2015年2月27日金曜日

睡眠時間長い63歳以上は、卒中になりやすい・・・ 6時間未満も軽度

63歳以上、9.5年間フォローアップ、1万人ほどの研究




睡眠時間が長くても(8時間超)、短くても(6時間未満)、卒中リスク増加する。ただ、長い方がそのハザード高い。




Sleep duration and risk of fatal and nonfatal stroke
A prospective study and meta-analysis
Yue Leng, MPhil, et. al.
http://www.neurology.org/content/early/2015/02/25/WNL.0000000000001371.abstract


全寄与要素補正後ハザード比 1.46(95%信頼区間 1.08-1.98)
ただし、少なすぎても、有意差無かったが、卒中リスク増加の可能性(HR = 1.18 [95% CI 0.91, 1.53])
アップデートメタアナリシスからのpooled HRとしては、睡眠時間短い場合  1.15 (1.07, 1.24) 、長い場合 1.45 (1.30, 1.62)

女性でしか確認できなかった・・・ 低炭水化物食と2型糖尿病発症リスクの関連性

女性でしか確認できなかった・・・ 低炭水化物食と2型糖尿病発症リスクの関連性


アンケート法による食事成分評価は一般的だが、やはり正確性に問題が残るが、グリセミック負荷量で、相関性は減弱し、炭水化物摂取量が糖尿病発症と大きく関連することを日本人で認めた。


でも、男性では、この関連認められてない



Low-Carbohydrate Diet and Type 2 Diabetes Risk in Japanese Men and Women: The Japan Public Health Center-Based Prospective Study
Akiko Nanri , et. al.
for the Japan Public Health Center-Based Prospective Study Group
PLOSone Published: February 19, 2015DOI: 10.1371/journal.pone.0118377


糖尿病病歴のない、男性2万8千弱、女性3万7千弱 (45-75歳)
Japan Public Health Center-Based Prospective Study
http://epi.ncc.go.jp/images/uploads/06newsletter06.pdf
食事摂取量はアンケート、低炭水化物食スコアを計算

5年間で、2型糖尿病新規発症  1191

低炭水化物食は女性でのみ2型糖尿病発症有意減少 (P for trend  < 0.001)
多変量補正オッズ比 最大vs最小5分位比較  0.63 ( 95% 信頼区間0.46 – 0.84)

食事性グリセミック負荷数補正追加後、この関連性は減弱  (odds ratio 0.75, 95% 信頼区間 0.45–1.25)

動物性と植物性の蛋白/脂肪分離後、動物性蛋白/脂肪では2型糖尿病逆相関。
一方、男女ともだが、植物性蛋白/脂肪高摂取は相関無し



妊娠期果糖摂取は子供の喘息オッズを増加させる。2歳頃の果糖過剰摂取も小児喘息を増加させる。

妊娠中フルクトース母体摂取量と、こどもの喘息発症
コホート研究による知見

フルクトース摂取量増加にて、子供の喘息発症オッズ 22%増加し、2歳児の子供自体の振るうトース摂取でも同様影響。



糖添加甘味料によるフルクトース摂取と喘息の関連性示唆、同様に、幼少の時の摂取との関連性示唆。仮説として炎症誘発性の影響を及ぼすものと考える。




"Maternal prenatal intake of fructose is associated with asthma in children"
Wright LS, et al
AAAAI 2015. Abstract 736.

年齢中央値 7.7歳での喘息有病比較で、医師診断による母からの報告
mid-child期発症 19.7%
4分位比較で、低所得世帯ほどフルクトース摂取多く、BMI高く( 25.4 vs 23.8)、黒人が多い
女児・フルクトース高摂取は、mid-child期BMI高く(z-score 0.46 versus 0.30) 、喘息有病率高い(26% versus 14%)

1st、2nd トリメスターでの母体フルクトース摂取量は、子供のmid-child喘息頻度と相関(OR 1.22, 95% CI 1.03-1.44)
2歳時点でのフルクトース摂取量高値とも同程度相関(OR 1.22, 95% CI 1.02-1.46)


砂糖がだめならフルクトース(果糖)があるという人もいるが・・・
https://ja-jp.facebook.com/satoru.utsumi/posts/476313549119070

現在、食品や飲料の製造に使われている甘味料の55%は、コーンを原料としており、アメリカのカロリー源のナンバーワンは、HFCS(高フルクトース・コーンシロップ)の形態です。これは日本でもその傾向が強くなってきています。多くの人が体重を落とそうとして頼りにしている低脂肪ダイエット食品に、実は、往々にしてフルクトース が大量に入っています・・・ルクトース代謝の過程で生成された脂肪酸は、肝臓や骨格筋組織の中に脂肪滴として蓄積し、インスリン耐性とNAFLD(非アルコール性の脂肪肝)の原因となります


医者の中にも、糖尿病症例にはフルクトース主体とした点滴を・・・というのがいて 「フルクトース」点滴に需要があるところをみると、未だに・・・

ニコチン貼付療法:24週を超過した治療に意味は無い


ニコチンパッチ 8週間(標準)、24週間(延長)、52週間比較(維持)

プライマリアウトカムは7日ポイントでの禁煙率:6ヶ月後、12ヶ月後

結論は、長期間ニコチンパッチ治療しても安全だが、24週以上やっても治療効果として期間延長に見合う効果は無い。

Long-term Nicotine Replacement Therapy
A Randomized Clinical Trial
Robert A. Schnoll, et. al.

JAMA Intern Med. Published online February 23, 2015. doi:10.1001/jamainternmed.2014.8313



24週目で、標準治療群 21.7% vs.  延長群・維持群 27.2% (χ21 = 1.98; P = .17)

多変量解析にて、標準群と比較すると、延長・維持治療群では、有意に24週後禁煙率高い (odds ratio [OR], 1.70 [95% CI, 1.03-2.81]; P = .04)
喫煙臍窩までの期間長い (β = 21.30 [95% CI, 10.30-32.25]; P < 0.001),
禁煙不成功のときのタバコ数減少  (mean [SD], 5.8 [5.3] vs 6.4 [5.1] cigarettes per day; β = 0.43 [95% CI, 0.06-0.82]; P = .02)
禁煙日数増加 (mean [SD], 80.5 [38.1] vs 68.2 [43.7] days; OR, 1.55 [95% CI, 1.06-2.26]; P = .02).


52週時点で、維持療法群では、標準・延長期間群に比べ禁煙成功率増加は見られなかった (20.3% vs 23.8%; OR, 1.17 [95% CI, 0.69-1.98]; P = .57).

同様に、52週禁煙率も延長群と標準治療群で差を認めなかった  (26.0% vs 21.7%; OR, 1.33 [95% CI, 0.72-2.45]; P = .36).

副作用や、カウンセリング治療アドヒアランスなどにこの治療期間に関し差認めず
しかし、52週間治療である維持群では、ニコチンパッチレジメンへのアドヒアランス低下 (mean [SD], 3.94 [2.5], 4.61 [2.0], and 4.7 [2.4] patches/wk, respectively; F2,522 = 6.03; P = .003).



2015年2月26日木曜日

食品中乳化剤が、腸内細菌叢と宿主多層粘液構造を破壊し、炎症・肥満/代謝障害を生じさせる




Dietary emulsifiers impact the mouse gut microbiota promoting colitis and metabolic syndrome
Benoit Chassaing, Omry Koren, et. al.
Nature (2015) doi:10.1038/nature14232


腸管内の大量・多種の微生物は腸内微生物叢を形成し、 特に 代謝および免疫開発において、生理的働き・利益性を提供するが、一方この宿主・寄生関係の乱れで、炎症性腸疾患やメタボリックシンドロームとされる肥満関連疾患と関連する。腸上皮を覆う、 multi-layered mucus structureは、上皮細胞から安全な距離を保つ事ができる。この関連性を破壊する因子が関連疾患を悪化する可能性がある。具体的には、食品中乳化剤、洗浄剤様分子で、加工食品に含まれるユビキタスな成分で、in vitroな状況では、上皮の細菌translocationを促進する。

カルボキシメチルセルロース(CMC)やポリソルベート80といった、乳化剤として最頻用のもので、比較的低濃度でも、低度炎症や肥満・メタボリックシンドロームを、野生種マウスで生じさせ、腸炎を生じさせる。
無菌マウスや便移植に対して、必要・十分な低度炎症やメタボリック症候群を生じさせることができる。

これらの検証にて、宿主・微生物相互作用が結果炎症を生じ、肥満症や代謝障害を引き起こすことが確認された。さらに、乳化剤は、肥満・代謝異常や慢性炎症性疾患の原因となることも示唆された。




乳化
乳化剤


乳化剤だけが問題なのか?乳化の性質を持つ食品まで問題なのか・・・レシチンまで問題だとすると添加物だけの問題じゃなくなる。

2015年2月24日火曜日

サウナ浴と致死性心血管イベントと全原因死亡率低減効果

サウナ室で19分以上かぁ 量依存的効果ありという報告だが・・・

北欧の効果を一般化できるかどうか?
さらに、コスト効果的には日本ではずいぶん高くつくと思うのだが・・・


Association Between Sauna Bathing and Fatal Cardiovascular and All-Cause Mortality Events 
Tanjaniina Laukkanen,  et. al.
JAMA Intern Med. Published online February 23, 2015.


