2019年1月18日金曜日

ARDS:好中球/リンパ球比率(NLR)は予後因子

全身性炎症は重症患者の疾患進行の重要な原因であり、一般に敗血症症候群と関連。炎症はARDSの発症と進行にも関連し、敗血症はARDSの進行リスクが高いことと関連。
ストレスに対する循環白血球の生理学的免疫応答は、好中球の増加とリンパ球の減少を特徴とすることが多いため、好中球とリンパ球の比(NLR)が固形腫瘍などの様々な疾患における予後マーカーであることが示されている。他、心血管疾患および慢性閉塞性肺疾患(COPD)でもNLRが重症患者の予測因子として調査されている。

重症敗血症および敗血症性ショックの研究において、NLRは28日の死亡率と独立して関連していることが報告され、NLRは、重症患者における短期死亡率と長期死亡率の両方の独立した指標であることが示されている。

そういう流れで検討


The Association Between the Neutrophil-to-Lymphocyte Ratio and Mortality in Patients With Acute Respiratory Distress Syndrome
A Retrospective Cohort Study
Li, Weijing , et. al.
Shock: February 2019 - Volume 51 - Issue 2 - p 161–167


ARDSの発症に全身性炎症関与しているが、好中球/リンパ球比(NLR)指標がその後の予後に関する炎症性マーカーとなるか?

後顧的検討

224名で、NLR 四分位比較  6.88 (4.61–7.94)、13.06 (11.35–14.89)、 20.99 (19.09–23.19)、 39.39 (32.63–50.15)

28日死亡率:  10.7%、19.6%、 41.4%、 53.6% (P < 0.001)

Cox回帰分析にてNLRは28日死亡率の有意リスク要素
参照値比較補正ハザード比 第2四分位:1.674, 95% 信頼区間 [CI], 0.462–6.063, P = 0.432 第3四分位:HR = 5.075, 95% CI, 1.554–16.576, P = 0.007 第4・四分位:HR = 5.815, 95% CI, 1.824–18.533, P = 0.003

同様傾向がICU死亡率、入院死亡率でも示された



COPDシステミック・レビュー:ビタミンD低値患者へのビタミンDサプリメント補給は中等度以上の急性増悪発生率低下の可能性

Vitamin D to prevent exacerbations of COPD: systematic review and meta-analysis of individual participant data from randomised controlled trials
Jolliffe DA, et al. Thorax 2019;0:1–9. doi:10.1136/thoraxjnl-2018-212092 1
https://thorax.bmj.com/content/early/2019/01/10/thoraxjnl-2018-212092
http://dx.doi.org/10.1136/thoraxjnl-2018-212092

背景 ビタミンDのCOPD急性増悪予防に関してRandomised controlled trials (RCTs) では未決論

被検者 メタアナリシス:変数説明要素同定のため

方法 PubMed、 Embase、 Cochrane Central Register of Controlled Trials、 Web of Science検索(2017年10月5日まで)
fixed effects modelにてメタアナリシス:年齢、性、GOLDスパイロメトリgradeとトライアル補正

結果 4つのRCT(560名被検者)を同定、個別被検者データ 469/472(99.4%)、3つのRCTから入手
COPD中等/重症急性増悪率への包括頻度へ、補足資料による影響無し (aIRR) 0.94, 95% CI 0.78 to 1.13)
事前設定サブグループ解析にて予防的効果示されたが、ベースライン25-OH D値<25 0.36="" 0.55="" 0.84="" 0.85="" 1.04="" 1.27="" 25="" 95="" airr="" ci="" for="" interaction="0.015)</p" nbsp="" nmol="" p="" to="">
ビタミンDは1回以上の重症副事象イベント発生被検者比率へ影響を与えない (adjusted OR 1.16, 95% CI 0.76 to 1.75)


結論:ベースラインで25-OHビタミンD値 25nmol/L未満の患者で、ビタミンDサプリメントは安全で、中等/重症COPD急性増悪発生率低下の可能性あり、ただし、高値の場合は効果無い可能性


Trial registration number CRD42014013953.





ビタミンD採血するとすぐ査定するんだよなぁ Ca低値を確認してビタミンD欠乏症疑いと記載しても・・・
http://uwb01.bml.co.jp/kensa/search/detail/3304476

合理性のない医療保険査定がめだつ昨今・・・だれもクレーム入れないからこうなる

noteへ実験的移行

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