2014年8月8日金曜日

癌:組織・器官依存的分類から分子構造による分類へ

組織・器官による分類より分子的構造によるがんの分類が、より正確に、その診断と、治療可能性、アウトカムを予見できるという報告


Multiplatform Analysis of 12 Cancer Types Reveals Molecular Classification within and across Tissues of Origin
Katherine A. Hoadley , Christina Yau  Denise M. Wolf , et. al.
The Cancer Genome Atlas Research Network, Christopher C. Benzemail, Charles M. Perouemail, Joshua M. Stuartemail
http://www.cell.com/cell/abstract/S0092-8674(14)00876-9?cc=y?cc=y

pdf: http://www.cell.com/cell/pdf/S0092-8674(14)00876-9.pdf



解説:genomic sequencingによる癌の分類、 主要の分子学的makeupにより、少なくとも10%、可能性としては30-50%ほどはそれを分類できるという。
12種のがん、3500超のサンプル、乳がん、腎癌、膀胱、脳腫瘍、結腸、子宮内膜、肺などのがんなど。脳腫瘍のglioblastomaや白血病などのより進行性の高いものは、癌の局在がやはり重要とうことが際さされた。しかし、他のがんは、分子レベルで見ると、なに由来の器官か組織かは重要でなくkなる。扁平上皮性の頭頸部がんは肺癌の扁平上皮癌、膀胱癌の一部はTP53 alteration,TP53 amplification、免疫・増殖系遺伝子発現高度を示し、互いに類似する。
data-miningの利用ということで、生物学的新発見やあたらしい治療構築に役立つだろう・・・


New cancer classification system shows promise as lifesaver
Victoria Colliver
Updated 11:04 pm, Thursday, August 7, 2014
http://www.sfgate.com/default/article/New-cancer-classification-system-shows-promise-as-5675296.php


小児BCGワクチン:IGRA評価によるワクチン有効性確認 ・・・ 発症予防効果はより高い

(小児では、インターフェロンγ遊離分析(IGRA)を用いるのって、評価困難だと思ってた)


数々の有効性トライアルで、BCGワクチンの小児重症例への有効性60-80%とされ、特に髄膜炎への有効性が示されていた。地理的なばらつきが疾患既往のためよく分からずばらつきがあった。IGRAを用いたことで、BCGと肺結核感染を他の感染症を除外しつつ判定できることで、その効果を明瞭にできたところが大きい。



Effect of BCG vaccination against Mycobacterium tuberculosis infection in children: systematic review and meta-analysis
 BMJ 2014; 349
doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.g4643 (Published 05 August 2014) Cite this as: BMJ 2014;349:g4643

1950年から2013年の電子データベースによる参照リストから、14研究、 3855名の被験者

包括的リスク比 0.81(95%信頼区間, CI; 0.71 - 0.92) 、 小児へのワクチン予防効果は19%

2種のインターフェロンγ遊離分析(IGRA)、ELISpot、QuantiFERONの評価でも同様。

活動性結核発症情報有りの6つの研究(n=1745)に限定すると、感染予防効果は 27%(リスク比 0.73 , 0.61 - 0.87)、 活動性結核症への効果は 71% (0.29, 0.15 - 0.58)

感染者間で疾患発症予防効果は、58%(0.42 , 0.23 - 0.77)






IGRAによる評価による、BCG接種・結核予防効果





AHA/ASA 科学ステートメント:頸動脈解離との関連性:施術者はリスク熟知を、そして患者側は情報提示と承諾を!

頚部マニピュレーションと、頸動脈解離(CD : Cervical Artery Dissection)の関連性について、特に、若年・中年では、そのリスク発生の可能性高い。


カイロプラクティックや整形外科が米国ではその正式な施術者であり、彼らおよび被施術者への注意喚起になっている。


日本の整体は法的にレギュレーションされてないため、極めて危険な状況というのは言うまでも無い。柔道整復が近いのかもしれないが、捻挫の概念を逸脱した症例が多く、「手術療法と容認されない」可能性がある。



まぁ、なんにせよ、頚部のマニピュレーションにはご注意を!


