2019年12月28日土曜日

COPD:肺炎リスクはBUD/FORが少ない?

ICS/LABA薬剤のCOPD肺炎リスクの比較

これは元々、後顧的研究のため結論的ではない


さらに、有意差明瞭とされる比較
FLU/SAL DPI vs BUD/FOR DPI
ARR=(Controleventrate)−(Experimentaleventrate)ARR=0.04447612−0.03321454=0.01126158NNT=1/ARR=1/0.01126158=88.8
これにも、臨床的意義に疑問が生じてくる




Comparative Safety and Effectiveness of Inhaled Corticosteroids and Long-Acting β2 Agonist Combinations in Patients with Chronic Obstructive Pulmonary Disease
Ting-Yu Chang, et al.
DOI: https://doi.org/10.1016/j.chest.2019.12.006
CHEST (2020), doi: https://doi.org/10.1016/ j.chest.2019.12.006.

序文:COPD患者に於けるICSによる肺炎のリスク差はより検証が必要で、特にベクロメサゾン含有吸入において必要。異なるICS/LABA合剤のリスク・ベネフィット比較

方法:台湾国内健康保険請求データの後顧的検証
propensity score matchingおよびCox回帰モデルにて重症肺炎、急性増悪推定

結果:
BUD/FOR DPIとBEC/FOR MDIは、それぞれ同じデバイスのFLU/SALと比べ重症肺炎リスク低下 (BUD/FOR HR 0.83 [95% CI 0.70-0.98]、重症急性増悪リスク低下(BUD/FOR HR 0.88 [0.78-0.99], BEC/FOR 0.90 [0.84-0.96])
1日あたり平均ICS投与平均量補正追加後、 BUD/FOR DPI使用は、重症肺炎リスク有意減少持続 (18%) するも、 BEC/FOR MDI userは有意減少持続せず

結前設定サブグループの多くにおいても感度分析後も持続した





-mics特性:人生の曲がり角 34歳、60歳、78歳

mdlinxの2019年ベスト報告の一つらしい
https://www.mdlinx.com/internal-medicine/top-medical-news/article/2019/12/05/7587322



373の血中蛋白のレベルで生理学的時計の一種を知ることができる。それだけではなく、Wyss-Corayによれば、身体の組織から循環血液に移動する多数のタンパク質のレベルの変化は、老化現象を特徴付けるだけでなく、その原因となる可能性が非常に高いとのこと。
18-95歳、4,263名の血漿を分析。
「人間のライフサイクルにおける3つの明確な変曲点で、よりハーキーでジャーキーな軌跡を描くように思われることを示唆しています。 34、60、および78歳で平均して発生するこれらの3つのポイントは、存在量の顕著な変化を示しているさまざまな血液由来タンパク質の数が頂点に達する明確な時間として際立っている」




Undulating changes in human plasma proteome profiles across the lifespan,
Benoit Lehallier et al.
Nature Medicine (2019). DOI: 10.1038/s41591-019-0673-2
https://www.nature.com/articles/s41591-019-0673-2



Google翻訳
老化は、健康を制限するいくつかの慢性疾患の主な危険因子です。したがって、老化のメカニズムは潜在的な治療標的としてますます認識されています。若いマウスからの血液は、複数の組織にわたって老化と疾患の側面を逆転させます。これは、血液の加齢に関連する分子変化が加齢に関連する疾患生物学への新しい洞察を提供できるという仮説を支持します。
 4,263人の若年成人から非老人(18〜95歳)までの2,925の血漿タンパク質を測定し、年齢に伴うヒト血漿プロテオームの顕著な非線形変化を明らかにする新しいバイオインフォマティクスアプローチを開発しました。
人生の40年、70年、80年のプロテオームの変化の波は、異なる生物学的経路を反映し、加齢性疾患と表現型形質のゲノムとプロテオームとの差次的な関連を明らかにしました。加齢の研究へのこの新しいアプローチは、加齢に伴う疾患の潜在的な標的を提供するかもしれない予想外のサインと経路の特定につながりました。

序文

老化は臓器機能の低下の根底にあり、いくつかの疾患の主要な危険因子です。したがって、老化のより深い理解は、病気のメカニズムへの洞察を提供し、新しい抗老化治療薬の開発を促進する可能性があります。ますます多くの研究者が、ゲノム、トランスクリプトーム、およびプロテオミクスアッセイ((collectively referred to as ‘omics’:総称して「オミックス」と呼びます)を加齢の研究に適用しています。人間の遺伝学的研究は、加齢の修飾因子を比較的少数しか発見していないが、より動的な遺伝子修飾または産物を測定する他のオミックス様式は、貴重な洞察を提供している。例えば、トランスクリプトームは、老化の過程で組織や生物間で大きく異なり、進化的および炎症性経路の進化的に保存された基本的な役割を示しています。タンパク質はしばしば細胞経路の直接的な調節因子であるため、細胞、体液、および組織のタンパク質組成は年齢とともに同様に変化し、複雑な生物学的プロセスへの洞察を提供します。特に、ほぼすべての細胞および組織のタンパク質を含む血液は、バイオマーカーを発見し、病気の生物学に対する洞察を得るために分析されています。したがって、生物の老化は、さまざまな細胞タイプおよび組織の老化の側面を反映した血液のプロテオーム変化をもたらします。
おそらく血液が老化の研究に使用できるという最も強力な証拠は、老齢マウスと老齢マウスの循環系をつなぐ外科的に誘発された状態である異時性パラバイオシスを使用した実験から得られます。
これらの研究は、筋肉、肝臓、心臓、膵臓、腎臓、骨および脳を含む複数の組織が老齢マウスで若返ることができることを示しています。
老齢マウスからの血漿(血液の可溶性画分)は、若いマウスへの注入後に脳の老化を加速するのに十分であり、若い血漿は脳の老化の側面を逆転させることができます。
一緒に、これらの研究は、血漿プロテオームが老化の重要な調節因子を宿しているという概念を支持します。そのようなタンパク質の特徴を特定することは、生物の老化のメカニズムを理解するのに役立つかもしれません。
 しかし、加齢に伴う血漿プロテオミクスの変化は完全には活用されておらず、加齢の生物学への洞察を引き出すための新しいツールが必要です。
 この研究では、若年成人から非年齢ナリアンまでの血漿のプロテオーム解析を実施しました。新しい分析ツールを使用して、寿命全体にわたるタンパク質発現の変化を発見し、これらの変化を生物学的経路と疾患に関連付けました。













やっぱり 34、60、78歳という曲がり角は、-omicsでも特異的らしい


還暦同窓会の写真送られてきた(私はこの種の集まり苦手なので不参加がdefault)のを見るとメタボ・禿の集団であった(どこの同窓会とは書いてないぞ!批判は受け付けない!)
自分も当然ながら他から同様に観られてるのだろう


年齢は逆戻りできないから「それでいいのだ」
-omics研究から若返り手段できたら、そのとき 教えてほしい

(にしても、Google翻訳の進化はすごい)

2019年12月27日金曜日

ツインサイクル仮説:極低カロリー食による2型糖尿病寛解

以下の記事気になった

https://gigazine.net/news/20191225-overspill-fat-diabetes/

DiRECT研究:VLCDの減量効果について
Fat Spillover Theoryとともに twin cycle 仮説で説明が試みられている
Fat Spilloverは、遺伝的・民族的・年齢に依存し、皮下脂肪からectopic fatへ脂肪があふれ出て、代謝的異常をもたらす。これは減肥手術後数日で糖尿病寛解がもたらされる



The Use of Very Low Calorie Diets in the Management of Type 2 Diabetes Mellitus, South African Journal of Clinical Nutrition, 29:2, 96-102, DOI: 10.1080/16070658.2016.1216514 




一方、twin cycle仮説は・・・
低カロリー食(low energy diet)をツールとして使用することで、2型糖尿病発症のきっかけになる病態生理変化解明につながる可能性がある
2型糖尿病の負のエネルギーバランスは肝臓内脂肪含量の著しい低下を生じ、肝臓のインスリン感受性を7日間以内に正常化する。負のエネルギーバランス期間は広がり、肝臓内脂肪が正常に復帰し、肝臓からのtriacylglycerolの搬出速度が低下する。結果、膵臓ないの脂肪含量も低下し、2型糖尿病早期において、正常血糖コントロール内での正常の第1相インスリン分泌が再確立される。 2008年のツインサイクル仮説の予測によって推進されたこの研究は、理解のパラダイムシフトをもたらした。 病態生理学的変化の逆のシーケンスとして研究すると、肝臓と膵臓の関連する異常が明らかになった。 初期の2型糖尿病は、潜在的に可逆的な状態で、 驚くべきことに、実験ツールとして考案された食事が実際に研究参加者に好まれていることが観察された。 それはほとんどの人の空腹や疲労に関連するものではなく、急速に健康を増進することに関連していた。

Diabetologia volume 61, pages273–283(2018)
https://link.springer.com/article/10.1007/s00125-017-4504-z










Hepatic Lipoprotein Export and Remission of Human Type 2 Diabetes after Weight Loss
Ahmad Al-Mrabeh, et al.
Published:December 19, 2019DOI:https://doi.org/10.1016/j.cmet.2019.11.018
https://www.cell.com/cell-metabolism/fulltext/S1550-4131(19)30662-X


取り上げられた報告は、2型糖尿病での食事制限による肝臓リポ蛋白代謝の役割についてであり、VLDL1-トリグリセリド産生速度と、VLDL1-パルミチン酸濃度の膵臓内含有量変化についての知見





肝臓内脂肪、VLDL1-トリートメント産生、膵臓内脂肪量は減量後減少し、2型糖尿病寛解後24ヶ月後正常化維持する。インスリン分泌第1相は糖尿病寛解維持症例においてのみ増加維持する。24ヶ月寛解患者に比べ、初期寛解後再発患者では、VLDL1-トリグリセリド、VLDL1-パルミチン酸の含有量大きく増加し、膵臓内脂肪再蓄積を認め、インスリン初期反応を欠如する。VLDL1-トリグリセリド産生、肝臓パルミチン酸排出、膵臓内脂肪、β細胞機能間の一過性の関係が観られる。体重関連疾患による脂肪代謝が2型糖尿病の発症及び可逆性の鍵となる







personal fat threshold、個別的脂肪蓄積の影響は様々
https://www.ncl.ac.uk/media/wwwnclacuk/newcastlemagneticresonancecentre/files/fat-threshholds-slides.pdf







ベイズ理論:概念的学習から初めよ

今の医学生はベイズ理論を用いた臨床推計を学ぶはず

概念的な教育が有効なようだ


Effect of Teaching Bayesian Methods Using Learning by Concept vs Learning by Example on Medical Students’ Ability to Estimate Probability of a Diagnosis
A Randomized Clinical Trial
John E. Brush Jr,et al.
JAMA Netw Open. 2019;2(12):e1918023. doi:10.1001/jamanetworkopen.2019.18023

質問:初学的臨床家は、明示的概念教育あるいは反復例示を含む教育手法を用いることで診断確率をより正確なベイズ理論revsionを用いるよう教育できるか?

知見:61名の医学生のランダム化臨床トライアルで、ベイズ理論化や概念についての明示的概念的インストラクションにより初学的臨床家への検査後確率推定の正確性を有意に改善した。診断可能性推定確率は、三つの実験コンディション(明示的教育、反復演習、対照)全てで予測より優秀であった。

意義:明示的理論的インストラクションは診断確率のbayesian revsionの改善を有意にもたらし、初学臨床家への診断的reasoningを教育する上での示唆を与える


Importance  Clinicians use probability estimates to make a diagnosis. Teaching students to make more accurate probability estimates could improve the diagnostic process and, ultimately, the quality of medical care.

Objective  To test whether novice clinicians can be taught to make more accurate bayesian revisions of diagnostic probabilities using teaching methods that apply either explicit conceptual instruction or repeated examples.

 teaching bayesian updatingとdiagnostic reasoning教育2手法の ランダム化臨床トライアル
web-ベースプラットフォームを用い、各介入の効果の同意、ランダム化、介入、検証
t McMaster UniversityとEastern Virginia Medical Schoolでの61名の医学生 2018年5月1日から9月30日
介入:ランダム化
(1) receive explicit conceptual instruction regarding diagnostic testing and bayesian revision (concept group)
(2) exposure to repeated examples of cases with feedback regarding posttest probability (experience group)
(3) a control condition with no conceptual instruction or repeated examples.

