2014年11月29日土曜日

ジルコニウム塩(ソロケイ酸塩):高カリウム血症治験

Sodium Zirconium (ジルコニウム塩):Cyclosilicate (ソロケイ酸塩)は高カリウム血症治療効果


軽度高カリウム血症(5.0-5.9 mmol/L)では監視必要、それ以上なら厳格な管理が必要である。RAASなどの薬剤介入上も問題になり、高カリウム血症治療にあたらしい介入法があれば・・・


心不全高カリウム血症での多施設2相性二重盲験第3相ランダム化治験
48時間後平均血中濃度主要測定項目
Sodium Zirconium Cyclosilicate in Hyperkalemia
David K. Packham,  et. al.
N. Engl. J. Med. Nov. 21, 2014DOI: 10.1056/NEJMoa1411487
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1411487
48時間後、平均K濃度は  5.3 mmol/L  at baseline → 4.9 mmol/L   (2.5 g of ZS-9) , 4.8 mmol/L ( 5-g group),  4.6 mmol/L (10-g group)
平均減少 0.5, 0.5, 0.7 mmol/L (P<0 .001="" all="" blockquote="" comparisons="" for="" nbsp="">







Effect of Sodium Zirconium Cyclosilicate on Potassium Lowering for 28 Days Among Outpatients With Hyperkalemia
The HARMONIZE Randomized Clinical Tria
JAMA. Published online November 17, 2014. doi:10.1001/jama.2014.15688
http://jama.jamanetwork.com/article.aspx?articleid=1936753
多国・高カリウム血症外来患者
オープンラベル治験相48時間、1日3回
8-29日め血中カリウム平均値
平均K < 5.1 mEq/Lの到達比率は、治験薬群VSプラシーボ (36/45 [80%], 45/50 [90%], and 51/54 [94%] for the 5-g, 10-g, and 15-g groups, vs 38/82 [46%] with placebo; P < .001 for each dose vs placebo)
副作用は同等だったが、浮腫が15g群で多い  (edema incidence: 2/85 [2%], 1/45 [2%], 3/51 [6%], and 8/56 [14%] patients in the placebo, 5-g, 10-g, and 15-g groups)


2014年11月26日水曜日

院外心肺停止:一次蘇生施行の方が、二次蘇生より、生存率・神経学的機能の成績良好

より高度の心肺蘇生をなるたけ早く施行した方が生存予後機能予後も良さそうだが、ハーバードの研究はその常識に疑問が生じることとなった。



Basic Life Support(一次救命処置)とALS(二次心肺蘇生法)の比較


米国メディケアの後顧的コホート研究にて、院外心停止患者の生存率調査

院外BLS患者の方が、 30日生存退院率、90日生存退院率とも成績が良い (BLS 13.1% vs ALS 9.2% ; 4.0 [95% CI, 2.3-5.7] パーセントポイント差、   8.0% vs 5.4%  ; 2.6 [95% CI, 1.2-4.0] パーセントポイント差) 
さらに、BLSでは入院中神経機能も良好  (神経学的機能不良比率 21.8% vs 44.8% ; 23.0 [95% CI, 18.6-27.4] パーセントポイント差) 
1年後付加的生存率得るためのALS比較BLSでの医療費は  $154 333。



Outcomes After Out-of-Hospital Cardiac Arrest Treated by Basic vs Advanced Life Support
Prachi Sanghavi, et. al.
JAMA Intern Med. Published online November 24, 2014. doi:10.1001/jamainternmed.2014.5420




後顧的検討の性・・・ バイアスを含む可能性があるが、結構な成績差ではある



2014年11月21日金曜日

閉塞型無呼吸:高感度質問ツールは ・・・ STOP-Bang 

Predictive Performance of the STOP-Bang, Epworth Sleepiness Scale, and Modified Flemons Score in Identifying Sleep Center Patients With Obstructive Sleep Apnea
Colin Smith, et. al.
Chest. 2014;146(4_MeetingAbstracts):939A. doi:10.1378/chest.1985313

