2013年4月5日金曜日

アルツハイマー病:脳脊髄液tau/taupに関わる遺伝子変異同定と、病理・認知機能低下との関連性証明

phosphorylated tau (ptau)とよばれるtau のtangle(もつれ)がこの疾患のhallmarkであり、脳脊髄液中のtau/ptauに関わる遺伝子変異同定し、それが、アルツハイマー病の病理組織、認知機能低下と関連性発見

GWAS of Cerebrospinal Fluid Tau Levels Identifies Risk Variants for Alzheimer’s Disease
Neuron, 04 April 201310.1016/j.neuron.2013.02.026

アルツハイマー病の確立したバイオマーカーは、脳脊髄液tau、スレオニン181でのリン酸化tau(ptau)、Aβ42で、遺伝子解析の定量的trait解析

脳脊髄液 tau/ptau値に関する最大GWA研究施行し、3つの有意GWA locus

rs9877502 (p = 4.89 × 10−9 for tau) ;located at 3q28 between GEMC1 and OSTN 
rs514716 (tauに対し p = 1.07 × 10−8 、ptauに対し p = 3.22 × 10−9 ) ;located at 9p24.2 (GLIS3内) 
rs6922617 (p = 3.58 × 10−8 for CSF ptau) ;located at 6p21.1 (TREM gene cluster内)

rs9877502が最もADと強い相関、tangle病理所見、全般性認知機能低下と関連 (p = 2.67 × 10−4, 0.039, 4.86 × 10−5)

endophenotype-basedアプローチにより、この新しいリスクlocusが同定された。

運動:走っても(高強度運動)、歩いても(中強度運動)カロリー消費等量なら、予防効果同様:高血圧、高コレステロール、糖尿病、虚血性心疾患

一般住民調査で、フォローアップコホート

結論から言えば、ウォーキング程度の中等度運動と、ランニングなどの高強度運動では、エネルギー等量あたり、高血圧、高コレステロール血症、糖尿病予防効果、虚血性心疾患予防効果は同程度とのこと。

筆者等によれば、走っても、歩いても、消費カロリー次第ということらしい

Atherosclerosis/Lipoproteins
Walking Versus Running for Hypertension, Cholesterol, and Diabetes Mellitus Risk Reduction
Paul T. Williams, Paul D. Thompson
ATVBAHA.112.300878 Published online before print April 4, 2013, 
doi: 10.1161/​ATVBAHA.112.300878 

目的—中強度のエネルギー消費(e.g. ウォーキング)と高強度の運動(e.g. ランニング)が同等の健康ベネフィットをもたらすかの検討

アプローチと結果—National Runners’ (n=33 060) and Walkers’ (n=15 945) Health Studyコホート、運動モード、冠動脈性心疾患(CHD)リスク要素に基づく運動強度による影響の差の検討
ベースラインエネルギー消費量(METSh/d)を、6.2年間フォローアップ自己報告、医師診断高血圧・高コレステロール血症・糖尿病・CHD発症でくらべる。 

ランニングは、METh/1日、以下のごとく、発症リスク減少
高血圧 4.2%減少 ( p < 10 -7
高コレステロール 4.3%減少 ( p < 10 -14)
糖尿病 12.1%減少 ( p < 10 -5
CHD 4.5%減少 (p = 0.05)
ウォーキングは
高血圧 7.2% ( p < 10 -7
高コレステロール血症 7.0% ( p < 10 -8
糖尿病 12.3% ( p < 10 -4
CHD 9.3% ( p = 0.01)
・高コレステロール血症
ランニング  10.0%、17.7%、25.1%、 34.9%
ウォーキング  14.0%、23.8%、21.8%、 38.3%

・高血圧
ランニング  19.7%、19.4%、26.8%、39.8%
ウォーキング  14.7%、19.1%、23.6%、13.3%

・ 糖尿病
ランニング 43.5%、44.1%、47.7%、68.2%
ウォーキング  34.1%、44.2%、 23.6% ( <  5.4 METh/dは症例数少ないため除外)

糖尿病に関しては、ウォーキングとランニングに、有意差を認めず (p = 0.94)、高コレステロール血症 (p = 0.06)、 CHD ( p = 0.26)。高コレステロール血症のみがランニングよりウォーキングの方が効果有りの境界的有意差を示した( P = 0.04)

結論—中等度強度エネルギー(ウォーキング)と、高強度エネルギー(ランニング)運動のエネルギー消費等量では、高血圧、高コレステロール血症、糖尿病では、そして、虚血性心疾患関しても同様のリスク減少。



ランニングでは10〜15METs、ウォーキングはやや速歩で 3.8METs、速歩で4.0METs
 http://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/11/s1109-5g.html