序文  サウナ浴は、血行動態機能を改善する週間だが、心血管疾患と全原因死亡率との関連性は不明であった。

目的  サウナ浴の回数と期間と、心臓突然死(SCD: sudden cardiac death)、致死性CHD(coronary heart disease)、致死性CVD(coronary heart disease)、致死性CVD (cardiovascular disease)と全原因死亡率のリスク関連性検討。

デザイン・セッティング・被験者  前向きコホート (Finnish Kuopio Ischemic Heart Disease Risk Factor Study) 、 2315名の中年(年齢レンジ、 42−60歳)男性、東フィンランド
from March 1, 1984, through December 31, 1989. 
暴露  ベースライン評価のサウナ浴回数と時間 
結果  フォローアップ中央値期間 20.7 年間 (interquartile range, 18.1-22.6 年間)
SCDs 190 , fatal CHDs 281 ,fatal  CVDs 407 ,全原因死亡  929

サウナ浴 週1回、2−3回、4−7回は、 それぞれ  601、 1513、 201

SCDs数(パーセンテージ)は、  61 (10.1%)、 119 (7.8%)、 10 (5.0%)
対応する数は、
fatal CHDs  89 (14.9%), 175 (11.5%), 17 (8.5%)
fatal CVDs 134 (22.3%), 249 (16.4%), and 24 (12.0%)
全原因死亡イベント 295 (49.1%), 572 (37.8%), and 62 (30.8%)

CVDリスク要素補正後、サウナ週1回男性に比較して
SCDハザード比 サウナ浴セッション  2−3回/週 0.78 (95% CI, 0.57-1.07) 、 4−7回/週 0.37 (95% CI, 0.18-0.75)  (P for trend = .005)
CHD、CVD、全原因死亡率でも同様 (P for trend ≤.005)

11分未満サウナ浴セッションと比較して、 SCDのハザード比は 
11−19分 0.93 (95% CI, 0.67-1.28)
19分超 0.48 (95% CI, 0.31-0.75) (P for trend =  .002)
有意な逆相関が致死性CHD、致死性CVDsで観察される (P for trend ≤.03)
しかし、全原因死亡率との相関性認めず

結論と知見  サウナ浴の回数増加と、SCD、CHD、CVD、全原因死亡率減少と相関。
サウナ浴と心血管健康のリンクする寄与メカニズムについて、さらなる研究が必要。

ピーナッツ経口減感作 第2相トライアル

前述の、「用手皿洗いは、機械式皿洗いに比べ、7-8歳の子供のアレルギー発症を抑制
http://kaigyoi.blogspot.jp/2015/02/7-8.html」と同様、免疫寛容(衛生仮説?)の話というか、治療トライアル



peanut oral immunotherapy (OIT)のpIIトライアル


Assessing the efficacy of oral immunotherapy for the desensitisation of peanut allergy in children (STOP II): a phase 2 randomised controlled trial
The Lancet Volume 383, No. 9925, p1297–1304, 12 April 2014


・ active OIT (using characterised peanut flour; protein doses of 2–800 mg/day) ・ control (peanut avoidance, the present standard of care)

Randomisation (1:1)  audited online system
グループ割り付け非マスク

ピーナッツ接種後即時過敏反応、皮膚プリッツ反応陽性、二重盲検プラセボ対照食物暴露試験(DBPCFC)陽性を示す 7-16歳 被験者

プライマリアウトカムは脱感作 (定義: DBPCFC 1400 mg 蛋白投与にて陰性)

Active群  62% (24 /39 ; 95% CI 45–78)
対照群 (0 of 46; 95% CI 0–9;  p < 0.001)


アクティブ群の84% (95% CI 70–93)は、ピーナッツ蛋白800mg連日摂取  (雑に言えば ピーナッツ5個と等量)

OIT後ピーナッツ閾値は中央値として1345mg (range 45–1400; p < 0.001)あるいは25.5倍 (range 1·82–280; p < 0.001)増加

第2相後、54% (95% CI 35–72) は、1400mg(雑に言えば5個)まで耐用、91 (79–98) %は800mgまで耐用

Quality-of-life score改善 (decreased)  (median change −1·61; p < 0.001)

副作用は軽度なら多くで存在。 胃腸症状が最も多く31名、嘔吐 31名、下痢1名
口腔内痒みは63%(76名)、喘鳴 0.41%(21名)
アドレナリン筋注は0.01%(1名)使用



用手皿洗いは、機械式皿洗いに比べ、7-8歳の子供のアレルギー発症を抑制させる

ある教授様に衛生仮説について質問したことがあるが、妄想と断言されていた・・・ 確かに、衛生仮説って概念の範囲・定義が曖昧で、学究的論文に記載されるにはやや問題なのかもしれない。 この論文での衛生仮説は、免疫寛容を念頭に置いており、Th1/Th2インバランスではない。ちょっと奇異に感じる。

用手皿洗いは完全でなく、微量の抗原となりえる成分暴露が小さい子供の免疫寛容を引き起こし、アレルギー性疾患抑制的に働くと主張



Allergy in Children in Hand Versus Machine Dishwashing
J. Pediatrics Published online February 23, 2015
http://pediatrics.aappublications.org/content/early/2015/02/17/peds.2014-2968.abstract
スウェーデン北部 7-8歳 1029名のアンケート基調
hand dishwashingは、machine dishwashingとの対比らしいので、そのまんま、用手皿洗いってことらしい
用手皿洗い vs 機械皿洗いにて、アレルギー疾患発症 オッズ比 0.57 (95% 信頼区間 0.37-0.85)と約半分の軽減 
さらに、発酵食品や農地から直接の食品という条件で、用手皿洗いによる量依存的発症抑制作用が見いだされた。

2015年2月23日月曜日

コーラ着色4ーメチル・イミダゾール 米国内規制は妥当・・・ 日本は???

4ーメチル・イミダゾール 10万対1名の超過死亡を及ぼす量は、4−MEI/日として 29μg

この研究では6歳超でソーダ水1日1缶以上飲み始めると44%から58%の子供で、発癌リスクにいたるという、12飲料の調査結果

結論から言えば、たいした影響ではないが、Regulationを駆けた方が公衆衛生的には良いということだが、
コカ・コーラ/発ガン性物質4-MIが米より18倍
http://n-seikei.jp/2012/07/4-mi18.html

世界で最も厳しい基準のカリフォルニア州の含有量は355ml中4μg、日本は72μg。カリフォルニア州の18倍だ。
http://toyokeizai.net/articles/-/48586?page=4
って、日本の規制は?




Caramel Color in Soft Drinks and Exposure to 4-Methylimidazole: A Quantitative Risk Assessment.
Smith TJS, Wolfson JA, Jiao D, Crupain MJ, Rangan U, et al. (2015)
PLoS ONE 10(2): e0118138. doi:10.1371/journal.pone.0118138
http://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0118138


Malta Goya がもっとも 4-MEI 濃度(915.8 〜 963.3μg/L)高く、
生涯平均1日量  (LADD - 8.04x10-3 mg/kgBW-day)、 生涯超過癌リスク  (1.93x10-4) 、バーデン (70歳超の米国人民 がん症例数 5011例相当)
コカコーラが最も少なく 4-MEI: 9.5 〜 11.7μg/L
生涯超過癌リスク:LADD: 1.01x10-4 mg/kgBW-day
バーデン 76名のがん症例数

この濃度は、勾配した飲料種類毎・州・エリア毎に異なるが、州・エリアにおいては同様の購買傾向である。

一定飲料種のルーチン消費量では、 9 μg/日で、州・連邦規則は妥当。





前出の経済東洋にはおもしろい記事が書かれてる・・・

「コカ・コーラ」と「コカ・コーラ ゼロフリー」は? 「カラメル色素は、厚生労働省で認可された食品添加物で、本のみならず、世界の審査機関で発がん性試験など数多く行われており、厳しく審査されて安全に問題がないと診断された結果、使用が認められておりますので、使用させていただいております。現在のところ、規制や当局による指示・指導なども特にございませんので、原材料の変更などの対応を行う予定はございません」(日本コカ・コーラのお客様相談室)。

低減しないのは国が認めているからという理屈である。だが、「日本の基準が甘すぎるだけ。日本のコーラをカリフォルニア州に輸出できますか」(安部さん)。 
せめて国はカラメルⅠ~Ⅳの表示を義務づけて、消費者が自分で判断し、選べるようにしてほしい。

少なくとも米国の公的機関が有害性を問題にしてるんですけどね・・・コカコーラさん!