【目的】
STOP-Bang、 Epworth Sleepiness Scale (ESS)、Modified Flemons Score (MFS) questionnaireの閉塞型無呼吸(OSA)患者、特に中等度重度リスク症例の検出能力評価
MFSは4項目モデルで、頸部周囲径、高血圧・いびき・夜間窒息・あえぎgasping型(短い吸息と呼息からなる呼吸運動が長い休止期をおいて周期的に現れる呼吸型)エピソードの補正に基づくもの



【方法】
MedStar Georgetown University Hospital スリープセンター451名の成人の便宜サンプル

STOP-Bang、ESS、MFSアンケートを無呼吸センターテクニシャン補助で施行。3つのスコア記録患者のみ比較。


【結論】
STOP-Bang アンケートは中等度・重度 (93.4%) 、重度 (97.8%) OSAの検出感度最も高度。


ESS は、中等度・重度 (63.4%) 、重度 (60.7%) OSA検出で高感度


MFS questionnaire は、中等度・重度 (83.6%) 、重度 (52.3%) OSA検出で高感度


【結論】 STOP-Bang アンケートは、OSAリスク同定感度最も高く、ESS、MFSアンケートより良好。

麻酔科医は、将来合併症リスクを重要視するのでSTOP-Bangのような高感度ツールを好むだろう。




http://www.sleepapnea.org/assets/files/pdf/STOP-BANG%20Questionnaire.pdf


日本で使われるなら、頸部径やBMIなどは使えないだろうし、やせ形・標準体型OSAが多い日本でそのまま使えるかは疑問

重度飲酒の9割以上がアルコール症にあらず・・・

プライマリソース: http://www.cdc.gov/pcd/issues/2014/14_0329.htm
解説:http://www.cdc.gov/media/releases/2014/p0626-excessive-drinking.html


ポピュラーな意見と異なり、重度飲酒米国民の10名に一人未満しかアルコール症に罹患してないと、木曜日の米国連邦の報告。

多くの人は大量飲酒のヒトはアルコール症と考えるが、疑念に思っていた医療専門家もいた。
女性では週8ドリンク、男性では15ドリンク以上を重度飲酒とすると、重度飲酒の90%では、アルコール症クライテリアを満たさない。

アルコール症の定義は、アルコール量減量もしくは禁酒できない、家族・仕事上の問題の原因となってもやめられない、連日飲酒時間が相当占める場合。


2014年11月20日木曜日

抗IL-17モノクローナル抗体:感染性関節炎・強直性脊椎炎 第3相試験

 乾癬性関節炎:psoriatic arthritis (PsA) と、強直性脊椎炎:ankylosing spondylitis (AS)に対し、抗IL-17Aモノクローナル抗体:secukinumab の治療52週間第3相治験( MEASURE 1)



同剤75mg、 150mg 月1回投与にて、プラシーボ比較 16週目で Assessments in Ankylosing Spondylitis score (ASAS20) 20%以上 (59.7% and 60.8% versus 28.7%


活動下にある強直性脊椎炎の症候・症状を有意改善が、52週後メンテナンス使用で示された。


"Secukinumab, a monoclonal antibody to interleukin-17A, significantly improves signs and symptoms of active ankylosing spondylitis: results of a 52-week phase 3 randomized placebo-controlled trial with intravenous loading and subcutaneous maintenance dosing"
Source reference: Baeten D, et al
ACR 2014; Abstract 819.



http://www.novartis.com/newsroom/media-releases/en/2014/1869976.shtml

2014年11月18日火曜日

趣味程度のランニングは変形関節症を増加させるどころか、リスク軽減の可能性あり

レクレーションのランニングによる変形性関節症リスク増加の懸念・・・それは杞憂かもしれない

むしろ、変形性関節症の発症抑制的に働く可能性がある。






Habitual running at any time in life is not detrimental and may be protective of symptomatic knee osteoarthritis: Data from the Knee Osteoarthritis Initiative
Source reference: Lo GH, et al ACR2014; Abstract 2895.
Press Release:http://www.medscape.com/viewarticle/835005