主要アウトカムと測定項目 3群の医学生について、negative or positive test結果に関する診断確率をupdateする能力検証
確率revisionを比較
Bayes ruleを用いそして、既知感度・特異度を用い計算した検査後確率と比較して、この確率revsionを計算



結果 61名の被験者のうち、concept 群 22名、演習群 20名 、対照群 19名
平均年齢 25歳、2名の被験者は1年、37名は2年、12名3年、10名は4年

concept群学生の平均(SE)確率は他の2群より、bayesisan確率計算に近似 (0.4%; [0.7%] vs 演習群 3.5% [0.7%]; 対照, 4.3% [0.7%]; P < 0.001)
統計学的に有意だが、群間差は比較的少なく、全ての学生のパフォーマンスは文献報告に基づく予測より良好であった。

Trial Registration  ClinicalTrials.gov identifier: NCT04130607




stanを導入してベイズ推計の深みにはまる必要があるかは?

2019年12月26日木曜日

安静時心拍数の経年的変化は重要な心肺機能変化の指標



 RHR over time by measuring RHR at baseline and after a period of time (∆RHR)
∆RHR = RHR at follow-up visit minus RHR at baseline

経年的安静時心拍数の変化ということになると思う



Exercise capacity and body mass index - important predictors of change in resting heart rate
Michal Ehrenwald, et al.
BMC Cardiovascular Disorders volume 19, Article number: 307 (2019)
https://bmccardiovascdisord.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12872-019-01286-2




前向きコホート研究、既知心血管疾患なしの6683名( TAMCIS: Tel-Aviv Medical Center Inflammation Survey)、ベースラインからルーチンcheck-ups期間 2.9年間

⊿RHR検証につき多変量線形解析を3つのモデルで行い、初回モデルは年齢、性別、BMI補正により寄与要素候補を考慮。2回目モデルは喫煙状態、ベースラインRHR、拡張期血圧、脂質異常、HDL、METを含むモデル
最終モデルはMET変化とBMI変化量を検討

結果:
RHRは年齢とBMIはごく弱い相関  (r = − 0.06, r = 0.07 p < 0.001)
METとは軽度相関 (r = − 0.39, p < 0.001)

MET補正にてRHRと年齢では負の比較的強い相関あり  (r = − 0.205, p < 0.001)

RHR平均変化は男女とも 2回連続受診で -1.1 拍/分

⊿RHRはベースラインRHR、年齢、初回MET、METとBMI変化と強い相関  (P < 0.001)






結論:個別患者毎⊿RHR検証の必要性が強調される。
プラスの⊿RHRは健康ライフスタイルのアドヒアランス不良指標



安静時心拍数の経年的変化は心肺機能変化の指標で、増加した場合それなりの指導の根拠になりそう

2019年12月24日火曜日

医者のスピード違反も、甘くは扱われない

医者のスピード違反も、甘くは扱われない


スピード出し過ぎは精神科医

ということだが、整形外科、内科の方は極端ではないが出し過ぎ



高級車持ちは心臓専門医
一般内科、内科専門、放射線科もなかなか


The need for speed: observational study of physician driving behaviors
BMJ 2019; 367
doi: https://doi.org/10.1136/bmj.l6354 (Published 18 December 2019)
https://www.bmj.com/content/367/bmj.l6354

【目的】高速運転、高級車所有、警察官によるleniencyは医療専門分野毎異なるか?
【デザイン】観察研究、フロリダ
【被験者】速度オーバーによるチケット発行された医師 5372名、非医師 19,639名 2004-17
【主要アウトカムと測定項目】スピード違反 32km/時(20 mph)以上と定義
高級車所有、警察官によるスピード違反チケットのleniency、医師専門分野を年齢性別補正
【結果】14,560の速度違反チケットを受け取った5372名の医師
20 mphを超える報告のドライバー比率は医師と非医師で同様( チケットに対し 26.4% vs 26.8%)
違反チケット受け取った医師のうち、精神科が極度スピード違反が多い(ベースラインとして麻酔科に比べ補正オッズ比 1.51, 95% 信頼区間 1.07-2.14)
違反チケット受け取った医師のうち、高級車所有は心臓専門医が最も多く(補正オッズ比 40.9% , 95% CI, 35.9% - 45.9%)で最も少ないのは救急医師、家庭医、小児科、一般外科、精神科(eg, 家庭医 補正比率 20.6%, 95% CI 12.8-23.0%)
スピードを割引された、警察官の寛大さ(leniency)の証は、より大きな罰金のすぐ直下の速度と定義されたが、それは多いが、各専門分野毎の差は無く、医師や医師以外でも同様


2019年12月17日火曜日

SPIROMICS研究:オゾン暴露は喫煙者の呼吸器状態を悪化させる わずかな濃度でも10年スパンでは大変なことに

光化学オキシダントとオゾンは厳格に言えば異なるらしい

Ox濃度に関してppm単位が用いられている。
1時間値が0.06ppm以下であること 。(48.5.8告示)
https://www.env.go.jp/kijun/taiki.html



環境基準が 60ppbってことらしいが、以下の報告を見ると恐ろしい


世の中ではオゾン発生器を部屋の中にわざわざ置く人たちがいるらしい




多施設横断研究:SPIROMICS研究


Association of Long-term Ambient Ozone Exposure With Respiratory Morbidity in Smokers
Laura M. Paulin,et al.; for SPIROMICS investigators
 JAMA Intern Med. Published online December 9, 2019. doi:https://doi.org/10.1001/jamainternmed.2019.5498 https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/article-abstract/2757312


暴露:10年間の病歴的大気オゾン濃度




1874名のSPIROMICS被験者解析(平均[SD]年齢, 64.5 [8.8]才;1479[78.9% 白人;男性 1013[54.1%]
補正解析にて、オゾン濃度 5-ppb増加毎 %気腫 (β = 0.94; 95% CI, 0.25-1.64; P = .007)、air trapping比率 (β = 1.60; 95% CI, 0.16-3.04; P = .03)、mMRC 呼吸困難スケール悪化 (β = 0.10; 95% CI, 0.03-0.17; P = .008)、CAT (β = 0.65; 95% CI, 0.05-1.26; P = .04)、SGRQ、FEV1%予測比 (β = 1.47; 95% CI, 0.01-2.93; P = .048)、急性増悪高オッズ (odds ratio [OR], 1.37; 95% CI, 1.12-1.66; P = .002)、重症急性増悪高オッズ (OR, 1.37; 95% CI, 1.07-1.76; P = .01)と関連



病歴的なオゾン暴露と慢性気管支炎、COPD、気道壁肥厚、6分間歩行速度には関連性認めず



卒中リハビリテーション管理

The Management of Stroke Rehabilitation: A Synopsis of the 2019 U.S. Department of Veterans Affairs and U.S. Department of Defense Clinical Practice Guideline
無料記事
https://annals.org/aim/fullarticle/2755728/management-stroke-rehabilitation-synopsis-2019-u-s-department-veterans-affairs
Ann Intern Med. 2019;171(12):916-924.


キー・クエスチョン











ちょっと気になったのは、嚥下障害で、“ Shaker exercise or chin tuck against resistance in addition to conventional dysphagia therapy”と"呼気筋トレーニングのエビデンスは存在するも、“neuromuscular electrical stimulation, pharyngeal electrical stimulation, or tongue-to-palate resistance training”推奨のエビデンスは乏しい。 胃ろうの記載がある

運動負荷:収縮期血圧増加と心血管疾患リスク

健康な中年の白人男性の2つの運動テストで測定された中程度のworkloadで運動SBPを調査すると、安静時のSBPに依存しない運動SBPの増加に伴い、冠動脈心疾患のリスクが増加する。




Exercise Systolic Blood Pressure at Moderate Workload Is Linearly Associated With Coronary Disease Risk in Healthy Men
Julian E. Mariampillai ,et al.
https://doi.org/10.1161/HYPERTENSIONAHA.119.13528
Hypertension. 2020;75:44–50


負荷テストは100 wで開始、上限近くまで6分毎50 wずつ増加
予測最大心拍数の90まであるいは予測最大心拍90%超1分毎10拍到達した時、次の漸増まで継続
exhaustion あるいはECG情虚血変化あれば終了





運動中の収縮期血圧増加増悪の定義に関してコンセンサスはない
反復運動検査を用い健常男性の冠動脈疾患リスク増加と関連する運動時SBP増加のpotential thresholdを検討
2014名の健康男性白人雇用者を1970年代前半Oslo Ishemica Studyに登録

フォローアップ7年後、1392名の男性健常と考えられ、100 W workloadを自転車運動試験にて両受診時点で施行
Cox回帰解析で心血管リスク要素と身体フィットネス補正後、160 mmHg から200 mm Hgへの増加後peak SBP(100 W workload (SBP 100W)時)のカットオフ値検討

ベースラインと初回フォローアップ時のSBP 100W below cutoff level被験者を両受診時カットオフ値等しいかそれ以上のSBP100W被験者と比較。

165-195 mm Hg間のカットオフ未満のSBP100W被験者に比較して 全てのレベルのカットオフ値以上の被験者では冠動脈リスクは増加。

冠動脈精神疾患リスクの明確な閾値レベルのエビデンスはないSBP 100Wと冠動脈性心疾患のう関連性は線形である。

2回の運動試験で測定した中等workload運動時SBPを調べたとき、運動時SBP増加は健常中年白人において安静時SBPと独立して冠動脈性心疾患のリスク増加が見られる。
この相関は運動SBPのレンジ低いところから線形で、明確な感動役疾患リスクの明確なカットオフ値は見られない






運動負荷時昇圧反応乏しい、例外的小集団のみ、冠動脈性心疾患リスク少ないという大部分の健常者には関係のない話になっている

AHA:科学的助言 食事コレステロールと心血管リスク

日本の栄養指導は伝統的にカロリー制限だが、不可能ではないものの、実は指導も実施も
困難。
 A recommendation that gives a specific dietary cholesterol target within the context of food-based advice is challenging for clinicians and consumers to implement

コレステロールに関して上限設定しないというのは、実践的でプラクティカルな指導なのだろう。LDL高値、総コレステロール高値の人はやはり意図的にコレステロール含有食品は避けた方が無難
ただ、一般的には、食事の質を重視すべきという御託宣



Dietary Cholesterol and Cardiovascular Risk: A Science Advisory From the American Heart Association
Jo Ann S. Carson, et al.
Originally published16 Dec 2019
https://doi.org/10.1161/CIR.0000000000000743
Circulation. ;0:CIR.0000000000000743


最近のガイドラインでは心血管疾患に関してその役割として特異的食事コレステロールをターゲットとして排除することに疑問が呈されている

健康のための食事由来コレステロールのガイダンスの知見について疑問点に着眼することで、この助言は、食事性コレステロールと血中脂質、リポタンパク質、および心血管疾患リスクとの関係に関するヒトの研究のレビュー後作られたものである

観察研究からのエビデンスにおいて、いくつかの国のそれは心血管リスクについて有意相関を示唆するものではなかった。


介入研究のメタアナリシスではこの知見にばらつきがあルガ、多くは、総コレステロールやLDL濃度増加が現行平均値を超えると、多くの場合相関が見られる。

食事ガイダンスは、健康食事パターン (eg, Mediterranean-style and DASH [Dietary Approaches to Stop Hypertension]–style diets)で、現行の米国の摂取量に比べこれは内在的にコレステロールは少ない。パターンとしてはフルーツ、野菜、全粒穀物、低脂肪・無脂肪乳製品、lean protein source、ナッツ、シーズ、液状の野菜オイルを強調するもの


食品ベースのアドバイスのコンテキスト内で特定の食事性コレステロールの目標を提示する推奨事項は、臨床医と消費者が実施困難である。 したがって、食事パターンに焦点を当てたガイダンスは、食事の質を改善し、心血管の健康を促進する可能性が高くなる。


2019年12月13日金曜日

USPSTF:腹部大動脈瘤プライマリケア・スクリーニング

専門外で、一応メモがわり

Primary Care Screening for Abdominal Aortic Aneurysm
Updated Evidence Report and Systematic Review for the US Preventive Services Task Force
Janelle M. Guirguis-Blake,et al
JAMA. 2019;322(22):2219-2238. doi:10.1001/jama.2019.17021
https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2757233

65歳以上の男性での1回限りのAAAスクリーニングは、AAA関連の死亡率と破裂率の減少と関連していましたが、全死因死亡率の利点とは関連していませんでした。 選択的手術の割合は高いが、スクリーニングにより生活の質に長期的な差は生じなかった。




2019年12月12日木曜日

ストレッチはランナーの外傷予防に役立たない

比較的常識化している話だが・・・



Infographic running myth: static stretching reduces injury risk in runners
https://bjsm.bmj.com/content/early/2019/11/06/bjsports-2019-101169

static stretchingは、ランニング・パフォーマンスや外傷リスク改善のため重要な役割という概念が広まってる。static stretchingのようにランニング前の"warm aup"の一部として行い、ランニング終了時やstrength training programの一部として全てのレベルのランナーで広く実践されている。static stretchingは、微かに張力が感じられる程度のポイントまで筋肉を伸ばし、その位置で30秒間以上ストレッチごと維持する。

現在の研究エビデンスではこの考えは事実上不正確と明確に記載されている。
ランニングは、身体の関節や軟部組織に高負荷をかけ、結果、外傷関連overuse外傷で、膝蓋大腿関節痛、脛骨内側過労性症候群、腸脛靱帯症候群(iliotibial band syndrome)、アキレス腱障害などの高リスクとなる。
overuse外傷は主にランニング負荷(i.e. 回数、強度 and/or 時間)が多いほど急激にかつ組織の適合能力(ie, 強度)を超えてしまう。他の要素、筋力不足、全般的健康問題、外傷既往がランナーの外傷の素因となる。

stretchingが、短期間・長期間ともにendurance runnerでのoveruse injuryのリスク軽減にimpactを与えないという研究。

Baxter C, Mc Naughton LR, Sparks A, et al. Impact of stretching on the performance and injury risk of long- distance runners. Res Sports Med 2017;25:78–90. Yeung SS, Yeung EW, Gillespie LD, et al. Interventions for preventing lower limb soft-tissue running injuries. Cochrane Database Syst Rev 2011;56.


active warm-upはランニングのパフォーマンスを改善することが記載されるも

McGowan CJ, Pyne DB, Thompson KG, et al. Warm-Up strategies for sport and exercise: mechanisms and applications. Sports Med 2015;45:1523–46.
ランナーの外傷リスク軽減にベネフィットあるかは未だ不明。


static strethingが、回復促進と、delayed onset muscle soreness(DOMS)のインパクト軽減に推奨されている。endurance ランナーは多いのは高速あるいは筋力を使う(down-hill)ランニング後DOMSを経験しやすい .
DOMSは筋痛、stiffness、疲労で、大腿筋が重傷、数日ランナーのパフォーマンスを低下させる。消耗性運動後のDOMSの程度や期間軽減のストレッチは示されてない。


....




