ラベル 遺伝性疾患 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 遺伝性疾患 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2019年3月16日土曜日

アルツハイマー病リスクは近親家族系譜に強く関連

いつも思うが注意必要と思う

第1度近親:first-degree relatives (FDR) The parents, siblings, or children of an individual.(両親、同胞=兄弟姉妹、子供)  (日本の法律上の”第一親等”:ある人とその父母、その子および子の配偶者との関係)
第2度近親:   uncles, aunts, nephews, nieces, grandparents, grandchildren, half-siblings, and double cousins
第3度近親: blood relative which includes the individual’s first-cousins, great-grandparents or great grandchildren


アルツハイマー病では症例全体の5%未満である3つの遺伝子異常常染色体若年性家族性アルツハイマー病(amyloid precursor protien and preseenilin 1, -2)があるが、殆どは家族歴でなく散発性とされる。家族系譜を作成すると散発性と思われている場合でも家族歴が発症に関与していることが明らかになった。
APOE遺伝子 e4-alleleの1つのcopy数存在はAD症例の 56%で観られ、リスクとしては3倍、2 copy数はADの11%で8-12倍もリスク増加する。



Relative risk for Alzheimer disease based on complete family history
Lisa A. Cannon-Albright, et al.
Neurology, First published March 13, 2019, 
DOI: https://doi.org/10.1212/WNL.0000000000007231
open access:https://n.neurology.org/content/neurology/early/2019/03/13/WNL.0000000000007231.full.pdf

【目的】アルツハイマー病(AD)リスクの遺伝的要素について近親者に焦点を当てる。家族歴全体を考慮すると、リスク推定値の正確性と有用性が向上する可能性がある。

【方法】ユタ州の死亡診断書にリンクされた1800年代のユタ州・パイオニア系譜を含む母集団リソースを使用して、一親等から三親等の親族を含む特定の家族歴系譜に基づきADの相対リスクを推定。

【結果】罹患した第一度近親者(FDR)はいずれもADのリスクを有意に増加させた(1 FDR:相対リスク[RR] 1.73、95%信頼区間[CI] [1.59  -  1.87]; 2 FDR:RR 3.98 [3.26  -  4.82])。 ];≥3 FDR:RR 2.48 [1.07  -  4.89];≥4 FDR:RR 14.77 [5.42  -  32.15])。
罹病関連第二度近親者(SDR)は、関連FDRの存在下でもリスクを増大(FDR = 1、SDR = 2:RR 21.29 [5.80-54.52])。第3度近親者のみのAD(TDR)でもリスクを高めた(FDR = 0、SDR = 0、TDR≧3:RR 1.43 [1.21-1.68])。

父親の遺伝と比較した、母親に基づくリスクの差については、さまざまな証拠が観察されました。同等の家族歴を持つ女性よりも男性のリスクが高く、家族の死亡年齢にかかわらず、少なくとも1人がFDRに罹患した個人のリスクが高いことが観察された。

【結論】家系図の拡張データから確認された家族歴に基づくADのRRのこの母集団ベースの推定は、遺伝的遺伝因子が直近の近親者を超えて広がる幅広い影響を持つことを示している。
医療提供者は、ADのリスクについて患者や家族に相談する際に、家族歴の完全な一群を考慮すべきです。




母系と父系でやや影響が異なる・・・

Differences for paternal vs maternal family history were noted for the second-degree relationships considered. Individuals with a maternal affected SDR (mother’s brother or mother’s sister) had significantly elevated RR, while individuals with a paternal affected SDR (father’s brother or father’s sister) did not.


ε4ホモ接合体などを含め集中的予防介入検討が必要なのだろうが・・・

2015年4月23日木曜日

蚊好みの体臭は遺伝する

双生児研究で、蚊が呼び寄せられる特定の遺伝的要素があるらしい

工夫されたY字管を作り、内部の臭いで引きつけられるかどうかを検証


Heritability of Attractiveness to Mosquitoes.
Fernández-Grandon GM,  et. al.  (2015)
PLoS ONE 10(4): e0122716. doi:10.1371/journal.pone.0122716









雌の蚊は特定の人を好む傾向があり、人の体から発生する揮発性成分を検知している。体臭は遺伝的にコントロールされているが、昆虫が引き寄せられる遺伝的ベースの存在は不明。

