グループ介入として構成化されたマインドフルネス認知療法は薬物療法を効果の面で凌駕するか?
答えは、No!
専門家は、以下のトライアルから、「オピニオンとしてプライマリケア医はMBCTを介入の方法として認識すべきだが、MBCTはすべてのタイプのうつに効果あるわけでもなく、入院治療や自殺傾向にある重篤な人たちへの代替治療となるわけでもない」と述べている。
http://www.bbc.com/news/health-32380183
一方、「グループ介入としてのMBCTは低コストだが薬物治療と有意差がない。この研究では示せなかったが、繰り返し処方状態にある何百万名のうつ患者にとってMBCTは新しい選択になる」とも述べている。
http://www.sciencedaily.com/releases/2015/04/150420213918.htm
原文所在は以下・・・
Effectiveness and cost-effectiveness of mindfulness-based cognitive therapy compared with maintenance antidepressant treatment in the prevention of depressive relapse or recurrence (PREVENT): a randomised controlled trial
Willem Kuyken, et. al.
Published Online: 20 April 2015
Open AccessArticle has an altmetric score of 7
DOI: http://dx.doi.org/10.1016/S0140-6736(14)62222-4
序文から、「うつの再発は、その後の反復うつ再燃、再発について高リスク。2年以上の抗鬱治療が現在推奨されているが、多くの患者では、代替医療に興味を示している。
マインドフルネスをベースとする認知療法(MBCT)は、通常ケアに比べ再燃・再発リスク減少が示されているが、明確なトライアルで、抗鬱治療維持療法と比べたトライアルはなされてない。」
抗うつ治療漸減・中止とともにMBCTを行うこと(MBCT-TS)は、抗うつ薬治療維持に比べ、優れているか?
単盲験・平行群ランダム化対照トライアル(PREVENT)、3回以上の大うつエピソードを有し、抗うつ薬維持療法対象者
1:1比でコンピュータ生成ランダム化
5つ個別インターバル間、プライマリアウトカムはうつの再発・反復までの期間、24ヶ月検討
2010年3月23日から2011年10月21日まで、2188名を検討、424名、95GPで評価
MBCTーTS 212名、 維持抗うつ薬 212名
鬱再燃・再発までの期間は、24ヶ月間で、2群で差認めず (hazard ratio 0·89, 95% CI 0·67–1·18; p=0·43)、さらに、重篤副作用数も差を認めず、2名の死亡を含む5つの重篤副事象イベントで、介入群・抗うつ薬維持群ともに認めるが、介入関与の副事象は認めない。