エリートアスリートでの検討から危惧されたが、娯楽的ランニングの検討、ここでは地域コホート、2683名のOAI( Osteoarthritis Initiative)登録者、平均年齢 64.5歳、BMI 28.6、女性 56%、 特定の期間だけランナーだったという被験者は29%。全例膝X線、症候アセスメント施行。Lifetime Physical Activity Questionnaireというアンケートで、12-18歳、19-34歳、35-50歳、50歳以上での3つの身体活動性チェック。

OAI登録後4年間で、X線評価にて変形性関節症評価。レントゲン的変形性関節症評価分類にてKellgren-Lawrence段階 2以上を分類都市、疼痛も4年後評価。レントゲン的変形性関節症と頻回の膝痛共に、すくなくとも1関節にある場合を症候性変形性関節症とする。


全年齢層において、膝痛罹病は非ランナーより、ランナーの方が少ない  (35.0% vs 41.6%)、同様に、レントゲン上の変形性関節症も少ない  (53.7% vs 60.3%) 、そして症候性変形性関節症も少ない (22.8% vs 29.8%)
年齢、性別、BMI補正後も同様。

ただ、ランナーはより健康的であるので、バイアスを含む可能性のある報告と・・・




ランニング継続中の私としては、勇気づけられる報告・・・ 膝を悪くしたとの賜るランニングをやめた先輩方が多く辟易してたところ・・・

2014年11月14日金曜日

primary age-related tauopathy (PART)

アミロイド(Aβ)プラーク存在しない加齢関連タウ蛋白異常、すなわち神経原線維濃縮体(neurofibrillary tangle)増加


疾患概念としてどうなのだろうと思うが、アルツハイマー認知症を明確にするためにも必要な概念なのかもしれない。




Primary age-related tauopathy (PART): a common pathology associated with human aging
http://www.actaneuropathologicagateway.net/ArticlePage.aspx?doi=10.1007/s00401-014-1349-0
DOI: 10.1007/S00401-014-1349-0PAGES: 1-12


多くの研究で、神経原線維濃縮体(neurofibrillary tangle)の存在は、アルツハイマー病(AD)と区別困難で、アミロイド(Aβ)プラーク存在しない場合がある。


NFT+/Aβ−” 脳は、アルツハイマー病に一致しない神経病理変化。
NFTは主に、内側側頭葉、底前脳、脳幹と、嗅部 (球、皮質)に存在。


PARTの症状は、正常から健忘性認知機能異常で、重度障害は少数。認知障害は軽度がほとんどでなため、臨床病理的特徴、たとえば “tangle-only dementia” と “tangle-predominant senile dementia”といった表現は不正確であり、多くの患者では不正確であった。PARTは高齢者剖検にてほとんどユニバーサルに検知できるが、生前に病的プロセスは現時点では同定不能。将来的にはバイオマーカーや画像診断の発展で、PARTの診断可能となるかもしれない。実際、側頭葉萎縮・taunopathyを含むバイオマーカーあるも、Aβ蓄積のない、コモンなバイオマーカー特性の存在が示唆されている。



NHKは、一部認知症分野のお偉いさんと結託して、開業医が悪いと喧伝

その上に、エビデンス構築されているとは思えない漢方を使えと強要
http://kaigyoi.blogspot.jp/2012/02/nhk.html

さらに、進行期にも使用するのが当然のごとき風潮を形成する、製薬会社と認知症分野の専門家たち・・・

ビタミンB投与認知機能パフォーマンス効果 ・・・ 否定

ビタミンの治験ってのは、まともな治験ほど報告が多い。ビタミン神話・Quackeryの起源は、某ノーベル賞複数受賞者に至るわけで・・・、よにあふれる健康食品の元祖もノーベル賞関連と皮肉なとらえ方もできる。


日本には、未だに、動物実験を根拠にこう主張される方々がいるようですが・・・ → 「葉酸・ビタミン B12欠乏は、Hcy 値の上昇に伴うタウ蛋白の重合促進をきたし、AD の病態を促進するという機構が存在することが推察された」(http://repo.flib.u-fukui.ac.jp/dspace/bitstream/10098/7088/1/%E3%83%88%E5%AD%A610.H23%E3%83%BB%E9%87%8D%E7%82%B9%E7%A0%94%E7%A9%B6%E6%88%90%E6%9E%9C%E9%9B%862012_%E6%BF%B1%E9%87%8E%20%E5%BF%A0%E5%89%87%EF%BC%88%E5%8C%BB.pdf)