双生児研究で、手の臭いの反応を評価する二重選択アッセイを施行
遺伝子非同一双生児では相関性が低く、10測定平均から、相対的誘引効果 0.62 (SE 0.124)、 飛翔活動性 0.67 (0.354)の、strong narrow-sense heritabilityが示された。





How to calculate heritability



血液型がどうのこうの・・・

2014年3月19日水曜日

肥満遺伝子ある場合、揚げ物で太りやすい

システマティック・レビュー&メタアナリシス:冠動脈性心疾患:飽和脂肪酸制限ガイドラインでアドボケートするほどの現行エビデンスは存在せず 2014/03/18


重大イベントと飽和脂肪酸摂取との関連性に関するエビデンス乏しいという報告だったが、以下は、遺伝によっては揚げ物は肥満に繋がるよという話。







遺伝的リスクスコア上位1/3では、揚げ物食品週4回以上摂食だと、1回摂食に比べ、BMIの差は女性で1.0、男性で0.7の差が出現する。

対して、下位リスクのものは、男性0.5、女性0.4


"Fried food consumption, genetic risk, and body mass index: gene-diet interaction analysis in three US cohort studies" Qi Q, et al
BMJ 2014; 348: g1610.

9,623 women from the Nurses' Health Study 9623名女性、Health Professionals Follow-up Study 6379名男性、さらに、 Women's Genome Health Study 21,421名女性

既知のBMI関連遺伝子変異32ベースにリスク評価
10のリスクalleleあたりBMIの差は、揚げ物 週1回 1.1、 週1−3回 1.6、 週4回以上で2.2
肥満リスク3次分析では、それぞれ、1.61 (95% CI 1.40 to 1.87) 、2.12 (95% CI 1.73 to 2.59) 、2.72 (95% CI 2.12 to 3.48)

中枢神経作用として働くあるいは近傍遺伝子で、揚げ物食品との有意相互関連性有り、FTO(fat ass- and obesity-associated)変異が特に関連性強い。

Source reference:Blakemore A, et al "Obesity, genetic risk, and environment" BMJ 2014; 348: g1900.

2013年10月3日木曜日

全エクソーム解析:遺伝子疾患異常可能性患者の1/4同定可能に


全エクソーム解析にて、遺伝的異常可能性がある場合、連続検討にて、うち25%で遺伝子異常を同定できる。
関連医師オーダーの250のprobandデータ。そして、遺伝性原因を示唆するphenotypeのレンジを有する患者で、神経学的phenotypeを有する約80%の子供。確立した遺伝子検査のそれと同程度の保険対応状況。
250名の患者のうち62名で原因と強く考えられる、86の変異alleleを同定、分子診断率 25%(95%信頼区間, 20−31%)
62名の患者のうち、33名が常染色体優性疾患で、16名が常染色体劣性遺伝、9名がX伴性疾患。

2つの非オーバーラップ分子学的診断を受けた4つのprobandで、病歴・身体所見からなされた臨床診断に影響を与えるものである。

常染色体優性遺伝子異常alleleの83%、X-伴性遺伝子異常alleleの40%はde novoで生じる。

再発性臨床的phenotypeは、同じ遺伝子で原因となる可能性がある変異患者で生じ、遺伝子的に異質な疾患との異なる遺伝子による受容性の違いが存在する。



Clinical Whole-Exome Sequencing for the Diagnosis of Mendelian Disorders
Yaping Yang, et. al.
NEJM October 2, 2013
DOI: 10.1056/NEJMoa1306555



疑われる遺伝子疾患に対して分子学的異常を同定する方法としての、Whole-exome sequencing(全エクソーム解析)
ゲノムの 1-2% の領域を占めるスプライシング反応で残るエクソン領域のみを解析することで効率的にエクソン上の変異(SNV (SNP)/InDel)を検出する手法、既知変異だけでなく未知変異についても同定可能で、希少疾患遺伝子同定に威力を発揮する(http://www.dna-chip.co.jp/services/sequence_exome.html)


2013年3月15日金曜日

軽度頭部外傷を生じやすい遺伝的要素が存在する

繰り返しの頭部外傷と関連する脳のダメージは、画像やマーカーなどでその因果関係否定できない。
広汎脱分極所見:頭部外傷後アウトカムを予測 2011年 11月 05日
フットボールにもボクシングのような反復頭部外傷による認知機能、軸性障害など・・・遅発性明らかに 2010年 09月 24日
スポーツ:反復軽度頭部打撃→血液脳関門破壊→自己抗体出現→認知機能低下の可能性 2013年03月07日
脳しんとう:FA高値は神経可塑性を示し、その後の予後改善と関連する 2012年11月27日

