2012年12月5日水曜日

水道水中ジクロルフェノールにより食事アレルギー増加?

食品アレルギーの増加、水道水の殺菌剤が関係か 米
2012.12.05 Wed posted at 15:44 JST
http://www.cnn.co.jp/usa/35025303.html





この報道の大元の論文
 ↓
尿中 dichlorophenolと、食物・環境アレルゲンの関連性をロジスティック回帰モデルで寄与要素補正後検討

Dichlorophenol-containing pesticides and allergies: results from the US National Health and Nutrition Examination Survey 2005-2006
Annals of Allergy, Asthma & Immunology Volume 109, Issue 6 , Pages 420-425, December 2012
2つの dichlorophenol代謝物暴露例で1つ以上のアレルゲン感作多く、多変量解析後、75パーセンタイル以上の dichlorophenol濃度では、食物感作の存在と関連(オッズ比 1.8;95%CI 1.2-2.5;p=0.003)
有意な関連性は吸入抗原感作単独ではみとめなかった。

尿路感染:抗生剤治療7日間超では、再発率多く、C.difficile感染リスク増加

尿路感染治療期間は、7-14日間と書かれてることが多い。7日間と14日間に差は無いのか?



Urinary Tract Infection in Male VeteransTreatment Patterns and Outcomes
Dimitri M. Drekonja, et. al.
Arch Intern Med. 2012;():1-7. doi:10.1001/2013.jamainternmed.829.

4,854,765名の在郷軍人男性外来患者中、33,336名患者の39,149回の尿路感染エピソードで、33,336の指標症例(85.2%)を含み、1772回の早期(30日未満)再発(4.5%)、4041回の遅延(30日以上)再発(10.3%)

最頻度抗菌薬は、 ciprofloxacin (62.7%) と trimethoprim-sulfamethoxazole (26.8%)

治療短期間(7日間以内)は35.0%
治療長期間(7日間超)は65.0%

指標症例のうち、早期再発4.1%、遅延再発9.9%

治療期間の長さは、早期・遅延再発と相関せず
しかし、短期治療期間に比べ、後期再発、治療期間長い場合、再発増加t (10.8% vs 8.4%, P < .001)、多変量解析でも確認 (odds ratio, 1.20; 95% CI, 1.10-1.30)


加えて、長期間治療では、C difficile感染リスクが有意に高い (0.5% vs 0.3%, P = .02) 、多変量解析でも示唆 (odds ratio, 1.42; 95% CI, 0.97-2.07)


ケトプロフェン併用禁忌ということで、ケトプロフェン貼付剤使用患者では使えないシプロキサン・・・

社会経済状況悪化により精神的苦痛による死亡率増加促進

The Combined Association of Psychological Distress and Socioeconomic Status With All-Cause Mortality:  A National Cohort Study  
Antonio Ivan Lazzarino, et. al.
Arch Intern Med. Published online December 03, 2012. doi:10.1001/2013.jamainternmed.951

社会経済状況:socioeconomic status (SES)低下なら、精神的苦痛の死亡率への影響は増幅される。

35歳以上のHealth Survey for England 調査(66518名登録):1000人年死亡 14.49(95% 14.37-14.81)での検討

IDSA担癌発熱性好中球減少症ガイドライン導入による効果例

Infectious Diseases Society of America (IDSA)の担癌患者FN(発熱性好中球減少症)ガイドライン


日本語: 好中球減少を呈する癌患者に対する抗微生物薬の使用に関する実践的臨床ガイドライン:米国感染症学会による2010年改訂版
http://www.idsociety.org/uploadedFiles/IDSA/Guidelines-Patient_Care/PDF_Library/0402_IDSA%20FN%20_CID%202011-52%20Japanese%20reprint.pdf



Flores B, et al "Development of an antibiotic algorithm for febrile neutropenia" ASHP 2012; Abstract 170.
medpage:http://www.medpagetoday.com/MeetingCoverage/ASHP/36260

年齢中央値55歳、 50名の患者でアルゴリズムのアドヒアランス評価
半数が 造血系悪性疾患、残りが固形腫瘍。
  • 初期単剤 84% versus 56%
  • EDで2時間内の抗生剤投与 67% versus 53%
  • 適切な抗菌剤 escalation, 76% versus 44%
  • 適切な抗菌 de-escalation, 52% versus 35%
  • 適切な抗菌薬治療期間 86% versus 68%
バンコマイシン使用は、96%から84%へ減少
この施設である血液・腫瘍専門病棟での薬剤抵抗性エンテロコッカス、黄色ブドウ球菌種減少のために合理的。グラム陽性菌培養48時間内陽性なら、バンコマイシンは中止し、cefepimeのようなβラクタム投与継続すべきというIDSA推奨にある。
(VCMの第1選択禁止、グラム陰性桿菌を抗菌スペクトラムに含むβラクタム剤単剤推奨;セフェピムの死亡率低下の有用性は示唆されているが必ずしも一致してない、他ピペラシリン・他ぞばくたむ、イミペネム/シラスタチン、メロペネムなどが推奨)