消費者をないがしろにする会社に日本の消費者は厳しいはずなのだが・・・
大手スポンサー配慮する大メディアだけでなく、皆様のNHKもこういった情報を視聴者・読者に提供することはない


2015年2月21日土曜日

ここぞとばかり、コレステロールは健康を害するものではないと・・・妄想を広める人たち

体内のコレステロール高低及びその成分などは、主に遺伝及び飽和脂肪酸高含量食品に由来し、食事中のコレステロール摂取総量に依存する比率は少ない・・・ということなのに、「それ言った通りだろ、コレステロールは高くていいんだ」と誤解し、それをネットで広めてる連中・・・


一次ソースを読まず、頭脳内の世界だけで、妄想を展開し、そのデマを広める

国民総ネット時代、悪意はなくても、その弊害は大きい



コレステロール治療不要原理主義らにとって、なんら関係ない
関係あるとしたら、「食事性コレステロール吸収阻害が主な作用機序である・・・ゼチーアの無用性」が想念されるくらいだろうか・・・


Cholesterol To Be Cut From Nation's Diet Blacklist?
Bring on the eggs: advisers call for federal diet guidelines to eliminate limits.
http://www.medpagetoday.com/Cardiology/Prevention/50134


ところで、そのソースの一つ、executive summaryに「コレステロール、cholesterol」の単語が、書かれてない。


Scientific Report of the 2015 Dietary Guidelines Advisory Committee http://www.health.gov/dietaryguidelines/2015-scientific-report/


・ すべての「肉」は、「meat、ソーセージ、魚、卵」、「レッドミート、加工肉、家禽」、他様々な肉の組み合わせ
「野菜」は、「じゃがいも」は除外されることが多いが、含まれる場合もある。フライドなのか焼いた食品なのかなど情報が少ない。ゆえに、この分類でなされた報告で委員会は議論。

2015 DGACのエビデンス総体として、「健康食とは、野菜・フルーツ・全粒穀物、低・無脂肪乳、シーフーズ、ナッツ豊富な食品。成人ではアルコール適量。レッドミート、加工肉を少なく、砂糖甘味食品・ドリンク、精製穀物を少なく。


2015年2月19日木曜日

"traumatic tap" と "くも膜下出血" を鑑別する方法

脳脊髄液中のキサントクロミー所見なく、赤血球数 2000/μL(= 2000 ×10 -6)未満なら、動脈瘤性くも膜下出血否定


Differentiation between traumatic tap and aneurysmal subarachnoid hemorrhage: prospective cohort study
Jeffrey J Perry, et. al.
BMJ 2015; 350 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.h568 (Published 18 February 2015)


介入必要な状況となったり、死亡を含む、動脈瘤性くも膜下出血を主要アウトカムとする

1739 名の患者を登録、 脳脊髄液異常 641(36.9%)。
最終管 赤血球 106 超 and/or  xanthochromia 1管以上
動脈瘤性くも膜下出血は15(0.9%)

赤血球 2000×106/L より少ない場合 + xanthochromia所見なし なら、感度100% (95% 信頼区間 74.7% to 100%) 、特異度 91.2% (88.6% to 93.3%)


単位間違えてる可能性あるので各自判断を・・・

アルツハイマー病:毒性Aβオリゴマー触媒サイクル阻害可能?

Treatments to stop Alzheimer's step closer as scientists discover key inhibitor molecule
http://www.medicalnewstoday.com/articles/289577.php


アミロイド原線維のスレッドにくっつくBrichosと呼ばれるシャペロンが、毒性連鎖反応を抑制するという、認知症治療に結びつくかもしれない発見・・・と解説

A molecular chaperone breaks the catalytic cycle that generates toxic Aβ oligomers
Samuel I A Cohen, et. al.
Nature Structural & Molecular Biology (2015) doi:10.1038/nsmb.2971


アルツハイマー病に関してamyloid-β peptide (​Aβ42)の凝集が病態に関与していることがあきらか。
一度、​Aβ42 fibrilが形成されると、その表面が神経毒性オリゴーマー形成性カタライズされる。分子シャペロン、ヒトBrichosドメインがこのカタライズサイクルと抑制し、ヒトAβ42 毒性を制限する。
Brichos が、fibril表面結合阻害し、毒性オリゴマー中間産物の形成を最小化する経路に向かう。
筆者らは、細胞毒性・電気生理実験にて、生存マウス脳組織で生じていることを確認。
蛋白misfoldingや凝集の毒性に関与する複雑な反応経路内で、分子シャペロンが、蛋白ホメオスターシス維持に、クリティカルな顕微鏡的ステップを選択的に抑制すること役立っていることがわかった。


ARDS : ΔP=一回換気量/呼吸系コンプライアンス : 予後指標

吸気終末(プラトー)圧減少、一回換気量減少、PEEP増加努力にて、ARDSの予後改善の可能性あり。しかし、相対的に、どの要素が重要かは不明?

機能的肺容積で除したもの。他の指標である一回換気量やPEEPより生存率との相関関係が高いことを示した。

人工呼吸による肺障害を最小化するため、肺サイズに応じた一回換気量標準化するよう、予測体重に対する一回換気量をスケール化する。しかし、ARDS患者では、換気可能な肺容積縮小する。そのため、呼吸器コンプライアンス:respiratory-system compliance (CRS)が指標となる。ゆえに、VT/CRS標準化が予後要素となると予測、driving pressure (ΔP=VT/CRS)を提唱。
これは、自発呼吸努力のない場合、プラトー圧 − PEEP として、ルーチンに計算できる



Driving Pressure and Survival in the Acute Respiratory Distress Syndrome
Marcelo B.P. et. al.
N Engl J Med 2015; 372:747-755February 19, 2015DOI: 10.1056/NEJMsa1410639
ΔPがもっとも生存率相関

1−SD増加ごと、死亡率相対リスク1.41 95%信頼区間 1.31〜1.51増加
これは、防御的プラトー圧、一回換気量を受けてる患者でも同様。








ハイフロー療法についてのナラティブ・レビュー

ハイフロー療法についてのナラティブ・レビュー

e.g. ) http://www.ishiguro-medical.jp/products/product02/high-flow-therapy-system.html




High-flow nasal cannula oxygen in adult patients: a narrative review
Am J Med Sci. 2015 Feb;349(2):179-85. doi: 10.1097/MAJ.0000000000000345.


High-flow nasal cannula oxygen (HFNC) は、重症呼吸器疾患成人に用いられてきている比較的新しい治療的イノベーションである。加湿酸素を短い鼻プロングを通し、従来の鼻カニューラシステムより高流量で与えるものである。
メリットとしては、患者のフローデマンドにマッチし、解剖的死腔を減少し、上気道陽圧を与える。
成人対象のHFNC使用ランダム化トライアル、非ランダム化前向き研究、対照研究
参照くらいテリア合致15研究解析、5つのランダム化対照、943名、術後、がん、肺炎といったコモンな病態で、通常のフェースマスク・鼻カニューラ比較で少なくとも同等以上の優位性。副作用は、epistaxis、鼻不快、乾燥症状。
予期せぬ副作用は認めず
現在の研究では低酸素呼吸不全成人の酸素化改善が示され、特定の場合、従来の酸素投与法に比べ優越性示唆。陽圧換気補助回避の可能性もある
非侵襲的人工換気との比較研究が今後必要。



High-flow nasal cannula therapy in do-not-intubate patients with hypoxemic respiratory distress.
Respir Care. 2013 Apr;58(4):597-600. doi: 10.4187/respcare.01887.





非侵襲的人工換気の方が優れてる?・・・低酸素状態気管支鏡検査
High-flow nasal cannula oxygen versus non-invasive ventilation in patients with acute hypoxaemic respiratory failure undergoing flexible bronchoscopy - a prospective randomised trial
Marcel Simon
Critical Care 2014, 18:712 doi:10.1186/s13054-014-0712-9



加湿型ハイフローの検討は?

2015年2月18日水曜日

80歳以上の降圧への警告:2剤以上、収縮期血圧130未満

収縮期血圧と降圧剤数による、80歳以上の長軸的全原因死亡率検討


降圧剤2剤以上で収縮期血圧 (SBP) 130mm水銀柱未満の場合死亡率リスク増加
(非補正ハザード比 1.81 95% CI, 1.36 - 2.41, 補正ハザード比 1.78; 95% CI, 1.34 - 2.37  いずれも p < 0.001 )
感度分析でも同様。


Treatment With Multiple Blood Pressure Medications, Achieved Blood Pressure, and Mortality in Older Nursing Home Residents
The PARTAGE Study
Athanase Benetos, et. al.
JAMA Intern Med. Published online February 16, 2015. doi:10.1001/jamainternmed.2014.8012




日本の高齢者ガイドライン根拠の論文はHYVETのみと考えてよい
しかも、項目中記載の年齢区分のいい加減さに頭が痛くなる

CRP高値・重症市中肺炎へのメチルプレドニゾロン急性使用は治療失敗を減少させる

CRP 15 mg/dLを超える、高度炎症反応のある支柱肺炎に対し、

メチルプレドニゾロン  0.5 mg/kg/12h bolus投与 5日間 ・・・ ゆえに、総量  1mg/kg/日×5日間?

治療をすると、治療失敗率減少する

Effect of Corticosteroids on Treatment Failure Among Hospitalized Patients With Severe Community-Acquired Pneumonia and High Inflammatory Response
A Randomized Clinical Trial
Antoni Torres, et. al.
JAMA. 2015;313(7):677-686. doi:10.1001/jama.2015.88.