静的ストレッチは関節の柔軟性改善は望めるが、これらの改善が長期において回復やパフォーマンス、ランニング・エコノミー改善とは直結しない。ランナーは準備・パフォーマンス・回復に関して特異的な強化トレーニングプログラムを加えるべき。
よりハードなランニングやトレーニングセッション、ランニングパフォーマンス前に漸増的warm-upを行うこと。体温や代謝的変化、神経系や心理関連効果によりパフォーマンス増加が望める。

長距離ランナーに対しては、ランニング前の受身的静的ストレッチングの代わりにtypical active warm-up:ウォーキング 5-10分、easy joggingから始める。
スピードアップした走行努力やトレーニングセッション、レースのためなら、下肢に特異的にフォーカスした6-8分のdynamic movementを取り入れる(ie, walking lunges:ランジleg swings、A skips)。最後にglobal running pace(ie. 3x100 m)で3回のshort effortを行う。








エリートアスリートはしていることだとおもう
実際、マラソンの現場で最後のactive warm-upよく見かける

でも一般への周知が足りなのでは?

Council for Responsible Nutrition (CRN)レポート:5つの普及サプリメントのベネフィットとリスク

この時期になると、ウコンを含む商品のCMが盛んになる
リスクがあることも啓発すべきだと思う
ソルマック:https://www.taiho.co.jp/chc/brand/solmack/product/ichou/


Council for Responsible Nutrition (CRN)のcommisioned report 


Benefits and risks of 5 most common supplements
Naveed Saleh, MD, MS, for MDLinx | December 11, 2019


5つのコモンなサプリメント食品のベネフィットとリスク

亜鉛、ニコチンアミド、βカロテン、ターメリック、ビオチン


亜鉛
亜鉛は、恒常性、触媒、および分子機能の全範囲で役割を果たします。そのため、多くのタンパク質、特に魚、肉、マメ科植物、全粒穀物に含まれています。
亜鉛欠乏症はまれですが、亜鉛は一般的な風邪治療、癌予防、糖尿病治療、不妊治療、いぼ治療などのために販売されている人気のあるサプリメントです。しかし、小児と成人の両方で、急性呼吸器感染症、免疫、糖尿病の面で亜鉛の利点に関する研究結果が混在しています。
一部の研究者によると、症状の発症から24時間以内に摂取すると、亜鉛は風邪の持続期間を短縮する可能性があります。驚くことではないが、亜鉛は通常、中咽頭へのウイルスの結合を減らすためにロゼンジに入れられます。ただし、大量の亜鉛は、免疫力の低下、悪寒、頭痛、疲労、発熱につながる可能性があります。
注目すべきは、亜鉛を鉄と一緒に摂取すると、両方の元素の腸管吸収が低下することです。亜鉛は、フルオロキノロンとテトラサイクリンのバイオアベイラビリティを低下させます。

 ニコチンアミド
ニコチンアミドは、家禽、魚、豆類、ナッツ、穀物などのナイアシンが豊富な食品前駆体から体内で形成されます。 これは、ナイアシンの水溶性の形態(すなわち、ビタミンB3)です。 研究者たちは、ニコチンアミドが日光損傷を受けた皮膚の一部の皮膚病変および非黒色腫皮膚癌のリスクを低下させる可能性があることを示唆していますが、残念ながら腎移植レシピエントではそうではありません。臨床的にはニコチンアミドは尋常性座瘡や酒さなどの炎症性皮膚疾患の治療に使用されます。 ペラグラやナイアシン欠乏症の治療にも使用されます。 サプリメントとして、ニコチンアミドは皮膚癌を防ぐために販売されています。
ニコチンアミドは、メラニン細胞およびケラチノサイトでの紫外線によるDNA損傷の修復を改善することが示されています。 臨床試験では、ニコチンアミドは紫外線および光線力学的療法による免疫抑制を減少させました。
ニコチンアミドは、低用量で比較的忍容性が高いです。 しかし、高用量では、胃腸障害、頭痛などを引き起こす可能性があります。

βカロテン
ベータカロチン(すなわち、ビタミンE)は、目の障害、癌予防、HIV / AIDS治療、免疫刺激、心臓病、および口腔白板症(すなわち、白い斑点またはプラーク)のために販売されている酸化防止剤です。しかし、ベータカロチンの健康への影響に関するエビデンスはまちまちで、心臓病、癌、およびCD4数への影響は様々。注目すべきは USPSTFが、心臓病または癌の一次予防のためのベータカロチンまたはビタミンEのサプリメント使用に対して"against"の推奨を発表したこと。
アプリコット、パパイヤ、メロン、および他のオレンジまたは黄色の果物は、ベータカロチンの豊富な供給源です。いくつかの研究では、ベータカロチンはアポトーシスを誘発し、caveolin-1 の発現を介し癌細胞株の細胞増殖を減少させたというものもある。
アルコールと一緒に服用すると、ベータカロチンは肝臓の損傷を増強する可能性があります。さらに、アルコールは、ベータカロチンの潜在的な化学予防効果を負に相殺します。ベネフィットを期待し慢性的摂取によりベータカロチンはカロテノデルミーまたは無害な皮膚の黄変を引き起こす可能性があります。


ターメリック
ウコンは南アジア固有の根茎であり、伝統的な料理の香辛料および着色添加物として使用されます。民間療法では、消化不良、炎症、便秘の治療に使用されます。栄養補助食品として、ウコンは認知、癌予防、および関節炎を助けるために販売されています。
ウコンは忍容性が比較的高く、胃腸の不快感が副作用の可能性があります。さまざまな種類の化学療法、鎮痛剤、抗凝固剤との薬草相互作用を示します。
ウコンの有効成分はターメロンオイルと水溶性クルクミノイドで、クルクミノイドクルクミンが最もよく研​​究されています。クルクミンは、胆汁分泌促進作用、抗炎症作用、抗増殖作用、免疫調節作用、化学予防作用を持つ弱い植物エストロゲンです。クルクミンは気分障害や過敏性腸症候群の治療にも有益であることがわかっています。
クルクミンは急速に吸収され、代謝されます。ただし、シトクロムP450酵素とシクロホスファミドやドキソルビシンなどの化学療法薬を妨げることが示されています。
<追加>

日本では一般に、アキウコン(Curcuma longa Linne)のことを言い、カレーなどの香辛料などにも用いられます。
・通常、食事中に含まれる量の摂取であれば、おそらく安全と思われますが、過剰摂取や長期摂取では消化管障害を起こすことがあります。
アキウコンは胃潰瘍、胃酸過多、胆道閉鎖症の人には禁忌とされます。
胆石の人は医師に相談してください。
  • C型慢性肝炎の患者
  • ウコンは血液凝固を抑制することがありますから、血液凝固抑制薬(アスピリン、ワルファリン、ヘパリン、ジクロフェナク、イブプロフェンなど)を服用しているときにウコンを摂取すると、紫斑や出血が生じる可能性が高くなると考えられます。

https://www.med.or.jp/people/knkshoku/ukon.html


ビオチン
ビオチンは、卵、肉、野菜に含まれるビタミンBです。 炭水化物と脂質の代謝に不可欠な補酵素です。 それはニューロンの微小管形成を開始し、欠乏は神経障害を引き起こす可能性があります。 ビオチンはまた、白血球数だけでなく、インターロイキンおよびインターフェロンの活性を低下させる可能性があります。
ビオチンのサプリメントは、癌予防、骨粗鬆症、多発性硬化症、免疫調節、季節性情動障害のために販売されています。
限られた研究によると、ビオチンは脆弱爪に役立つ可能性あり。 さらに、ビオチンは多発性硬化症、糖尿病性ニューロパシーの改善、およびクロムと併用で糖尿病患者の血糖コントロールと関連している予備研究結果がある。 ビオチンが化学療法による脱毛に役立つかどうかはまだ解明されていません。
興味深いことに、ビオチン・サプリメントは、hCG、甲状腺、トロポニンなどのさまざまな免疫測定法の結果を妨げる可能性があります。




薬物との相互作用や ホルモン検査値などは見逃されやすい



2019年12月6日金曜日

抗IL-33モノクローナル抗体 etokimab:ピーナッツ・アレルギー脱感作の可能性

 anti-interleukin-33 IgG1 monoclonal antibody製剤etokimabの第Ⅱa相のランダム化比較試験(RCT)


Phase 2a randomized, placebo-controlled study of anti–IL-33 in peanut allergy
Sharon Chinthrajah,et al.
JCI Insight. 2019;4(22):e131347. https://doi.org/10.1172/jci.insight.131347.
https://insight.jci.org/articles/view/131347/pdf


第2a相臨床トライアルで、etokimabの安全性と耐用性確認

ピーナッツアレルギー脱感作を生み出す可能性・・・というのが驚く

この種のBio製剤






https://www.anaptysbio.com/pipeline/etokimab/#gallery-1





喘息でのpIIaトライアルは、重症喘息診断&好酸球数 300/μL以上症例
PIIbは中等症以上でon-going?
https://www.globenewswire.com/news-release/2019/06/05/1864494/0/en/AnaptysBio-Presents-Updated-Data-from-Etokimab-Phase-2a-Proof-of-Concept-Clinical-Trial-in-Severe-Eosinophilic-Asthma.html

オムロンのウェアラブル血圧計 :手首測定血圧値・・・取扱注意

「血圧が測れるオムロンのスマートウォッチ、12月3日国内発売」というニュース表題になってるが、認証上はウェアラブル血圧計・・・厳格に言えば、時計という認証ではない

まあ医療機器としては時計は認証しないからそんなものか!


https://www.healthcare.omron.co.jp/corp/news/2019/1127.html

医療機器認証番号
 301AGBZX00046000 2019-08-23
オムロン ウェアラブル血圧計 
HCR-6900Tシリーズ 自動電子血圧計
オムロンヘルスケア株式会社

この度発売するHeartGuideは、独自に開発した幅の狭い新構造のカフや主要部品を一新することで、常時手首に装着可能な腕時計サイズを実現したウェアラブル血圧計です。これにより、日中の行動下など、気になった時の血圧をいつでも簡単に医療精度で測ることができます。
 測定方式は、病院の自動血圧計や家庭用血圧計に従来から使用されているオシロメトリック法を採用しています。
血圧測定では、動脈をカフでしっかりと圧迫することが必要です。しかし、従来のカフ構造では、カフ幅が狭くなると動脈を十分に圧迫するこができないため、小型化を実現する上で、大きな技術的課題となっていました。
そこで、カフ構造を見直し、従来は1つのカフで実現していた機能を、複数のカフを配置しそれぞれのカフの機能を最適化することで、従来の約50%というカフ幅で、十分な動脈の圧迫を可能にしました。
さらに、圧力センサや空気を制御するための弁など、血圧測定に必要となる主要部品も独自に開発し小型化。本体容積を当社従来手首式血圧計から約65%小型化し、約35%までコンパクトにしました。
 これらの独自の開発により、腕時計サイズを実現し、医療機器としての薬事認証を取得することができました。



これってどのくらい正確なんだろ?