Results of 2-year vitamin B treatment on cognitive performance
Secondary data from an RCT
Nikita L. van der Zwaluw, et. al.
Published online before print November 12, 2014, doi: 10.1212/WNL.0000000000001050
Neurology 10.1212/WNL.0000000000001050


65歳以上の高齢者 2919名 (ホモシステイン値12~50μmol/L)

ビタミン投与群: 葉酸 400μg + ビタミン B12 500 μg
VS プラシーボ

MMSE、 episodice memory、 attention and working memery 、 information processing speed、 executive functionを検査

平均年齢 74.1 (SD 6.5) 歳。

Hcy濃度はビタミンB群で減少量 5.0 (95% confidence interval −5.3 to −4.7) µmol/L VS プラシーボ 1.3 (−1.6 to −0.9) µmol/L



認知機能ドメインスコアは2群間で歳認めず(多変量MMSEスコア減少量 ビタミンB群  0.1 (−0.2 to 0.0) VS プラシーボ 0.3 (−0.4 to −0.2)  (p = 0.05))



2014年11月13日木曜日

米国内エボラウィルス疾患患者2名症例報告



Two Patients with EVD in the United States
November 12, 2014 | G.M. Lyon and Others
(DOI: 10.1056/NEJMoa1409838)
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1409838?query=featured_home


循環血液量減少、低カリウム血症、低カルシウム血症、低アルブミン血症と、凝固障害なしの血小板減少所見。

水分・電解質管理がなされたので、それ以外に治療法の有効性は不明。

モノクローナル抗体療法の実験的治療の臨床的有益性は不明
ZMAPPに関して、鉱質浸透圧改善効果の印象



MOF、敗血症ショック、DICを致死的要素と考えたが、特に、低カリウム血症が最も重大と考えての治療したとのこと。積極的循環血液量確保、カリウム、カルシウム管理の重点が置かれた。
血管漏出症候群では、3rdスペースへの液体プーリングにつながり、胸水など出現の可能性あり、


Rollinらの報告(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17940972?dopt=Abstract)では、Transの増加腎障害が死亡リスクと関連。低アルブミン血症、低カルシウム血症、アミラーゼ増加、D-Dimer高値と予後の関連性示唆。
筆者らのケースでは低アルブミン血症とALP増加。


特に大量下痢患者では、経口カリウム、カルシウムおよびマグネシウムで経口補水が重要ということを示唆。


ウィルス量やEBDV抗体検査は、米国内到着後のみ施行。
EBDV特異IgM、IgG抗体陽性。
IgM、IgG抗体は8-10日後検出、IgM抗体はピークは18日め。
IgG抗体は12年間検出。

2症例とも血中EBDVウィルス量減少とともに臨床症状・臨床検査所見改善。EBDV RNAは4週目まで存在。感染ウィルス存在とRNAは4週目検出レベルの関連性は不明。

EVD生存者からの血液を1例目は、そして2例とも全血輸血し、FFP・血小板輸血は凝固疾患へのベネフィットもたらしたのかもしれない。

キャップ・アンド・トレード方式:食品中糖添加量への応用で肥満・糖尿病発症抑制という試算

cap-and-trade policyとは、「政府が総量(総枠)を定め、それを個々の主体に枠として配分し、個々の主体間の枠の一部の移転(または獲得)を認める制度のこと」で、CO2排出量などがその例


キャップ·アンド·トレード施策は、電力業界廃棄物として大気中に放出される二酸化硫黄と窒素酸化物のそのレベルに応じ、1990年代に米国行われ、政府は、メーカーに対し生産許可するが、許可された企業は、汚染量に応じて、その上限(キャップ)を超えた分を取引する。