入院36時間以内介入
介入群(メチルプレドニゾロン群) 61例 vs プラシーボ 59例
プライマリアウトカムは、治療失敗
以下組み合わせ: 
早期失敗 治療72時間内 [1] ショック出演示唆する臨床異常  [2] ベースラインで存在しない侵襲的人工換気の必要性  [3] 死亡
or
後期失敗 治療開始後72時間〜120時間内  [1] レントゲン所見悪化 [2] 重度呼吸不全持続,[3] ショック出現 [4] ベースラインで存在しない侵襲的人工換気必要性, or [5] 死亡
or
早期失敗と後期失敗の組み合わせ


治療失敗
メチルプレドニゾロン群  (8 patients [13%])
プラシーボ群  (18 patients [31%]) (P = .02)
群間差 18% (95% CI, 3% to 32%)

ステロイド治療は、治療失敗リスクを減少  (odds ratio, 0.34 [95% CI, 0.14 to 0.87]; P = .02)

院内死亡率の群間差、認めず  (6 patients [10%] in the methylprednisolone group vs 9 patients [15%] in the placebo group; P = .37); 群間差 5% (95% CI, −6% to 17%)

高血糖 メチルプレドニゾロン群 11例(18%) vs プラシーボ群 7例(12%)  (P = .34)

結論づけは難しいと思うが、高度炎症反応を示す重症市中肺炎患者では、メチルプレドニゾロンを急性的に使用することで、治療失敗を減少させることができそう。だが、死亡率への効果は確認できてない。





バレニクリン治療:即禁煙希望でないばあいでも結果的に禁煙率向上する

バレニクリン(チャンピックス)は、即、禁煙前提。

今すぐ禁煙する決意がないという人には、現時点では、使用不可。
だが、3ヶ月後なら・・・禁煙となればいいかもって場合に、24週間投与すると・・・結果的に禁煙達成確率高まるとのこと


Effect of Varenicline on Smoking Cessation Through Smoking Reduction A Randomized Clinical Trial
Jon O. Ebbert, et. al.
JAMA. 2015;313(7):687-694. doi:10.1001/jama.2015.280.

意義 即刻禁煙する状況・準備段階にない人が喫煙者がいるが、禁煙目標のためまず減煙しようとする場合がある。

目的  喫煙量減少を通して禁煙率増加するためにバレニクリンを使用することの有効性・安全性を検討。

デザイン、セッティング、被験者 ランダム化対照化国際的臨床トライアル 24週間治療と28週間フォローアップ(2011年7月21日〜2013年7月、10ケ国、61センター)。1510名の被験者・喫煙者で、禁煙に乗り気でない、翌月禁煙可能状況でないが、喫煙量減らしたい、あるいは3ヶ月後にはやめたいとする被験者。被験者は広告で募集。

介入  バレニクリン24週間1mg/日とプラシーボを喫煙量を4週間までに50%減少、8週間までに75%以上、12週間までに禁煙達成を目標。

主要アウトカム・測定  Primary efficacy end point は、15−24週間目の一酸化炭素確認自己報告禁煙。セカンダリアウトカムは、21−24週間目、21−52週間目のやはり一酸化炭素確認禁煙自己報告。

結果 バレニクリン群(760名)は、プラシーボ群(750名)に比べ、15−24週間持続的禁煙率効率 (32.1% for the varenicline group vs 6.9% for the placebo group; risk difference (RD), 25.2% [95% CI, 21.4%-29.0%]; relative risk (RR), 4.6 [95% CI, 3.5-6.1])
バレニクリン群は、21−24週間において継続禁煙率高い  (37.8% for the varenicline group vs 12.5% for the placebo group; RD, 25.2% [95% CI, 21.1%-29.4%]; RR, 3.0 [95% CI, 2.4-3.7]) 、また21−52週間においても同様 (27.0% for the varenicline group vs 9.9% for the placebo group; RD, 17.1% [95% CI, 13.3%-20.9%]; RR, 2.7 [95% CI, 2.1-3.5])

重篤な副作用は、バレニクリン群  3.7% 、 プラシーボ群 2.2%   (P = .07)
結論・知見 喫煙希望なし・次月まで禁煙不可能とする喫煙者で、3ヶ月目までには減煙もしくは禁煙しようとする場合、バレニクリン24週間投与は、プラシーボ投与に比べ、3ヶ月時点で、治療最終時点での禁煙率有意に増加し、1年後も継続する。
バレニクリンは、臨床ガイドライン推奨である即時禁煙に着眼しない場合でも喫煙者の治療オプションとなり得る可能性あり

心不全へのスタチン投与:虚血性心不全への心筋梗塞二次予防は認める

心不全患者へのスタチン投与推奨は確立されてないので、GISSI-HFとCORONA研究にて、ロスバスタチン(クレストール)10mg/日の組み合わせ再評価

結論は、限定的二次予防のみ効果ということらしい

Do statins reduce the risk of myocardial infarction in patients with heart failure? A pooled individual-level reanalysis of CORONA and GISSI-HF
Matthew J. Feinstein , et. al.
Eur J Heart Fail. 2015 Feb 14. doi: 10.1002/ejhf.247.



CORONA 被験者 (n = 5011 median follow-up 32.8 months) は、 GISSI-HF participants (n = 4574, median follow-up 46.9 months) よりデザイン上、より高齢で、より重症。 
ロスバスタチンは、両トライアルとも、虚血原因の心不全患者において、心筋梗塞リスク減少 (ハザード比 0.81, 95% 信頼区間 0.66–0.99, P<  0.05) 
しかし、ほかの原因による卒中リスク・死亡リスクに関しては、ロスバスタチンとプラシーボに差を認めず

2015年2月17日火曜日

COPD合併症と医療費(米国)

18万4千名程度のCOPD患者で、頻度の高い合併症として
・ 心血管疾患 34.8%
・ 糖尿病 22.8%
・ 喘息 14.7%
・ 貧血 14.2%

1〜2の合併症が過半で、52.8%

インデックス日から360日の全原因総医療費平均は、CKD合併と貧血合併がもっとも高額で、$ 41,288、$ 38,870

もっとも、高コストインパクトは、貧血で、貧血なしに比べ、$ 10,762医療費が多くかかる


Economic Burden of Chronic Obstructive Pulmonary Disease by Presence of Comorbidities
David M. Mannino, et. al.
Chest. 2015. doi:10.1378/chest.14-2434

COPDの疼痛症状は、症状・QOL評価と、負の関連性あり

COPD患者の疼痛って、胸痛と一瞬思ったが、「Patients with COPD often have multiple sources of pain, including neuropathic, muscle, inflammatory, and mechanical or compressive.」ってことで、神経・筋肉・炎症性・機械的・圧迫性疼痛など多要因疼痛のことらしい


Pain and its clinical associations in individuals with chronic obstructive pulmonary disease (COPD): a systematic review
Annemarie L. Lee , et. al.
Chest. 2015. doi:10.1378/chest.14-2690

COPD疼痛は、症状・QOL評価値と臨床的にネガティブな関連がある

活動性制限的に働きそうだからか?

不眠にマインドフルネス瞑想 ・・・ かなり有効

マインドフルネス瞑想は、確かに、有効 だが、この介入法に、アプローチする手段が限られているという、メディアでの評価。


日本でも同様だが、欧米よりはましかな? 座禅の文化があるから・・・
でも、まぁ一般にはなかなか・・・


Mindfulness Meditation and Improvement in Sleep Quality and Daytime Impairment Among Older Adults With Sleep Disturbances A Randomized Clinical Trial
David S. Black, et. al.
JAMA Intern Med. Published online February 16, 2015. doi:10.1001/jamainternmed.2014.8081

高齢者(平均年齢 66.3歳、 SD 7.4歳) 、Pittsburgh Sleep Quality Index 5超 の 2つの平行群ランダム臨床トライアル
介入は、
standardized mindful awareness practices (MAPs) intervention (n = 24) sleep hygiene education (SHE) intervention (n = 25) 

主要アウトカムは、PSQIによる睡眠障害指数


ITT解析にて、MAPs介入群で有意なPSQI改善 10.2 (1.7)  → 7.4 (1.9)
SHEベースライン 10.2 (1.8)  → 9.1 (2.0)

群間差は、1.8 (95% CI, 0.6-2.9) effect size  0.89

セカンダリアウトカムである、不眠症状、 うつ症状、 疲労による支障、疲労重症度に有意差あり

NF-κBは両群とも時間推移で減少




 

2015年2月14日土曜日

2型糖尿病’降圧治療

システマティック・レビュー、メタアナリシス


ベースライン血圧 収縮期血圧140以上で評価したところ、降圧治療により、死亡率や心血管疾患リスク軽減を認めた




Blood pressure lowering in type 2 diabetes: a systematic review and meta-analysis 
JAMA, 02/13/2015  Evidence Based Medicine  Clinical Article 

降圧は、糖尿病患者において、血管リスクを減少するために広く用いられている。2型糖尿病における、降圧治療と血管疾患の関連性を明確にする。
降圧は、ベースライン140mm水銀柱以上では、死亡率改善と関連し、他の臨床的アウトカム改善と関連
これらの所見は、薬物治療を支持する所見


結果
・ バイアス低減のため40トライアル  100354 被験者)

・ 収縮期血圧 各10mm水銀柱毎
死亡率リスク低下有意 (相対リスク [RR], 0.87; 95% CI, 0.78–0.96); 絶対リスク減少 (ARR) in events per 1000 patient–years (3.16; 95% CI, 0.90–5.22)

心血管イベント (RR, 0.89 [95% CI, 0.83–0.95]; ARR, 3.90 [95% CI, 1.57–6.06])

冠動脈疾患イベント  (RR, 0.88 [95% CI, 0.80–0.98]; ARR, 1.81 [95% CI, 0.35–3.11])

卒中  (RR, 0.73 [95% CI, 0.64–0.83]; ARR, 4.06 [95% CI, 2.53–5.40])

アルブミン尿 (RR, 0.83 [95% CI, 0.79–0.87]; ARR, 9.33 [95% CI, 7.13–11.37])

網膜症 (RR, 0.87 [95% CI, 0.76–0.99]; ARR, 2.23 [95% CI, 0.15–4.04])

• トライアルは、ベースライン収縮期血圧 140mm水銀柱上下で層別化すると、、卒中・網膜症・腎不全以外のアウトカムは、ベースライン収縮期血圧高いほど低下著明  (P interaction <0 .1="" p="">
・ 降圧治療とアウトカムの相関は、薬剤クラスと関連なく、有意な相違はないが、その例外は卒中と心不全

• すべてのトライアルで、バイアスリスクと関連なく、推定は同じ。





日本のガイドラインは果たして根拠あるのだろうか







犬は人の顔表情を見分ける




Dogs Can Discriminate Emotional Expressions of Human Faces
Corsin A. Müller, et. al.