Wrist blood pressure monitors: Are they accurate?
https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/high-blood-pressure/expert-answers/wrist-blood-pressure-monitors/faq-20057802


Some wrist blood pressure monitors may be accurate if used exactly as directed. However, the American Heart Association recommends using a home blood pressure monitor that measures blood pressure in your upper arm and not using wrist or finger blood pressure monitors.
Wrist blood pressure monitors are extremely sensitive to body position. To get an accurate reading when taking your blood pressure with a wrist monitor, your arm and wrist must be at heart level. Even then, blood pressure measurements taken at the wrist are usually higher and less accurate than those taken at your upper arm. That's because the wrist arteries are narrower and not as deep under your skin as those of the upper arm.


手首測定血圧値に関して取り扱い注意が必要


でも取り扱い手軽だし、スマホのアプリが取り扱いよければいろんな活用法がありそう
しかし、価格がもうちょっと錬れれば・・・

がん性胸水:胸腔鏡下pourdrage投与 vs チェストチュープ slurry投与 アウトカム有意差無し

悪性腫瘍治療劇的に変わりつつあるが、悪性胸水での胸水貯留コントロールは呼吸困難軽減及び機能障害軽減のため重要


タルクの胸腔鏡下投与vsチェストチューブからの撒布比較はなされてなかった


悪性胸水患者の胸膜癒着を促すとき、局所麻酔・タルク slurry:泥状投与に比べ、局所麻酔胸腔鏡によるタルクpourdrage:撒粉投与が効果的か?


中等麻酔間胸腔鏡下タルク4 g poudrage 4 g
ベッドサイドチューブ局所麻酔下挿入:タルク 4g slurry 投与


330名のRCT:90日目の癒着術失敗率に差は認めず (22% vs 24%)



Effect of Thoracoscopic Talc Poudrage vs Talc Slurry via Chest Tube on Pleurodesis Failure Rate Among Patients With Malignant Pleural EffusionsA Randomized Clinical Trial
Rahul Bhatnagar, et al.
JAMA. Published online December 5, 2019. doi:https://doi.org/10.1001/jama.2019.19997
https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2757281








2019年12月5日木曜日

COPD: 吸入ステロイドによるFEV1減衰効果に遺伝的影響あり

COPD患者において、ICSで肺機能減衰効果有無が遺伝的に決定されている場合がある



The pharmacogenomics of inhaled corticosteroids and lung function decline in COPD
Ma'en Obeidat,  et al.
European Respiratory Journal 2019 54: 1900521
DOI: 10.1183/13993003.00521-2019


吸入コルチコステロイド(ICS)は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者に広く処方されてるが、アウトカムや副作用は差があり、これが遺伝的関与があるかもしれない。この研究の主な目的は、ICS療法に関連するFEV1変化の遺伝的決定要因を特定すること。


Lung Health Study (LHS)-2:1116人のCOPD患者を ICS triamcinolone acetonide (n=559) or placebo (n=557) ランダム割り付け:3年間6ヶ月毎スパイロメトリ施行


pharmacogenomic genome-wide association study 
genotype-FEV13年間変化量(勾配推定)へのICS治療効果を802のgentypeされたLHS-2研究被験者で検討
再現試験は、ICS、フルチカゾンあるいはプラシーボランダム化199名COPD患者で施行


5つのlocusでgenotype-by-ICS ineraction p< 5x10-6認めた
SNP 第7染色体rs111720447が再現された   (discovery p=4.8×10−6, replication p=5.9×10−5)で、相互作用効果同方向性を伴った。





ENCODE (Encyclopedia of DNA Elements) データで glucocorticoid-treated (dexamethasone) A549 alveolar cell lineにおいて、glucocorticoid receptor binding siteは SNP rs111720447近傍であった


LHS-2層別解析において、genotype at SNP rs111720447 とプラシーボ割り付け群ではICS使用者のFEV1減少率と有意に相関 (C allele β 56.36 mL·year−1, 95% CI 29.96–82.76 mL·year−1)

しかしICS群では相関かなり弱い  (C allele β −27.57 mL·year−1, 95% CI −53.27– −1.87 mL·year−1)



2019年12月3日火曜日

自己決定理論の効果:禁煙介入

自分でやる気にならないと何でもダメなんだよなぁ





自己決定理論 self-determination theory (Deci  E, Ryan  R.  Handbook of Self-determination Research. Rochester, NY: University of Rochester Press; 2002.)
https://www.amazon.co.jp/Handbook-Self-Determination-Research-Edward-Deci/dp/1580461565


医師行動決定は、外部の要因(e.g. 家族、友人、医療専門家からの要求)で規制されるのではなく、内面化されたより自律的(autonomy)な行動に基づく行動規制
外部規制によるものでなく、自律規制は、自己効力感(self-efficacy)を増加、行動持続性の向上、長期行動変容、よりポジティブは健康行動をもたらす。
Autonomyは、選択の自由が強調される行動要素で、これまでのRCTにて治療自己選択決定機会をもつ患者では、インストラクションに適合しやすさを有する。
autonomyとcompetence(処理能力・技術)には正の相関性があるというエビデンスがあり、autonomyの高い人は行動変容を到達するcompetenceが層で無い場合より大きい。
故に、喫煙者の行動に意欲と選択を経験すれば、喫煙者の自律性と能力が向上し、それによって喫煙をやめるための自己効力感が高まると予測された。




具体的には、手短な助言(約1分間)と自己禁煙計画(迅速 or 段階的)選択させる介入 vs 禁煙リーフレットを受ける(対照)


Effectiveness of a Brief Self-determination Theory–Based Smoking Cessation Intervention for Smokers at Emergency Departments in Hong KongA Randomized Clinical Trial
William Ho Cheung Li,  et al.
JAMA Intern Med. Published online December 2, 2019. doi:https://doi.org/10.1001/jamainternmed.2019.5176





被験者(n=1571)で、男性 1381名(87.9%);ベースライン平均(SD)年齢 47.4(16.4)歳

6ヶ月時点での自己報告菌得被験者のうち生化学検査評価 (呼気CO濃度、唾液コチニン試験) 50.3%(85/169)

6ヶ月時点での生化学的評価禁煙率は、対照群と比較し、介入群では統計学的に有意に高率 : 6.7% (53 of 787) vs 2.8% (22 of 784) (P < 0.001),補正相対リスク of 3.21 (95% CI, 1.74-5.93; P < 0.001)


介入群では、6ヶ月時点での自己報告禁煙率も高い (12.2% [96 of 787] vs 9.3% [73 of 784], P = 0.04) 、12ヶ月時点でも高い(13.0% [102 of 787] vs 8.5% [67 of 784], P < 0.01)

同様、生化学的評価禁煙率12ヶ月時点でも同様 s (7.0% [55 of 787] vs 3.7% [29 of 784], P <0 .001="" p="">

それぞれの介入群被験者の付加コストは、推定gain 0.0238 QALY、US$ 0.47で、1QALYを伸ばすために要するコスト: incremental cost-effectiveness ratio(ICER)は許容閾値内に落ち着く





禁煙指導の中にはニコチン依存の薬物的影響と行動への影響を説明せず「たばこの害」ばかり強調する向きも多い。自己効力感(self-efficacy)を上手に感じてもらい、禁煙している自分をポジティブに評価できる雰囲気作りをすることこそ、真の禁煙外来だと思う。

ただ、禁煙外来に自らの意志で来院し、自己決定できる、周囲の環境面整備こそ、行政や家族、医療関係者が行うべき事と思う。





PROMs:臨床的意義のあるベネフィット: Noticeable ChangeとValuable Change

臨床トライアル上のベネフィット評価として、Noticeable ChangeとValuable Changeを区別する必要がある




Clarifying the Meaning of Clinically Meaningful Benefit in Clinical ResearchNoticeable Change vs Valuable Change
Kevin P. Weinfurt, PhD1
Author Affiliations Article Information
JAMA. Published online December 2, 2019.
doi:https://doi.org/10.1001/jama.2019.18496


近年患者やケア提供者、その両者による臨床トライアルのアウトカムの選択・測定・解釈入力について注目が集まっている。重要なポイントの一つは臨床的意義のあるベネフィットを構成する質問であるかどうか、特に、 patient-reported outcome measures (PROMs)が、患者がいかに感じるか、そして機能に関する評価について用いられるときが問題。
MCID(minimally important differences)と関連用語・概念について記載そして評価する文献は広大に存在する。
1. Coon  CD, Cook  KF.  Moving from significance to real-world meaning: methods for interpreting change in clinical outcome assessment scores.  Qual Life Res. 2018;27(1):33-40. doi:10.1007/s11136-017-1616-3
2. Jayadevappa  R, Cook  R, Chhatre  S.  Minimal important difference to infer changes in health-related quality of life-a systematic review.  J Clin Epidemiol. 2017;89:188-198. doi:10.1016/j.jclinepi.2017.06.009
3. Revicki  D, Hays  RD, Cella  D, Sloan  J.  Recommended methods for determining responsiveness and minimally important differences for patient-reported outcomes.  J Clin Epidemiol. 2008;61(2):102-109. doi:10.1016/j.jclinepi.2007.03.012
4. Wyrwich  KW, Bullinger  M, Aaronson  N, Hays  RD, Patrick  DL, Symonds  T; Clinical Significance Consensus Meeting Group.  Estimating clinically significant differences in quality of life outcomes.  Qual Life Res. 2005;14(2):285-295. doi:10.1007/s11136-004-0705-2
5. McGlothlin  AE, Lewis  RJ.  Minimal clinically important difference: defining what really matters to patients.  JAMA. 2014;312(13):1342-1343. doi:10.1001/jama.2014.13128

1人の患者が時間と共に推移変化その差の意味あいは、経時的群間差と異なるという認識を含め、この分野ではいくつかの研究の進歩があった。
Coon  CD, Cappelleri  JC.  Interpreting change in scores on patient-reported outcome instruments.  Ther Innov Regul Sci. 2016;50(1):22-29. doi:10.1177/2168479015622667

それでも薬剤やデバイス研究や産業において臨床研究での“臨床的意義ある変化”について以下に決定するかそのベストな方法はまだ不明なところがある。“臨床的意義”概念が曖昧なため、患者やケア担当の知覚を臨床的トライアルの目的、デザイン、解析、解釈へ組み入れることはチャレンジングなものとなる。患者やケア担当が寄与できるのは、研究者や臨床家が、いつでも求めるインプットの種類について明確化している場合のみである。

臨床的意義のあるベネフィット概念まわりの複雑さは、有意義な差の2つのタイプをとりまとめることで生じる

一つは、患者および介護者の知覚に基づくもので、もう一つは、患者・介護者の価値付けに基づくもの



Noticeable Change
人々がどのように感じるか機能するかの評価については、検知可能な変化:noticeable changeとは、その人またはその介護者が知覚できる変化を指す。健康状態に関する日々のコミュニケーションのほとんどは、コミュニティの他の人が容易に理解できる方法で顕著な変化を伝える言葉と表現を使用する。これらには、症状の有無に関するコミュニケーション(例:「昨日、胃がけいれんし始めました」)や、ある役割で適切に機能するかどうか(例:「交通衝突事故後、彼はそのルートを運転できない」)。
言語表現で、例えば、靴のフィット修正した後、「はい、少し気分が良い」など、秩序だった感情表現を反映する様、使われる。
手助けを何か行うレベルで変化を表現する場合もある
たとえば、「この新しい薬を使えば、彼女は車椅子をもう必要とせず、杖を持って歩くことができます。」
これらのケースはすべて明確な変化を反映し、特定のPROMの変化が人により知覚され、容易に共有できる。従って、変化が、discernable(識別可能)という意味で、意義あるものかどうか疑念を上げることは想像困難。

対照的に、特定の patient-reported outcome measures (PROMs)の変化が人により知覚されるかどうか疑問が多く存在する。例えば、 “distress thermometer”、100−点反応スケールの2点差は介入で改善した場合人々は知覚できるか?

