2013年12月28日土曜日

POTS(体位性起立性頻拍症候群)子供は、ビタミンB12欠乏と関連する

 

 ビタミンB12は、ノルアドレナリン → アドレナリン産生に関与。カテコラミン消費に関与するcofactorであり、ミエリン合成にも関与する。

POTS(体位性起立性頻拍症候群): 血圧はさほど変化しないにもかかわらず, 起立時に心拍数が異常に増加し, 失神前駆症状・運動不耐性・疲労・ふらつき・眩暈などの起立性不耐性を発現する大きな患者群


 青年期のpostural orthostatic tachycardia syndrome (POTS)とビタミンB12状況の関連性が以下の比較的小規模症例対照研究で明らかになった。


Postural Orthostatic Tachycardia Syndrome (POTS) and Vitamin B12 Deficiency in Adolescents
Taliha Öner, et. al.,
Pediatrics Published online December 23, 2013 (doi: 10.1542/peds.2012-3427)

血中ビタミンB12値は、患者群で低値 (47.2% vs 18%, P < .001)
患者群では、POTSパターンの子供では、POTS反応無しのこどもに比べ、ビタミンB12低値  (P = .03)。



飲酒と持続血圧・高齢者住民ベース研究  →極軽度飲酒は昼間血圧変動改善、重度飲酒は拡張期血圧高値 へ

 高血圧業界では、血圧変動が今トピックスのひとつのようだ。アルコールとの関連しての報告深い。週1回から月1回の飲酒って、飲酒といえないくらいの量であり、このために飲酒を勧めるってことはないだろう。故に、健康のため飲酒アドバイスなんてあり得ないはず。

 重度アルコール摂取は、高血圧と関連するが、より軽度のアルコール摂取による血圧への影響は議論のあるところ。軽度飲酒による心血管疾患防御効果は以前の研究によれば一部には血圧のアルコールへの効果を介するとするものもあるが、高血圧による合併症増加するはずの高齢者での研究が少ない。故に、この報告では、アルコール摂取量と24時間ABPMの関連性を住民ベース高齢者研究でおこなったもの

中等度飲酒から重度飲酒(1ドリンク/日以上)は、拡張期血圧高値 と関連
極軽度(1ドリンク/週1回から月1回)では昼間の血圧変動は、極軽度飲酒者ではその減少をもたらす。

Alcohol Consumption and Ambulatory Blood Pressure: A Community-Based Study in an Elderly Cohort
Marie-Perrine Jaubert, et. al.
Am J Hypertens (2013) doi: 10.1093/ajh/hpt235 First published online: December 21, 2013

 寄与共役因子補正後 、昼間拡張期血圧、夜間拡張期血圧、24時間拡張期血圧は、中等度・高度飲酒者では参照群より高値 。収縮期血圧は消費量群横断的に有意な差を認めず。

 参照群に比べ、昼間の収縮期血圧・拡張期血圧変動とも、極軽度飲酒者では有意に減少し、寄与可能因子の影響と独立した現象である。


血圧への影響は上記ごときかもしれないが・・・がんでは安全閾値は存在しない可能性

飲酒は少量でもがん死亡リスク増加する ・・・ 適量ならOKとはいえない;無閾値の可能性 2013/02/18 


にしても・・・  「オーストラリア、ニュージーランドは10g、デンマークは12g、英国は8gです。 わが国の場合、近年、1ドリンク = 10gという基準量」という国毎のバラバラぶり・・・飲酒医学がユニバーサルでないという証拠では?・・・まず、統一しろよ!



e.g.) イギリスではユニット=8g:http://kaigyoi.blogspot.jp/2013/12/blog-post_8767.html




データマイニング技術:SSRIはセロトニン取り込み阻害作用つよいほど入院死亡率増加;ジェイゾロフト・パキシル


データマイニング技術利用により、SSRIの悪しき側面が明らかになった。


Leveraging a critical care database: SSRI use prior to ICU admission is associated with increased hospital mortality
Marzyeh Ghassemi ,et. al.,
Chest. 2013. doi:10.1378/chest.13-1722 

【背景】
最近の観察研究では、SSRI服用患者において、出血、卒中のような副事象リスク増加、死亡率増加との関連性が見られる。これらの薬物を使用してた場合の結果として、重症患者のアウトカムへのインパクトは検討されてない。この報告は、後顧的研究で、入院前SSRI使用が死亡率に関連するか、ICU入室患者で死亡率の差を検討。

【方法】
publicly available MIMIC 2.6 databaseに適応される修正data mining techniqueを後顧的研究として行い、患者記録14,709、SSRI/SNRI群 2,471、対照群 12,238を解析。アウトカムは、入院死亡率。