動物たちに感情があるか、そして、他者の感情的表現に対し反応するかが、ここ10年間の研究テーマとなっている。しかし、今日まで、一部簡単なものへの反応の報告はあったが、他の動物種への情緒表現を動物が区別しているかの研究はなかった。

筆者らは、犬を対象に実験
15の画像ペアで、幸福、怒りのヒトの表情を区別することを学習した後、その後、顔面上半分のみ示した群、下半分のみ示した群で、4つのprove trialを行った

1) トレーニングと同じ側の顔半分、ただし新しい画像2) トレーニングで用いた反対側の顔半分
3) 新しい画像の反対側顔半分4) トレーニングで用いた顔の左側

怒りの表情の顔写真でrewardされた犬より、幸福の表情でrewardされた訓練犬でより迅速にその区別ができることが分かった。

犬は怒りの表情を aversive stimulus(負の刺激)と認識していることが想定された。

さらに、犬のパフォーマンスは、4つの試験的条件全てで、予測を上まわり、情緒的表現でのみ訓練された場合の不確実となり得るはずの新しい刺激にも訓練された状況が適応された。

犬は、リアルな感情的な人間の表情を記憶し、分別課題(discrimination task)を遂行する。



先月、19年間同居してた犬を失ったばかりで、Pet loss grief状況の私には、ちょっと・・・・

さらに、自らに追い打ちをかける・・・

Dogs Can Discriminate Emotional Expressions of Human FacesDog sniffs way to find Iowa hospital where owner was

2−3km程度は簡単なんじゃないの?


うちの犬も、私が足音をなるべくしないように帰っても、玄関に尻尾をふってスタンバイしてたもん・・・


2015年2月13日金曜日

GWA: 肥満は脳から生じる・・・

GIANT genome wide studyにて、50万名を超える遺伝子サンプル

肥満トライアルで役割を認めるゲノムのlocus 100超を新しいコンピュータ技術を用い発見



Genetic studies of body mass index yield new insights for obesity biology
Adam E. Locke,
Nature 518, 197–206 (12 February 2015) doi:10.1038/nature14177

BMI関連の 97 locus、うち 56は新発見
5つは、独立した関連シグナルについての明らかなエビデンスがあるもので、多くのlocusは、他の代謝phenotypeに有意な影響を与えるものが多い。
BMI 2.7%の変動説明が97のlocusで説明可能
Genome-wideでは、BMI変異の20%ほどコモンな変異で説明可能と示唆される。


Pathway analyses にて肥満感受性における、中枢神経系の役割が強く示唆され、新しい遺伝子・経路関与示唆し、これはシナプス機能、グルタミン酸シグナル化、インスリン分泌/作用、エネルギー代謝、lipid biologyとadipogenesisと関連性示唆。






Largest ever genome-wide study strengthens genetic link to obesity (VIDEO)

同種造血幹細胞移植:ドナーのテロメア長が、レシピエントの5年生存率に影響を与える

重症再生不良性貧血における、同種造血幹細胞移植(HCT)を受けたレシピエントの5年生存率は、そのHCTドナーのテロメア長と相関する。


Association Between Donor Leukocyte Telomere Length and Survival After Unrelated Allogeneic Hematopoietic Cell Transplantation for Severe Aplastic Anemia 
Shahinaz M. Gadalla, et. al.  
JAMA. 2015;313(6):594-602. doi:10.1001/jama.2015.7.


テロメラーゼは、染色体の週末を保護し、細胞加齢と再生能のマーカーである重度再生不良性貧血患者において、レシピエントとドナーの移植前白血球テロメア長と、関連ないドナーallogenic 造血細胞移植後のアウトカムについて調査。
330名(後天性 235名、Fanconi貧血 85名、 Diamond-Blackfan 貧血 10名
全生存率、好中球回復、急性・慢性GVHD

ドナーのテロメア長長い場合(5年包括生存率 56%、 リスク数 57、 累積死亡 50)、短い場合(5年包括生存率 40%、 リスク数 71、 累積死亡 128)と比べ、生存確率高まる(p=0.009)

ドナー年齢、疾患サブタイプ、Kernofsky PS、グラフト種類、HLAマッチング、先行貧血治療種類、人種/民族、移植暦年齢補正後も統計学的有意差残る
28日目のテロメア長と、好中球グラフト化の相関性認めず

レシピエントの移植前テロメア長は移植後生存期間と関連せず





クレアチン一水和物サプリメント:パーキンソン病への早期長期投与効果認めず

クレアチン一水和物長期使用の筋力・パワーへの効果
Long-Term Effects of Creatine Monohydrate on
Strength and Power
Journal of Strength and Conditioning Research, 1999, 13(3), 187–192



ゴルフドライバーの飛距離 8.4 %増加するそうな・・・

Effects of a dietary supplement on golf drive distance and functional indices of golf performance.




パーキンソン病患者への、長期他施設二重盲検平行群プラシーボ対照化1:1ランダム化有効性トライアル



Effect of Creatine Monohydrate on Clinical Progression in Patients With Parkinson Disease
A Randomized Clinical Trial
Writing Group for the NINDS Exploratory Trials in Parkinson Disease (NET-PD) Investigators



クレアチン一水和物を10g/日、5年間投与

早期中止
フォローアップ期間中央値: 4年

955名の参加者のうち、 総計ランク平均
プラシーボ群 2360 (95% CI, 2249-2470)
クレアチニン群 2414 (95% CI, 2304-2524)
global statistical test t1865.8 = −0.75 (2-sided P = .45)

副作用及び身体上重篤副作用イベントの検出可能差認めず 

結局、パーキンソン病患者では早期投与にかかわらず、臨床的アウトカム改善とつながらなかった。




2015年2月12日木曜日

喫煙と死亡率 ・・・ 関連確立病因外疾患へも大きな影響あり

現行喫煙者の死亡率は非喫煙者の2-3倍で、この超過死亡は、喫煙原因が確立され、説明可能で、米国内の喫煙関連死亡率と公式に推定されている。
しかし、これ以外の疾患は無視され、過少推定の可能性があった。



Smoking and Mortality — Beyond Established Causes.
Brian D. Carter,et.al.
N Engl J Med 2015; 372:631-640February 12, 2015DOI: 10.1056/NEJMsa1407211.


5つの米国コホート(男性42万超、女性 53万超、55歳以上)で検討。


死亡 18万1千超、 現行喫煙18万5百弱


現行喫煙超過死亡は17%は、喫煙寄与確立してない部分の要素である。

これには、腎不全死 (relative risk, 2.0; 95% 信頼区間[CI], 1.7 to 2.3)、 小腸虚血  (relative risk, 6.0; 95% CI, 4.5 to 8.1)、 高血圧性心疾患 (relative risk, 2.4; 95% CI, 1.9 to 3.0), 感染症 (relative risk, 2.3; 95% CI, 2.0 to 2.7), 種々呼吸器疾患 (relative risk, 2.0; 95% CI, 1.6 to 2.4), 乳がん(relative risk, 1.3; 95% CI, 1.2 to 1.5)、前立腺癌 (relative risk, 1.4; 95% CI, 1.2 to 1.7)

喫煙既往では、これらのアウトカム相対リスクは禁煙累積年毎に減少する


EXTEND-IA I :血管内治療効果は デバイス、病変部位、画像所見次第

虚血性卒中に対する血管内治療効果についてその結果はばらつきあり
画像選択、最新機器・デバイス、早期介入といった要素によりそのアウトカムに違いがあるか?


