健康不安症状に対して、認知行動療法も夢のような治療法ではないようだが、一定の効果は認める。
ただ、不安状態が正常者と同等となる比率は1割程度。医療コスト・社会コストを含めたトータル・コスト効果も証明されない。
Clinical and cost-effectiveness of cognitive
behaviour therapy for health anxiety in medical patients: a multicentre
randomised controlled trial
Prof Peter Tyrer, et.
al.
The Lancet, Early Online Publication, 18 October 2013
adapted cognitive behaviour therapy (CBT-HA group) ・5−10回セッション
vs
標準ケア
プライマリアウトカムは、1年時点での健康不安症状(Health Anxiety Inventory)(参照:http://www.kcl.ac.uk/iop/depts/psychology/about/support/CADAT/research/questionnaires/healthanxiety.aspx)
セカンダリ仮説は、トータルな健康コスト・社会的コスト
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16−75歳の心臓・消化器系、神経系、呼吸器系クリニック二次医療機関受診の健康不安患者・多施設ランダム化
スクリーン28991名のうち、444名をランダム割り付け
CBT-HT 群 219
標準ケア 225
1年後、CBT-HT群では、標準ケア群に比べ、2.98ポイント改善(95% CI, 1.64 - 4.33, p < 0.0001)
対照群に比べ、健康不安度正常到達比率多い (13.9 % vs 7.3%; オッズ比 2.15, 95%
CI 1.09 — 4.23, p = 0.0273)
6ヶ月後、2年時点でも同様な差があり、不安全般で一致した減少があり、程度は少ないが、うつも減少。
9名死亡のうち、対照群は6例、これらは全て既往疾患によるもの
社会的機能や健康関連QOLに関して両群間差を認めず
トータルの2年間のコストは同等性を示せなかったが、その差は有意ではなかった
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地域上高齢者比率の多い地区で医療をやってるが、高齢者だから達観するというよりかえって、健康不安を増大させている。特に、行政や各種公的保険は、予防が大事だといいながら、無駄な検診をあおり、健康不安をあおっていることが特に気になる。
健康不安に伴う無駄な行動、例えば、エビデンスなきサプリメント使用や過剰受診、宗教がらみに関わる時間やコストは莫大。過剰診療などは他の保険負担者に間接的被害をもたらす。