これを食品中糖添加量に応用し、肥満有病率を1.7%、2型糖尿病発症率を10万人あたり21.7名。そうっ大敵に4.2%減少するという試算



Reducing Added Sugars in the Food Supply Through a Cap-and-Trade Approach
Sanjay Basu, et. al.
online in the American Journal of Public Health
Read More: http://ajph.aphapublications.org/doi/abs/10.2105/AJPH.2014.302170



解説記事:http://www.medpagetoday.com/MeetingCoverage/ObesityWeek/48491



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なんでも取引の材料にするのがどうも気にいらない・・・ Sugar Taxでいいのに・・・・



HCV: grazoprevir ( HCV NS3/4A protease inhibitor) +elbasvir ( HCV NS5A inhibitor) 併用 インターフェロン・フリー、リバビリン・フリー治療へ?

インターフェロンなし、経口剤のみ、短期治療は、、肝硬変の有無、以前の治療の有効無効にかかわらず、高度に有効性が高い。
リバビリンなしの grazoprevir ( HCV NS3/4A protease inhibitor) +elbasvir ( HCV NS5A inhibitor) 併用における有用性・安全性・有効性の検討

C-WORTHY trial (第2相ランダム化オープンラベル)リバビリン有無比較


グラゾプレビルとエルバスビル併用療法は12週間18週間治療期間でいずれも高度の有効性を示し、肝硬変あっても、以前官界に至らなくても高い有効性示す。
第三相治験検討すべき




Efficacy and safety of 12 weeks versus 18 weeks of treatment with grazoprevir (MK-5172) and elbasvir (MK-8742) with or without ribavirin for hepatitis C virus genotype 1 infection in previously untreated patients with cirrhosis and patients with previous null response with or without cirrhosis (C-WORTHY): a randomised, open-label phase 2 trial
Eric Lawitz  et. al.
The Lancet, Early Online Publication, 11 November 2014
doi:10.1016/S0140-6736(14)61795-5
http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(14)61795-5/fulltext
コホート1:n=123、12週レジメン(リバビリンあり n=31, リバビリンなし n=29)、18週レジメン(リバビリンあり n=32, リバビリンなし n=31 )
コホート2:n=130, 12週レジメン(リバビリンあり n=32, リバビリンなし n=33)、 18週レジメン(リバビリン n=33, リバビリンなし n=32)
SVR12率はリバビリン使用、治療期間延長に不応性に高い
12週間→18週間治療期間延長で関連なし
リバビリンあり  90% (95% CI 74—98; 28/31; cohort 1, 12 weeks )、 リバビリンなし 100% (95% CI 89—100; 33/33; cohort 2, 18 weeks )

リバビリンなしのgrazoprevir plus elbasvir治療12週間患者のうち、コホート1では 97% (95% CI 82—100, 28/29)、コホート2では 91% (76—98, 30/33)  SVR12到達
副事象イベント:10%超
疲労  (66 patients, 26% [95% CI 21—32])、頭痛  (58 patients, 23% [95% CI 18—29])、asthenia:無力  (35 patients, 14% [95% CI 10—19])






2014年11月11日火曜日

米国でも進行期認知症効果疑念薬剤処方半数超:日本の状況はもっと深刻

嚥下や接触困難な認知症患者にさえ、コリンエステラーゼ阻害剤やメマンチン類、さらには抗脂質薬剤、抗血小板剤・・・意味すらわからないような薬剤まで処方されている。


その比率、54%と・・・



進行期アルツハイマー病に関する、これら論文及び解説ニュース記事みると、日本における薬剤の使用状況が異常事態としかおもえない。




Use of Medications of Questionable Benefit in Advanced Dementia
Jennifer Tjia, et. al.
JAMA Intern Med. 2014;174(11):1763-1771. doi:10.1001/jamainternmed.2014.4103.













UpTodateで確認するも、やはり、コリンエステラーゼ阻害剤に関して、進行期アルツハイマー病に関するベネフィット示すトライアル結果、すなわち、エビデンスは乏しいといわざるえない。


解説記事(http://www.umassmed.edu/news/news-archives/2014/09/new-umms-study-shows-medications-of-questionable-benefit-used-in-advanced-dementia/)
The most common questionably beneficial medications used in this cohort of residents with advanced dementia were cholinesterase inhibitors and memantine. These are typically prescribed at earlier stages of dementia and a major goal of use is delaying institutional placement.However, the clinical value of these medications, even in early stage disease, has also recently come into question by the U.S. Preventive Services Task Force.