PROMが複数の項目からの応答を組み合わせて数学的複合(例:合計スコア)を作成することにより得点される場合にも質問が発生します。その場合、たとえば、0〜50ポイントスケールでの5ポイントの変化が、人が検出できる健康状態の変化に対応するかどうかを知ることが重要です。このような場合、目盛りに沿った個人の開始点に関係なく、目立つサイズの変化と目立つ必要がある変化が同じサイズであるかどうかを判断するために、追加の方法論的作業が必要です重度から中等度の疾患)。この方法論の作業には、かなりのリソースが必要になる可能性があり、概念的および技術的な課題を提示します。



Valuable Change
何らかの顕著な変化が発生したことを確認した後、有意性についての次の質問は、変化の量が患者または介護者によって価値があると見なされるかどうかである。すなわち、変化は価値のあるものか?この質問の答えはcontextに大きく依存する。個別コストや不便さがベネフィットを上回らない限り少ないながら価値として判断するだろう。しかし、毒性副作用を生じる治療なら、同じ程度の改善でも、価値少ないと判断する。これらの例から、変化の値を以下に決定するかは特異的なcontextにより判断すべきということが強調される。


推奨
以上の議論から、臨床研究において患者中心のエンドポイントの使用に患者や介護者のインプットの組み込みを強化するためのいくつかの推奨事項

meaningfulという用語は、臨床的ベネフィットに関連し使用される場合、まだ曖昧であるということを認識すること。これらの用語を、"noticeable" and/or "valuable"に特化して置き換え、補足して使用すること 
PROMsで任意のmetricsを用いる場合、"noticeable change”を構成するものについて決定あるいは納得させるべきburdenがある。故に、可能な限り、PROMs開発は日常会話においてすでに使用されている有意な区別を切り分けられるitemやresponse optionを用いる。患者との会話の標準化としてPROMsは本質的に機能するということとも一致する。例えば、PROMそちsて特定の症状の回数についての質問は、曖昧な定量化ではなく、具体的回数で答えさせる((eg, never, rarely, sometimes, often, or alwaysではなく、e.g. 「1日3回」)。多くは1日3回ならnoticeableだが、often→sometimesなら不明瞭。
Weinfurt  KP.  Viewing assessments of patient-reported heath status as conversations: implications for developing and evaluating patient-reported outcome measures.  Qual Life Res. 2019;13(1):1-7. doi:10.1007/s11136-019-02285-8 
特定のエンドポイントのnoticeable changeを構成するものは患者の開始点に依存する事(例えば、症状あるいは機能制限の軽度vs重度など)があるが、noticeable changeはcontext横断的にばらつきは少ない。 valueable changeの定義はcontext要素、例えば介入コスト、副作用、利便性、利用性、代替介入のコスト・ベネフィットなどに大きく左右される。かように一定のchangeにおけるvalueの評価は重要なcontext要素の特異性を含むべきである

より具体的な方法論の問題を解決するには以上の推奨のいくつかを追求する必要がある。 また、顕著な変化を特定し、貴重な変化の判断を引き出すためのベストプラクティスと方法論の基準を開発する必要もある。
 臨床的に意味のある利点のこれら2つの側面をよりよく理解することで、臨床研究の設計と解釈に患者と介護者をより効果的に組み込むことができる。






MCIDは、noticeable change or valuable changeとちらでしょう?













答え:
A minimal clinically important difference (MCID) is an important concept used to determine whether a medical intervention improves perceived outcomes in patients.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4453215/

2019年12月1日日曜日

NASH:甲状腺ホルモン受容体βアゴニスト:Resmetirom第2相治験

Resmetirom (MGL-3196) は liver-directed, orally active, selective thyroid hormone receptor-β agonist

resmetirom(MGL-3196)はThyroid hormone receptor β (THR-β) の肝臓向けの経口活性アゴニストであり、THR-β対THR-αに対してトリヨードサイロニンよりも約28倍選択的。肝臓外への浸透、および肝臓への特定の取り込みを示す。 
 NASHでは、THR-βの選択性によりTHR-αを介し主に媒介される心臓および骨の過剰な甲状腺ホルモンの望ましくない全身作用を回避しながら、肝臓によって媒介される甲状腺ホルモンの代謝的利点を提供する可能性がある。  resmetiromを含む甲状腺analogue類は、肝臓トリグリセリド、steatosis、lipid peroxidation、炎症および線維症マーカー、およびアラニンアミノトランスフェラーゼを減少させることが示されている。 早期研究にて resmetirom 50-200 mg/日をLDL軽度増加健康被験者で太陽性欲、LDL、apoリポ蛋白B、TGを含む動脈原性脂質を減少していた。

有病率が世界的に高まるNASH、それへの承認治療薬は現行で存在しない。ライフスタイル修正が重要だが到達維持困難が主。pioglitazone、ビタミンEなどが組織所見改善示した。
また、 farnesoid X receptorを活性化する胆汁酸類似体であるObeticholic acid、およびPPARαおよびδアゴニストである elafibranor,は、第2相試験で肝臓組織を改善を示した。on-goingに長期有効性安全性治験中

さらに、新たな新薬候補


Resmetirom (MGL-3196) for the treatment of non-alcoholic steatohepatitis: a multicentre, randomised, double-blind, placebo-controlled, phase 2 trial
Stephen A Harrison,  et al.
The Lancet Volume 394, ISSUE 10213, P2012-2024, November 30, 2019
Published:November 11, 2019DOI:https://doi.org/10.1016/S0140-6736(19)32517-6
https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(19)32517-6/fulltext

米国18ヶ所で、348名をスクリーニング検査し、84名を resmetirom 、 41名を プラシーボに割り付け

Resmetirom-治療患者 (n=78)は week 12プラシーボに比較し肝臓脂肪相対的減少  (–32.9% resmetirom vs –10.4% placebo; 最小自乗差 –22.5%, 95% CI –32.9 to –12.2; p<0 .0001="" 36="" n="34];" p="" placebo="" resmetirom="" to="" vs="" week="">




副事象は軽度・中等度が主、群間でバランス、例外は一過性軽度下痢と吐き気



2019年11月30日土曜日

検査前確率&D-dimerにて画像診断必要性を決める

予測スコア(Wellsスコア)を用いた、clinical pretest probability (C-PTP)  低値 D-dimer 1000 ng/mLとすることで、中程度C-PTP患者の500 ng/mLとするより肺塞栓除外可能である



 Pulmonary Embolism Graduated D-Dimer (PEGeD) study
https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT02483442



Wells' Criteria for Pulmonary Embolism
https://www.mdcalc.com/wells-criteria-pulmonary-embolism

high >6, moderate 2-6, low <2 p="">
Diagnosis of Pulmonary Embolism with d-Dimer Adjusted to Clinical Probability
List of authors.
Clive Kearon,  et al., for the PEGeD Study Investigators
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1909159


登録・評価 2017名、うち 初期診断検査で7.4%肺塞栓
低C-PTP(1285名)、中等度C-PTP(40名)で、d-dimer検査陰性 (i.e., <1000 0.00="" 0.29="" l="" ml="" ng="" or="" p="" to="">


これには、低C-PTP&d-dimer値 500-999 ng/mLの 315名も含まれる(95% CI, 0.00 to 1.20%)

初期肺塞栓診断を受けてない・抗凝固療法されてない1864名の患者のうち1名で静脈血栓塞栓(0.05%; 95% CI, 0.01 - 0.30)

この診断戦略で患者の34.3%で胸部画像検査を行い、“低C-PTP&d-dimer 500 ng/ml”でrule-out:除外可能され、rule-inは 51.9%(差 , -17.6%; 95% CI, -19.2 to -15.9)




Wellクライテリアでは結局DVTのスコアも重要になる
https://www.mdcalc.com/wells-criteria-dvt

高リスク 3点以上、中リスク 1-2点、低リスク 0点

2019年11月29日金曜日

小児期ソフトドリンク暴露と喘息

夏場、ジュースから健康ドリンク、炭酸飲料、熱中症予防にと塩入毒飲料までコマーシャルメッセージにあふれる日本


子供の飲料事情は、その後の喘息発症と関わるというお話



Association between soft drinks consumption and asthma: a systematic review and meta-analysis
Al-Zalabani Ah, et al. BMJ Open 2019;9:e029046. doi:10.1136/bmjopen-2019-029046
https://bmjopen.bmj.com/content/9/10/e029046


最初に特定された725の出版物のうち、3つのコホート研究と16の横断研究を含む19の出版物がこの系統的レビューに含まれていました。 18歳までの子供に関する10件の記事、成人に関する5件の記事(> 18歳)、および出生前暴露に関する2件の記事。

合計で468836人の参加者が含まれ、50000人以上の喘息患者が含まれていた。 ソフトドリンクの消費は、成人(OR = 1.37; 95%CI、1.23から1.52)と子供(OR = 1.14; 95%CI、1.06から1.21)の両方で喘息のオッズの有意な増加と関連していた。

出生前暴露は、小児の喘息とわずかに統計的に有意な関連(OR = 1.11; 95%CI、1.00〜1.23)を示した。 小児期の曝露に関するサブグループ分析では、砂糖入りの清涼飲料の関連性は維持されるが、炭酸飲料の関連性は維持されない。 したがって、因果関係を確立するには、より長期的な調査が必要。









Meta-analysis of asthma among children comparing highest versus lowest levels of soft drinks consumption.




序文
以前の研究では、清涼飲料の摂取は喘息の発症に関連していることがすでに示されていましたが、結果は決定的ではなかった。確認されていないが、喘息の発症における清涼飲料摂取の重要性を示唆するいくつかの理論が提案された。たとえば、糖(または特に果糖)は炎症経路を活性化します。喘息の負担を軽減するための公衆衛生予防策を導くためには、添加物質が症状を引き起こすか、過体重につながるソフトドリンクがメディエーターとして機能する。


2019年11月28日木曜日

骨健康:ワーファリンよりDOAC安全

エビデンスとしては存在しなかったが、ワーファリンの骨の質、骨折リスクへの懸念が生じているとのこと。
167,275名の心房細動患者の効果比較コホート(男性 62.0%、女性 38.0%、年齢 平均 68.9[SD 12.5]歳)、股関節骨折 817、入院骨折 2013、骨折全て 7294:フォローアップ期間 平均 16.9 (SD 13.7)ヶ月

多変量補正propensity-scoreマッチ化Cox比例ハザード回帰モデル:新規ワーファリン使用と比較して、DOAC新規使用は入院必要骨折リスク低下  (ハザード比 [HR], 0.87; 95% CI, 0.79-0.96) 、全骨折のリスク低下 (HR, 0.93; 95% CI, 0.88-0.98)を認める
一方、股関節骨折との関連性は統計学的有意性認めず (HR, 0.91; 95% CI, 0.78-1.07)





Association of Anticoagulant Therapy With Risk of Fracture Among Patients With Atrial Fibrillation
Pamela L. Lutsey, et al.
JAMA Intern Med. Published online November 25, 2019. doi:https://doi.org/10.1001/jamainternmed.2019.5679
https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/article-abstract/2755293




589/5000
患者は、心房細動の治療のための最初の経口抗凝固療法を特定、2010年1月1日から2015年9月30日まで、MarketScan Commercial Claims and EncountersおよびMedicare Supplemental and Coordinationのデータベースから関心のあるサブグループによって層別化。モデル補正: 年齢、性別、congestive heart failure, hypertension, age [>65 years = 1 point; >75 years = 2 points], diabetes, and previous stroke/transient ischemic attack [2 points], vascular disease) score 、high-dimensional propensity scor、およびfrailty。

2019年11月26日火曜日

Bayesian network meta-analysis:COPD急性増悪軽減効果比較 triple therapyが最も優秀

recent studies are inconsistent regarding the drug classes that are the most efficacious in reducing exacerbation [1–3]. The FLAME trial showed that LAMA/LABA was superior to ICS/LABA in reducing the exacerbation risk [1]. In contrast, ICS/LABA had better efficacy in reducing exacerbation than LAMA/LABA in the IMPACT trial [2]. The IMPACT and TRIBUTE trials also showed that ICS/LAMA/LABA significantly reduced the exacerbation risk more than ICS/LABA and LAMA/LABA [2,3].


