2015年3月3日火曜日

1日コーヒー3〜5杯で冠動脈カルシウム所見リスク減少?


この報告だと、コーヒー3〜5杯程度が適当ということになりそう。

A "coffee cup" is 1.5 dl or 150 millilitreshttp://en.wikipedia.org/wiki/Cup_(unit)


Coffee consumption and coronary artery calcium in young and middle-aged asymptomatic adults
Heart doi:10.1136/heartjnl-2014-306663 
目的 若年・中年無症状男女大規模サンプルに於ける習慣的コーヒー摂取と冠動脈カルシウム所見(CAC)頻度の相関性

方法 横断研究  信頼性ある食物アンケート、MDCTのCACスコアを含む、臨床的心血管疾患所見ない医療スクリーニング検査施行した男女  25 138名 (平均年齢 41.3 歳)
CACスコア比は、コーヒー飲用無しと比較したときのコーヒー消費量と関連するかどうか推定のための 共役要素補正後のrobust Tobit regression 解析。

結果
CAC検出頻度(CAC スコア 0超)は13.4% (n = 3364)
CAC 1-100 11.3% (n = 2832)
CAC 100超 2.1% (n = 532) 
コーヒー飲用 平均±SD 1.8±1.5 杯/日 多変量補正CACスコア比(95% CIs) 1未満, 1 - 3未満 , 3 -  5未満 , 5以上群を無摂取群>比較で検討すると、 0.77 (0.49 - 1.19) , 0.66 ( 0.43 - 1.02), 0.59 ( 0.38 - 0.93)  ,  0.81 ( 0.46 - 1.43) p for quadratic trend 0.01 
この相関は、年齢・性・喫煙状態・アルコール消費・肥満・糖尿病・高血圧・高コレステロール血症によるサブグループでも同様。
       
結論 臨床的な所見明らかでない男女の大サンプルにおいて、コーヒーの中等度摂取は、subclinical coronary atherosclerosis発生率減少と相関。



コーヒーの適正飲料量はそのターゲットや調査形式などによりばらつきあるようだ


コーヒー摂取量多いと、死亡率増加 ・・・ 特に55歳未満
http://kaigyoi.blogspot.jp/2013/08/blog-post_5073.html

週 28カップを超えると死にやすい




2型糖尿病:コーヒー摂取量が増えればリスク減少、減ればリスク増加

http://kaigyoi.blogspot.jp/2014/04/2_7448.html




他、多発硬化症への予防効果 Greater Consumption of Coffee is Associated with Reduced Odds of Multiple Sclero
https://www.aan.com/PressRoom/Home/GetDigitalAsset/11535



身体的・性的暴力行為は高校生の健康リスクを高める

Teen dating violence (TDV)という熟語が存在するんだということに驚き

定義らしき記載は、「a pattern of behavior that includes physical, emotional, verbal or sexual abuse used by one person in an intimate relationship to exert power and control over another」
http://www.mocadsv.org/What%20is%20Teen%20Dating%20Violence%20TDV.aspx

とあり、身体、感情的、言語的、性的な暴力を含むようだ。

故に、広汎な概念のようだ


ここでは身体的・性的同時暴力が問題

Teen Dating Violence (Physical and Sexual) Among US High School Students
Findings From the 2013 National Youth Risk Behavior Survey
Kevin J. Vagi, et. al.
JAMA Pediatr. Published online March 02, 2015. doi:10.1001/jamapediatrics.2014.3577

2013年1年間のうち、デート経験の高校生のうち、女子高校生 20.9% (95% CI, 19.0%-23.0%) 、 男子高校生 10.4% (95% CI, 9.0%-11.7%)が、なんらかのTDVを経験

身体的TDV単独、性的TDV単独、身体的・性的同時TDV、なんらかのTDVの項目全てで女性が男性より多い。

健康リスク行為全ては、身体的・性的同時TDV経験者に多く、全く経験無しの高校生では少ない  (all P < .001)



認知超・MCIの過度降圧は危険

認知症や認知機能障害高齢者に極度の降圧治療は危険という認識はあるが、適正値はいかに?そして、診察室での血圧は血圧モニタリングに役立つのか?