日本の現状:
・ 家族が進行ADのご老人、「認知症薬剤もう不要でしょ」と告げようもんなら大騒ぎ
・ 介護施設職員付き添い老人に対して、なぜ認知症治療薬しょほうされてないのだとくってかかられる事案多数


エーザイさんのプロモーション 効き過ぎ・・・ 後発薬剤でらから、後はしらんふりかな?

2014年11月10日月曜日

敗血症発症中の新規心房細動発症は半数以上あり、予後に関わる重大イベントである

敗血症入院中新規発症心房細動は、重大な副事象アウトカムである。

メディケアデータの検討


Long-term Outcomes Following Development of New-Onset Atrial Fibrillation During Sepsis
Allan J. Walkey, et. al.
Chest. 2014;146(5):1187-1195. doi:10.1378/chest.14-0003



13万8千722名の敗血症生存者、うち敗血症中心房細動なしは69%、9万5千536名。24%、3万3千646名は心房細動既往、7%9千540名h新規発症。


心房細動敗血症中、心房細動なし患者より新規発症心房細動患者の心房細動発生は

敗血症入院後心房細動イベント発生は、多い(あり 54.9% VS なし 15.5%)


敗血症罹病中・心房細動なしに比べ、新規発症心房細動は、心不全5年リスク増加  (11.2% vs 8.2%; multivariable-adjusted hazard ratio [HR], 1.25; 95% CI, 1.16-1.34)、 また虚血性卒中増加  (5.3% vs 4.7%; HR, 1.22; 95% CI, 1.10-1.36)、そして、死亡リスク増加 (74.8% vs 72.1%; HR, 1.04; 95% CI,1.01-1.07)






2014年11月7日金曜日

エトドラクなど前世代COX-2阻害剤は虚血性卒中死亡率増加と関連

デンマーク国内住民ベース調査(2004-2012年、10万人程度)


エトドラク(エトドラク:ハイペン,オステラックなど)やジクロフェナク(ボルタレンなど)などの前世代のCOX-2阻害剤と虚血性卒中死亡率増加の関連性あきらかに


Preadmission use of nonaspirin nonsteroidal anti-inflammatory drugs and 30-day stroke mortality
Morten Schmidt, et. al.
http://www.neurology.org/content/early/2014/11/05/WNL.0000000000001024.abstract
Published online before print November 5, 2014,
doi: 10.1212/WNL.0000000000001024 Neurology 10.1212/WNL.0000000000001024


虚血性卒中による死亡補正HRは 
選択的COX2阻害剤現行使用者 対 非使用者比較 1.19 (95% 信頼区間 [CI]: 1.02–1.38)
これは主に新規使用者への影響大 (1.42, 95% CI: 1.14–1.77)


COX-2阻害剤同士の比較では、前世代のCOX-2阻害剤によるHR増加効果が明らか COX-2 inhibitors (1.42, 95% CI: 1.14–1.78)
エトドラク  1.53 (95% CI: 1.02–2.28) 、ジクロフェナク 1.28 (95% CI: 0.98–1.68)


propensity score–matched analysisにて、前世代COX-2阻害剤と虚血性卒中死亡率の関連性を示唆

前世代COX-2使用歴のみではその相関性なし。

頭蓋内出血死亡率に関しては非選択性NSAIDs、COX-2阻害剤使とも関連性認めず

2014年11月6日木曜日

COPD:大腿四頭筋adiposity は 身体活動性、運動能力、筋線維の変化と関連

ある程度病期の進んだCOPD患者の場合、太ももの筋肉はその量が単に減少するだけかと思ったが、それ以外に、脂肪蓄積が存在するようだ。そういう筋肉内の組成の変化を発現型としてとらえ、治療ターゲットとする可能性示唆された報告。