急性増悪減少に関して最も有効な薬剤クラスに関して最近の治験からの報告は必ずしも一致してない

FLAMEトライアル:悪化リスク低減においてLAMA/LABAがICS/LABAより優れていた

IMPACTでは、中等度以上の急性増悪率FF/UME/VI 0.91 vs FF/VI 0.85  vs UMEC/VI 1.21で、ICS/LABA vs LAMA/LABA比較だと、FLAMEと異なる結果となっている。
IMPACTとTRIBUTEトライアルともにトリプルがICS/LABA、LABA/LAMA急性増悪軽減



ベイズ・ネットワークメタアナリシスで事後確率を計算し多剤を同時比較し有効性計算した。rare eventsの計算にも適しているためdecision making上も有用な方法




Comparisons of exacerbations and mortality among regular inhaled therapies for patients with stable chronic obstructive pulmonary disease: Systematic review and Bayesian network meta-analysis
Hyun Woo Lee, et al.
PLOS    Published: November 15, 2019
https://doi.org/10.1371/journal.pmed.1002958

背景:増悪と死亡率は、安定した慢性閉塞性肺疾患(COPD)の最も重要な臨床転帰だが、吸入薬の可能性のあるすべての中で増悪と死亡率を減らすのに最も効果的なdrug classは決定されてない。

方法と調査結果:系統的レビュー(SR)およびベイジアンネットワークメタ分析(NMA)を実行。 Medline、EMBASE、Cochrane Central Register of Controlled Trials、ClinicalTrials.gov、European Union Clinical Trials Register、および製薬会社の公式Webサイト(開始から2019年7月9日まで)を検索。


適格基準は次のとおり
(1)並列設計無作為化比較試験(RCT)
(2)安定したCOPDの成人
(3)長時間作用型ムスカリン拮抗薬(LAMA)、長時間作用型ベータ作動薬(LABA)、吸入コルチコステロイド(ICS)、併用療法(ICS / LAMA / LABA、LAMA / LABA、またはICS / LABA)の比較、またはプラセボ
(4)研究期間が12週間以上。

この研究は、体系的レビューの国際的前向き登録簿(PROSPERO; CRD42017069087)に前向きに登録された。

合計で、228,710人の患者を含む219件の試験が含まれた。





プラセボと比較して、すべての薬物クラスは総増悪を著しく減少させ、中程度から重度の増悪を示した。

ICS / LAMA / LABAは、増悪リスクを減らすための最も効果的な治療法であった(オッズ比[OR] = 0.57; 95%信頼区間[CrI] 0.50–0.64; ORの事後確率> 1 [P(OR> 1)] < 0.001)。
さらに、他の薬物クラスとは対照的に、ICS / LAMA / LABAおよびICS / LABAは、プラセボよりも有意に高い死亡率低下率に関連していた(OR = 0.74、95%CrI 0.59–0.93、P [OR> 1] = 0.004;およびOR = 0.86、95%CrI 0.76–0.98、P [OR> 1] = 0.015)。






さまざまな感度および共変量調整済みのメタ回帰分析でも、結果はほとんど変化しなかった。
ICS / LAMA / LABAは、心血管死亡のリスクを低下させる傾向があったがが、有意な結果を示さなかった。 ICS / LAMA / LABAは肺炎の確率を増加させた(3剤併用療法のOR = 1.56; 95%CrI 1.19–2.03; P [OR> 1] = 1.000)。

主な制限は、症状の少ない患者または低リスクの患者のみを含むRCTがほとんどなかったこと。

結論:これらの所見は、増悪と全死因死亡率を低減するという観点から、安定したCOPD患者にとって、トリプルセラピーが潜在的に最良の選択肢となりうることを示唆しています。

Treat Stroke to Target 研究:虚血性卒中後LDLコントロールは厳格に LDL < 70 mg/dL





A Comparison of Two LDL Cholesterol Targets after Ischemic Stroke
Pierre Amarenco, et al. for  the Treat Stroke to Target Investigators
N. Engl. J. Med. November 18, 2019
DOI: 10.1056/NEJMoa1910355
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1910355


ACC解説
Treat Stroke to Target - Treat Stroke to Target
https://www.acc.org/latest-in-cardiology/clinical-trials/2019/11/15/17/51/treat-stroke-to-target

この報告の要点
The Treat Stroke to Target trial では、ASCVD患者および虚血性脳卒中/ TIA患者において、LDL-C 90-110 mg / dl目標という緩い基準より、70 mg / dl未満の積極的なLDL-Cの減少が優れていることが示された。

説明:
この試験の目的は、確立されたアテローム性動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)と虚血性脳卒中または一過性虚血発作(TIA)の患者のスタチンによる積極的な脂質低下の安全性と有効性を評価すること

研究デザイン
適格な患者は、低密度リポタンパク質コレステロール(LDL-C)の目標が70 mg / dl(n = 40)または90-110 mg / dl(n = 40)のいずれかで、スタチン療法に1:1で無作為化された。 スタチンと用量はすべて許容された。 LDL-C滴定は、3週間の無作為化後に行うことができる。エゼチミブを含む他の脂質低下療法は、追加療法として必要に応じて利用できる。

  • 登録者総数2,873
  • フォローアップ期間:5.3年
  • 平均患者年齢:67歳
  • 女性の割合:32%
  • 糖尿病の割合:23%

包含基準:

  • 18歳以上
  •  変更されたランキンスケールスコアが0〜3の過去3か月以内の虚血性脳卒中
  • 15日以内のTIA
  • 帰属脳虚血領域の同側または反対側の頭蓋外または頭蓋内脳動脈の狭窄を含むASCVDの証拠。太さが4 mm以上の大動脈弓のアテローム硬化性プラーク;または冠動脈疾患の既知の歴史
  • スタチン療法の適応
  • LDL-Cは、スタチンを使用する場合は≤70mg / dl、スタチンを使用しない場合は≤100mg / dl


その他の顕著な特徴/特性:

  • インデックスイベント:虚血性脳卒中:86%
  • 前の脳卒中/ TIA:11%
  • 以前の冠動脈疾患:17%
  • ベースラインLDL-C:135 mg / dl
  • 血圧:141/80 mm Hg
  • ヘモグロビンA1c:6.3%
  • 低い標的(LDL-C <70 90-110="" dl="" li="" mg="">
  • エゼチミブの使用:33.8%対5.8%
  • 2。7年で30%の薬物中止

主な調査結果:
資金不足のため、トライアルは早期中断。 
主要転帰、主要有害心臓イベント(脳梗塞または原因不明の脳卒中、心筋梗塞[MI]、不安定狭心症とそれに続く緊急冠動脈血行再建、緊急頸動脈血行再建で治療されたTIA、CV死亡)のlower-target vs higher-target LDL-C比較は、85%対10.9%(ハザード比0.78、95%信頼区間0.61-0.98、p = 0.04)

  • 非致死的脳血管障害(CVA)/脳卒中:5.7%対7.0%
  • CV死亡:1.2%対1.7%

lower-target vs higher-target LDL-C比較のセカンダリアウトカム:

  • MIまたは緊急血行再建術:1.4%vs 2.2%(p = 0.12)
  • 全原因死亡率:6.2%対6.5%(p> 0.05)
  • 頭蓋内出血:1.3%対0.9%(p> 0.05)
  • 3.5年での平均LDL-C:65対96 mg / dl(p <0 .05="" li="">
  • 新たに診断された糖尿病:7.2%対5.7%(p> 0.05)

解釈:
この試験の結果は、ASCVDおよび虚血性脳卒中/ TIAの証拠がある患者において、70 mg / dlを目標とする積極的なLDL-Cの削減は、LDL-Cが90-110 mg / dlのより控えめな削減よりも優れていることを示した。この利点は、主に、致命的ではないCVA /脳卒中イベントの数値的に大きな減少によってもたらされた。頭蓋内出血と真性糖尿病の発症率は、数値的にはより積極的なコントロールで高かったが、統計的に有意ではなかった主にエゼチミブである非スタチン脂質低下療法の追加使用は、下位標的群の患者の約3分の1で必要であった。このトライアルは、資金の損失のために時期尚早に中止されたが、これらの結果は依然として非常に重要であり、将来のガイドラインに役立つ可能性がある。これらの結果は、冠状動脈疾患の患者の間で指摘された同様の発見も反映している。より積極的な低下(<50 dl="" mg="" p="">


2018年米国心臓病学会/アメリカ心臓協会のコレステロールガイドラインでは、確立されたASCVD患者の高強度スタチン使用を推奨している。さらに、非常にリスクの高いASCVD患者(複数の主要なASCVDイベント[最近の急性冠症候群、MIの病歴、虚血性脳卒中の歴史、症候性末梢動脈疾患]または1つの主要なASCVDイベント+複数の高リスク条件[65歳以上]年、ヘテロ接合性家族性コレステロール血症、経皮的冠動脈インターベンション/冠動脈バイパス移植、糖尿病、高血圧、慢性腎臓病、現在の喫煙、治療にもかかわらずLDL-C≥100mg / dl、慢性心不全の病歴])、LDLへの治療C <70 dl="" mg="" p="">


2019年11月21日木曜日

高齢女性:骨髄脂肪細胞の量がその後の骨減少と関連

骨髄adiposityをGoogle翻訳すると"骨髄脂肪症(BMA)"とされてしまう、暫定的に、骨髄脂肪状態としたほうが良さそうだが、一応そのままadiposityとした


序文だと「骨髄adiposityと骨減少の動的な結びつきが次第にその認識が広がっている。歴史的には骨髄脂肪組織(BMAT)の広がりは、その後骨減少に直結するspace-filling process(空間充満機序)と考えられ、骨髄脂肪細胞と骨芽細胞は同じ骨格筋幹細胞由来で、脂肪細胞のlineageへの優先的配列が加齢へ関与していると理解される。加え、骨髄脂肪細胞は、破骨細胞活性へ影響を与えるfactorの分泌し、骨のadiposityが直接骨減少に影響を与える」




Greater Bone Marrow Adiposity Predicts Bone Loss in Older Women
 Gina N Woods, et al.
Journal of Bone and Mineral Research
https://asbmr.onlinelibrary.wiley.com/doi/epdf/10.1002/jbmr.3895



骨髄adiposityは、加齢と骨粗鬆症に関連していますが、BMAが骨量の減少と骨折を予測できるかどうかは不明です。 Age Gene / Environment Susceptibility(AGES)-Reykjavik研究のデータを使用して、椎骨骨髄脂肪組織(BMAT)の1H-MRSベースの測定、定量的コンピューター断層撮影(QCT)による骨密度/強度の年次変化の関連性を調査しました)およびDXA、そして二次的に、高齢成人における偶発的な臨床的骨折およびレントゲン写真による脊椎骨折を伴う。 BMATと骨密度/強度の年次変化との関連は、年齢、肥満度指数(BMI)、糖尿病、エストラジオール、テストステロンで調整された線形回帰モデルを使用して評価されました。 Cox比例ハザードモデルを使用して、ベースラインBMATとインシデントの臨床的骨折、およびインシデントの脊椎骨折のロジスティック回帰モデルとの関連を評価しました。ベースラインでは、SDの平均年齢は女性(n = 148)および男性(n = 150)でそれぞれ80.9 4.2および82.6 4.2歳でした。平均ベースラインBMATは、女性で55.4%8.1%、男性で54.1%8.2%でした。 2.8年以上の女性の7.4%と2.2年以上の男性の6.0%で発生した臨床的骨折。インシデントの椎骨骨折は、3.3年以上の女性の12%と2.7年以上の男性の17%で発生しました。ベースラインBMATの各1 SDの増加は、脊椎圧縮強度指数の3.9 mg2 / cm4 /年より大きい損失(p値= 0.003)、脊椎骨梁BMDの0.9 mg / cm3 /年より大きい損失(p値=)に関連していました。 02)、および女性の大腿骨頸部骨梁BMDの1.2 mg / cm3 /年の大きな損失(p値= .02)。男性の間では、BMATと骨密度/強度の変化との間に関連はありませんでした。 BMATと女性または男性の偶発的な骨折との間に関連はありませんでした。結論として、高齢の女性では、BMATが大きいほど脊椎と大腿骨頸部の骨梁骨の損失が大きくなり、脊椎の圧縮強度が大きく失われることがわかりました。







抗スクレロスチン(SOST)抗体「イベニティ」(一般名・ロモソズマブ)が市販され、これは骨細胞によって産生される糖タンパク質であり、Wntシグナル伝達の阻害剤として機能する訳だが、 SOSTは、骨形成を阻害し、BMSCの分化を標的とする可能性があるため、骨の脂肪過多を増加させる。同様なものがDickkopf-1 (DKK1)らしい。さらには、 BMPs やactivin Aなどの成長因子は、潜在的な治療のための他の蛋白同化薬に相当する。

末梢組織のインスリン感受性と脂肪生成を改善するために設計されたいくつかの抗糖尿病薬は、骨量に副作用があり、骨折リスクが増する、例えば、BM脂肪過多症によるチアゾリジンジオン。したがって、研究目標の1つは、骨への悪影響を最小限に抑える抗糖尿病薬を設計することが重要。抗糖尿病薬には、インクレチンベースの療法(GLP-1受容体アゴニスト、DPP-4阻害剤)およびナトリウム-グルコース共輸送体2(SGLT2)阻害剤を標的とする薬剤が含まれ、骨への影響が示唆されている。
https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fendo.2016.00127/full


ということで、骨の健康は糖尿病診療でも配慮されるべき分野で、この骨髄脂肪細胞組織も念頭に置かねばならないのかも・・・

変形性関節症の発症・進行に関わる自己抗体MAT2β-AAb

変形性関節症の発症・進行に関わる自己抗体MAT2β-AAb


自己抗体候補を変形性膝関節症(KOA)レントゲン所見発生を96ヶ月フォローアップで、健常維持症例と比較



その中で、methionine adenosyltransferase (MAT2β-AAb) II enzymeのβサブユニットへの自己抗体が、OA発生への時間と正相関

