2015年4月10日金曜日

ACCP&CTSガイドライン:COPD急性増悪の予防



Prevention of Acute Exacerbations of COPD: American College of Chest Physicians and Canadian Thoracic Society Guideline
1.COPD患者において、 23価肺炎球菌ワクチンは包括的医療管理の役割はあるようだが、COPD急性増悪予防エビデンスは十分でない (Grade 2C)
2.COPD患者において、 COPD急性増悪予防のための、インフルエンザワクチン毎年接種を推奨 (Grade 1B)
3.COPD患者において、 COPD急性増悪予防のため、包括的臨床戦略要素としたベスト・プラクティスを用いた 禁煙カウンセリングと治療を含むことは推奨 (Grade 2C)
4.直近(すなわち、4週間以内)の急性増悪経験のある中等症・重症COPDにおいて、COPD急性増悪予防のための呼吸リハビリテーションを推奨 (Grade 1C)
5.4週間を超える期間の急性増悪既往のある中等症・重症・最重症COPD患者において、COPD急性増悪予防のための呼吸リハビリテーションは推奨しない (Ungraded Consensus-Based Statement)
;呼吸リハビリテーションをCOPD患者の入院リスク減少に高比重とするため、入院後4週未満を重点介入とするためのステートメント 


6.COPD患者において、教育単独だけの介入をCOPD急性増悪予防目的で使用しない
;従来の患者教育だけでは不十分で強化的介入が必要 (Ungraded Consensus-Based Statement)

7.COPD患者において、症例管理だけの介入をCOPD急性増悪予防目的で使用してはならない (Ungraded Consensus-Based Statement)
8. 急性増悪既往・直後のCOPD患者において、入院機会の減少評価としてのCOPD重度急性増悪予防をするため、月1回以上の医療専門への直接アクセスを含む教育と症例管理を推奨する (Grade 1C)

9. 中等症・重症COPD患者では、アクションプランを含む教育を行うことを推奨するが、症例管理なしでは、12ヶ月間評価に於ける救急受診もしくは入院の回数減少を評価とするCOPD重症急性増悪を減少しない (Grade 2C)
10.  COPD患者において、入院と救急受診減少を評価とするCOPD重度急性増悪予防のため記載されたアクションプラン伴う教育と症例管理を推奨 (Grade 2B)


11, COPD患者において、通常ケアと比較した遠隔モニタリングは、12ヶ月間のおいてER受診、急性増悪、入院減少を評価とした、COPD急性増悪を予防しない (Grade 2C)
12, 重症COPD患者において、 COPD中等度から重度急性増悪予防のため、プラシーボより長時間作動型ベータアゴニスト(LABA)使用推奨 (Grade 1B)
13. 中等症・重症COPD患者において、COPD中等度から重度急性増悪予防のため、 プラシーボより長時間作動ムスカリニックアンタゴニスト(LAMA)使用推奨 (Grade 1A)

14. 中等症・重症COPDCOPD患者において、COPD中等度から重度急性増悪予防のため、LAMA使用をLABA使用より推奨 (Grade 2B)
15.  中等症・重症COPD患者において、COPD軽度から中等度急性増悪予防のため、短期作動型ムスカリニック受容体アンタゴニスト(SAMA)を短時間作動型ベータアゴニスト単独より推奨 (Grade 2C)
16. 中等症・重症COPD患者において、COPD軽度から中等度急性増悪予防のため、SABA単独に比べ、SAMA+SABA使用を推奨 (Grade 2B)


17. 中等症・重症COPD患者において、COPD急性増悪予防のため、SABA単独より、LABA単独を推奨 (Grade 2C)
18.  中等症・重症COPD患者において、COPD軽度から中等度急性増悪予防のため、SABAに比べ、LAMA使用を推奨 (Grade 1A)
19.  中等症・重症COPD患者において、COPD軽度から中等度急性増悪予防のため、
LABA単剤よりSAMA+LABA併用を推奨 (Grade 2C)
20. 安定中等症、重症、最重症COPD患者において、COPD急性増悪予防のため、プラシーボより、吸入ステロイド(ICS)/LABA併用(ICS単独ではない)併用維持療法を推奨  (Grade 1C)


21. 
安定中等症、重症、最重症COPD患者において、COPD急性増悪予防のため、LABA単剤より、ICS/LABA併用併用維持療法を推奨 (Grade 1C)
22.  安定中等症、重症、最重症COPD患者において、COPD急性増悪予防のため、ICS単剤より、ICS/LABA併用維持療法を推奨 (Grade 1B)