Skeletal muscle adiposity is associated with physical activity, exercise capacity and fibre shift in COPD
ERJ November 1, 2014 vol. 44 no. 5 1188-1198
http://erj.ersjournals.com/content/44/5/1188.full
COPD患者毎に、大腿四頭筋発現型は様々。しかし、筋肉の生検なしでは判断できない。仮説として、骨格筋adiposityが筋肉の質バイオマーカーとして非侵襲的指標となるか、検討。


101名の患者と10名の年齢マッチ化健康対照者、大腿中央部横断面積、筋肉内の脂肪/骨格筋attenuation%比をCT画像と標準組織attenuation rangeで計算  脂肪 -190– -30 HU; 骨格筋 -29–150 HU.
筋肉内脂肪 平均 ± SD 比率
患者群: 6.7±3.5% versus 4.3±1.2%, p = 0.03

脂肪・骨格筋attenuation比率はともに身体活動性レベル、運動耐用能力、1型筋繊維比率と相関。これは年齢、大腿中央部横断面積・四頭筋筋力に関連なく相関。

CO肺transfer factorと合わせ、これらの指標は、1型筋線維比率80%超同定可能で、特異性65%超(AUCは 0.83、95% CI, 0.72 - 0.94 )

CT評価骨格筋adiposityは、COPDの多面的特性を反映し、特異的な筋肉の発現型として臨床トライアル介入目標として役割を果たすかもしれない。

NLST:肺がん低放射線量CT検診はコスト効果的というが・・・

National Lung Screening Trial (NLST) 研究から、胸部レントゲン比較において低放射線量CT検診による肺がん死亡率減少効果しめされたが、今回はこのNLSTの低放射線量CT検診のコスト効果検討




Cost-Effectiveness of CT Screening in the National Lung Screening Trial
William C. Black, et. al.
for the National Lung Screening Trial Research Team
N Engl J Med 2014; 371:1793-1802November 6, 2014DOI: 10.1056/NEJMoa1312547

低放射線量CT無施行に比べ、一人あたりの追加コストは l $1,631/人  (95% 信頼区間 [CI], 1,557 to 1,709) 、 一人あたり付加生存期間は 0.0316 life-years /人;(95% CI, 0.0154 to 0.0478) 、QALY 質調整生存年として0.0201 QALYs/人 (95% CI, 0.0088 to 0.0314)

獲得生存年 $52,000 per life-year gained (95% CI, 34,000 to 106,000) 、QALYあたりコストは  $81,000 per QALY gained (95% CI, 52,000 to 186,000)

incremental cost-effectiveness ratios (ICERs)は、サブグループや感度分析でばらつきあり


NLST研究というトライアルの検討に限定すれば、コスト効果的であったということに・・・・


日本で行われている、リスク層別化されてない、肺がん検診に適応できる話ではない。
なんせ、NLSTの被験者は「 current or former heavy smokers ages 55 to 74」で、喫煙既往ありのケース








2014年11月5日水曜日

心房細動(発作性、持続性を含む)とCT/MRI検出無症候脳梗塞の関連性

無症候脳梗塞は健康中年成人でも10%で指摘されるという。他、収縮期高血圧や高ホモシステイン血症、冠動脈疾患存在などもこの病態のリスク要素とのこと。頸動脈IMTや動脈stiffness、喫煙、睡眠時無呼吸などの動脈硬化関連要素や鎌状赤血球症なども関連。さまざまな神経障害やうつ、認知機能異常との関連性が示唆されている。


心房細動は、この無症候性脳梗塞(SCIs)リスク増加と関連する


Association Between Atrial Fibrillation and Silent Cerebral Infarctions: A Systematic Review and Meta-analysis
Shadi Kalantarian, et. al.
Ann Intern Med. 2014;161(9):650-658. doi:10.7326/M14-0538



Data Sources: Searches of MEDLINE, PsycINFO, Cochrane Library, CINAHL, and EMBASE from inception to 8 May 2014 without language restrictions and manual screening of article references.

Study Selection: Observational studies involving adults with AF and no clinical history of stroke or prosthetic valves who reported SCIs. 
Data Extraction: Study characteristics and study quality were assessed in duplicate.