AHA/ASA Scientific Statement
Cervical Arterial Dissections and Association With Cervical Manipulative Therapy
A Statement for Healthcare Professionals From the American Heart Association/American Stroke Association
Published online before print August 7, 2014, doi: 10.1161/​STR.0000000000000016tion
http://stroke.ahajournals.org/content/early/2014/08/07/STR.0000000000000016.abstract

頸動脈解離(CD)は、若年・中年患者にとって重要な虚血性卒中の原因。上部頸椎に最も多く、内頸動脈や椎骨動脈に生じる。


現行のバイオメカニカルなエビデンスでは、 cervical manipulative therapy (CMT)がCDを生じると主張するに必要なエビデンスは不十分でったが、臨床報告で、機械的な力によりCD症例に役割を果たすことは示唆されている。多くの住民対照研究でも、CMTと椎骨動脈解離卒中との関連性が若年患者で見いだされている。



以前CMTを受けた患者での、CMT関連頸動脈解離の頻度は確立されてないが、おそらく頻度は少ないだろうが、施術者は、頸動脈解離を現存する症状と強く考えるべきで、患者側も、CMT施術前に、頸動脈解離と、CMTの統計学的関連性について情報提供を受けるべきである。

腸内マイクロバイオーム:潜血検査よりポリープ・癌の検査前確率5倍アップ

腸内マイクロバイオームは、通常の fecal occult blood test (FOBT) の5倍もの感度で結腸癌や前癌病変を検知可能。ポリープにおいては尤度増加4.5倍、癌においては5.4倍


The Human Gut Microbiome as a Screening Tool for Colorectal Cancer
Joseph P. Zackular , et. al.
Cancer Prevention Research
Published OnlineFirst August 7, 2014; doi: 10.1158/1940-6207.CAPR-14-0129
http://cancerpreventionresearch.aacrjournals.org/content/early/2014/08/06/1940-6207.CAPR-14-0129.abstract



腸内マイクロバイオームの変化と直腸結腸癌の関連性


既知の臨床的リスク要素(BMI、年齢、人種)と合わせ、腸内マイクロバイオームは健康、腺腫、がんの鑑別性要素となりえる。

ベイズ法を用い、検査後確率を腺腫で50倍超引き上げられる。

例えば、65歳での検査前確率は0.17%だが、このマイクロバイオームデータを用いれば、10.67%へ確率引き上げられる(9例中1例で腺腫)


前癌状態、癌病変存在でも同様の結果を示した。

これを住民検査など横断研究へ進める予定のようだ。


労働者熱中症対策の要である順化期間を無視する日本・・・

テレビやラジオや新聞やらは、熱中症対策は、水を飲めば良いみたいな風潮を煽っている。あれで儲けるのは「水商売」屋であり、水中毒・低ナトリウム血症の危険性は無視。最近はOS-1などという非常時の飲水を常時飲むようにアドバイスする馬鹿まで現れて・・・ほんとに情けない。

これは、国が悪い!

日本の熱中症対策って、人間の熱順応を無視した提言だらけ・・・
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/nettyuu/

http://www.wbgt.env.go.jp/doc_prevention.php


  • 涼しい服装
  • 日陰を利用
  • 日傘・帽子
  • 水分・塩分補給
このワンパターン・・・


一方、「職場における熱中症対策」は、日本の他行政と同じく、米国ガイドラインの翻訳丸写しパターンであるが、一応、熱順化期間が書かれてる。







具体的には、「計画的に、熱への順化期間を設けるよう努めてください。 ※ 例:作業者が順化していない状態から、7日以上かけて熱へのばく露時間を次第に長くします。(ただし、熱へのばく露を中断すると、4日後には順化の喪失が始まり、3~4週間後には完全に失われます。)」


具体性に欠ける内容である。そもそも、労働者をまもろうという気概に欠ける、厚生労働省や環境省の馬鹿たちが、経営者に遠慮して、水伝説だけを目くらましにつかおうとしてんじゃないか・・・


米国では、具体的に・・・

「During a rapid change to excessively hot weather: Begin on the first day with 50% of the usual duration of work, 60% on the second day, 80% on the third, and 100% on the fourth.

「なれた労働者でさえ、初日 通常業務の50%、第2日60%、第3日80%、第4日100%」という労働内容にすべき。


・・・と記載される。



Heat Illness and Death Among Workers — United States, 2012–2013 Weekly
August 8, 2014 / 63(31);661-665
http://www.cdc.gov/mmwr/preview/mmwrhtml/mm6331a1.htm?s_cid=mm6331a1_w

noteへ実験的移行

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