2012年11月1日木曜日

RePneu LVRC: 重症肺気腫に対する新しい植え込みデバイス 呼吸困難度・運動能力改善

呼気制限による動的気道閉塞は薬物療法の改善は軽度。肺容量減少術:Lung volume reduction surgery (LVRS) と、 endobronchial valve treatment が心見慣れているが、ある程度の成功は示されたが、LVRSは運動耐容能低下例や上肺優位な肺気腫など限られ、バルブもcollateral換気の内不均一な症例に限られる。

RePneu Lung Volume Reduction Coils (LVRCs) というのは、ニチノールという合金からなる自己作動型の植え込みデバイスで、気管支鏡下で挿入できるものである。

RePneu LVRC

RePneu™ Lung Volume Reduction Coil
http://www.pneumrx.com/technology-q10014-c10001-RePneu_Lung_Volume_Reduction_Coil.aspx

 Randomized Controlled Trial of RePneu Endobronchial Coils for the Treatment of Severe Emphysema With Hyperinflation (RESET)
Zaid Zoumot et. al.
CHEST.2012;142(4_MeetingAbstracts):1024A-1024A. doi:10.1378/chest.1457157

対照と比較して、治療群は、プライマリエンドポイントである平均SGRQ改善 (Δ-10.54 points, p=0.004)、セカンダリエンドポイントである平均6分間歩行距離を改善(Δ+70.39 meters, p<0 .001=".001" p="0.009)<br">
平均残気量差は有意で無い (Δ-0.35 litres, p=0.051)
しかし、0.64L 減少

安全である。


コイルの形をしているが、気管支鏡による挿入時は直線で、肺内に入ると、元々の形状となり、組織を集め・圧迫する、肺機能正常化をもたらす。







Bronchoscopic Lung Volume Reduction Coil Treatment of Patients With Severe Heterogeneous Emphysema
CHEST. 2012,142(3):574-582 doi:10.1378/chest.11-0730

環境中フタル酸により、小児の気道炎症悪化

医薬品・化粧品に含まれるフタル酸:2型糖尿病発症リスク増加?


フタル酸暴露は子供の気道炎症と関連するかもしれない。


フタル酸暴露と呼吸器系症状・肺機能異常との関連性報告がなされている。
小児のフタル酸、呼気FENO濃度のの関連性を調査

Children’s Urinary Phthalate Metabolites and Fractional Exhaled Nitric Oxide in an Urban Cohort
Am. J. Respir. Crit. Care Med. November 1, 2012 vol. 186 no. 9 830-837

diethyl phthalate (DEP)と butylbenzyl phthalate (BBzP)尿中代謝産物濃度と呼気FENO濃度はインナーシティー子供コホートにおいて独立した相関性が観察された。




職業関連喘息でもフタル酸は関連・・・
作業関連喘息 = 職業性喘息+作業増悪喘息 ;作業増悪喘息 ATSステートメント 2011年 08月 03日
ラチナ塩・無水フタル酸等の低分子物質や、ラテックス・こんにゃく粉・キノコ胞子・ユスリカ・動物の毛などの高分子物質や、検出困難なTDI(ウレタン)などの低分子物質

高コレステロール血症治療: 抗PCSK9抗体治験 (+スタチンでの効果)

NEJM報告で、抗PCSK9モノクローナル抗体の臨床の場での応用近くなったと考えて良いのだろう。
SanohとRegeneronが開発している抗PCSK9抗体「SAR236553/REGN727」が臨床試験フェーズIIIに入りました。PCSK9は肝臓でのLDL受容体と結合することで、これを分解する作用を持ちます。LDL受容体が減少すると血中のLDLレベルが上昇しますが、抗PCSK9抗体がPCSK9に結合することでLDL受容体との結合を阻害し、LDL受容体の分解を抑制します。これにより抗PCSK9抗体「SAR236553/REGN727」は、血中の LDLレベルを減少させることができるということになります。
http://pharm.yume-log.com/archives/201207-3.html
NEJM序文に同様のことが書かれている。

 血中proprotein convertase subtilisin/kexin 9 (PCSK9)は、役割として、LDL受容体に結合し、LDL受容体分解促進し、LDLコレステロールが循環中から除かれる比率を減少させる。完全なPCSK9ヒト・モノクローナル抗体、REGN727/SAR236553 (デザイン:SAR236553)はLDL受容体のリサイクリングを増加させ、LDLコレステロール値を減少させる