CT造影による近位部位閉塞とサルベージ可能画像所見、 Solitaire FR stent retriever 早期介入が、アルテプラーゼ単独より、再韓流・早期脳神経機能回復、機能的アウトカムに対し効果ありという結論


Endovascular Therapy for Ischemic Stroke with Perfusion-Imaging Selection
Bruce C.V. Campbell, et. al.
for the EXTEND-IA Investigators
N. Engl. J. Med. February 11, 2015DOI: 10.1056/NEJMoa1414792


70名でのランダム研究
再還流施行24時間後虚血性領域
・endovascular-therapy group  vs  alteplase-only group
(median, 100% vs. 37%; P < 0.001)

卒中発症後210分平均値で開始した場合、3ヶ月後神経機能改善率増加
(80% vs. 37%, P=0.002) 、90日後機能性アウトカム改善、機能的独立比率多い (score of 0 to 2 on the modified Rankin scale, 71% vs. 40%; P=0.01) 
死亡、有症状頭蓋内出血は有意差なし


2015年2月6日金曜日

12歳未満のタックル・フットボール開始は、後年の認知機能低下をもたらす

 フットボールでさえこうなんだから、格闘技なんてとんでもない。12歳以下で、頭部衝撃繰り返すような競技、法的に規制すべきだ。高校生までは頭部防御具義務づけなども必要と思う。




Age of first exposure to football and later-life cognitive impairment in former NFL players
Julie M. Stamm,  et. al.
Neurology Published online before print January 28, 2015, 
doi: 10.1212/WNL.0000000000001358 Neurology 10.1212/WNL.0000000000001358

目的: 12歳未満でタックル・フットボールによる反復頭部衝撃と、(脳の発達重要な期間である)後年の遂行機能、記憶、推定言語IQの相関を検討


方法:Diagnosing and Evaluating Traumatic Encephalopathy using Clinical Tests (DETECT) studからの24のかつてのNFLプレイヤー(40-69歳)
年齢、と タックル・フットボール初回暴露(AFE:Age of Exposure)年齢(12歳未満、12歳以上)に基づきマッチ



Wisconsin Card Sort Test (WCST)、 Neuropsychological Assessment Battery List Learning test (NAB-LL)、 Wide Range Achievement Test、 4th edition (WRAT-4) Reading subtestを神経心理検査バッテリーとして調査


結果: AFE 12未満群のNFLプレイヤーOBは、AFE 12歳以上群に比べ、WCST、NAB-LL、WRAT-4 Reading testの全ての項目で、吹っ飛ぼー0ル経験総経験年数、評価時年齢補正後、有意に悪化する。これは、遂行機能障害、記憶障害、推定言語IQ低下を表す。



結論: タックル・フットボール12歳前参加と、後年認知機能障害(客観的神経心理検査に基づく)の相関あり、これらの所見にて、クリティカルな神経発達時期に繰り返す頭部衝撃を受けることは、後年の認知障害に悪影響を与える。


2015年2月5日木曜日

ラットの実験:レスベラトールは、脳の機能、記憶・情緒障害予防?

非現実的な赤ワイン・レスベラトールによるSIRT遺伝子活性化。ということで、この主の話題が多い。

SRT1720  は、 the National Institute on Aging at the National Institutes of Health主導
http://www.natureworldnews.com/articles/6216/20140301/activating-protein-sirtuin-1-improves-health-extends-lifespan.htm


加齢や代謝への影響に期待

さらに、記憶・情緒への影響も期待、腫瘍治療へも・・・って 


Resveratrol Prevents Age-Related Memory and Mood Dysfunction with Increased Hippocampal Neurogenesis and Microvasculature, and Reduced Glial Activation
Maheedhar Kodali, et. al.
Scientific Reports 5, Article number: 8075 


高齢者の海馬の特徴は、神経新生の減少、微小血管床減少、星状膠細胞肥厚・活性化小グリア細胞が、加齢関連記憶・気分障害を生じる可能性がある。
レスベラトールは、ブドウの実の表面にある phytoalexinで、血管新生性、抗炎症性に働き、加齢変化を緩和する方向。

F344雄ラット2群で、4週間比較 の結果、 レスベラトール処理群では、神経再生、微小血管床増加し、星状膠細胞減少、ミクログリア細胞活性化減少が見られた。

中年ラットで、レスベラトール処理は記憶・情緒機能改善に働く可能性




卒中直後硫酸マグネシウム注 改善効果認めず

卒中発症後2時間内の硫酸マグネシウム注

90日目の障害の程度比較では、改善効果認めず
安全性は認めたが・・・


Prehospital Use of Magnesium Sulfate as Neuroprotection in Acute Stroke
Jeffrey L. Saver, et. al. ;  for the FAST-MAG Investigators and Coordinators
N Engl J Med 2015; 372:528-536February 5, 2015DOI: 10.1056/NEJMoa1408827





COSIRAトライアル:冠静脈洞縮小デバイスにて、治療不応性狭心症改善

COSIRAトライアル(イスラエル国、Aviv Medical CenterのShmuel Banai指導)


スチール製メッシュからなる砂時計形のバルーン拡張型デバイス、センターはちょっけ3mm、8-12mmまで拡張、4-6週間ほどで組織が覆うこととなる。結果、冠静脈洞の狭小化をもたらし、圧増加し、非虚血から虚血心臓組織への還流を増加させる。




血管再建術候補とならない不応性狭心症で、冠状静脈洞狭窄デバイスにて、狭心症状とQOL改善

肝静脈縮小手術の今後に期待


Efficacy of a Device to Narrow the Coronary Sinus in Refractory Angina
Stefan Verheye, et. al.
N Engl J Med 2015; 372:519-527February 5, 2015DOI: 10.1056/NEJMoa1402556

11のセンター、104名の可逆性病変証拠ありの患者(平均年齢 67.8歳、男性 81%)
薬物治療にかかわらず、Canadian Cardiovascular Society (CCS) class III or IV の狭心症症状30日以上


プライマリエンドポイントは、6ヶ月後CSS狭心症クラス2段階改善比率

ベースラインから6ヶ月後、CCS2以上の狭心症患者改善比率は、 デバイス使用群で、有意差 (35% vs 15%; P = .02)。Class 1以上の比率も改善 (71% vs 42%; P = .003)

平均CCSスコア デバイス群 3.2→ 2.1と低下、対照群 3.1 → 2.6
AOL(Seattle Angina Questionnaire評価)は、デバイス群で 17.6点改善、対照群は7.6

他のエンドポイント、狭心症安定性、頻度、運動時間、1mm以上ST部位低下変化時間、ドブタミンストレス心エコーによる左室運動指標変化では差を認めず

副事象発症:デバイス群 64% vs 対照群 69%




Neovasc Reducer
http://www.neovasc.com/products/neovasc-reducer/



2015年2月4日水曜日

スウェーデン双生児研究:重度飲酒者は卒中発症リスク増大し、寿命5年短い

スウェーデンの双生児研究(11644名)で、重度飲酒者は、卒中発症リスク増加させ、寿命を5年短くする


Alcohol Consumption at Midlife and Risk of Stroke During 43 Years of Follow-Up
Cohort and Twin Analyses
STROKEAHA.114.006724 Published online before print January 29, 2015,
doi: 10.1161/STROKEAHA.114.006724
29%卒中発症

極軽度飲酒者に比べ、重度飲酒(2ドリンク/日)では卒中リスク増加(ハザード比 , 1.34 ; P=0.02 )


特に、非飲酒者との比較では有意傾向 (ハザード比 , 1.11; P=0.08)


年齢と共に非飲酒者の卒中リスク増加  (P=0.012) 、重度飲酒者のリスク軽減(P=0.040)


75歳までの高血圧・糖尿病ありの重度飲酒者のリスクが高い、このことがリスク要素として影響を及ぼしている。


 一卵性双生児研究で、5年寿命を短くする(P=0.04)ことが明らかに・・・


健康のため、飲酒を控え、ランニングも制限かぁ・・・
しかも、座ったままの姿勢も悪いと・・・ いったい何をしろと・・・

重症外傷・大量出血患者への輸血成分のバランスの検討


重症外傷・大量出血患者への輸血成分のバランスの検討で、赤血球比率高い成分だと、その後の失血死リスクが高くなるという一見矛盾する結果、そして、1:1:1比率の方が、複数炎症性合併症(ARDS、MOF、感染、敗血症)比率が多い という内容にも解釈注意が必要と思う。


この報告だけじゃ、議論は終わらない・・・と思う


出血性ショックありの重度外傷患者での大量輸血成分、
血漿:血小板:赤血球比率 1:1:1 VS 1:1:2の比較
338名 VS 342名


主要アウトカムは24時間・30日全原因死亡率


この主要アウトカムの差は見いだせなかった。

しかし、1:1:1の方が、ホメオスタシス安定し、24時間以内の再出血による死亡少なかった。



Transfusion of Plasma, Platelets, and Red Blood Cells in a 1:1:1 vs a 1:1:2 Ratio and Mortality in Patients With Severe TraumaThe PROPPR Randomized Clinical Trial
 John B. Holcomb, et. al.; for the PROPPR Study Group
JAMA. 2015;313(5):471-482.


