2012年10月24日水曜日

睡眠時無呼吸症候群・CPAP療法コンプライアンスと薬剤アドヒアランスは相関する ・・・ 守らない人は守らない

睡眠時無呼吸症候群がらみの交通死亡事故が生じているようだが・・・

追突の運転手、無呼吸症候群=「事故の記憶ない」、処分保留で釈放―首都高事故
2012年 10月 24日
http://jp.wsj.com/Japan/node_534998
トラック運転手の男(70)に、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の症状が確認されたことが23日、捜査関係者への取材で分かった。東京地検は男を処分保留で釈放。男が事前に眠気などに気付かなかったかなどを慎重に調べ、刑事処分を判断する。 
、本人に自覚が無ければ、あるいは、本人が、免許取得時や更新時申告しなければ、免許交付され、運転業務も可能となる。一方、睡眠時無呼吸スクリーニングに関しEpworth睡眠スケール以外に酸素飽和度による導入は一部進んでいるが、 義務化はされてない。「望ましい」で終わっている(参照:http://wwwtb.mlit.go.jp/tohoku/jg/kenkoukanri.pdf)。国の中途半端な対策が、上記死亡事故を引き起こしたとも言える。


また、一度診断され、治療されている場合でも、診断・CPAP療法など治療を行っておれば、その瑕疵は問われない。しかしながら、CPAP療法には、コンプライアンス不良な被治療者がみられる。
運転する条件として、コンプライアンス資料の定期的提出を義務づけさせることを勧めて欲しいものだ。

以下は、睡眠時無呼吸症候群でのCPAP療法のコンプライアンスは他の薬剤アドヒアランスと関連性を有するという、予想通りの結果である。

 Investigating the Healthy User Effect: Correlating CPAP Use and Medication Adherence
Paul Dieffenbach et. al.
CHEST.2012;142(4_MeetingAbstracts):1053A-1053A. doi:10.1378/chest.1386770
46名の患者の内、CPAPコンプライアンス(夜間日数70%超中、4時間超使用)35%

CPAPコンプライアンスは有意に心血管疾患薬物療法コンプライアンスと相関(p=0.016)、薬物アドヒアランスあたりのCPAPコンプライアンス [0.95,45]は、相対リスク 1.7倍 (95%CI [1.2,2.3])

個別薬剤クラス分析にて、脂質低下薬剤とCPAPコンプライアンスの有意な相関関係が見られた (p=0.02)

ワーファリン自己中断:中央値2.9年、5年間継続率3割未満

カナダ、オンタリオ州の住民ベースのコホート研究

5年後もワーファリン治療中止中断は、61.3%、中止中断期間中央値は、2.9年間

男性、若年者ほど中断しやすい


Persistence With Therapy Among Patients Treated With Warfarin for Atrial Fibrillation
Tara Gomes, et .al.
Arch Intern Med. 2012;():1-3. doi:10.1001/archinternmed.2012.4485.

  • 1997年4月1日から2008年3月31日まで心房細動のためワーファリン処方新規行った66歳以上の全住居者対象

  • 開始時 CHADS2 2以上はコホート内の69%, 86432名

  • 心房細動診断の1週間内治療開始 62,851, 50.2%
     
  • コホートの8.9%は、ワーファリン処方2回目fill行わず、1年内に31.8%治療中断、2年内で43.2%、5年内で51.3%治療中断
     
  • 男性の中止までの期間は2.6年、女性は3.2年間(p<0 .001=".001" br="br"> 
  • 66-76歳の患者の中止までの期間は中央値で2.7年 vs 85歳超では3.1年間(P<0 .001=".001" br="br"> 
  • 中止までの期間中央値は、CHADS2 0、3、6でそれぞれ、2.3年間、2.9年間、3.3年間(P<0 .001=".001" br="br"> 
  • ワーファリン開始患者2003年4月1日以降の治療アドヒアランスは3.2年間、以前は2.6年間(p<0 .001=".001" br="br">
 
薬効があっても、中断すれば、意味が無い・・・

フィブラートは軽症・中等症慢性腎疾患で効果あり ・・・ 島国での評価は・・・

フィブラート系は、スタチンとの併用差し控え、特に、慢性腎疾患(CKD) stage 3では慎重、さらにそれ以上では禁忌となっているため、イメージ上、フィブラートは腎疾患に悪影響を与えるというイメージがある。

だが、新しいメタアナリシスでは、軽症・中等症CKDでは、フィブラートは脂質特性を改善し、心血管イベント減少をもたらす。血中クレアチニン増加を示すが、長期的には、腎臓への悪影響を起こさず、人にベネフィットさえもたらすという報告となっている。

日本の腎疾患の世界(慢性腎臓病(CKD) 検診・治療は エビデンスに乏しい メタボ+CKD検診なんて詐欺に詐欺を重ねてるようなモノ H24.04.19)は、sCr至上主義となっており、この報告がまかり通るとは思えないが、島国以外ではこういう報告があることは知っておく必要があるだろう。


Effects of Fibrates in Kidney Disease
A Systematic Review and Meta-Analysis
Min Jun, et. al.
J Am Coll Cardiol 2012; DOI:10.1016/j.jacc.2012.07.049
pdf


Junらは、CKD患者の主たる死亡原因である心血管疾患であり、脂質異常が進行性腎疾患リスク要素である一方、クレアチニン増加この患者群に関する安全性懸念となっていた。
eGFR 60以下の軽症・中等症CKDで、フィブラートによる脂質特性改善(コレステロール -0.32 mmol/L、TG -0.56 mmol/L, HDL 0.06 mmol/L(以上は有意差)、LDL -0.01 mmol/L(p=0.83))し、主要心血管イベントを30%(RR 0.70, p=0.004)低下し、心血管死亡を40%(RR 0.60, p=0.03)減少させ、全原因死亡には影響を与えなかった。
アルブミン尿症進行減少14%(p=0.02)、血中クレアチニン 増加25%(p<0 .01=".01" m="m" min="min" ml="ml" sup="sup">2
, p=0.01)推定しかし、終末期腎疾患に検知される影響認めず (RR 0.85, p=0.575)

noteへ実験的移行

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