治療中止に関しては医師たちは関心が少なく、常時なされてないことが問題。


所見出現2時間内治療開始は、迅速性が重要なため、 さらに改善が必要。






clinical questionと推奨・コメント文の一覧 - 日本臨床腫瘍学会


http://www.jsmo.or.jp/news/jsmo/doc/20120426.pdf

集中的e-LearningによりEBMスキル・知識向上

非英語母国語・低中所得国家において、集中的なe-Learningカリキュラムで、EBM教育効果の改善が認められるという報告

ご承知の通り、日本は、低中所得国では無いが、開業医や勤務医だけで無く、国家の医療行政を司る人間、指導的立場にいる医師たちを含め、EBMを一時的流行にしてしまい、いまでは、製薬メーカー大規模トライアルの宣伝だけが残渣として存在するような状況。

本来は、医師会や大学病院などの教育機関が、実践的EBM教育を不断に行うべきはずだったのだが・・・

日本ではEBMは根付かないどころか、自己利益誘導的な場面でしかEBMという言葉を使わない連中が増えてきた・・・


Effectiveness of a Clinically Integrated e-Learning Course in Evidence-Based Medicine for Reproductive Health TrainingA Randomized Trial
Regina Kulier, et. al.
JAMA 2012;308(21):2218-2225. doi:10.1001/jama.2012.33640

【序文】  エビデンスベースを修練的に行う臨床のため、EBM教育が臨床的にintegrateされるべきである。低中所得国家では、EBM訓練臨床指導者が乏しく、EBM教育のため割ける時間に乏しく、英語外の言語のデータベースへのアクセスの悪さが問題になる。
【目的】  WHO  Reproductive Health Library (RHL)を組み入れた臨床上のintegrated e-learning EBM courseの、知識、スキル、教育環境への効果を伝統的EBM教育と比較
aching.
【Design, Setting, and Participants】  国際的なクラスターランダム化トライアル、2009年4月から2010年11月まで、7ヶ国の低中所得国家(アルゼンチン、ブラジル、コンゴ、インド、フィリピン、南アフリカ、タイ)で、産婦人科卒後教育について行った
教育訓練単位として
・RHL使用e-moduleから構成される実験的な臨床的integrated course 、学習活動性・訓練者評価(31 クラスター, 123 名登録)
・対照:RHL導入した自己学習EBMコース (29 クラスター, 81 名登録)
EBM教育訓練facilitatorは、すべての教育ユニットで、利用できる。
コースは8週間、ベースライン評価とコース完遂後4週後評価
24の実験クラスター(98名登録)、22の対照クラスター(68名登録)完遂

【Main Outcome Measures】  プライマリアウトカムは、EBM知識(スコアレンジ、0-62)、スキル(スコアレンジ、0-14)
セカンダリアウトカムは教育環境(5ポイント Likert scale   1 [一致性高い] ~ 5 [不一致性高い])

【結果】  ベースラインでの年齢、トレーニング年数、EBM関連への考え方、知識は同様。
トライアル後実験群では知識スコア高度  (対照群 38.1 [95% CI, 36.7 to 39.4] vs 実験群43.1 [95% CI, 42.0 to 44.1]; 補正後較差, 4.9 [95% CI, 2.9 to 6.8]; P < .001)
スキルはも高度  (8.3 [95% CI, 7.9 to 8.7] vs 9.1 [95% CI, 8.7 to 9.4]; 補正後較差, 0.7 [95% CI, 0.1 to 1.3]; P = .02)
教育環境全般スコア改善に差は認めない (6.0 [95% CI, −0.1 to 12.0] vs 13.6 [95% CI, 8.0 to 19.2]; 補正後較差, 9.6 [95% CI, −6.8 to 26.1]; P = .25)が、全般的 relationships と support項目に関しては平均的改善(−0.5 [95% CI, −1.5 to 0.4] vs 0.3 [95% CI, −0.6 to 1.1]; 補正後較差, 2.3 [95% CI, 0.2 to 4.3]; P = .03) あり
EBM適応機会に関してもスコア改善有り (0.5 [95% CI, −0.7 to 1.8] vs 2.9 [95%, CI, 1.8 to 4.1]; 補正後較差, 3.3 [95% CI, 0.1 to 6.5]; P = .04).
【結論】  LMIC群において、生殖医療に関する臨床的な集中的e-Learning EBMカリキュラムのほうが、自己学習的EBMコースに比べ、知識・スキルスコアが高度と成り、教育環境の改善が見られる。

noteへ実験的移行

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