米国・国内睡眠基金 健康人への推奨睡眠時間






Sleep Health ; Journal of the National Sleep Foundation
National Sleep Foundation ’ s sleep time duration recommendations:  methodology and results summary
http://www.sleephealthjournal.org/article/S2352-7218%2815%2900015-7/pdf




委員会合意事項が主で、新生児は14−17時間、乳児(4−11ヶ月齢) 12−15時間、 幼児(1−2歳) 11−14時間、就学前児(3−5歳) 10−13時間、 学童(6−13歳) 9−11時間、 ティーンエージャー(14−17歳) 8−10時間、 若年(18−25歳) 7−9時間、 成人(26−64歳) 7−9時間、 老人(65歳以上) 7−8時間


睡眠障害などがない健康な人対象の目安 ・・・ あまり、推奨時間にこだわるのは良くないと聞いたこともあるのだが、冠動脈疾患リスクや糖尿病リスクとの 関連性などが推奨の根拠らしい。高齢となるとただでさえ減少する徐波睡眠時間・比率、それが不要だから短いのか、現象としてそうだからと是認しているの か・・・

過ぎたるは及ばざるがごとし:ジョギング ・・・ 時速8km、週3回以下、週2.5時間程度が上限



Copenhagen City Heart Study1098名の健康ジョガーと、3950名の健康非ジョガー; 2001年からの前向きフォローアップ 

理想的ペースは、8km/h(5mph)、週2.5時間程度、週3回以下
それ以上なら、かえって、全原因死亡率増加する。



Dose of Jogging and Long-Term MortalityThe Copenhagen City Heart Study
Listen to the Audio Commentary:
Peter Schnohr, et. al.
J Am Coll Cardiol. 2015;65(5):411-419. doi:10.1016/j.jacc.2014.11.023

非ジョガーに比べ、1−2.4時間/週は最も死亡率が低いmultivariable hazard ratio [HR]: 0.29; 95%信頼区間[CI]: 0.11 to 0.80).
適正回数は、週2−3回/週 (HR: 0.32; 95% CI: 0.15 to 0.69)
週1時間以下(HR: 0.29; 95% CI: 0.12 to 0.72)
適正ペースは、ゆっくり (HR: 0.51; 95% CI: 0.24 to 1.10) or 平均的 (HR: 0.38; 95% CI: 0.22 to 0.66).



ジョガーを軽度、中等度、強度ジョガーに分けると、死亡率最小ハザード比は、軽いジョガー  (HR: 0.22; 95% CI: 0.10 to 0.47)で、続いて、中等度ジョガー (HR: 0.66; 95% CI: 0.32 to 1.38) 、強度ジョガーは死亡率ハザード増加する (HR: 1.97; 95% CI: 0.48 to 8.14).







 でも、ジョギング・・・この程度だと、おもしろみがないなぁ・・・



U字現象仮説


Science of Medicine 312 | 109:4 | July/August 2012 Missouri Medicine Preventive Cardiology Special SerieS /Special Review
Cardiovascular Damage Resulting from Chronic Excessive Endurance Exercise
by Harshal R. Patil, et. al.
http://www.msma.org/docs/communications/momed/Excessive_Endurance_Exercise_and_Heart_Disease_MOMED_JulyAug2012.pdf




2015年2月3日火曜日

日本の医療関連記事: 記者たちの情報源の偏り → 癌関連偏向記事多くなりやすい

解説記事:http://www.medpagetoday.com/Blogs/IvanToday/49746

10年前日本は「イレッサ薬害」に揺れた。

大手新聞社をはじめ、多くが、副作用の無い、夢のような薬剤として取り上げた。
大袈裟な記事で、大衆の関心をひきつけ、実際より危険性を過小評価して報道した。

特に、癌の記事について、一般大衆へ、不正確で、楽観的視点の報道のみなされている現状がある。





How do medical journalists treat cancer-related issues?
Haruka Nakada, Masaharu Tsubokura, Yukiko Kishi, Koichiro Yuji, Tomoko Matsumura and Masahiro Kami
Division of Social Communication System for Advanced Clinical Research, Institute of Medical Science, The University of Tokyo,
http://ecancer.org/journal/9/full/502-how-do-medical-journalists-treat-cancer-related-issues.php


日本のメディアで医学問題を報告した82組織、364名のジャーナリストにアンケート

癌関連問題報告の理由と直面する困難さについての質問
医療問題報道の最多理由は、個別問題の個人的興味(n=36)

多くは、大部分カバーする通常治療(n=33)、医療ポリシー(n=30)、新規治療(n=25)、診断(n=25)


医療記事に関して問題を全てのジャーナリストは困難さ指摘。情報の質 (n = 36), 社会的インパクト (n = 35), 技術知識不足 (n = 35), テクニカル言語の理解困難さ (n = 35)


ジャーナリストは医師を含め、個人的ネットワーク (n=42)、さらにソーシャルメディア(e-mail, Twitter, Facebook) (n=32)から情報ソースとして用いている。

トピック選択は偏り、ジャーナリスト48名中35はホスピスに関心を持たない
医師たちを癌についての最も信頼できる情報源として、インタビューすることを最も重要な情報源としている。医学知識が急激に発達するにつれ、ジャーナリストたちは癌関連問題に困難性を増加している。

情報源:













・・・ 反証を得ようとせず、取材元に都合良い記事になるのも・・・納得。

せめて、Press Releaseに基づいて欲しいものだ・・・

SGLT2阻害剤・DPP阻害剤合剤の効果

Eli Lilly (LLY) Wins FDA Approval For Type 2 Diabetes Drug
http://www.bidnessetc.com/33894-eli-lilly-lly-wins-fda-approval-for-type-2-diabetes-drug/

以下の報告が根拠と思われ・・・


量依存効果ないようで・・・empagliflozin 10 mg/linagliptin 5 mg 一押しですかねぇ

Initial Combination of Empagliflozin and Linagliptin in Subjects With Type 2 Diabetes
Diabetes Care
published ahead of print January 29, 2015, doi:10.2337/dc14-2365
Andrew Lewin, et. al.
http://care.diabetesjournals.org/content/early/2015/01/22/dc14-2365.abstract


2型糖尿病治療薬/選択的SGLT2阻害剤「ジャディアンス®錠」(一般名:エンパグリフロジン)
DPP-4阻害薬 リナグリプチン(商品名:トラゼンタ錠5mg)

12週間以上抗糖尿病薬剤を使用してない被験者をランダム割付 52週間
・ empagliflozin 25 mg/linagliptin 5 mg (n = 137)
・ empagliflozin 10 mg/linagliptin 5 mg (n = 136)
・ empagliflozin 25 mg (n = 135)
・ empagliflozin 10 mg (n = 134)
・ linagliptin 5 mg (n = 135) 

プライマリエンドポイントは、ベースラインからの週24のHbA1cの変化
ベースラインHbA1c  7.99–8.05% (64 mmol/mol)

week 24で、ベースラインからの補正平均(SE)変化量は
・ empagliflozin 25 mg/linagliptin 5 mg −1.08 (0.06)% (−11.8 [0.7] mmol/mol)
・ empagliflozin 10 mg/linagliptin 5 mg −1.24 (0.06)% (−13.6 [0.7] mmol/mol)
・ empagliflozin 25 mg −0.95 (0.06)% (−10.4 [0.7] mmol/mol)
・ empagliflozin 10 mg −0.83 (0.06)% (−9.1 [0.7] mmol/mol)
・ linagliptin 5 mg  −0.67 (0.06)% (−7.3 [0.7] mmol/mol)

HbA1c減少程度は、empagliflozin 25 mg/linagliptin 5 mg で、linagliptin 5 mg (P < 0.001) 比較で有意に大。だが、empagliflozin 25 mg比較では有意でない。
個別コンポーネントに比較して、 empagliflozin 10 mg/linagliptin 5 mgは大きい (P < 0.001 for both)


week 24にて、HbA1c 7%1以上の症例で、7%未満達成率は empagliflozin 25 mg/linagliptin 5 mg, empagliflozin 10 mg/linagliptin 5 mg, empagliflozin 25 mg, empagliflozin 10 mg, and linagliptin 5 mgは、それぞれ、55.4%、62.3%、 41.5%、 38.8%、 32.3%。
Efficacy week 52で維持。
副事象(AEs)52週目のグループ間同様 (68.9–81.5%)、低血糖イベントはなし

アレルギー性鼻炎臨床ガイドライン

ステロイド点鼻と、眠気の少ない2世代抗ヒスタミン経口剤が、第一選択薬剤


一方、画像診断はルーチンで行われるべきでなく、そして、LT受容体拮抗剤は少なくとも第一選択とすべきではないとされた。



最下段には、NEJMの記事あるが、やはり、ステロイド点鼻を第一選択とするものである。ガイドラインと異なり、経口剤は代替薬剤のポジションである。



Clinical Practice Guideline: Allergic Rhinitis
Otolaryngology-Head and Neck Surgery. February 2015; 152 (1 suppl)


STATEMENT 1. PATIENT HISTORY AND PHYSICAL EXAMINATION: Clinicians should make the clinical diagnosis of AR when patients present with a history and physical examination consistent with an allergic cause and 1 or more of the following symptoms: nasal congestion, runny nose, itchy nose, or sneezing.

STATEMENT 2. ALLERGY TESTING: Clinicians should perform and interpret, or refer to a clinician who can perform and interpret, specific IgE (skin or blood) allergy testing for patients with a clinical diagnosis of AR who do not respond to empiric treatment, or when the diagnosis is uncertain, or when knowledge of the specific causative allergen is needed to target therapy. Recommendation based on RCTs and systematic reviews, with a preponderance of benefit over harm.

STATEMENT 3. IMAGING: Clinicians should not routinely perform sinonasal imaging in patients presenting with symptoms consistent with a diagnosis of AR. Recommendation against based on observational studies, with a preponderance of benefit over harm.

STATEMENT 4. ENVIRONMENTAL FACTORS: Clinicians may advise avoidance of known allergens or may advise environmental controls (eg, removal of pets; the use of air filtration systems, bed covers, and acaricides [chemical agents that kill dust mites]) in AR patients who have identified allergens that correlate with clinical symptoms.

STATEMENT 5. CHRONIC CONDITIONS AND COMORBIDITIES: Clinicians should assess patients with a clinical diagnosis of AR for, and document in the medical record, the presence of associated conditions such as asthma, atopic dermatitis, sleep-disordered breathing, conjunctivitis, rhinosinusitis, and otitis media. Recommen-dation based on randomized trials with some heterogeneity and a preponderance of benefit over harm.