【結果】
 年齢、Simplified Acute Physiology Score、昇圧剤使用補正後、SSRI/SRI使用は、入院死亡率増加と有意に関連する (OR 1.19, 95% CI 1.02 – 1.40, p = 0.026)
 患者サブグループにおいて、リスクは急性冠症候群患者で最も高く (OR 1.95, 95% CI 1.21 – 3.13, p = 0.006)、Cardiac Surgery Recovery Unit (OR 1.51, 95% CI 1.11 – 2.04, p = 0.008)患者で高い。
 死亡率は、特異的SSRI使用により死亡率別ばらつきあり、セロトニン抑制率が高いほど高率。

【結論】
入院前SSRI/SNRI使用患者は対照と比較し、ICU患者での入院滞在死亡率有意増加する。
死亡率はセロトニン再取り込み阻害率が高い薬剤ほどSSRI/SNRI薬剤服用患者で死亡率増加する。研究は、臨床的データベースをより詳細に、さらに増大することで、データベース検討技術を進化させ、薬品のデジタル化利用にいかしていきたい。





Citalopram:セレクサ
Escitalopram:レクサプロ
Fluoxetine:プロザック
Sertraline:ジェイゾロフト(ゾロフト)
Paroxetine:パキシル
特に、ジェイゾロフトなんて、取り込み阻害率が高いことが宣伝文句だったわけで・・・
レクサプロ(シタロプラムのS体)はセロトニン再取り込み阻害が弱いのが特徴で、口渇・便秘・眠気なども弱く、効果発現も早いので比較的使いやすい薬剤ではある。
いずれにせよ、SSRI長期使用というのは全てに問題だとは思うが・・・




肺炎入院患者での閉塞型無呼吸患者の特性:入院しやすく、病状重症化・医療資源利用悪化に寄与

 入院患者の7%近くに閉塞型無呼吸が存在する。さて、この疾患合併をどう取り扱うかが今後の問題だろう。手術との関連性は議論の対象だが、一般の内科入院ではどうか?

 以下の報告である肺炎入院患者では、入院死亡率への影響は少なかった。これは、OSA合併により、より軽症で入院となった因果律の逆転なのかもしれない。

Prevalence, Treatment and Outcomes Associated with Obstructive Sleep Apnea Among Patients Hospitalized with Pneumonia
Peter K. Lindenauer,et.al.,
Chest. 2013. doi:10.1378/chest.13-1544 

【背景】閉塞型無呼吸:Obstructive sleep apnea (OSA)は、手術後の呼吸器合併症リスク増加と関連するが、入院内科患者のアウトカム関連性報告は未知。

【方法】347の米国病院・肺炎患者後顧的コホート施行。OSA診断有無患者両群において、特性、治療、合併症と死亡リスクを他の患者・病院特性を補正比較。

【結果】 250,907名の患者の家、OSA診断 15,569(6.2%)。
OSA患者は寄り若年  (63 vs. 72 years)、より男性に多く (53% vs. 46%)、既婚者が多い(46% vs. 38%)、肥満頻度が高い (38% vs. 6%)、慢性肺疾患率が高く (68% vs. 47%)、心不全率も高い (28% vs. 19%)。

OSA患者は、入院必要性と関連する侵襲性人工呼吸(18.1% vs. 9.3%)、非侵襲性人工呼吸  (28.8% vs. 6.8%) となりやすい。

多変量解析後、OSAの存在は、入院日3日目以降の集中治療へのtransferリスク (OR 1.54, 95% CI 1.42 – 1.68)、挿管リスク(OR 1.68, 95% CI 1.55 – 1.81)となりやすく、入院長期化しやすい(RR 1.14, 95% CI 1.13 – 1.15)、そして高コスト (RR 1.22, 95% CI 1.21 – 1.23) だが、死亡率は低い  (OR 0.90, 95% CI 0.84 – 0.98)。


【結論】肺炎入院患者において、OSAは、初期人工呼吸必要性増加し、臨床的悪化・医療資源高度利用のリスク増加するが、入院死亡率に関するリスクはさほどかさ上げしない。

重症市中肺炎:ガイドラインによる早期・他剤・より大量抗生剤投与で死亡率減少

重症・市中肺炎(severe community-acquired pneumonia)

Europe (CAPUCI studies). CAPUCI I と IIの比較コホートマッチ化症例対照研究


IDSA/ATSガイドライン
Mandell LA, Wunderink RG, Anzueto A et al. Infectious Diseases Society of America/American Thoracic Society consensus guidelines on the management of community-acquired pneumonia in adults. Clin Infect Dis. 2007; 44(2S): 27-72.
http://www.thoracic.org/statements../resources/mtpi/idsaats-cap.pdf

これの導入前後で、より併用、初期投与量増加 27.5%→70%
その結果、ICU死亡率減少した。

多変量解析でゃ、ICU死亡率は、人工呼吸必要性で増加し、早期抗生剤投与患者で減少


Decrease in Mortality in Severe Community-Acquired Pneumococcal Pneumonia: Impact of Improving Antibiotic Strategies (2000-2013)
Simone Gattarello, et. al.,
; on behalf of CAPUCI II study investigators


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