2015年4月21日火曜日

うつ:グループ介入構成化マインドフルネス認知療法は抗うつ薬と再発イベントに差認めず

グループ介入として構成化されたマインドフルネス認知療法は薬物療法を効果の面で凌駕するか?

答えは、No!


専門家は、以下のトライアルから、「オピニオンとしてプライマリケア医はMBCTを介入の方法として認識すべきだが、MBCTはすべてのタイプのうつに効果あるわけでもなく、入院治療や自殺傾向にある重篤な人たちへの代替治療となるわけでもない」と述べている。
http://www.bbc.com/news/health-32380183


一方、「グループ介入としてのMBCTは低コストだが薬物治療と有意差がない。この研究では示せなかったが、繰り返し処方状態にある何百万名のうつ患者にとってMBCTは新しい選択になる」とも述べている。
http://www.sciencedaily.com/releases/2015/04/150420213918.htm


原文所在は以下・・・

Effectiveness and cost-effectiveness of mindfulness-based cognitive therapy compared with maintenance antidepressant treatment in the prevention of depressive relapse or recurrence (PREVENT): a randomised controlled trial
Willem Kuyken, et. al.
Published Online: 20 April 2015
Open AccessArticle has an altmetric score of 7
DOI: http://dx.doi.org/10.1016/S0140-6736(14)62222-4

序文から、「うつの再発は、その後の反復うつ再燃、再発について高リスク。2年以上の抗鬱治療が現在推奨されているが、多くの患者では、代替医療に興味を示している。
マインドフルネスをベースとする認知療法(MBCT)は、通常ケアに比べ再燃・再発リスク減少が示されているが、明確なトライアルで、抗鬱治療維持療法と比べたトライアルはなされてない。」

抗うつ治療漸減・中止とともにMBCTを行うこと(MBCT-TS)は、抗うつ薬治療維持に比べ、優れているか?

単盲験・平行群ランダム化対照トライアル(PREVENT)、3回以上の大うつエピソードを有し、抗うつ薬維持療法対象者

1:1比でコンピュータ生成ランダム化

5つ個別インターバル間、プライマリアウトカムはうつの再発・反復までの期間、24ヶ月検討

2010年3月23日から2011年10月21日まで、2188名を検討、424名、95GPで評価

MBCTーTS  212名、  維持抗うつ薬 212名

鬱再燃・再発までの期間は、24ヶ月間で、2群で差認めず   (hazard ratio 0·89, 95% CI 0·67–1·18; p=0·43)、さらに、重篤副作用数も差を認めず、2名の死亡を含む5つの重篤副事象イベントで、介入群・抗うつ薬維持群ともに認めるが、介入関与の副事象は認めない。





プロトンポンプ阻害剤:高齢者急性腎障害リスク増加

オンタリオ州での住民ベース研究



Proton pump inhibitors and the risk of acute kidney injury in older patients: a population-based cohort study
Tony Antoniou, et. al.
cmajo April 16, 2015 vol. 3 no. 2 E166-E171


29万名余のPPI治療開始症例と、同数マッチ化コホート


PPI治療による急性腎障害ハザード比 2.52;95%信頼区間:CI、 2.27〜2.79 (1000人年あたり 13.49 vs 5.46)

同様に、急性間質性腎炎は3.00;95%CI, 1.47〜6.14 (1000人年あたり 0.32 vs 0.11)




サイロトロピン基準限界値はCHDリスクの理由にならない;TSH基準内ならリスク考えるな!

Thyroid Function Within the Normal Range and Risk of Coronary Heart DiseaseAn Individual Participant Data Analysis of 14 Cohorts
Bjørn O. Åsvold,  et. al.
for the Thyroid Studies Collaboration
JAMA Intern Med. Published online April 20, 2015.



【意義】  血中サイロトロピン値の現行参照範囲上限値でも異常と考えるべきと主張する専門家もおり、軽症甲状腺機能低下症を有すると細分類すべきアプローチも主張されている。血中サイロトロピン値参照範囲上限値の健康ハザードの記述少ないが、異なるエビデンスにて、サイロトロピン参照上限値は冠動脈心疾患(CHD)リスク増加と関連するとされている。


【目的】 参照値範囲内甲状腺機能値と、CHDリスクの関連性評価


【デザイン、セッティング、被験者】 14コート・ベースライン検査された個別被験者データ解析(1972年7月〜2002年4月、フォローアップ中央値3.3〜20.0年間)。55,412名、血中サイロトロピン値 0.45〜4.49 mIU/L、既知心血管疾患をベースラインで認めない


【暴露】ベースライン血中サイロトロピン値


【主要アウトカム・測定】 CHD死亡率、CHDイベントのハザード比、年齢、性別、喫煙状態にて補正


【結果】  55 412 名中、 CHD原因死亡 1813   (3.3%) / 643 183 フォローアップ人年

非致死性・致死性CHDイベント情報を有する10コホートにて、 初回CHDイベント発生 4666 /48 875名(9.5%)イベント / 533 408 フォローアップ人年


サイロトロピン値1−mIU/L増加毎、 ハザード比は
CHD死亡率    0.97 (95% CI, 0.90-1.04)
初回CHDイベント 1.00 (95% CI, 0.97-1.03)