PRoFESS :虚血性卒中後慢性疼痛症候群になりやすい要素、卒中後慢性疼痛症候群の認知機能低下との関連性

虚血性卒中後慢性疼痛症候群

Chronic Pain Syndromes After Ischemic Stroke
PRoFESS Trial
Martin J. O’Donnell, et. al.
STROKEAHA.111.671008 Published online before print April 4, 2013,
doi: 10.1161/​STROKEAHA.111.671008

PRoFESSトライアル(フォローアップ平均 2.5年間)

それまで慢性疼痛のない、卒中後発症の慢性疼痛症候群すべてをフォロー

登録者 15754名、うち、1665名(10.6%)で、新規慢性卒中後疼痛、中枢性卒中後疼痛 431 (2.7%)、 末梢性神経障害性疼痛 238 (1.5%)、 spasticityからの疼痛 208(1.3%)、 肩亜脱臼からの疼痛 136 (0.9%)

1タイプ以上疼痛ある86名(0.6%)

卒中後疼痛の予測因子は、卒中重症度、女性、アルコール使用、スタチンしよう、うつ症状、糖尿病、抗血栓レジメン、末梢動脈疾患

新規慢性疼痛症候群は、dependence程度増大と相関 (オッズ比, 2.16; 95% 信頼区間, 1.82–2.56)
痙性疼痛・肩関節亜脱臼による末梢性神経障害と疼痛は 認知機能低下と関連

SIGGAR研究:直腸結腸がん疑い患者:CTコロノスコピー vs コロノスコピー or 注腸検査 ;バリウム注腸の出番無し?

CTコロノグラフィー vs バリウム注腸検査
Computed tomographic colonography versus barium enema for diagnosis of colorectal cancer or large polyps in symptomatic patients (SIGGAR): a multicentre randomised trial
Steve Halligan, et. al.
for the SIGGAR investigators
The Lancet, Volume 381, Issue 9873, Pages 1185 - 1193, 6 April 2013
 3838 名を BE(n=2553)と、CTC(n=1285)にランダム割り付け、34名同意得られず、BE割り付け 2527、CTC割り付け 1277

直腸結腸がん.大型ポリープ検出率はCTC割り付けがBE割り付けより有意に高い   (93 [7.3%] / 1277 vs 141 [5·6%] / 2527, 相対リスク 1.31, 95% CI 1.01—1.68; p=0·0390)

見逃し率 CTC 3/45 、 BE 12/85

直腸検査追加必要率はBE後よりCTC後の方が比率高い (283 [23.5%] / 1206 CTC  vs 422 [18.3%] / 2300 BE; p=0·0003)、これは主に、ポリープ検出率が高いためである。
結論:CTCはBEより感度高い。CTCは直腸結腸がん徴候ある患者では勧められるレントゲン検査法である


CTコロノグラフィー vs コロノスコピー

Computed tomographic colonography versus colonoscopy for investigation of patients with symptoms suggestive of colorectal cancer (SIGGAR): a multicentre randomised trial
Wendy Atkin, et. al.
for the SIGGAR investigators
The Lancet, Volume 381, Issue 9873, Pages 1194 - 1202, 6 April 2013

1610 名をコロノスコピー  (n=1072) or CTC (n=538)にランダム割り付け。30名でどういえられず、コロノスコピー 1047、 CTC 533に割り付け
追加検査必要:CTC群 160(30.0%) 、コロノスコピー 86(8.2%)
(相対リスク 3.65, 95% CI 2.87-4.65; p < 0.0001)

CTC後のほぼ半数で 10mm未満のポリープ、臨床的曖昧な所見あり、大型ポリープ・眼の予測値としては低値。
直腸結腸がん、大型ポリープ検出率は両検査施行群で11%

見逃し率は、CTC 1/29、 コロノスコピーなし(0/55)

重篤副作用稀

結論:ガイドラインでCTC後紹介率減少させる必要性がある。多くの患者にとって、CTCは、感度同等で、より侵襲性が低いことで代替となる。

Cochrane Review: 正常血圧・高血圧 :極端でない減塩、カリウム摂取のすすめ

BBCの報道では、カリウム摂取強調している。野菜・果物3サービング (サービング解説→ 参考:http://ecook.nyslowlife.com/archives/2007/07/post_7.html)で、十分ベネフィット有りと説明。減塩をすることでさらに有益。卒中リスク減少に関して鍵となる。食品からのカリウム摂取では腎機能・他のホルモンへの悪影響無し。
Increase potassium and cut salt to reduce stroke risk
BBC: http://www.bbc.co.uk/news/health-22025341