2つの多施設二重盲検・プラシーボ対照化トライアル


Atorvastatin with or without an Antibody to PCSK9 in Primary Hypercholesterolemia
Eli M. Roth, et. al.
October 31, 2012DOI: 10.1056/NEJMoa1201832

アトルバスタチン10mg/日×7週間治療でもLDL 100 mg/dL以上の患者92名

・アトルバスタチン 80mg 連日 + SAR236553 2週間毎
・アトルバスタチン 10mg 連日 + SAR236553 2週間毎
・アトルバスタチン 80mg+プラシーボ 2週間毎

ベースラインからのLDLコレステロール減少最小2乗平均 (±SE)比率
・アトルバスタチン80mg+SAR236553群 73.2±3.5
・アトルバスタチン10m+SAR236553群 66.2±3.5
・アトルバスタチン80mg+プラシーボ群  17.3±3.5

LDL 100mg/dL未満到達は、アトルバスタチン80mg+プラシーボの52%だが、SAR236553服用全患者では全員、同様に、LDL 70mg/dL未満到達は、17%、90%




http://www.nature.com/scibx/journal/v2/n22/fig_tab/scibx.2009.895_F1.html

アタマジラミ: イベルメクチン外用ローション


日本では、イベルメクチン外用ローションは存在しないと思うのだけど・・・


Topical 0.5% Ivermectin Lotion for Treatment of Head Lice
David M. Pariser ,et. al.
N Engl J Med 2012; 367:1687-1693 November 1, 2012




765名で、ITTで行った研究

対照群と比較した消失比率
第2日目 (94.9% vs. 31.3%)
第8日目 (85.2% vs. 20.8%)
第15日 (73.8% vs. 17.6%)
(P<0 .001=".001" comparison="comparison" each="each" for="for" p="p">
副作用頻度重症度が2群間同等

乳がん検診:50歳女性 死亡2割減少、しかし、1人死亡減らす毎に3名の誤診

Cancer Research UK が中心となった研究で、50-70歳女性の3年毎の検診に関して焦点をあてたもの

The benefits and harms of breast cancer screening: an independent review
The Lancet, Early Online Publication, 30 October 2012doi:10.1016/S0140-6736(12)61611-0




メタアナリシスにより、対照群比較で検診群は、死亡相対リスク 0.80(95%信頼区間 0.73-0.89)
内部バイアスなど検討後も合理的な推定であるとした。


・ 検診招待群でのがん診断比率として表現した場合の“超過頻度”推定は、11%(95%信頼区間 9-12)。
・ 積極的検診期間のがん診断比率として表現した場合の“超過頻度”推定は、19%(15-23)。

 一方、過剰診断に関する推定は観察結果の結果としての存在することはその通りだが、その強さは信頼できるものではないとした。

・ 50歳の1万人の米国女性がそれ以降20年間検診を勧められた場合、乳がん死亡予防 43名、過剰診断は、乳がん(侵襲型・非侵襲型) 129例を生じることとなる。
・ すなわち、1名の乳がん死予防のために、3名の誤診・治療を生じることとなる。
・ 50-52歳の女性30万7千名が毎年良質の検診を勧められたとして、その後20年間に1%強に過剰診断・誤診にであうことになる。

委員会は、従来の同様な研究結果と一致した結果であったとして、乳がん検診提供は、多くの女性では許容され、価値があると判断。

情報提供に関して、トランスペアレンシーが確保され、客観的に検診に誘うインフォームドコンセントがなされるべきとした。


Effect of Screening Mammography on Breast-Cancer Mortality in Norway
Mette Kalager, et. al.
N Engl J Med 2010; 363:1203-1210 September 23
 ↑
ほぼ同様の結論


日本の検診、とくに、がん検診では、“がんゼロ”などとできもしないスローガンだけで、実際の効果と有害性説明無く、検診がなされている。

番組きっかけの乳がん検診 TBSに医師らが中止要望 2010年 06月 10日 

40歳代の乳がんリスク 2012/07/27
 医療の現場では、インフォームドコンセントを強要するくせに、検診は野放し・・・ そういう日本の現状


noteへ実験的移行

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