サイロトロピンカテゴリー解析、 血中サイロトロピン 最高群 (3.50-4.49 mIU/L)  vs 最小群 (0.45-1.49 mIU/L)  CHD死亡率HR (0.94 [95% CI, 0.74-1.20])、 CHD イベントHR (0.97 [95% CI, 0.83-1.13])で、同様


【結論・知見】 正常参照値内のThyrotropin値は、CHDイベントやCHD死亡率リスクと関連しない。 これらの知見は一般住民正常参照値内の甲状腺機能値の程度によりCHDリスクに影響を与えないことがわかった。 サイロトロピン基準限界値はCHDリスクの理由付けにならない。



ペット人畜共通性感染

居宅内ペットの存在は、エモーショナルなベネフィットはたくさん有るが、やはり、Zoonotic感染には注意が必要


医師はペット関連健康リスクの問診かならずしも行わない
確かにその通りで、
・キャンピロバクター感染に於ける犬猫の役割、MRSAなども・・
・サルモネラ感染は、両生類・は虫類・鳥類と関連
・寄生虫として、ランブル鞭毛虫やクリプトスポリジウムなどが犬猫を介して伝播することがある。エキノコックスは肝不全や死亡を来すが稀。
・免疫不全や5歳未満、妊娠女性・高齢者など注意が必要




Reducing the risk of pet-associated zoonotic infections
CMAJ cmaj.141020; published ahead of print April 20, 2015,


Some general safeguards one can take against acquiring pet-associated zoonotic infections are:


  • wearing protective gloves to clean aquariums and cages
  • proper hand washing after pet contact
  • discouraging pets from face licking ;顔をなめさせないようにする
  • covering playground boxes when not in use ;未使用時ペットグラウンドボックスにカバーを
  • avoiding contact with higher risk animals such as reptiles, amphibians, and exotic animals;は虫類、両生類、外国産動物のような高リスク動物との接触回避
  • regular cleaning and disinfection of animal cages, feeding areas and bedding
  • locating litter boxes away from areas where eating and food prep occur;食事や調理区域からのリッターボックスを離す
  • waiting to acquire a new pet until immune status has improved;免疫状態が改善無ければ新しいペットを飼うことは避ける
  • regularly taking your pet to a veterinarian;定期ペット診察 


http://vet.osu.edu/research/pet-associated-zoonotic-infections







CDC : Healthy Pets Healthy People


多くの健康ベネフィットの一方、Diseases That Can Be Spread From Pets to People


Healthy Pets Healthy People

Healthy Pets Healthy People Pets Healthy People

Healthy Pets Healthy People

閉塞型無呼吸CPAP治療は心房細動有意に減少

心房細動(AF)再発に対する、閉塞型無呼吸(OSA)持続陽圧呼吸(CPAP)治療の累積効果メタ解析



Effect of Obstructive Sleep Apnea Treatment on Atrial Fibrillation Recurrence
A Meta-Analysis
Ashish Shukla,  et. al.
JACCCEP. 2015;1(1):41-51. doi:10.1016/j.jacep.2015.02.014


7つの前向きコホート研究、1087名
全患者横断的検討にて、AF再発減少 (相対リスク: 0.58、 95%信頼区間:CI、 0.51〜0.67;  heterogeneity χ二乗 p=0.91、 I2=0%)


CPAP治療ベネフィット効果は、統計学的に2群、すなわち、カテーテル焼灼(PVI: pulmonary vein isolation)と焼灼術非使用・薬物治療群とも認める。

他の研究共役変数で、AF減少アウトカムに関連する有意な因子認めず



閉塞型無呼吸:経鼻CPAP治療で、血管内皮機能改善、好中球炎症マーカー改善

閉塞型無呼吸へのnCPAPは血管内皮機能・炎症性パラメータも改善を改善する


CONTINUOUS POSITIVE AIRWAY PRESSURE THERAPY IMPROVES ENDOTHELIAL FUNCTION AND NEUTROPHIL-LYMPHOCYTE RATIO IN PATIENTS WITH OBSTRUCTIVE SLEEP APNEA SYNDROME
Jun-ichi Oyama, et. al.
J Am Coll Cardiol. 2015;65(10_S):. doi:10.1016/S0735-1097(15)62126-X


95名の閉塞型無呼吸(OSA)疑診例登録に、3ヶ月間経鼻持続陽圧呼吸(nCPAP)治療行い、 endothelial progenitor cells (EPC)、 neutrophil to lymphocyte ratio (NLR)、NO濃度(NOx)、asymmetric dimethylarginine (ADMA)(血液サンプルによるNOS内因性阻害因子)、 flow-mediated dilation (FMD) を血管内皮機能測定。

無呼吸低呼吸指数(AHI)は、FMDと逆相関、NLRと正の相関。さらに、NLRは重症OSAにおける独立したリスク要素。CPAP治療はEPC数、NOx値増加と関連、ADMA減少と関連。
CPAP治療はFMDを改善し、NLR減少する



SASという省略は国際的に通じない。日本国内の研究者は国内だけでSAS(サス)と呼び、国際的にはOSAやCSA、SDBなどと呼ぶ二枚舌を使っていると、国内学会に出席して今更ながら下らんとおもった。

noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note