しかし、「軽度頭部外傷により認知機能低下をもたらす」という仮説にだけとらわれていたのかもしれない。住民レベルで見ると、「頭部外傷を生じやすい認知機能低下をもたらす遺伝的要素が存在する」という事実が浮かび上がってきた。


Cognitive function and other risk factors for mild traumatic brain injury in young men: nationwide cohort study
BMJ 2013; 346 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.f723 (Published 13 March 2013)
Cite this as: BMJ 2013;346:f723
【目的】 若年者の軽度頭部外傷後の認知機能・他のリスク要素調査

【デザイン】 Nationwide prospective cohort study.

【セッティング】 Sweden.

【被験者】 1989-1994年徴兵305 885 名の男性

【主要アウトカム測定】 徴兵時及びフォローアップ時の認知機能及び他の寄与リスク要素と関連する軽度頭部外傷

【結果】軽度頭部外傷1回を有する男性で、認知機能検査前2年内 n=1988、認知機能後 n=2214 では、総合的認知機能スコアが、フォローアップ中外傷無しの男性に比べ、5.5%ほど低下する  (p< 0.001 for both)

さらに、軽度頭部外傷2回以上男性 n=795では、非外傷経験男性に比べ、総合的認知機能スコア15%低下  (p< 0.001)

認知機能検査後、1回以上の軽度頭部外傷に対し、強力な独立リスク要素(p< 1× 10 -10)は、総合的認知機能低下、頭部外傷既往、中毒による入院、低レベルの教育状況・社会経済状況

認知機能検査前に軽度頭部外傷を双生児一人経験している、双生児サブコホート(n=63)では、双生児両方とも、頭部外傷既往内総コホート男性に比べ、ロジカルなパフォーマンス、テクニカルなパフォーマンス低レベル(p< 0.05)

【結論】低レベル認知機能、社会経済状況に関わる要素は、男性の軽度頭部外傷に対する独立したリスク要素である。
 軽度頭部外傷不一致双生児で双生児両方とも認知機能低下していることは、そのような外傷を起こしやすい認知機能低下を有する遺伝的な要素が示唆される。
この研究は男性に限定したものであり、女性での関連性には十分注意が必要。 


頭部外傷と認知機能との関連性検討の時は、遺伝的要素を除外する必要性がある。

2013年2月7日木曜日

Lp(a)値に影響する LPA locus内の遺伝子変異が大動脈弁石灰化

大動脈硬化は良性経過と考えられるが、臨床的動脈狭窄進行、心血管合併症死亡率との関連性の可能性がある。僧帽弁輪石灰化は心血管疾患リスクと関連し、約50%ほどリスク増加させるとされる。弁疾患進行予防対策は今のところない。
遺伝子要素の関連性が明らかとなれば、その対策もできるだろう・・・ということでの遺伝子との関連性研究。




Lp(a)値に影響する LPA locus内の遺伝子変異が大動脈弁石灰化と、多民族横断的に相関するという新しい知見が見いだされた

アジア人種に関する検討はないので、日本人に、即、適応できない話。
Lp(a)は、脂質だが、線溶系 とも関連し、冠動脈疾患や脳血管疾患とも関連するため、興味深い。


Cohorts for Heart and Aging Research in Genome Epidemiology (CHARGE) consortium 内の調査

Genetic Associations with Valvular Calcification and Aortic Stenosis
George Thanassoulis, et.al.
for the CHARGE Extracoronary Calcium Working Group
N Engl J Med 2013; 368:503-512

lipoprotein(a) (LPA) locus (rs10455872) のSNPで、大動脈弁石灰化genomewideの有意性認めた(odds ratio per allele, 2.05; P=9.0×10−10)。この傾向はヨーロッパ、アフリカ系アメリカ人、ヒスパニック系アメリカ人コホートでも再現。

