剖検報告:老人において海産物摂取は脳内水銀濃度増加をもたらすが、認知症・脳梗塞病理所見減少をもたらす 但し、APOE ε4キャリアのみ
http://kaigyoi.blogspot.jp/2016/02/blog-post_3.html
今度の報告は、 生きてる人間で認知機能減衰との関連を検討
APOE ε4 and the associations of seafood and long-chain omega-3 fatty acids with cognitive decline
Ondine van de Rest,et. al.
Neurology May 31, 2016 vol. 86 no. 22 2063-2070
目的: シーフードと長鎖n-3脂肪酸消費と5の認知機能ドメインを平均4.9年間相関性調査
方法:ongoingの加齢と認知症長軸、住民ベース疫学研究から、915名被検者(年齢 81.4 ± 7.2 歳、男性25%)、最低1回のフォローアップ認知評価・食事データ調査施行被検者
食事は半定量食事回数アンケート
全般認知機能と5つの認知ドメイン(episodic、semantic、working memory、perceptual speed、visuospatial ability)スコア を19の認知機能試験で評価
認知機能変化を他リスク要素補正mixed modelで関連性評価
結果: シーフード摂取は、(年齢、性別、教育、認知活動参加状況、身体活発、アルコール摂取、喫煙、総カロリー摂取補正)separate modelで、semantic memory減少緩徐化と相関 (β = 0.024; p = 0.03) 、 perceptual speed 減少緩徐化と相関(β = 0.020; p = 0.05)
二次解析にて、
APOE ε4 carrierでは週毎シーフード摂取量と食事中の長鎖n-3脂肪酸の中・高度摂取量における、全般認知と多認知機能ドメインの減衰緩徐化が明らかになった。
これら相関は、 APOE ε4 noncarrierでは見られない
α-リノレイン産の高摂取は全般認知機能減衰と相関し、APOE ε4 carrierでのみ見られる。
結論:これらの知見から、週毎のシーフード及び長鎖n-3脂肪酸の1mealによる多認知機能の減衰防御効果が示唆された。 APOE ε4の役割解明は今後の課題。
シーフード摂取量かなり少ないレベルで評価しているので多摂食の日本で是非詳細な質の高い検討を!