2016年5月31日火曜日

海産物・長鎖n-3脂肪酸:認知機能減衰緩徐化

最近こういう報告があったばかり
 剖検報告:老人において海産物摂取は脳内水銀濃度増加をもたらすが、認知症・脳梗塞病理所見減少をもたらす 但し、APOE ε4キャリアのみ
http://kaigyoi.blogspot.jp/2016/02/blog-post_3.html

今度の報告は、 生きてる人間で認知機能減衰との関連を検討


APOE ε4 and the associations of seafood and long-chain omega-3 fatty acids with cognitive decline

Ondine van de Rest,et. al.
Neurology May 31, 2016 vol. 86 no. 22 2063-2070

目的: シーフードと長鎖n-3脂肪酸消費と5の認知機能ドメインを平均4.9年間相関性調査


方法:ongoingの加齢と認知症長軸、住民ベース疫学研究から、915名被検者(年齢 81.4 ± 7.2 歳、男性25%)、最低1回のフォローアップ認知評価・食事データ調査施行被検者
食事は半定量食事回数アンケート
全般認知機能と5つの認知ドメイン(episodic、semantic、working memory、perceptual speed、visuospatial ability)スコア を19の認知機能試験で評価
認知機能変化を他リスク要素補正mixed modelで関連性評価


結果: シーフード摂取は、(年齢、性別、教育、認知活動参加状況、身体活発、アルコール摂取、喫煙、総カロリー摂取補正)separate modelで、semantic memory減少緩徐化と相関 (β = 0.024; p = 0.03) 、  perceptual speed 減少緩徐化と相関(β = 0.020; p = 0.05)




二次解析にて、
APOE ε4 carrierでは週毎シーフード摂取量と食事中の長鎖n-3脂肪酸の中・高度摂取量における、全般認知と多認知機能ドメインの減衰緩徐化が明らかになった。

 これら相関は、 APOE ε4 noncarrierでは見られない


α-リノレイン産の高摂取は全般認知機能減衰と相関し、APOE ε4 carrierでのみ見られる。


結論:これらの知見から、週毎のシーフード及び長鎖n-3脂肪酸の1mealによる多認知機能の減衰防御効果が示唆された。 APOE ε4の役割解明は今後の課題。




シーフード摂取量かなり少ないレベルで評価しているので多摂食の日本で是非詳細な質の高い検討を!

敗血症後死亡率:敗血症発症時併存症と関連しないリスク増加

 敗血症は、先進国での入院主原因となっている。在院死亡率は低下しているが、長期死亡率低下が問題。もともとの併存症が影響をあたえているという議論もあったが、不明。敗血症後5年以上も影響継続するという報告も有り、敗血症後の超過死亡の評価が必要となった。

Late mortality after sepsis: propensity matched cohort study
Hallie C Prescott, et. al.
BMJ 2016; 353 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.i2375 (Published 17 May 2016)
Cite this as: BMJ 2016;353:i2375

【目的】 敗血症後の後期死亡率が主に、発症前併存症に依存するのか、もしくは、敗血症そのものに依存するのか?


【デザイン】観察コホート研究

【セッティング】US Health and Retirement Study

【被検者】  fee-for-service Medicare coverageを受け、敗血症入院患者、65歳以上960名(1998-2010)
マッチ化:現行非入院777名、非敗血症・感染 788名、急性無菌炎症性疾患入院 504名


【主要アウトカム測定】  後期(31日〜2年)死亡率と、期間変数時点での死亡オッズ

【結果】敗血症は非入院成人比較後期死亡率 絶対的増加 22.1% (95% 信頼区間 17.5% to 26.7%)
、非敗血症入院患者比較で絶対的比率増加 10.4% (5.4% to 15.4%)
急性無菌性炎症性疾患患者比較で絶対的比率増加  16.2% (10.2% to 22.2%)
 (P < 0.001 for each comparison)



 非入院成人に比較し、最低でも2年間は死亡率高率


【結論】 敗血症生存社5名に1人は敗血症前の健康状態により説明できない,遅発性の死亡を来しやすい

noteへ実験的移行

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