遺伝的決定されたLp(a)値は、LPA genotypeで予測され、大動脈弁石灰化とも関連し、Lp(a)の原因的役割もあることを支持する所見である。

前向き解析では、LPA genotypeは、大規模なスウェーデン人コホートにおいて、大動脈狭窄発症と相関  (hazard ratio per allele, 1.68; 95% confidence interval [CI], 1.32 to 2.15) 、そして大動脈弁置換術 aortic-valve replacement (hazard ratio, 1.54; 95% CI, 1.05 to 2.27) とも相関。これは、独立したデンマーク人コホートでも再現。

2つのSNP (rs17659543 、 rs13415097)は、炎症惹起遺伝子 IL1F9の近傍にあり、僧帽弁石灰化に関しgenomewideに有意的  (P=1.5×10−8 、P=1.8×10−8,)、しかし、この所見は、常に再現された訳ではない。

2012年3月7日水曜日

アバスチン:遺伝性出血性毛細血管拡張症への治療効果

遺伝性出血性毛細血管拡張症:hereditary hemorrhagic telangiectasia (HHT)は、高拍出性心不全と関連するが、25名のHHT(肝障害、高心拍出指数)患者で、Dupuis-Girodらは、bevacizumab(血管内皮増殖因子(VEGF)阻害剤)投与で、心拍出減少、鼻出血の期間・エピソード数減少効果を認めた。


Bevacizumab in Patients With Hereditary Hemorrhagic Telangiectasia and Severe Hepatic Vascular Malformations and High Cardiac Output
JAMA. 2012;307(9):948-955. doi: 10.1001/jama.2012.250 





Bevacizumab:「アバスチン(Avastin)」

添付文書上は、“治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌、扁平上皮癌を除く切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌”が適応症

黄斑変性症や糖尿病網膜症などへの治療が試みも聞く。

fake Avastinの話題や 去年な認可に関してFDAで一悶着。



話題に事欠かない薬剤・・・

2012年3月5日月曜日

関節可動亢進型エーラスダンロス症候群にアレルギー性胃腸症高頻度

AAAAI (American Academy of Allergy Asthma & Immunology) 
アレルギーぜん息&免疫学アメリカンアカデミー年次集会 


the annual meeting of the American Academy of Allergy, Asthma, and Immunology.
http://annualmeeting.aaaai.org/


Medpageで特集
http://www.medpagetoday.com/AllergyImmunology-Meetings/


そのうちの一つ

Cutts R, et al "Gastrointestinal food allergies in children with Ehlers Danlos type 3 syndrome" AAAAI 2012; Abstract 129.


Ehlers Danlos type 3 syndrome19名のコホートで、関節可動亢進・心血管障害を特徴とするが、ほぼ全員に、アレルギーを起因とする胃腸症状を有することが判明。

平均年齢は8歳少し超過したくらい

食物除去試験(ミルク、卵、小麦、大豆が主、酪農品・ナッツ・グルテン・バナナも少数)で74%陽性
腹痛(90%)、便秘(90%)
食物アレルギー診断名として最も多いのは好酸球性腸炎・allergic dysmotility
抗ヒスタミン・免疫抑制剤100%必要で、PPIが2/3

このコホート群では、尿路系合併症を28%、心血管合併症を39%に認めた。

2012年2月10日金曜日

MEADOWS:40歳超ダウン症へのメマンチン投与エビデンス認めず


Memantine for dementia in adults older than 40 years with Down's syndrome (MEADOWS): a randomised, double-blind, placebo-controlled trial
The Lancet, Volume 379, Issue 9815, Pages 528 - 536, 11 February 2012





ダウン症に伴うアルツハイマー病の頻度は非常に高く、40歳を越えると多くがアルツハイマー病の特徴を有する病理変化を有する。アルツハイマー病薬剤治療を支持するエビデンスは不充分である。一方、メマンチンがtransgenic mouseでの有効性が示されている。

それで、前向きランダム化二重盲検トライアル
・・・

結論から言えば、ダウン症候群40歳超への認知機能低下・認知症の薬物投与エビデンスは、全く認めない。

HPVワクチンをめぐる日本の"失われた8年"と、私たちが検証すべきこと

「子宮頸がんワクチン」という呼び方に、以前から違和感があります。 HPVワクチンが子宮頸がん予防に重要であることは間違いありません。日本では女子への定期接種として導入され、子宮頸がん予防を中心に説明されてきたため、この名称が広まった経緯も理解できます。 しかし、このワクチンが...