STATEMENT 6. TOPICAL STEROIDS: Clinicians should recommend intranasal steroids for patients with a clinical diagnosis of AR whose symptoms affect their quality of life. Strong recommendation based on RCTs with minor limitations and a preponderance of benefit over harm.

STATEMENT 7. ORAL ANTIHISTAMINES: Clinicians should recommend oral second-generation/less sedating antihistamines for patients with AR and primary complaints of sneezing and itching. Strong recommendation based on RCTs with minor limitations and a preponderance of benefit over harm.

STATEMENT 8. INTRANASAL ANTIHISTAMINES: Clinicians may offer intranasal antihistamines for patients with seasonal, perennial, or episodic AR. Option based on RCTs with minor limitations and observational studies, with equilibrium of benefit and harm.

STATEMENT 9. ORAL LEUKOTRIENE RECEPTOR ANTAGONISTS (LTRAs):Clinicians should not offer LTRAs as primary therapy for patients with AR. Recommendation against based on RCTs and systematic reviews, with a preponderance of benefit over harm.


STATEMENT 10. COMBINATION THERAPY: Clinicians may offer combination pharmacologic therapy in patients with AR who have inadequate response to pharmacologic monotherapy. Option based on RCTs with minor limitations and observational studies, with equilibrium of benefit and harm.

STATEMENT 11. IMMUNOTHERAPY: Clinicians should offer, or refer to a clinician who can offer, immunotherapy (sublingual or subcutaneous) for patients with AR who have inadequate response to symptoms with pharmacologic therapy with or without environmental controls. Recommendation based on RCTs and systematic reviews, with a preponderance of benefit over harm.

STATEMENT 12. Inferior Turbinate Reduction: Clinicians may offer, or refer to a surgeon who can offer, inferior turbinate reduction in patients with AR with nasal airway obstruction and enlarged inferior turbinates who have failed medical management. Option based on observational studies, with a preponderance of benefit over harm.

STATEMENT 13. ACUPUNCTURE: Clinicians may offer acupuncture, or refer to a clinician who can offer acupuncture, for patients with AR who are interested in nonpharmacologic therapy. Option based on RCTs with limitations, observational studies with consistent effects, and a preponderance of benefit over harm.

STATEMENT 14. HERBAL THERAPY: No recommendation regarding the use of herbal therapy for patients with AR. No recommendation based on limited knowledge of herbal medicines and concern about the quality of standardization and safety.


漢方は、鍼治療未満 ・・・ 







Allergic Rhinitis
Lisa M. Wheatley, M.D., M.P.H., and Alkis Togias, M.D.
N Engl J Med 2015; 372:456-463January 29, 2015DOI: 10.1056/NEJMcp1412282


Allergic Rhinitis An estimated 15 to 30% of patients in the United States have allergic rhinitis, a condition that affects productivity and the quality of life in children and adults.

Allergic rhinitis frequently coexists with asthma and other allergic diseases; most people with asthma have rhinitis.
 Intranasal glucocorticoids are generally the most effective therapy; oral and nasal antihistamines and leukotriene-receptor antagonists are alternatives.

However, many patients do not obtain adequate relief with pharmacotherapy.

Allergen immunotherapy should be used in patients with refractory symptoms or in those for whom pharmacotherapy is associated with unacceptable side effects.

 Two forms of allergen immunotherapy are now available: subcutaneous injections and rapidly dissolving sublingual tablets, the latter limited in the United States to the treatment of grass and ragweed allergy.

Both forms of therapy generally provide sustained efficacy after the cessation of treatment.

糖尿病:メトホルミン使用により肺癌リスク減少? 全体的には影響がないが、喫煙歴により影響差ありそう

日本糖尿病学会トップが処方制限したがる、あのメトホルミンの話題・・・


5万名弱の研究で、全体では、リスク増加認めず
しかし、非喫煙者では量依存的肺癌抑制効果
喫煙者では、組織型別変化 ・・・小細胞癌は増加の可能性も




Metformin Use and Lung Cancer Risk in Patients with Diabetes
Lori C. Sakoda  ,et. al.
Cancer Prev Res February 2015 8; 174
47,351 名、40歳以上の糖尿病患者のコホート研究
1994-1996年医療関連サーベイにて完遂者、 1997年1月1日から2012年6月30日まで肺癌発生頻度フォローアップ。


428,557人年フォローアップ中、肺癌診断 747名。
メトホルミン期間、投与量、直近性と包括的肺癌リスクに関連性無し


しかし、非喫煙者にて、使用歴は肺癌リスク発生と逆相関 [HR, 0.57; 95% 信頼区間 (CI), 0.33–0.99]、リスクは長期使用にて単調性に減少 (≥5 年: HR, 0.48; 95% CI, 0.21–1.09)
現行喫煙者では、呼応するリスク推定 1.0超だが、有意差無し


喫煙歴による効果変動への影響は一致しており、長期使用ほど肺腺癌リスク減少を示唆する (HR, 0.69; 95% CI, 0.40–1.17)、しかし小細胞癌はリスク増加 (HR, 1.82; 95% CI, 0.85–3.91).


この対象者に対し、メトホルミンは包括的肺癌リスクへ影響を与えるエビデンスは認めない。喫煙歴・組織型により影響のばらつきあり、今後情報蓄積が必要


Cancer Prev Res; 8(2); 174–9. ©2014 AACR.

2015年2月2日月曜日

疼痛後3年経過し、不眠が生じる ; 身体活動性減少・社会的活動減少に起因

リウマチ疾患での解析らしいが・・・示唆的


50歳以上において、疼痛発症後、3年ほど後に、不眠が現れる。その原因の半数以上が、疼痛による身体活動性制限、社会的活動減少に起因・・・


高齢者の不眠のうち、足腰が痛いという場合は、こういうのが関連してるのかもしれない。



Impact of musculoskeletal pain on insomnia onset: a prospective cohort study
Rheumatology (2015) 54 (2): 248-256.
doi: 10.1093/rheumatology/keu283
First published online: August 14, 2014 


目的. 疼痛は、リウマチ疾患の中で最も多い所見で、特に高齢者に多く、不眠症合併で、健康アウトカム悪化をもたらす。不眠のproactive preventionにより、疼痛及びリウマチ病態の包括的disease burdenを減少させることができるかもしれない。それら情報を得るため、この研究では、疼痛、身体制限を調査し、社会的参加縮小を、不眠発症により予測、あるいは不眠発症が関与しているか検討。


方法. 前向きコホート研究を、6676名の50歳以上、ベースライン及び3年フォローアップ後アンケート完遂例で行い。被検者をACRクライテリアにて無し(none )、幾分あり(some)、かなりあり(widesupread)に分けた。
ロジスティック回帰を行い、ベースライン疼痛と、3年次の不眠オンセットの間の相関を検討。Path解析は、身体制限、社会参加減少を介入として検討。


結果. Some [補正オッズ比 (AOR) 1.57 (95% CI 1.15, 2.13)] 、widespread [2.13 (1.66, 3.20)] 疼痛は、3年時点での不眠リスク増加と関連。補正としては、年齢、性別、社会経済階層、教育、不安、うつ、睡眠及び合併症により行った。

身体制限、社会的参加減少の組み合わせで、不眠発症と“some pain”は68%まで説明、“widespread pain"は、66%まで説明可能。




結論. ベースラインの疼痛程度と3年後の不眠発症の関連性は量依存的影響であり、身体制限や社会的活動減少によるものが過半。
高齢者の身体活動制限や社会的参加を促すことで、合併不眠を緩和し、疾患全体の広がりを緩和することとなるだろう。

「Precise Medicine」

オバマ米国大統領のおかげで、降って湧いてきた「Precise Medicine」
personalized medicineともprecision medicineとも呼ばれている「個別化医療」を、もっと正確な、文字通りの「precision medicine」にしようという動きがこの分野の研究者や製薬企業の間で高まっている

Momentum grows to make 'personalized' medicine more 'precise'
Alla Katsnelson
Nature Medicine 19, 249 (2013) doi:10.1038/nm0313-249


個別化医療の発展型 ・・・というわけか・・・ 「Nicholas Volker」の成功体験が具体例のようだ
→ NHKでは複数の番組でとりあげてた ;http://www.nhk.or.jp/zero/contents/dsp435.html


Fobrs記事; http://www.forbes.com/sites/matthewherper/2011/01/05/the-first-child-saved-by-dna-sequencing/



オモックス医療・ゲノム医療の国家的プロジェクトを米国がぶち上げてきた


FACT SHEET: President Obama’s Precision Medicine Initiative
http://www.whitehouse.gov/the-press-office/2015/01/30/fact-sheet-president-obama-s-precision-medicine-initiative 










“2月2日このプロジェクトのフルプランが公開されると期待される”


Bloomberg reports that the Obama administration views this medical research as a new policy that the Republicans in Congress could help move forward. The full plan for this project is expected to be unveiled in President Obama’s budget plan for 2016 on February 2.

President Obama Announces Precision Medicine Initiative
Thu, 01/22/2015
http://www.biosciencetechnology.com/articles/2015/01/president-obama-announces-precision-medicine-initiative



今日明日具体的な内容がさらに明らかになる?

noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note