予後臨床モデルにMAT2β-AAbを加えるとレントゲン確認KOAの発症予後推定として改善した


Discovery of an autoantibody signature for the early diagnosis of knee osteoarthritis: data from the Osteoarthritis Initiative
María Camacho-Encina, et al.
camacho- encina  M, et al. Ann Rheum Dis 2019;78:1699–1705. doi:10.1136/annrheumdis-2019-215325
https://ard.bmj.com/content/annrheumdis/78/12/1699.full.pdf





discussionより
"MAT2βは、SAMeSAMe( s-adenosylmethionine ) の合成を強化または阻害する制御サブユニットです。 この後者の化合物は、メチル化、硫酸化、およびアミノプロピル化の経路で重要な役割を果たし、OA管理のための栄養補助食品として使用されています。   OAにおけるMAT2βの直接的な関与の証拠はありませんが、この疾患の病因の主要な生物学的プロセスにおけるその基本的な役割(オンライン補足図S2)は、MAT2βを関心のある潜在的なマーカーに変えます。 "




学生時代ポリクリで整形外科回ったとき渡された抄読論文もOAだった。アミロイド仮説実証失敗動物実験データ。指導教官は内容分からず渡してるみたいだったw


上記論文の抗体が臨床的に用いられるようになるか・・・知らないけど、個別予後推定できることで進行抑制あるいは予防効果の介入進めば良いが・・・

2019年11月20日水曜日

Apple Heart Study :apple watchで 心房細動検出

アホ役人のせいで、今のところ、日本ではapple watchの心電図機能使わせないようだが、
心房細動早期検出なら、ablation含め早期治療、そしては脳塞栓予防にもつながり、国民全体の健康アウトカム改善望めると思うのだが・・・

この国は行政・役人、アホな議論しかしない国会(各地方自治団体・議会)のせいで、ちっとも先に進まない



Large-Scale Assessment of a Smartwatch to Identify Atrial Fibrillation
List of authors.
Marco V. Perez, et al. for the Apple Heart Study Investigators
N Engl J Med 2019; 381:1909-1917
DOI: 10.1056/NEJMoa1901183
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1901183




研究方法:
心房細動のない参加者(参加者自身が報告)は、スマートフォン(Apple iPhone)アプリを使用して監視に同意しました。 スマートウォッチベースの不規則な脈拍通知アルゴリズムが心房細動の可能性を特定した場合、遠隔医療訪問が開始され、心電図(ECG)パッチが参加者に郵送され、最長7日間着用されました。 不規則な脈拍の通知から90日後および調査の終了時に調査が実施されました。 主な目的は、ECGパッチに示された心房細動の通知を受けた参加者の割合と、0.10の目標信頼区間幅を持つ不規則なパルス間隔の陽性的中率を推定することでした。

<本文から>
学習アプリは、資格の確認、参加者の同意の取得、学習教育の提供、および参加者への学習手順の指示に使用されました。参加者が同意した後、不規則な脈拍通知アルゴリズムが有効になりました。この研究では、Apple Watchフォトプレチスモグラフィセンサーを使用しました。このセンサーは、発光ダイオードと光検出ダイオードを使用して、参加者が休んでいる間に断続的かつ受動的に血流の変化を測定しました。これらの信号は、1分間のパルス間隔(タコグラム)を生成するために使用され、パルス間隔の変動に基づいて規則的または不規則に分類されました(補足付録の図S1)。参加者は、アプリから直接遠隔医療の訪問を開始するように促されました。不規則な脈拍の最初の通知の後、後続のタコグラムと通知は記録されましたが、参加者には提供されませんでした。通知機能は2018年9月1日まで有効でした。
研究訪問は、標準化されたプロトコルを使用して、全国の遠隔医療サービサー(American Well)の医師によって行われました。緊急症状のある参加者は、緊急治療クリニックまたは救急部門に行くように指示されました。適格性が確認され、症状が緊急ではなかった参加者には、最大7日間着用するECGパッチ(ePatch)が郵送されました。 ECGパッチは郵送で返送され、最初に訓練を受けた技術者が検査しました。深刻な不整脈のある参加者はすぐに連絡を受け、緊急医療を求めるように指示されました。 ECGパッチレポートは2人の臨床医によって読まれ、スタンフォードセンターフォー臨床研究センターが調整した臨床医の委員会によって矛盾した解釈が調整されました。さらに、サンプリングされたタコグラムに時間調整された各パッチからの3分間のECGストリップは、2人の臨床医によって別々に読み取られ、不一致は必要に応じて3人目の臨床医と委員会によって解決されました。

結果
8か月で419,297人の参加者を募集しました。監視の中央値117日にわたって、2161人の参加者(0.52%)が不規則な脈拍の通知を受けました。

分析可能なデータを含むECGパッチを返した450人の参加者のうち、平均して通知後13日で適用された心房細動は、全体で34%(97.5%信頼区間[CI]、29から39)で、 65歳以上の参加者の35%(CI 97.5%、27〜43)。




脈不整検知された被験者は、心房細動心電図観察と同時不規則tachogramが観察された場合に対して、陽性反応適中度(positive predictive value:PPV) は  0.84 (95% CI, 0.76 to 0.92) <ちょっと


 90日間の調査に回答した1376人の参加者のうち、57%が研究外の医療提供者に連絡しました。深刻なアプリ関連の有害事象の報告はありませんでした。


薬剤耐性結核治療:ATS/CDC/ERS/IDSA臨床実践ガイドライン



Treatment of Drug-Resistant Tuberculosis. An Official ATS/CDC/ERS/IDSA Clinical Practice Guideline
Payam Nahid , et al.
ajrccm Issues Vol. 200, No. 10 | Nov 15, 2019
https://doi.org/10.1164/rccm.201909-1874ST       PubMed: 31729908
https://www.atsjournals.org/doi/full/10.1164/rccm.201909-1874ST



At least five drugs should be used in the intensive phase of treatment and four drugs in the continuation phase of treatment of MDR-TB (conditional recommendation, very low certainty of evidence). Drugs of poor or doubtful efficacy should not be added to a regimen purely to ensure that the recommended number of drugs is obtained.



集中治療期間には最低5剤、継続期は4剤使用というのは日本で行われているレジメンとは随分異なる






以前も、本邦との違いが指摘されている。
2016年WHOは多剤耐性結核の治療のガイドラインを発表した。優先的に使用する薬として,日本の順位付けとやや異なる。キノロン-筋肉注射薬の次に位置する薬として,TH,リネゾリド(LZD),CS,CFZが挙げられている。ここまでが核となる結核薬で,その他の使用してもよい薬としては,一次薬であるPZA,EB,INHの高容量,その次に新薬であるベダキリン(BDQ)とデラマニド(DLM),そして最後に,PASはチエナム,メロペン,オーグメンチン等とともに中心的な役割は果たさない薬として挙げられている。

https://jata.or.jp/rit/rj/377-22.pdf

2019年11月19日火曜日

パイロットRCT:高齢者肺炎/敗血症へのシンバスタチン投与 好中球機能改善と臨床アウトカム改善

日本でのシンバスタチン治療標準は5mg/日で、以下の薬剤とは桁違い








序文から
細菌感染は迅速だが、過剰でないあるいは過少でない比例的な好中球反応が必要で、攻撃性と、静止状態という舌病名環境依存的バランスが維持されるのが望ましい。不適切に過剰にあるいは抑制皿多反応では死亡・併存症悪化が見られる。敗血症では好中球機能の過剰かつ抑制さえた好中球機能は死亡率と関連する。例えば、 neutrophil extracellular trap formation (NETosis) 入院時低下とday 7のNETosis亢進は、患者予後悪化をもたらす。宿主の年齢は好中球機能に影響を与える。 In vitroでは、急性感染症のない高齢者から分離された好中球は、脱顆粒が増加しているように見えるが、好中球の移動精度、食作用、およびNETosisを減少させる。... 敗血症高齢者で一部機能低下、migration accuracyは呼吸器感染でエチカ氏、敗血症でmigration failureを来たし、初期イベントから6週間も継続する。大腸菌貪食とphorbol myristate acetate(PMA)へのNETosisは温存し、ROS産生は増加する。degranulation促進を伴う標的細菌への能力は低下し、細菌侵襲、局所炎症、by-stander tissueのdamagingも促進し、より広範な重度敗血症、end-organ damageを来す
スタチンが、その治療効果明らかな濃度で、高齢者に対し、好中球migratory accuracyを改善し、in vitroで、NETosis増加している。

仮説として、シンバスタチンがCAP+S重症ケア外高齢者で、感染に対する好中球反応の改善(NETosisとmigratory accuracy)の改善をもたらし、耐用性・安全性に関する確認研究




Simvastatin Improves Neutrophil Function and Clinical Outcomes in Pneumonia. A Pilot Randomized Controlled Clinical Trial
Elizabeth Sapey , et al.
ajrccm  Vol. 200, No. 10 | Nov 15, 2019
https://doi.org/10.1164/rccm.201812-2328OC       PubMed: 31206313
https://www.atsjournals.org/doi/full/10.1164/rccm.201812-2328OC


理論的根拠:住民研究ではスタチンによる敗血症の転帰の改善が示唆されているが、敗血症の患者を対象としたランダム化比較試験の結果と、クリティカルケア環境での臓器機能障害は、広く否定的。in vitroデータは、スタチンが加齢に伴う好中球機能を調節し、感染に対する好中球反応を改善することを示唆しているが、高齢患者および高用量のみである。

目的:高用量シンバスタチンが好中球機能を改善し、重症の入院を認められない敗血症(CAP + S)を伴う市中感染肺炎の入院高齢者で安全かつ許容されるかどうかを判断する。

方法:二次医療病院に入院した55歳以上のCAP + S患者を対象に、シンバスタチン80 mgまたはプラセボの無作為化二重盲検プラセボ対照パイロット試験を7日間実施。 4日目の主要エンドポイントは、好中球細胞外トラップ形成(NETosis)の変化。 4日目の副次的エンドポイントには、好中球の化学走性、安全性と忍容性、臓器不全評価スコア、死亡率、再入院、組織の分解/炎症のマーカーが含まれる。

測定と主結果:CAP + S患者における4日間のシンバスタチンアジュバント療法は、全身性好中球機能の改善(NETosisと走化性)、全身性好中球エラスターゼ負荷の減少、およびプラセボと比較した連続臓器不全評価スコアの改善に関連した。
事後分析により、シンバスタチン療法はプラセボと比較して入院のない生存率の改善と関連していることが実証された。シンバスタチンは、マクロライド系抗生物質の一般的な共処方により、この高齢者および多病患者グループで忍容性が良好だった。



結論:このパイロット研究は、以前に評価されたよりも古くて軽い疾患コホートにおけるCAP + Sのアジュバント療法としての高用量シンバスタチンをサポートしている。現在、この集団では、有益性と有害性の可能性を評価するための決定的な多施設共同研究が保証された。


【安易な使用注意】テストステロン使用で静脈血栓塞栓リスク増加

Association of Testosterone Therapy With Risk of Venous Thromboembolism Among Men With and Without Hypogonadism
Rob F. Walker, et al.
JAMA Intern Med. Published online November 11, 2019. doi:https://doi.org/10.1001/jamainternmed.2019.5135
https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/article-abstract/2754091
November 11, 2019

疑問点  性腺機能低下有無関わらない男性におけるテストステロン療法の臨床的処方は静脈血栓塞栓の短期リスクと関連するか?

