2015年6月15日月曜日

冠動脈疾患患者のRCT:レジスタンス・トレーニングにて心拍変動性・筋パフォーマンス改善

冠動脈疾患患者のRCT:レジスタンス・トレーニングにて心拍変動性・筋パフォーマンス改善


Resistance exercise training improves heart rate variability and muscle performance: a randomized controlled trial in coronary artery disease patients
F. R. CARUSO , et. al.
Vol. 51 - No. 3 EUROPEAN JOURNAL OF PHYSICAL AND REHABILITATION MEDICINE
http://www.minervamedica.it/en/journals/europa-medicophysica/article.php?cod=R33Y2015N03A0281


背景:レジスタンス運動(RE)は心リハビリテーションにとって重要。しかし、冠動脈心疾(CAD)患患者において、REトレーニング低強度、頻拍変動性(HRV)、筋肉強度、耐用性にたいして影響をあたえるかはほぼ知られてない。

目的:CAD患者において、多数反復/低強度REトレーニング(HR/LL-RT)プログラムと、筋力、耐用性について検討
デザイン:ランダム化・対照化トライアル

セッティング:   Cardiopulmonary Physi-cal Therapy Laboratory between May 2011 and No-vember 2013.

対象:20名のCAD患者をランダム化、トレーニング群(61.3±5.2 歳)、対照群 (61±4.4 歳)

1 repetition maximum (1-RM) maneuver(1回挙上可能最大重量)、 discontinuous exercise test on the leg press (DET-L)、 resting HRV を、ベースラインと、45° leg pressを用いたHR・LL-RTプログラム8週後測定。 RMSSD、 SD1、 mean HR 、 ApEn 指数を計算
 HR/ LL-RT プログラムは、45° leg press ;20反復3セット、週2回
初期負荷は1−RMの30%設定、8週間という期間設定


HR/LL-RT8週後、トレーニング群のみRMSSD、SD1指数増加 p<0.05
トレーニング群で、HR/LL-RT後平均心拍有意減少  p<0.05
トレーニング群で、期間後ApEn有意高値  p<0.05


対照群比較で、有意にこれらの値高値 p<0.05













2型糖尿病:メンデル・ランダム化分析 冠動脈疾患リスクとして糖尿病の存在と血糖値が病因的関連あり ・・・ 薬物治療との矛盾

2型糖尿病において、薬物療法の臨床的アウトカム関与が必ずしも心血管疾患合併症抑制的なものばかりでない。

EHJにおいては、血糖降下療法により心血管アウトカムエビデンスは不完全と記載

Impact of glucose-lowering drugs on cardiovascular disease in type 2 diabetes
Ele Ferrannini , et. al.
EHJ 2005 DOI: http://dx.doi.org/10.1093/eurheartj/ehv239
2型糖尿病(T2DM)血糖コントロール改善により心血管合併症改善もしくは予防しうるということに関する確たるエビデンスは、未だ不十分。

となると、血糖異常と冠動脈疾患の関連性に疑念が生じる

ところが以下のメンデル・ランダム化解析では、心血管疾患へcausal roleとして、糖尿病の有無、血糖レベルが確認された。


Mendelian randomization analysis supports the causal role of dysglycaemia and diabetes in the risk of coronary artery disease
Stephanie Ross , et. al.
DOI: http://dx.doi.org/10.1093/eurheartj/ehv083 1454-1462 First published online: 30 March 2015

Meta-Analyses of Glucose and Insulin-Related Traits Consortium and Diabetes Genetics Replication and Meta-Analysis consortiaとやらから得られた、空腹時血糖、HbA1c、糖尿病に関わるコモンな遺伝子変異のeffect size推定子。
冠動脈疾患リスク関連SNPs対応effect sizeでCARDIOGRAMplusC4Dを評価。

HbA1cと糖尿病関連SNPsは、CADリスク増加と相関。
糖尿病遺伝子と関連する59遺伝子変異情報を用い、糖尿病によるCADリスクのcausal effectを推定し、オッズ比  (OR)  1.63 (95% 信頼区間 (CI): 1.23–2.07; P = 0.002)

一方、HbA1cに関わる9つの遺伝子変異では、CADリスク関連において、HbA1c1%増加毎 OR 1.53 増加 (95% CI: 1.14–2.05; P = 0.023)。
空腹血糖 mmol/L増加との関連する30の遺伝子変異においては有意でない  (OR: 1.18, 95% CI: 0.97–1.42; P = 0.102)。



図2
空腹時血糖、糖化Hb、糖尿病に関するSNPsの冠動脈疾患への影響 Each black dot represents an SNP associated with a glycaemic trait (fasting glucose, glycated hemoglobin or diabetes) with a P < 5 × 10−8

β細胞機能障害やインスリン抵抗性へ影響別遺伝子部位カテゴリー化した場合には、その違いは有意ない。


F
図3
糖尿病、糖化Hb、空腹時血糖による冠動脈疾患との相関genetic estimates;補正はLDL、HDL、総リポ蛋白、総コレステロール、TG、BMIの潜在性寄与多要素補正


結論:
メンデル・ランダム化解析にて、糖尿病と冠動脈疾患の病因的関連性は示された。そして、長期血糖降下降下はやはり冠動脈イベントを減少する




この2つの矛盾に真摯に答えてくれる専門家の意見が欲しい・・・ただ、金や地位や名誉でバイアスのある意見は要らない



noteへ実験的移行

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