2016年6月29日水曜日

果物/野菜値引きインセンティブ:穀類を減らし、野菜果物摂取を促す効果

真の経済的インセンティブの使い方というのはこういうのを言うのだろう



Financial incentives increase fruit and vegetable intake among Supplemental Nutrition Assistance Program participants: a randomized controlled trial of the USDA Healthy Incentives Pilot
Lauren EW Olsho ,et. al.
First published June 22, 2016, doi: 10.3945/​ajcn.115.129320
Am J Clin Nutr ajcn129320
http://ajcn.nutrition.org/content/early/2016/06/22/ajcn.115.129320.abstract

対象のフルーツ・野菜(FV):TFVs
TFVs購入時30%リベートを受け取るインセンティブ

 Supplemental Nutrition Assistance Program (SNAP) の是非検討

これにより平均TFV摂取回帰補正量は、0.24 (95% CI: 0.13 - 0.34 )カップ等量/日増加
全フルーツ・野菜摂取量横断的(AFVs)にも、 0.32 (95% CI: 0.17 - 0.48 )カップ等量/日増加

AFVsとTFVsの差は、(リベートに含まない)100%フルーツジュース購入量増加で説明可能

精製穀類摂取量は、 USDA Healthy Incentives Pilot (HIP)で 0.43 (95% CI: −0.69, −0.16 ) オンス等量低下し、差し引き効果あり

AFV摂取増加/精製穀類摂取減少は、Healthy Eating Index–2010 score改善に寄与  (4.7 points; 95% CI: 2.4, 7.1 points)




例えば、地域振興券やふるさと納税でのインセンティブは必ずしも健康的な食生活を促進するものではない 。国あたりが付加的に野菜果物など健康的な食生活を促進するため、さらなるインセンティブを加えれば、健康増進的な施策となるのだろうが・・・


レッドミートやアルコール摂取を促すばかり

抗うつ薬:うつ保有慢性EF低下心不全の重度アウトカム・気分障害改善に有効と言えない

心不全での“うつ”は頻度として多く、臨床的副事象として関連するわけだが、SSRIの長期有効性・安全性は未知


結論から言えば、うつを有する低駆出率慢性心不全患者では、エスシタロプラム治療18ヶ月はプラシーボ対照群に比べてもその治療効果見いだせない



Effect of Escitalopram on All-Cause Mortality and Hospitalization in Patients Wi
th Heart Failure and Depression
The MOOD-HF Randomized Clinical Trial
Christiane E. Angermann,et. al.  for the MOOD-HF Study Investigators and Committee Members
JAMA. 2016;315(24):2683-2693. doi:10.1001/jama.2016.7635.


エスシタロプラム24ヶ月治療で、慢性収縮期心不全・うつ合併患者の死亡率・合併症・気分改善に繋がるかどうか?

2重盲検プラシーボ対照臨床トライアル(ドイツ、16箇所3次医療センター)
2009年3月から2014年2月、NYHA II-IV心不全、EF45%未満 PHQ-9によるうつスクリーン
DSM-4に基づく構造化臨床インタビューによるうつ診断

介入:エスシタロプラム 10-20mg/日 vs matching プラシーボ
24ヶ月介入

主要アウトカム・測定:全原因死亡・入院
事前登録二次アウトカムは、治療12週時点での安全性・うつ重症度
(10-item Montgomery-Åsberg Depression Rating Scale (total possible score, 0 to 60; higher scores indicate more severe depression))


 372名(平均年齢、62歳;女性24%)をランダム化、対象薬剤1回投与以上服用(データ安全性モニタリング委員会の早期中止推奨時)
被検期間中央値: エスシタロプラム 18.4ヶ月(n=185)、プラシーボ群 18.7ヶ月(n=187)
プライマリアウトカム(死亡・入院)は、エスシタロプラム  116 (63%) vs プラシーボ 119 (64%):  (hazard ratio, 0.99 [95% CI, 0.76 to 1.27]; P = 0.92)

Montgomery-Åsberg Depression Rating Scale sum score 平均は、
エスシタロプラム:ベースライン 20.1 、12週 11.2  (between-group difference, −0.9 [95% CI,−2.6 to 0.7]; P = 0.26)
安全性パラメータは同等








別の報告



広範な住民でのSTEMI減少現象とは逆に、STEMI発生はうつ合併患者では減少せず
STEMI&うつ合併患者ではPCIによる再還流療法をうける患者少ない






治療に抵抗を示すということか・・・

Comparison of Recent Trends in Patients With and Without Major Depression and Acute ST-Elevation Myocardial Infarction
Joshua Schulman-Marcus, et. al.
The American Journal of Cardiology 30 March 2016 3 June 2016 14 June 2016
http://www.ajconline.org/article/S0002-9149(16)31122-5/abstract

ST上昇型心筋梗塞(STEMI)連続横断解析 (荷重n=3,057.998):国内入院サンプル(2003-3012年)
うつ比率 5%、 153,180
うつ患者は、女性 (55% vs 37%)、白人に多く(86% vs 78%)、粗死亡率低下と関連(12.0% vs 14.2%; p<0 .001="" all="" br="" for="">経時的に、STEMI頻度はうつ無しの患者では52%減少 (p for trend <0 .001="" br="">しかし、うつ有り患者では不変 (p for trend 0.74)

PCI使用増加全群で研究期間中通して増加  (p for trend <0 .001="" br="">うつは、PCI補正オッズ低下と相関 (odds ratio 0.90, 95% 信頼区間 0.89-0.92, p<0 .001="" br="">




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