心血管系疾患を有する患者では、アジスロマイシン投与に関して注意が必要という結論になっているようだ
急性肺障害:マクロライド抗生剤使用によりアウトカム改善 (2012年5月2日水曜日)
こういう報告もなされていたばかり・・・
いくつかのマクロライド系抗生剤は催不整脈性に働き、突然死リスク増加と関連が示されているが、アジスロマイシンは心毒性少ないと思われている。しかし、不整脈の出版報告に関してアジスロマイシンが心血管死リスク増加と関連するかもしれない報告がなされていた。
薬剤による死亡率・短期的心影響を検討するTennessee Medicaid cohort
アジスロマイシン群(347795処方)、propensity-score-matched person、アモキシシリン(1348672処方)、シプロキサン(264626処方)、レボフロキサシン(193906処方)比較
Azithromycin and the Risk of Cardiovascular Death
Wayne A. Ray,et. al.
N Engl J Med 2012; 366:1881-1890May 17, 2012
治療5日間中で、アジスロマイシン服用患者は、抗生剤未投与に比べ、心血管リスク増加(hazard ratio, 2.88; 95%信頼区間 [CI], 1.79 ~ 4.63; P<0.001)、全死亡率増加 (hazard ratio, 1.85; 95% CI, 1.25 ~ 2.75; P=0.002)
アモキシシリン服用ではこの期間中死亡リスク増加なし
アモキシシリン比較で、アジスロマイシンは心血管死亡リスク増加と相関 (hazard ratio, 2.49; 95% CI, 1.38 ~ 4.50; P=0.002)、全原因死亡とも相関(hazard ratio, 2.02; 95% CI, 1.24 ~ 3.30; P=0.005)、100万経過あたり47の超過死亡と推定;心血管による最大10分位リスク群では100万経過あたり245の超過死亡と推定
心血管リスクは有意にアジスロマイシンで、シプロキサンより高いが、レボフロキサシンよりは有意で無かった。