2014年6月7日土曜日

衛生仮説:生後3年間アレルゲン感作と喘鳴関連するも、1年間では逆相関;細菌感染で喘鳴リスクなど減少

喘息に於ける、衛生仮説。この種の調査対象、すなわち、喘息との関連では、米国貧困地域での検討が多い。同様なシチュエーションのみで同様の報告を繰り返しているだけのような気もするのだが・・・
 

Urban Environment and Childhood Asthma study


Effects of early life exposure to allergens and bacteria on recurrent wheeze and atopy in urban children
Lynch SV, et al
J Allerg Clin Immun 2014; DOI: 10.1016/j.jaci.2014.04.018. 


生後3年間累積アレルゲン暴露 は、アレルギー感作と相関
生後3年間の感作は反復喘鳴と関連する
一方、ゴキブリ、マウス、猫アレルゲンへの生後1年間の暴露は、再発性喘鳴と逆相関(オッズ比 0.60、 0.65~0.75、 p< 0.01)

ハウスダストバクテリア含有量の違い、特にフィルミクテス門(Firmicutes、ファーミキューテス、グラム陽性細菌門)、バクテロイデス門(-もん、Bacteroidetes)の暴露減少は、アトピー及びアトピー性喘鳴と相関する。

両アレルゲンの高度暴露と、生後1年のバクテリアサブセットはアトピーや喘鳴無しの子供に多い。

朝食を抜いても太らない(しかし、体重以外への影響は不明)

朝食は、一日のうち最も重要な食事で、減量助言上朝食を抜かないようにと指導されるのが常。それはほんとうなのだろうか?疑問を呈する2つの報告。



朝食摂取あるいは朝食を抜くよう指示することは、自己報告に基づく朝食習慣変容という面では影響をもたらす。しかし、自由生活成人において、一般に信じられているような、朝食を抜く抜かないでのあきらかな影響はない。

The effectiveness of breakfast recommendations on weight loss: a randomized controlled trial 
First published June 4, 2014, doi: 10.3945/​ajcn.114.089573
Am J Clin Nutr August 2014 ajcn.089573

多施設16週、3平行群RCT、健康な過体重・肥満成人 (BMI 25-40)、20−65歳
プライマリアウトカムは体重、309名中283名をランダム化。
・朝食をとるよう指示した介入群
・朝食をスキップするよう指示した介入群:NB
を、対照群と比較。ランダム化は、ランダム化前朝食習慣にて選別化。
群間で、減量への影響少なく、初期朝食摂取状況・治療群に有意な影響無し
スキッパー群のうち、ベースラインの体重・年齢・性的・研究施設場所・人種補正体重変化同補正平均(±SD)は、対照群、朝食摂取群、NB群で−0.71 ± 1.16、 −0.76 ± 1.26、  −0.61 ± 1.18 kg
(おそらくランダム化前習慣で)朝食摂取習慣者内比較では、体重変化同補正平均(±SD)は、対照群 −0.53 ± 1.16、朝食摂取介入 −0.59 ± 1.06、朝食スキップ群(NB) −0.71 ± 1.17 kg。
自己報告コンプライアンスは、朝食群 93.6%、 NB群 92.4%。


横断研究に基づけば、朝食は健康上重要ということだが、自由行動下RCTにて、朝食割り付け(午前11時前に 700kcal以上)vs 空腹(12時までに0kcal)という割り付けという状況の朝食習慣と、エネルギーバランスの検討にて、朝食摂取は、やせ成人の身体活動thermogenesis増加と原因的に関連し、食事エネルギー摂取増加と伴うが、安静時代謝には影響を及ばさない。。心血管健康指標には影響を与えないが、朝食は午後・夜の安定した血糖状況をもたらす。

The causal role of breakfast in energy balance and health: a randomized controlled trial in lean adults
Am J Clin Nutr doi: 10.3945/ajcn.114.083402.



この2つの報告は、朝食を抜くことを是認するものなのだろうか?私にはそうは思えない。朝食を含む摂取総カロリーがやはり重要ということはかわりはないという事実認定にすぎないということにも見えるし、2つめの論文の解釈として糖代謝影響だけでも日内血糖変動に影響を与えているともとらえることが出来る。これらが認知機能や筋骨格機能へ、特に朝方悪影響をあたえないとは限らない。



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