データ作成: 5317名11研究(平均年齢 50.0歳から83.6歳)心房細動と無症候性脳梗塞(SCIs)の関連性報告
剖検例は異質性あり、研究の品質低く、リスク推定検討から除外。CT、MRI研究を合わせ検討。

心房細動は、CT/MRI組み合わせで有症候性卒中病歴のないSCIと相関  (odds ratio, 2.62 [95% CI, 1.81 to 3.80]; I2 = 32.12%; P for heterogeneity = 0.118)

心房細動の種類(発作性 vs 持続性)と無関係。quality scoreの最大確率の70%以上とした場合にも有意差変わらず  (odds ratio, 3.06 [CI, 2.24 to 4.19])。

17研究での心房細動患者のMRI/CT検出SCIsの頻度はそれぞれ40%と22%



ダビガトランはワーファリン比較で重大出血イベント増加、特に、消化管出血多い、頭蓋内事故は少ない

ワーファリンに比べ、ダビガトランは重大出血事故頻度増加、特に消化管出血リスクが高い。ただ、頭蓋内出血事故は少ない。




後顧的コホート研究、薬局・医療クレーム(2010-2011年、メディケア支払い団体サンプルの5%)


ダビガトランのワーファリン比較重大出血リスク・ハザード比 
部位不問:1.39 (95% CI, 1.20 ー 1.41)
重大出血 1.58 (95% CI, 1.36 ー 1.83)
消化管出血 1.85 (95% CI, 1.64 - 2.07)


重大頭蓋内出血 0.32 (95% CI, 0.20 - 0.50)


Risk of Bleeding With Dabigatran in Atrial Fibrillation
Inmaculada Hernandez,et. al.
JAMA Intern Med. Published online November 03, 2014.
 doi:10.1001/jamainternmed.2014.5398





ダビガトランは消化管でのバイオアビリティー低く。吸収率6.5%、そのため、特に下部消化管出血が高い。





2014年11月1日土曜日

急激な減量だと、体重すぐ元に戻るってのは嘘

過度な急激な減量は確かに危険性を具有するのだろうが、減量指導について、科学的根拠なく、個別的妄想で指導する連中がいる。テレビラジオでのこの種の放送を聞くと、視聴に耐えられない内容も多い。


その中の一つ、急激な減量ではすぐ肥満に復帰するというもの





The effect of rate of weight loss on long-term weight management: a randomised controlled trial
The Lancet Diabetes & Endocrinology, Early Online Publication, 16 October 2014

2つのフェーズ、ランダム化非マスク化、食事介入トライアル(メルボルン)
204名の被験者(男 51名、女 153名、 18-70歳)、 BMI 30-45

第1相:ブロックデザイン(性、年齢、BMIに基づく、ブロックサイズ 2、4,6):1:1割り付け、 
12週間の急激減量 or  36週間の段階的プログラムにランダム割り付け

第2相:第1相にて体重12.5%以上の減量にて144週間の体重維持食を被験者に施行

プライマリアウトカムは、第2相144週めのI平均体重減少維持評価
完遂対象者のみプライマリアウトカム検討、ITT解析


段階的減量割り付け、急速減量割り付けはそれぞれ103名、97名(2008年8月8日から2010年3月9日)

第1相試験後、段階的減量群 51名、50% 、 急速減量群 76(81%)にて12.5%の減量到達

これらを第2相の対象者とする

第2相終了後、研究完遂は、段階的減量群 n=43 、 急速減量群 n=61で、減量分の多くが以前に復帰(段階的減量群 71.2% , 95% CI 58·1—84·3 vs 急激減量群70.5% , 57·8—83·2)


ITT解析でも同じ結果  (段階的減量群  76·3% regain, 95% CI 65·2—87·4 vs 急激減量群 76·3%, 65·8—86·8)


第1相では、急激減量群1名で胆嚢炎(胆嚢摘出術必要)、第2相では2名でがん発症。

結論:

減量率は144週間の体重復帰比率と関連せず、これらの所見は、現行の食事指導ガイドラインとは一致せず、緩徐減量が急速減量より優れるという根拠がない。従来は急激な減量は急激に元の体重へというのは否定的。

noteへ実験的移行

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