2017年12月20日水曜日

小児上気道炎:広域スペクトラム抗生剤にて副事象悪化、QOL悪化リスク増加

前提として「American Academy of Pediatricsの推奨としてペニシリンあるいはアモキシシリンをともに狭域スペクトラム抗生剤として中耳炎の多くに第一選択として推奨」と序文記載されているので、クラブラン酸入れば広域スペクトラム


急性気道感染の子供に広域スペクトラム抗生剤の方が狭域スペクトラム抗生剤より臨床的、患者中心アウトカム指標において優越性あるか?・・・というテーマ


要約としては
後顧的コホート(急性中耳炎、A群連鎖球菌性咽頭炎、急性副鼻腔炎の30.159名)
広域 vs 狭域スペクトラム抗生剤治療で、治療失敗と相関せず
しかし、副事象イベントは高率 3.7% vs 2.7%
前向きコホート、2472名の子供では、広域 vs 狭域でQOL悪化、副事象率増加 (35.6% vs 25.1%)と相関


Association of Broad- vs Narrow-Spectrum Antibiotics
With Treatment Failure, Adverse Events, and Quality of Life
in Children With Acute Respiratory Tract Infections
Jeffrey S. Gerber, et al.
AMA. 2017;318(23):2325-2336. doi:10.1001/jama.2017.18715
30159名の後顧的検討(中耳炎 19,179、A群レンサ球菌咽頭炎 6,746、急性副鼻腔炎 4,307)


4307名(14%)がアモキシシリン・クラブラン酸、セファロスポリン、マクロライドを含む広域抗生剤処方。広域スペクトラム治療は治療失敗率低下とは相関せず (広域 3.4%  vs 狭域 3.1%  ; full matched analysis risk difference , 0.3% [95% CI, −0.4% to 0.9%])

前向きコホート 2,472 ( 急性中耳炎 1,100、A群溶連菌性咽頭炎 705、 急性副鼻腔炎 667)のうち、広域スペクトラム抗生剤 868(35%)
広域スペクトラム抗生剤は、QOL悪化と関連  (score :広域 90.2 f vs 91.5 for 狭域;   full matched analysis risk difference, −1.4% [95% CI, −2.4% to −0.4%]) 、しかし他の患者中心アウトカムでは相関認めず

広域スペクトラム治療は臨床家記載副事象において副事象イベントリスク高値 (広域 3.7% vs 狭域 2.75 、full matched analysis risk difference 1.1% [95% CI, 0.4% to 1.8%])
患者記載副事象も同様(広域 35.6% vs 狭域 25.1%、 full matched analysis risk difference, 12.2% [95% CI, 7.3% to 17.2%])

JAMA. 2017;318(23):2325-2336. doi:10.1001/jama.2017.18715





バイシリンG問題はどうなったのだろう?

臨床トライアル統計解析計画:statistical analysis plan (SAP)のためのガイドライン

JAMA | SpecialCommunication
Guidelines for the Content of Statistical Analysis Plans in Clinical Trials
Carrol Gamble, et al.
JAMA. 2017;318(23):2337-2343. doi:10.1001/jama.2017.18556


臨床トライアルにおける統計解析計画:statistical analysis plan (SAP)の透明性・再現性担保のため開発された推奨



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