ひとつの食事療法のみが常に他の食事法より優秀とは言えない
結論
健康的な低脂肪食(HLF) vs 健康的な低炭水化物食(HLC)の比較
- 5.3 kg vs -6.0 kgでほぼ同等で有意差無し
3つの遺伝子(PPARG, ADRB2, FABP2)からの3SNPs
low-fat-responsive、low-carbohydrate responsive genotypeとして被検者検討
仮説としては、インスリン抵抗性のあるgenotypeで低炭水化物食の有意性ありそうなものだが差を認めなかった
いろいろ示唆に富むRCTである
"Effect of low-fat vs low-carbohydrate diet on 12-month weight loss in overweight adults and the association with genotype pattern or insulin secretion: The DIETFITS randomized clinical trial"
Gardner C, et al
JAMA 2018; DOI: 10.1001/jama.2018.0245.
https://jamanetwork.com/journals/jama/article-abstract/2673150
Diet Intervention Examining The Factors Interacting with Treatment Success (DIETFITS)ランダム化トライアル:18-50歳、糖尿病なし、 509名、BMI 28-40
The dietary interventions were described previously.10
StantonMV,RobinsonJL,KirkpatrickSM,etal. DIETFITS study (Diet Intervention Examining The Factors Interacting With Treatment Success): study design and methods. Contemp Clin Trials. 2017;53: 151-161.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28027950
主要ゴールは、脂肪摂取と炭水化物摂取の差を最大となるようするも、治療強度・食事・飲料の質の高さは維持することとした
開始8週間被検者は総脂肪摂取、消化性炭水化物を 20 g/dまで減らす
食事減の最大優先は、脂肪・炭水化物摂取減としてカロリーコンテンツとしての特異的食品と食品群とした、例えば、食事オイル、脂肪性肉、全脂肪乳、ナッツを健康低脂肪職群では減量。シリアル、グレイン、米、デンプン性野菜、豆を健康低炭水化物食では減少指せる。
脂肪もしくは炭水化物を摂取最小レベル到達と考えられるまで、週毎に緩徐に脂肪、炭水化物を加減する。カロリー制限の明確なインストラクションは提示しない
両群とも、1)野菜摂取は最大、2)付加糖、穀粉、トランス型脂肪は最小限、3)加工食品、エネルギー源の高い、調理済み品は極力最小
HLF食、HLC食に無作為割り付け後、管理栄養教育者を中心に22回のセッション
農産物を購入し、加工食品を購入しないようにして、空腹感や飢餓を与えないように工夫、でなければ、維持は難しい
研究終了時も、ダイエットを終了するのではなく、いずれかの食事法を選択するよう指導した。
インスリン分泌とgenotypeパターンを全被検者評価
fat感受性高い(コホート中40%)、炭水化物感受性高い(コホート中30%)、何れも感受性ない、以上の3つのSNPsの組み合わせ
HLF群では、low-fat genotype 42.6%、low-carbohydrate genotype 27.2%
HLC群では、low-fate genotype 37.5%、 low-carbohydrate genotype 31.9%
12ヶ月後、平均主要栄養素は、HFL、HLCでそれぞれ、炭水化物 48% vs 30%、蛋白 21% vs 23%、脂肪 29% vs 45%
両食事法とも、BMI、体脂肪比率、ウェスト径、脂質、血圧、インスリン・血糖値 12ヶ月後改善。しかし、HLC群は、HLF群に比べHDLコレステロール値、TG値改善
12ヶ月間の減量と、食事-genotype相関なし、食事-インスリン分泌(INS-3)相関無し (P = .20 , P= .47)
2つの食事群横断的にevenに副事象・重大副事象イベントあり
減量効果は、食事そのものよりコンプライアンスに依存するという既報と一致した。
一方、 genotypeにマッチすることで減容の差を有すると筆者等は考えていたとのこと
表を一部日本語訳してみた
- BMIは有意差無いが、若干 健康的低炭水化物食の方が低下傾向とみるが・・・論文的には有意差無し
- 脂質特性はやはり脂質制限の方がやはり低下
- 呼吸交換比はベースライン群間差は有意でないが、ランダム化後はどのタイミングでも低脂肪食群より低炭水化物食群で低い(炭水化物は呼吸商 1.0、脂質は 0.7なので遵守性の指標でもある)
健康的な配慮ある、低炭水化物ダイエットと低脂肪食 さほど違いは無いそうだが
論文結論と異なり、脂質特性など微妙に差がでるな印象