カリウム摂取に関する128,000名の被験者を含む、22の対照研究と11の研究で、食品中カリウム3−4g増加で、24%の卒中リスク減少など。


Press release:http://www.politicshome.com/uk/article/75699/embargo_bmj_reducing_salt_and_increasing_potassium_will_have_major_global_health_benefits.html

より長期、極端でない減塩の血圧への影響:ランダム化トライアルのCochrane systematic reviewとmeta-analysis


3000名超の34トライアルから、極端ではない減塩による降圧効果
高血圧でも正常血圧対象者でも、4週間の減塩で有意に血圧減少
白人黒人、男女とも見られ、住民横断的に卒中、心臓発作、心不全減少
しかし、現行推奨は現実的ではなく、一般住民への減塩長期目標は3g/日減少となるだろうと説明。


同様の結果が、56研究、うち、高品質研究37で、血圧、脂質、カテコラミン値、腎機能検討。減塩は血圧低下あるも、血液脂質、ホルモン値、腎機能に関して副事象認めず。
小児においては、品質中等度だが、同様に血圧低下効果認めた。

ナトリウム摂取低下は、成人の卒中・致死的冠動脈疾患リスク減少。エビデンスのトータルでは、ナトリウム摂取低下は、血圧低下、心血管疾患減少のために公衆衛生的努力すべき部分で、多くの人々にベネフィットを与えると結論。


3番目の研究は、カリウム摂取と健康状態に関する、33トライアル、128,000名超の健康被験者で、フレッシュなフルーツ・野菜・豆腐に豊富
結果、成人では、カリウム摂取で、成人血圧低下し、脂質、ホルモン、腎機能への悪影響認めず。カリウム摂取は成因の卒中24%減少と関連し、また、小児でも血圧に関してベネフィット有るもデータ不足。減塩の重要性も示唆


Primary source: BMJ
Source reference:
He F, et al "Effect of longer-term modest salt reduction on blood pressure: Cochrane systematic review and meta-analysis of randomized trials" 
BMJ 2013; DOI: 10.1136/bmj.f1325.
http://press.psprings.co.uk/bmj/march/salt1.pdf


Additional source: BMJ
Source reference:
Auburto N, et al "Effect of lower sodium intake on health: systematic review and meta-analyses" 
BMJ 2013; DOI: 10.1136/bmj.f1326.


Additional source: BMJ
Source reference:
Aburto N, et al "Effect of increased potassium intake on cardiovascular risk factors and disease: systematic review and meta-analyses" 
BMJ 2013; DOI: 10.1136/bmj.f1378.

現時点で、原文閲覧可能なのは一つだけ・・・ 徐々に閲覧できるとは思うが・・・

カリウムに関しては、腎障害時は注意が必要だろう

非営利RAND研究:米国1年間の認知症マネタリーコスト15−20兆円

しかも、2040年には、そのコストが倍に・・・

nonprofit RAND Corp.’s study の最も信頼性のあるという触れ込みの推定で
認知症は約410万名罹患と推定、これは520万名というアルツハイマー協会の推定より少ないが、これにはより重症でない障害を含むためと考えられた。

2010年の直接費用: 医薬品からナーシングホームなどの直接費用
認知症: 年間 1090億米ドル
心臓疾患: 年間 1020億米ドル
がん: 年間 770億米ドル

家族負担などのインフォーマルケアコストを考えると、認知症ではかなりのコスト増大

インフォーマルケアコストは認知症が非常に高い


Monetary Costs of Dementia in the United States
Michael D. Hurd, et. al.
N Engl J Med 2013; 368:1326-1334 April 4

2010年USでの70歳超における認知症推定有病率 14.7%
一人あたりの年間マネタリーコストは、認知症で推定 $56,290 (95% 信頼区間 [CI], $42,746 - $ 69,834) もしくは $41,689 (95% CI, $31,017 - $52,362)で、有意なインフォーマルケア手段に依存する

個別コストから、2010年の認知症総マネタリーコストは、1570億米ドルから2150億米ドルと示唆。メディケア支出に限れば、このコストは110億米ドル


高齢化がさほど出ない米国でも、年間15兆円から20兆円のマネタリーコストを生じる疾患ということで、以下の国家プロジェクトも正当化・・・

ヒト脳のマッピング :"BRAIN Initiative

日本の場合の認知症のフォーマルコストは、医療保険と介護保険、さらに、行政扶助などがあり、算出困難なのかもしれないが、真のコスト推定がほしい。国家予算からの認知症マネタリーコストと、その対策などの視線がほしい。診療外コストがかさばる特有の疾患。その割には、日本の認知症研究しょぼいなぁ

noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note