Effects of Low Blood Pressure in Cognitively Impaired Elderly Patients Treated With Antihypertensive Drugs
Enrico Mossello, et. al.
JAMA Intern Med. Published online March 02, 2015. doi:10.1001/jamainternmed.2014.8164

【目的】診察室血圧、ABPM評価、降圧剤治療の項目が、認知症や軽度認知障害患者の認知機能低下予測評価となり得るか

【デザイン・セッティング・被験者】2つの外来記憶クリニックにおける認知症・MCI患者の9ヶ月中央値フォローアップ 2009年6月1日から2012年12月31日まで


【主要アウトカム・測定】 認知機能低下( Mini-Mental State Examination (MMSE)  )のベースラインからの変化

172名(平均(SD)年齢 79(5)歳、 平均(SD)MMSE スコア 22.1(4.4))を解析
認知症 68.0%、 MCI 32.0%
降圧治療 AHDs開始 69.8%

昼間収縮期血圧(SBP)最小3分位 128 mmHg以下では、MMSEスコア変化最大 (平均[SD], −2.8 [3.8])
中央3分位(129-144 mm Hg) では、 平均[SD],  −0.7 [2.5]; P = .002
最大3分位(≥145 mm Hg) では、 平均[SD], −0.7 [3.7]; P = .003

認知症、MCIサブグループにおいて相関があったのは、 降圧剤治療群のみ

多変量解析モデル(年齢、ベースラインMMSE、心疾患合併状態スコア)によれば、認知症・MCI群とも、昼間のSBP3分位と降圧剤治療は独立して認知機能低下に関連する。

診察室SBPとMMSEスコア変化量の相関は弱い
さらに持続血圧測定値モニタリング指標は、MMSEスコア変化量と相関せず
【結論】 認知症・MCI高齢者において、降圧剤による昼間の収縮期血圧低下は、独立して認知機能低下と相関する。収縮期血圧の過剰な低下治療は、認知機能障害高齢者にとって有害である可能性。高齢者認知症・MIC患者の高血圧回避のためには、ABPMが有益かもしれない。



血圧は必ず120/60にしなければならないと思っている人々がいまだ世の中に多くいて・・・困る。医療知識アップデート機会の少ない職員が認知症・MCI患者のケアに関与するわけで、彼らが誤った考えを持ってると、医療機関との関連性を悪化させる。そういう事例も経験する。

正に血圧をコントロールする必要性も同時必要だが、過度の降圧=認知症悪化という認識を一般にも広める必要がある。

ランダム化トライアル:運動強度と腹部肥満減少効果は関連無く、食後血糖減少効果とは関連性あり

運動強度と、耐糖能・肥満リスクの関連性に関わる、2009年から2013年の24週間単一施設平行群研究


運動量固定した場合、低運動量・低強度運動 セッション毎 女性 180kcal/男性 300kcal/男性と、高運動量・高強度 女性 360kcal/男性 600 kcalでは、腹部肥満への効果同等。しかし、食後2時間血糖減少効果は高運動量ほど低下。



Effects of Exercise Amount and Intensity on Abdominal Obesity and Glucose Tolerance in Obese Adults: A Randomized Trial
Robert Ross, et. al.
Ann Intern Med. 2015;162(5):325-334. doi:10.7326/M14-1189

被験者:300名の腹部肥満成人
介入: 対照 (no exercise) (n = 75)
or
5 週間セッション 低運動量、低強度運動:  low-amount, low-intensity exercise (LALI) (180 and 300 kcal/session for women and men, respectively, at 50% of maximum oxygen consumption [V̇o2peak]) (n = 73)
高運動量、低強度運動: high-amount, low-intensity exercise (HALI) (360 and 600 kcal/session, respectively, at 50% of V̇o2peak) (n = 76)
 or
高運動量、高強度運動: high-amount, high-intensity exercise (HAHI) (360 and 600 kcal/session, respectively, at 75% of V̇o2peak) (n = 76)

連日非監視下身体活動性・非活動時間: accelerometer測定

測定:ウェスト径・食後2時間血糖をプライマリアウトカム、心血管系フィットネス・インスリン作用をセカンダリアウトカム

結果: 完遂  217 名 (72.3%)


平均運動時間/セッション毎分数 
LALI 31 (SD, 4.4)
HALI 58 (SD, 7.6)
HAHI 40 (SD, 6.2)


非監視下身体活動性・非活動時間に、グループ間差認めず ( p > 0.33)

年齢・性別線形mixed modelでは、対照と比べウェスト径減少効果 
LALI −3.9 cm [95% CI, −5.6 to −2.3 cm]
HALI −4.6 cm [CI, −6.2 to −3.0 cm]
HAHI −4.6 cm [CI, −6.3 to −2.9 cm]; P < 0.001 )

しかし、運動介入群間では差を認めず P > 0.43 )

共役要素補正後、食後2時間血糖減少はよりHAHI群で大きい (−0.7 mmol/L [−12.5 mg/dL] [CI, −1.3 to −0.1 mmol/L {−23.5 to −1.5 mg/dL}]; P = 0.027)
しかし、LALI、HALI群では対照と差を認めず ( p > 0.159 )

対照群と比較した体重減少は、全ての運動群で見られ(P < 0.001)、運動群間の差は認めない  (P > 0.182)








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