23. 安定COPD患者において、以下の両者ともCOPD急性増悪予防に有効なため、吸入長時間作用抗コリン剤/長時間作用ベータ2薬剤、もしくは長時間作用性抗コリン剤単独を推奨 (Grade 1C)
24. 安定COPD患者において、 以下の両者ともCOPD急性増悪予防に有効なため、吸入ステロイド/LABA併用治療もしくは長時間作用型抗コリン剤単独維持療法を推奨 (Grade 1C)


25. 安定COPD患者において、以下の両者ともCOPD急性増悪予防に有効なため、長時間作用型抗コリン/ステロイド・LABA併用あるいは長時間作用型抗コリン剤単独を推奨 (Grade 2C)


26. 中等症・重症COPD患者において、適切な維持吸入療法使用にかかわらず直近1年間に中等度もしくは重症急性増悪の1回以上ある場合、COPD急性増悪予防のため長期マクロライド治療を推奨 (Grade 2A)
 
27. 外来/入院においてCOPD急性増悪患者において、全身性ステロイドは経口・経静脈にて投与され、初回急性増悪後30日内のCOPD急性増悪による入院を予防する (Grade 2B)


28.外来/入院においてCOPD急性増悪患者において、初回COPD急性増悪後30日を超えての急性増悪による入院防止のため、全身性ステロイドを経口もしくは経静脈的に投与しないことを推奨 (Grade 1A)


29. 慢性気管支炎と直前1年間の急性増悪歴有る場合の中等症・重症COPD患者に対して、COPD急性増悪予防のためホスホジエステラーゼ(PDE)4阻害薬 roflumilast使用を推奨 (Grade 2A)


30. COPD安定患者において、COPD急性増悪予防のため、経口徐放テオフィリン1日2回治療を推奨 (Grade 2B)


31. 中等症・重症COPDで、直近2年間で2回以上の急性増悪のある患者において、COPD急性増悪予防のため、経口Nアセチルシステイン治療を推奨 (Grade 2B)


32. COPD急性増悪を減らすための最大限の治療でもCOPD急性増悪を継続するCOPD安定外来患者において、COPD急性増悪予防のため、経口カルボシステインは適応あるなら推奨 (Upgraded Consensus-Based Statement)

33. COPD急性増悪リスクのある中等症・重症COPD患者において、スタチン使用は推奨されない (Grade 1B)


続く・・・

小規模RCTの結果、急性痛風発作時尿酸降下剤使用可能になる? ただ、即断は危険!

痛風発作時アロプリノール(ザイロリック)など使用に関して、「発作時に、急に飲みはじめても効果はなく、かえって症状が悪化してしまいます。」 というのが一般的で、 急性痛風発作の時、高尿酸治療開始すべきではない・・・というのが常識であった。


これが変わるかもしれない

急性痛風患者における、アロプリノール投与開始の28日間プラシーボ対照化二重盲検研究


Does Starting Allopurinol Prolong Acute Treated Gout? A Randomized Clinical Trial
JCR: Journal of Clinical Rheumatology:April 2015 - Volume 21 - Issue 3 - p 120–125 

研究完遂 プラシーボ 17名、 アロプリノール 14名、計31名


ITT及び完遂社分析とも、統計学的非有意
アロプリノール群 15.4日、 vs プラシーボ 13.4日 p=0.5


セカンダリ解析では、疼痛急性期改善は両群とも迅速 




小規模研究なので、即、実践するかというと悩むところ

解説:http://www.medpagetoday.com/Rheumatology/GeneralRheumatology/50902

これでは、急性痛風発作への治療統一が図られてない、(糸球体濾過流速というべき)GFR 50mL/分未満患者やAST/ALT、ALP 正常上限1.25倍超は除外されている。グラインド化不十分という面も有り、これで結論づけは危険。

即、臨床実践しないように・・・

机上の空論:WHOのナトリウム・カリウム推奨遵守は各国千名に数人以下 ・・・ 意味あるの?

ナトリウムは2g/日、ティースプーン1杯未満 、カリウムは3.510mg/日、1日値6個のジャガイモ、9杯のミルクなど

米国内の摂取量中央値は、ナトリウム 3.371g/日、 カリウム 2.631mg/日

遵守比率としては、米国では千名に僅か3名しか行ってないWHOのナトリウムとカリウム摂取目標;米国 0.3%、メキシコ 0.15%、英国 0.1%、フランス 0.5%

Nutrition and metabolism
The feasibility of meeting the WHO guidelines for sodium and potassium: a cross-national comparison study
BMJ Open 2015;5:e006625 doi:10.1136/bmjopen-2014-006625

 The upper bounds of joint compliance with the WHO sodium–potassium goals were estimated at 0.3% in the USA, 0.15% in Mexico, 0.5% in France and 0.1% in the UK.


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