2012年9月27日木曜日

新しいSARS様ウィルス: London1_novel CoV 2012

結果的には、WHOを信じれば、大騒ぎするほどのことでは無かった・・・ということに。

New virus not spreading easily between people: WHO(9月29日追記)
http://www.reuters.com/article/2012/09/28/us-virus-who-idUSBRE88R0F220120928

情報は限られているが、ヒト・ヒト感染の可能性は低い
EUのモニター機関である、 European Centre for Disease Prevention and Control (ECDC)は、この2名に関しては、接触から発症期間から考え動物から直接感染した事例と考えられ、人畜感染と考えている。

デンマーク人の事例はSARS否定(9月27日報道、9月29日追記)
Denmark patients not suffering 'SARS'
Updated: 14:11, Thursday September 27, 2012
http://www.skynews.com.au/health/article.aspx?id=799701





全般的に、前回のSARS(2003年)騒動の時より、医療系ジャーナルの動き緩慢な気がする。

現時点で、お膝元のthe Lancet(http://www.thelancet.com/http://www.thelancet.com/journals/laninf/issue/current)でも動き無し。前回大活躍だったNEJM(http://www.nejm.org/)も動き無し。


 ウィルス同定に関しては、今月、中東でスタートしたSARS様ウィルスは公的機関で確認され、2003年のSARSウィルスの時とは劇的に異なる対応がなされたとのこと。2003年の時は中国の隠蔽性のため遅れたという側面もあるし、技術発達のおかげでもあるだろう。SARSは2002年11月から2003年6月まで8098名が感染し、774名が死亡。2003年中に新規発症消失した。

 WHOによれば、症例のカタール人は、9月3日SARS症状、9月7日カタールのICU
英国へ4時間後搬送、Health Protechtion AgencyにてSARSに類似した未発見のコロナウィルスを同定
 サウジアラビアで1人死亡し、UKで入院した患者で、SARS様の症状
遺伝子シークエンシングの結果、SARSそのものでも、今までのコロナウィルスでもない、新種のウィルス両者から同定。99.5%同一と判明。
 25日にBritain's Health Protection Agencyが遺伝子シークエンシング部分的に同定。新種と同定、新しく命名された。
 このウィルスはこうもりのウィルスに類似し、SARSとは異なるものであると Ralph Baric (  University of North Carolina ;Chapel Hill)は述べている。


SARS様ウィルス:London1_novel CoV 2012


http://www.npr.org/blogs/health/2012/09/25/161770135/scientists-go-deep-on-genes-of-sars-like-virus



他.情報ソース
http://www.hpa.org.uk/NewsCentre/NationalPressReleases/2012PressReleases/120923acuterespiratoryillnessidentified/

この感染症は、封じ込めに失敗し、欧州での症例報告されてるが、調査が不充分なだけなのかもしれないが、カタール近隣諸国では同様の感染認められてないという不思議な状況にある。


逆に言えば、2002年の中国でのSARS出現(2003年急激拡大)とはことなり、急激な伝播がないということなのかも?
中国SARSの場合は、WHOがコンタクトするまで、3ヶ月かかり、すでに数百名の感染者がいたため、伝播した後だった。故に、今回も同様な広がりの可能性は有り、早期封じ込めが期待される。

日本の外務省は今日も国連行事に集中らしく、渡航注意も促されてない。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/index.html
感染症情報:http://www2.anzen.mofa.go.jp/kaian_search/pcinfectioninfo.asp#widearea
カタール:http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/quatar/index.html
サウジアラビア:http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/saudi/

厚労省も平和
http://www.mhlw.go.jp/




医師会経由で27日以下の情報伝達があったとのこと(28日追記)















【WHO】



 全般的に、情報少ない(初回・執筆時点)
Global Alert and Response (GAR)
Coronavirus infections

http://www.who.int/csr/disease/coronavirus_infections/en/index.html





・ Novel coronavirus infection in the United Kingdom
23 SEPTEMBER 2012 - On 22 September 2012, the United Kingdom (UK) informed WHO of a case of acute respiratory syndrome with renal failure with travel history to Saudi Arabia and Qatar.

