2012年11月14日水曜日

サッカー:脳しんとう未満微小打撃繰り返しの脳影響 ・・・ 画像化(TDI) 



有症状脳しんとう既往の無いプロ・サッカー選手でも、閾値未満の脳への振とう的影響が繰り返し生じている。その結果、白質への形態的変化を生じている。


MRI上の “high-resolution diffusion tensor imaging” (超高分解能拡散テンソル画像による皮質下白質トラクトグラフィー:TDI)による分析



"White matter integrity in the brains of professional soccer players without a symptomatic concussion"
Koerte I, et al
JAMA 2012; 308: 1859-1861.


いままでの報告でも、繰り返す外傷性頭部外傷で、長期悪影響出現の報告が有り、白質密度を含めた検討もあった。しかし、脳しんとう以下のくりかえす微小打撃からの影響は不明であった。

12名のエリートレベルの右利き男性サッカー選手と、対照として11名の年齢別競技選手レベルの水泳選手と比較。

対象者は、平均年齢21.4歳で、9年超のトレーニング歴、有症状脳しんとう歴なく、神経精神疾患を有さない

軽度外傷脳障害、軸索・ミエリンの病態のマーカーとして拡散テンソル画像(FA:fractional anisotropy 、 mean diffusivity)を測定


年齢・訓練期間補正後、サッカー選手では、右眼窩前頭皮質白質、脳梁の神経膝・前方区域のradial diffusivity増加観察され、両側下前頭後頭束、両側視放線、両側前帯状回、右前、右上、両側放線冠、右内包前脚、右外包、右上前回の神経線維を含む変化である(P<0 .05=".05" br="br"> 
軽度頭部外傷患者にみられる radial diffusivityの広汎な増加が観察され、脱髄の可能性が示唆される。

サッカー選手は、脳梁のaxial diffusivity高度であるが、FA、mean diffusivityの群間差は見られない。神経放射線医は脳の構造的異常を認めない。





RSNA報告: サッカーと脳障害画像診断証拠  2011年 11月 30日 

頭をつかうスポーツは頭が悪くなる? 2004/05/12
頭をつかうスポーツは頭が悪くなる 続編 2004/07/03


ボクシングなどの格闘技スポーツで検討して欲しい

文明国ではボクシングは追放されなければならない(2005年08月23日)
ヘッドギアしてもボクシングは頭に悪い (2006年09月12日
アマチュア・ボクシングによる慢性外傷性脳損傷の存在:否定的論文なのだが・・・ 2007年 10月 05日


ボクシングでは随分前に行われているが、神経解剖的所見に乏しい・・・
Distribution of microstructural damage in the brains of professional boxers: A diffusion MRI study
Journal of Magnetic Resonance Imaging Volume 24, Issue 3, pages 537–542, September 2006
深部白質のFA減少、皮質灰白質にADC減少



がん既往のある男性ではマルチビタミンでがん発生減少するかも・・・

マルチビタミンだからといって、有益性だけを考えてはいけない。相手無きフリーラジカル・スカベンジャー作用の有害性も考えられる。
閉経後女性:サプリメントで死亡リスク増加 マルチビタミン、ビタミンB6・・・(カルシウムは例外) 2011年 10月 11日
がん既往のある場合の男性ではマルチビタミンは、がん発症減少と関連するかもしれない。

Multivitamins in the Prevention of Cancer in MenThe Physicians' Health Study II Randomized Controlled Trial FREE
J. Michael Gaziano, et. al.
JAMA. 2012;308(18):1871-1880. doi:10.1001/jama.2012.14641.

大規模ランダム化二重盲検プラシーボ対照化トライアル (Physicians' Health Study II) 、米国医師 14 641名(50歳以上(平均[SD] 64.3[9.2]歳)、ランダム割り付け時がん病歴1312名

マルチビタミン 1997年開始、フォローアップ2011年6月1日まで

フォローアップ中央値(IQR) 11.2(10.7-13.3)年間、2669名のがん確認、前立腺癌1373、直腸結腸がん210名
プラシーボ比較で、マルチビタミン連日服用男性は有意にがん全体の発生率減少
(1000人年あたりマルチビタミン 17.0、プラシーボ群 18.3 イベント; ハザード比 [HR], 0.92; 95% CI, 0.86-0.998; P = .04)

前立腺がん、直腸結腸がん、部位特異的がんでは、マルチビタミン連日服用での有意な影響なし
前立腺がん 1000人年あたりマルチビタミン 9.1、プラシーボ群 9.2 イベント; ハザード比 [HR],  0.98; 95% CI, 0.88-1.09; P = .76
直腸結腸がん 1000人年あたりマルチビタミン 1.2、プラシーボ群 1.4 イベント; ハザード比 [HR],  0.89; 95% CI, 0.68-1.17; P = .39

がん死亡率リスクで有意差認めず(1000人年あたり マルチビタミン 4.9、プラシーボ 5.6、HR, 0.88; 95% CI, 0.77-1.01; P = .07

ベースラインでがん既往の有る場合の1312名の男性で、マルチビタミン連日使用は、がん全体で減少と関連する (HR, 0.73; 95% CI, 0.56-0.96; P = .02)
しかし、がん既往の無い場合の13329名の男性では有意で無い(HR, 0.94; 95% CI, 0.87-1.02; P = .15; P for interaction = .07).






PHSII: マルチビタミン 心血管疾患予防効果認めず 2012/11/06

   
骨折・がん・心筋梗塞・死亡組み合わせリスク最小ビタミンD濃度閾値はどの程度か?

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