血清抗体などの液性免疫が主体だったが、今後、細胞性免疫評価が多く行われるようになるのかもしれないとのこと
解説記事
少量の血液を24時間かけて採取するだけで、コロナウイルスの初感染あるいは反復感染に対するあなたの免疫システムの強さがわかるかもしれません。
科学者たちは、全血を採取して、T細胞反応(抗体レベルが低下した後も長く続く重要な免疫の構成要素)を間接的に測定する検査法を開発した。
この検査は、現在、正式な実験室で行われているものを模倣しているが、いくつかの複雑な手順や実験担当者の専門的な訓練を省くことができる。研究者によれば、この検査はより速く、より多くの人を検査できるように拡張でき、将来出現するウイルスの突然変異を検出できるようにすることも可能だという。こうした仕組みを説明する研究は、『Nature Biotechnology』誌のオンライン版で6月13日に発表された。
dqTACTと呼ばれるこの検査は、ワクチンを接種している人の「ブレークスルー」感染の可能性を予測するのに役立ち、免疫不全の人がどれくらいの頻度で再接種が必要かを判断するのに役立つだろうと著者らは指摘している。コロナウイルスやその他のウイルスに感染すると、免疫系がワンツーパンチを食らわせる。つまり、迅速な抗体反応の後に、ウイルスを「記憶」するT細胞を含むより長期の細胞性免疫が続くのである。細胞性免疫は、同じウイルスが再び出現した場合、迅速な反応を引き起こすことができる。この新しい検査では、コロナウイルスの合成ペプチド(タンパク質を構成するアミノ酸の列)を血液サンプルに添加する。24時間以内にT細胞の反応がなければ陰性である。もし、ペプチドがT細胞を誘発すれば、この検査は免疫反応の強さを測定することができる。研究者たちは、91人のうち約半数はCOVID-19に感染したことがなく、もう半数は感染して回復した人たちで、この新しいテストを従来の検査室でのテストと比較検証した。その結果はよく一致した。また、このテストはCOVID-19ワクチンの2回目の接種後8カ月までの免疫力を予測できることもわかった。さらに、ワクチンを2回接種した人は、1回しか接種していない人に比べてT細胞反応が大きかった。研究は現在進行中であり、将来FDAから認可される際の認可要件を満たすように設計されています。
Blood Test Aims to Measure COVID Immunity (medscape.com)