http://www.who.int/csr/don/2012_09_23/en/index.html


・Novel coronavirus infection - update

25 SEPTEMBER 2012 - As of 25 September 2012, no additional cases of acute respiratory syndrome with renal failure due to infection with a novel coronavirus have been reported to WHO. WHO is continuing investigations into two recently confirmed infections identified as a novel coronavirus. Today WHO issued an interim case definition to help countries strengthen health protection measures against the new virus.

http://www.who.int/csr/don/2012_09_25/en/index.html







 [ロンドン 24日 ロイター] 
世界保健機関(WHO)は24日、SARS(重症急性呼吸器症候群)ウイルスに似た新型ウイルスに感染したカタール人男性(49)が重体であることを明らかにした。 男性は新規コロナウイルスに感染しており、現在は英国の病院で集中治療室に入っている。WHOのスポークスマンは、「国際的な懸案事項だ」とし、男性が危険な状態にあると話した。  この男性は最近サウジアラビアを訪問しており、同国ではすでに、同じとみられるウイルスに感染した男性1人が死亡している。  来月には、世界中から数百万人のイスラム教徒がサウジアラビアのメッカに巡礼に訪れることになっており、新型ウイルスと同国に何らかの関係があれば、感染拡大の懸念も高まることになる。



SARS-like virus confirmed on Qatari man

By Catholic Online (NEWS CONSORTIUM) 9/25/2012
Catholic Online (www.catholic.org)




新型ウィルスの疑いで5人隔離=SARSに似た症状 デンマーク

【コペンハーゲンAFP=時事】
デンマークのオーデンセ大学病院は26日、新型肺炎(SARS)ウィルスと同じ仲間の新型ウィルスによる呼吸器疾患の症状のある患者5人を病院内に隔離したと明らかにした。2人は5歳未満という。
 病院によると、5人は発熱やせき、インフルエンザのような症状が現れている。うち4人は家族で父親がサウジアラビアへの渡航歴が有り、もう1人はカタールへの渡航歴がある。同日中にもサンプル検査の結果が判明する見込みという。(2012/09/26-21:12)



SARSからの教訓2007年 03月 19日
http://intmed.exblog.jp/5256094/
SARSは2003年、800名死亡、病院が疾患の広がりに大きく係わったことを重要視すべきで、治療に係わった医療関係者が“super-spreading”としての働きをした。(WHO 、CDC、厚労省SARS関連情報)

基本的な感染防止策である手洗いやガウンなどを交換することを行うことを怠ったことも大きな要因であり、反省点とすべきであると述べている。

小児扁桃摘出術周術期デキサメサゾン投与:軽度出血リスク否定出来ないが、中等度以上の出血は増加しない

扁桃腺切除児へのステロイド周術投与は、術後の吐気・嘔吐を減少させるため用いられている。しかし、その周術リスクや術後リスクはどうなっているのか?


level II以上の出血イベントは増加させないが、level I程度の出血増加は否定出来ない。


Perioperative Dexamethasone Administration and Risk of Bleeding Following Tonsillectomy in Children:  A Randomized Controlled Trial  
LCDR Thomas Q. Gallagher, et. al.
JAMA. 2012;308(12):1221 doi:10.1001/2012.jama.11575

デキサメサゾン単回投与(0.5 mg/kg;最大投与量 20mg) vs 同等量の生理食塩水0.9%(プラシーボ)

157名(年齢 中央値[中間4分位]、6[4-8])

出血イベント デキサメサゾン群 17(10.8%) vs プラシーボ 13(8.2%)

ITT分析では、level I  出血発生率 デキサメサゾン群 7.0%(n=11) vs プラシーボ 4.5%(n=7) (difference, 2.6%; upper limit 97.5% CI, 7.7%; P for noninferiority = .17);
level II 出血発生率 デキサメサゾン群 1.9%(n=3) vs プラシーボ 3.2%(n=5) (difference, −1.3%; upper limit 97.5% CI, 2.2%; P for noninferiority < .001);

level III 出血発生率 1.9% (n = 3) vs プラシーボ 0.6% (n = 1)(difference, 1.3%; upper limit 97.5% CI, 3.8%; P for noninferiority = .002)


結論: 小児扁桃摘出中の周術デキサメサゾン投与は、超過、臨床的に重要レベルII、IIIといった出血イベントに関し非劣性閾値5%を横切らず相関しない。
しかし、level Iの出血イベントは、デキサメサゾンにより非劣性閾値5%を横切るためその増加可能性は除外出来ない。

noteへ実験的移行

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