(HR 1.16、95%CI 1.12~1.21)、すべての年齢群、特に70~100歳の人で増幅した。

 

また、心筋梗塞のリスクは、80~100歳の人では3.0mmol/L未満(HR 2.99、95%CI 1.71~5.23)に対して、LDLコレステロールが5.0mmol/L以上(すなわち、家族性高コレステロール血症の可能性)の人では3.0mmol/L未満で増加し(HR 2.99、95%CI 1.71~5.23)、70~79歳の人では1.82、1.20~2.77)、心筋梗塞のリスクも増加していました。

 

LDLコレステロールが1.0mmol/L上昇するごとに1000人年あたりの心筋梗塞および動脈硬化性心血管系疾患のイベント数は70~100歳で最も多く,イベント数は若い年齢ほど少なかった。

 

すべての人に中等度のスタチンを投与した場合の心筋梗塞または動脈硬化性心血管系疾患のイベントを1件予防するための5年間のNNTは、70~100歳で最も低く、年齢が若いほどNNTは増加していた。


 

解釈

現代の一次予防コホートにおいて,LDL コレステロールが上昇している 70~100 歳の人は,心筋梗塞と動脈硬化性心血管病の絶対リスクが最も高く,1 回のイベントを予防するための 5 年間の推定 NNT が最も低かった.今回のデータは増加傾向にある70~100歳人口における心筋梗塞や動脈硬化性心血管疾患の負担軽減を目的とした予防戦略に重要である。


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2020年11月14日土曜日

ATSガイドライン:慢性肺疾患成人への在宅酸素療法

Home Oxygen Therapy for Adults with Chronic Lung Disease

An Official American Thoracic Society Clinical Practice Guideline

https://www.atsjournals.org/doi/pdf/10.1164/rccm.202009-3608ST



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慢性閉塞性肺疾患

質問1:重度の慢性安静時空気低酸素血症のCOPDの成人に長期酸素を処方すべきですか?

質問2:中等度の慢性安静時空気低酸素血症を有するCOPD成人に長期酸素を処方すべきか?

質問 3:重度の労作室空気低酸素血症の COPD 成人には、外来酸素を処方すべきか?


ILD

質問4:重度の慢性安静時室内空気酸素低下症を有する成人ILDに対しては、長期酸素を処方すべきか?

質問5:重度の労作室空気低酸素血症のある成人ILD患者には、外来酸素を処方すべきか?


液体酸素

質問6:慢性肺疾患の成人で、労作時の連続酸素流量が0.3L/minと処方されている場合、携帯用液体酸素は提供されるべきか?

教育

患者・介護者への教育と安全性


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重症、中等度低酸素血症の定義

we defined severe hypoxemia as having an SpO2 < 88% as assessed by pulse oximetry or having an PaO2 < 55 mm Hg (7.3 kPa) as assessed by blood-gas sampling, and we defined moderate hypoxemia as having an SpO2 88–93% or PaO2 56–60 mm Hg (7.5–7.8 kPa)

We defined severe exertional hypoxemia as having SpO2 < 88% on exertion.  

COVID-19:そろそろ、予後リスクで層別化する時期では?

予後を予測するrobustモデルは、隔離、入院、治療、はたまた集団レベルでの介入に関する意思決定を支援するために緊急に必要とされている。症例が増加し、冬が近づいていることから、このようなモデルは迅速な臨床的影響をもたらす可能性がある。


BMJ誌から2つ報告

  • 一般住民におけるcovid-19関連死亡率予測

Living risk prediction algorithm (QCOVID) for risk of hospital admission and mortality from coronavirus 19 in adults: national derivation and validation cohort study

BMJ 2020; 371 

https://www.bmj.com/content/371/bmj.m3731

The final risk algorithms included age, ethnicity, deprivation, body mass index, and a range of comorbidities.

変数多すぎて...


Risk stratification of patients admitted to hospital with covid-19 using the ISARIC WHO Clinical Characterisation Protocol: development and validation of the 4C Mortality Score
BMJ 2020; 370

Final 4C Mortality Score for in-hospital mortality in patients with covid-19. Prognostic index derived from penalised logistic regression (LASSO) model

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Risk Assessment and Prediction of Severe or Critical COVID-19 Illness in Older Adults

Zhang XY,  et al

Clinical Interventions in Aging   November 2020 Volume 2020:15 Pages 2145—2153

DOI https://doi.org/10.2147/CIA.S268156

https://www.dovepress.com/risk-assessment-and-prediction-of-severe-or-critical-covid-19-illness--peer-reviewed-article-CIA


目的:本研究は、中国の高齢者におけるCOVID-19の重症または重症イベントのリスク予測を調査し、COVID-19を有する高齢者の管理を支持するエビデンスを提供することを目的としている。

対象と方法:2020年1月20日から2020年3月16日までの間に上海市公衆衛生臨床センターに入院したCOVID-19を有する高齢者の臨床データを収集した。重症または重症の可能性のある危険因子を Cox 比例ハザード(PH)回帰モデルを用いて一変量解析および多変量解析を行い、ハザード比(HR)および 95%信頼区間(CI)を推定した。予測指標については、Youden's indexを計算して最適なカットオフポイントを決定した。重症または重症のリスク予測の有効性については、レシーバー操作特性(ROC)曲線を用いて検討した。

結果:COVID-19を有する高齢者110例を対象とし、そのうち21例(19.1%)がCOVID-19の重症または重症であった。

多変量回帰分析により、CD4細胞とDダイマーが独立した危険因子であることが示された。

D-ダイマー、CD4細胞、CD細胞/D-ダイマー比の各々のカットオフ値 0.65 (mg/dL)、 268 (細胞数/μL)、431は高齢COVID-19に於る重症あるいはクリティカルな状態予測値



COVID-19高齢者の重症化・重症化予測におけるD-ダイマー,CD4細胞,CD4細胞/D-ダイマー比,タンデム併用法,パラレル併用法のAUCは,それぞれ0.703,0.804,0.794,0.812,0.694であった。



結論:DダイマーとCD4細胞の単独または併用は、COVID-19高齢者の重症化・重症化の予後を確立するとともに、リスク層別化においても予測値を示した。


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noteへ実験的移行

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