知見 静脈血栓塞栓症例89622名男性の6ヶ月間テストステロン使用と静脈血栓塞栓前6-12ヶ月のテストステロン使用を比較したこの交叉研究において、6か月症例期間のテストステロン使用は男性において性腺機能低下有無に関連買う静脈血栓塞栓リスク増加と関連する

意義 この知見からテストステロン使用は全てのこの処方男性において静脈血栓塞栓リスク増加と関連する

重要点  テストステロン療法は性腺機能低下有無関連せず処方数が増加している。
この治療は、いくつかのメカニズム、ヘマトクリット値増加、血液粘性増加を含め、静脈血栓塞栓リスク増加と関連する可能性がある




目的  短期テストステロン療法暴露が性腺機能低下有無関連無く男性の静脈血栓塞栓短期リスク増加するか評価

デザイン・被験者・セッティング   交叉研究:39622名男性(IBM MarketScan Commercial Claims and Encounter DatabaseとMedicare Supplemental Database)
 2011年1月1日〜2017年12月31日:12ヶ月フォローアップ
ベースラインで癌認めない、ICDコードによる同定された静脈血栓塞イベント前連続登録12ヶ月。対象期間症例自身をマッチ化




ケースクロスオーバー研究デザインが使用され、VTEの各男性が自分のコントロールとして機能。 インシデントVTEイベントの6か月前、3か月前、1か月前の暴露ケース期間を定義し、インシデントVTEイベントの6か月前に開始する同等の暴露制御期間(6か月、3か月、1か月)を定義した(図、 A)。 テストステロン処方曝露後にVTEイベントがトリガーされる時間枠を評価するために、さまざまなケース期間の長さが選択された。 各ケースの患者が自分のコントロールとして機能するため、ケースのクロスオーバー設計は、患者の観察期間中に時間不変の交絡因子を軽減。

暴露   国内の薬物コードを使用して、ケース期間(VTEの0〜6か月前)および対照期間(VTEの6〜12か月前)の請求済みテストステロン療法処方を特定

主要アウトカムと測定項目  初回VTEイベントで性腺機能低下有無で層別化


結果
研究登録: 39622名男性 (平均 [SD] 年齢 57.4[14.2]歳)、 性腺機能低下証拠 3110名(7.8%)

年齢補正モデルにて、テストステロン使用は全期間において、VTE高リスクと相関 (オッズ比[OR], 性腺機能低下有り 2.32; 95% CI, 1.97-2.74、無し 2.02; 95% CI, 1.47-2.77)

性腺機能低下症のない男性の場合、テストステロン療法とVTEリスクの3か月の期間の推定点は、65歳未満の男性(OR、2.99; 95%CI、1.91-4.68)が高齢男性(OR、1.68)よりも高かった ; 95%CI、0.90-3.14)、この相互作用は統計的に有意ではない(P = .14)








2013年、米国内では30歳未満で 3.2% 230万人使用、2016年には減少して 115万名

日本では男性更年期・更年期ドッグと称して、結果的に、テストステロン使用を煽るムーブメントがあるが安易な使用は危険!


日本のガイドラインでも
多血症
ARTを行った性腺機能低下症患者の24%に血栓除去手術またはARTの中断を必要とする多血症が認められている。治療に際しては,定期的な血液検査による多血症の監視が重要である。赤血球数6×10 6/μL以上,ヘモグロビン18g/dL以上,ヘマトクリット53%以上を多血症の目安にし,ARTの間隔や,血液内科への受診も考慮する必要がある。
http://www.mens-health.jp/wp-content/uploads/2018/08/LOHguidelines.pdf


多血症に関する注意事項がある


さらには、VTEリスクも啓発すべき

2019年11月18日月曜日

新規高血圧発症リスク要素:血中BCAA濃度

分岐鎖アミノ酸

https://www.nutri.co.jp/nutrition/keywords/ch3-3/keyword4/
 必須アミノ酸のうちでアミノ酸の炭素骨格が直鎖でなく、分岐している構造を有するバリン・ロイシン・イソロイシンの3種を総称して分岐鎖アミノ酸(BCAA)と呼ぶ(図1)。BCAAは、タンパク合成促進作用と筋タンパク崩壊抑制効果があり、特にロイシンが中心的な役割を果たしている。BCAA以外の多くのアミノ酸は主に肝臓で代謝されるが、BCAAは主に筋肉で代謝される(図Ⅱ)。BCAAのアミノ基はグルコース〜アラニン経路で糖原性アミノ酸のアラニンとなり、糖新生に利用されエネルギー源となるため、侵襲期には重要な役割を果たす。また、肝障害時には、芳香族アミノ酸であるフェニルアラニンとチロシンが増加して、偽性神経伝達物質の前駆体となり、BCAAが低下するが、BCAA投与は、血液〜脳関門において芳香族アミノ酸と競合して、肝性脳症の発生を防止する。

・・・という解説は一般的

非極性脂肪族型側鎖で、必須アミノ酸:ロイシン、バリン、イソロイシンであり、BCAAは、インスリン抵抗性、酸化ストレスを生じる、細胞内シグナル伝達に関与する重要な代謝中間体でmTORC1(mammalian target of rapamycin complex 1 or mechanistic target of rapamycin complex 1)の機能障害を生じる可能性があるとの提言あり(2. Yoon MS. The emerging role of branched-chain amino acids in insulin resistance and metabolism. Nutrients. 2016;8: E405. doi:10.3390/NU8070405 3. Zhenyukh O, Civantos E, Ruiz-Ortega M, Sánchez MS, Vázquez C, Peiró C, Egido J, Mas S. High concentration of branched-chain amino acids promotes oxidative stress, inflammation and migration of human peripheral blood mononuclear cells via mTORC1 activation. Free Radic Biol Med. 2017;104:165–177. doi: 10.1016/j.freeradbiomed.2017.01.009)、さらにこれらが血圧調整、高血圧発症のメカニズムともなり得る。また腸内microbiomeが食事由来BCAAの代謝産物と関連したgut dysbiosisが血圧調整メカニズムに影響を与えることも提言されている。high-throughput metabolomicsのアプローチにてBCAAと心血管リスク関連を支持する報告もある。

血中BCAA濃度の増加は高血圧と関連しているようにも見える亜脂質や血糖などの生化学的因子補正後は消滅するということで、横断研究は知見としては何も示してない





Concentration of Branched-Chain Amino Acids Is a Strong Risk Marker for Incident Hypertension
Jose L. Flores-Guerrero, et al.
 Hypertension. 2019;74:00-00. DOI: 10.1161/HYPERTENSIONAHA.119.13735.
https://www.ahajournals.org/doi/abs/10.1161/HYPERTENSIONAHA.119.13735


分岐型アミノ酸(BCAA)の心血管代謝疾患の病因的影響への認識は増加しているが、BCAAと高血圧発症への関連性は不明。BCAAと高血圧症発症の関連性を前向き住民ベースコホート研究で検討
BCAA血中濃度をMR spectoroscopyで測定, 4169名被験者:PREVEND (Prevention of Renal and Vascular End-stage Disease) study

推定として、多変量補正Cox回帰モデルを用い高血圧発症リスクを、中央値 8.6年間のフォローアップ後、高血圧発症確認 9214名で確認
Cox回帰解析により、BCAAと高血圧発症の有意関連性明らかに
BCAAの1SD毎ハザード比は 多数の臨床変数完全補正後1.11 (95% CI, 1.02-1.20; p=0.01)

カテゴリー化変数評価後同様完全補正後も有意性持続 (参照カテゴリーとして:4分位最高vs 最小比較, 1.36; 95% CI, 1.11–1.68; P=0.003)




さらに、net reclassificationにて、従来のリスクモデルにBCAAを加えると評価として改善も認める (P<0 .001="" br="">

この前向き研究で、BCAA血中濃度はその後の新規発症高血圧のリスク増加と関連
この関連性は、年齢、性別、BMI、脂質特生保生後も持続




血中のBCAA濃度高値が、新規高血圧発症の新たなリスク要素と判明下だけで、飲用BCAAとの関連性はもちろん明らかではない

2019年11月16日土曜日

米国FDA専門委員会:EPA二次予防はまぁ許すが・・・一次予防は・・・

REDUCE-ITトライアルに基づく専門委員会の検討なので・・・そうならざるえないだろう








心血管イベント減少目的の高トリグリセリド血症患者のスタチンのadjuvant治療としてIcosapent ethyl (Vascepa, Amarin) をFDA  Endocrinologic and Metabolic Drugs Advisory Committeeで承認
高用量EPA製剤の正確な対象者は決議されなかった。二次予防としては承認されたが、糖尿病を含む一次予防への適応は意見統一できなかった
この薬剤は既に高トリグリセリド血症 500mg/dL以上治療薬として市販されている

REDUCE-ITトライアル(N Engl J Med 2019; 380:11-22)の知見(135mg / dLを超えるトリグリセリドを有し心血管疾患を有する患者において、イコサペントエチルとプラセボの主要な有害心血管イベントの相対リスクが25%減少)に基づく新しい適応についての諮問委員会での議論

https://www.medscape.com/viewarticle/921374


高用量EPAのリスク







REDUCE-ITの被験者70.7%が二次予防使用、 2 g of icosapent ethyl twice daily (total daily dose, 4 g) or placebo


JELISトライアルも対象は二次予防患者が主体:脂肪酸摂取量の目安は,EPA-DHA 400mg/日(EPA:DHA=3:2),ALA 2g/日:結果は「心筋梗塞既往で血圧・血栓・脂質治療を受けているものにおいて,EPA-DHA,ALAによる有意な主要心血管イベント抑制効果は認められなかった」





  • ロトリガ:EPA・DHA製剤 オメガ-3脂肪酸エチルとして1回2gを1日1回
  • エパデール:イコサペント酸エチルとして、通常、成人1回600mgを1日3回、毎食直後に経口投与

2019年11月15日金曜日

COPD:単一吸入triple therapy のシステミック・レビュー

triple therapyにおいて比較するも、交叉比較に関して研究デザインや対象者のheterogeneity高く、簡単に比較できない


Single-inhaler triple therapy in patients with chronic obstructive pulmonary disease: a systematic review
Sue Langham, et al.
Respiratory Research volume 20, Article number: 242 (2019)
https://respiratory-research.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12931-019-1213-9


523件の記録のうち6件のRCTからの15件のレポート/要約が含まれた。
triple therapyではLAMA/LABAに比較して年間中等度・重症仇英増悪を 15-52%減少、LAMAに比較して 20%減少

患者ベースのNNT:中等度・重症急性増悪アウトカムについては、約 25-50 (1人の患者の急性増悪イベントを減らすのに見合う患者数) 、イベントベースのNNT(1回の急性増悪イベント1回減らすのに見合う治療数)は 約 3-11

絶対的ベネフィットは、好酸球数の多い患者、急性増悪病歴患者、喫煙既往患者

より大規模な研究だと、triple therapy armでは肺炎頻度高率となる


結果の解釈に影響を与え、クロストライアル比較で有意な不均一性があることを示す研究デザインと母集団に重要な違いがある






テリルジー:UMEC/VI/FF


ビレーズトリエアロスフィア:GLY/FOR/BDP


研究 治療 主たる比較 研究期間 被験者数 気管支拡張剤使用後FEV1、正常予測値比比較 CAT 10以上 CAT平均(SD) 急性増悪率(range) 前年急性増悪回数:中等度・重度1回以上 前年急性増悪回数:中等度・重度2回以上 前年急性増悪回数:重度1回以上 triple治療既往 事前ICS 喘息患者
TRINITY
[16]
GLY/FOR/BDP (Trimbow) Triple therapy (single inhaler) versus TIO' 52 weeks 2691 36.6% 100%   21.5 (5.8) 1.3 (1-11) NR NR NR Excluded 77% Excluded
TIO 36.6% 100% 21.6 (5.8) 1.3 (1-5) NR NR NR   78%
FOR/BDP + TIO 36.7% 100% 21.7 (6.0) 1.2 (1-7) NR NR NR   73%
TRILOGY
[17]
GLY/FOR/BDP (Trimbow) Triple therapy versus
LABA/ICS
52 weeks 1368 36.9% 100% 20.8 (5.9) 1.2 (1-5) NR NR NR Excluded 75% Excluded
FOR/BDP 36.2% 100% 20.8 (5.7) 1.2 (1-6) NR NR NR   73%
TRIBUTE
[23]
GLY/FOR/BDP (Trimbow) Triple therapy versus
LAMA/LABA
52 weeks 1532 36.4% 100% NR 1.2 (1-6) 100.0% 20% NR Excluded 66% Excluded
GLY/IND 36.4% 100% NR 1.2 (1-4) 100.0% 18% NR   64%
FULFILb
[24]
UMEC/VI/FF (Trelegy
Ellipta)
Triple therapy versus
LABA/ICS
24 weeks (extension to 52 weeks) 1810
(430)
47.1% 100% NR NR 70.0% 34% NR 32% 66% Excluded
FOR/B+ placebo 45.4% 100% NR NR 67.0% 31% NR 33% 67%
IMPACT [25, 31] UMEC/VI/FF (Trelegy Ellipta) Triple therapy 52 weeks 10,355
versus LAMA/LABA
Triple therapy
versus LABA/ICS
52 weeks 10,355 45.7% 100% 20.1(6.1) NR 99.95% 55% 26%   72% Excludedd
UMEC/VI 45.4% 100% 20.2(6.2)   99.90% 55% 25% 40% 72%
VI/FF 45.5% 100% 20.1(6.1) NR 99.88% 54% 26% 38% 70%
KRONOS [26] GLY/FOR/B Triple therapy versus LAMA/LABA triple therapy versus LAMA/ICS 24 weeks 1902 NR 100% 18.7(6.4) 0.4 (0.8)e 0.0 (0-8)f 27.0% 7% NR 31% 72% Excluded
GLY/FOR NR 100% 18.1(6.1) 0.3 (0.7)e 0.0 (0-5)f 24.0% 7% NR 28% 71%
FOR/B NR 100% 18.4(6.6) 0.3 (0.6)e 0.0 (0-4)f 25.0% 6% NR 34% 71%






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