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2020年1月6日月曜日

不眠症 OX1/OX2受容体拮抗剤:lemborexant

ベルソムラ(一般名:スボレキサント(英:Suvorexant)) は  dual orexin receptor antagonist (DORA) で臨床的に日本国内で使用されている。臨床的課題として昼間の遺残眠気など安全性



新規DORAは安全性への評価が鍵
レンボレキサントは、不眠症の治療のためにエーザイが開発中のオレキシンOX1およびOX2受容体の二重拮抗薬です。 2016年6月、エーザイは、米国、フランス、ドイツ、イタリア、日本、ポーランド、スペイン、英国で現在進行中の第3相臨床試験を開始し、カナダに拡大する予定です。
https://en.wikipedia.org/wiki/Lemborexant




成人不眠症に対するレンボレキサント(Dayvigo)のFDAの承認を支える重要な試験の1つが発表され、プラセボと徐放性ゾルピデム(Ambien CR)の両方に対する利点を確認しました。
https://www.medpagetoday.com/neurology/sleepdisorders/84119



Lemborexantは、orexin受容体1と2との結合によりオレキシン活性を減弱し、睡眠/覚醒機能に影響を与える。FDAは、2つのpivotal trial、SUNRISE 1とSUNRISE により薬剤承認した

SUNRISE 1, which tested 5- and 10-mg doses against zolpidem and placebo for 1 month in older adults
SUNRISE 2, which studied the drug against placebo for 6 months.


SUNRISE 1

睡眠履歴、睡眠日記、睡眠ポリグラフで確認された睡眠維持困難を伴う不眠症を有する55歳以上の1,006人の成人で、徐放性ゾルピデムとプラセボに対するレンボレキサントを評価した。 就寝時の1か月間、208人の参加者がプラセボ、263人が酒石酸ゾルピデム徐放剤6.25 mg、266人がレンボレキサント5 mg、269人がレンボレキサント10 mgを受けました。 ほとんどの患者(86.4%)は女性で、年齢の中央値は63歳でした。ポリソムノグラムは、ベースライン、および治療の最初の2晩と最後の2晩に収集されました。 主要エンドポイントは、プラセボと比較したレンボレキサントの潜伏期のベースラインから持続的な睡眠への変化でした。 二次エンドポイントには、プラセボと比較した睡眠後覚醒の発症、およびゾルピデムと比較した夜の後半の睡眠覚醒後の発症が含まれていました。

On nights 1 and 2

プラセボ群の患者は、ベースラインから6.5分の睡眠潜時の減少がありました。 ゾルピデムで治療された患者は12.6分減少し、レンボレキサントで治療された患者は5mg投与で16.6分、10mg投与で19.5分減少しました。 29日目および30日目のベースラインからの減少は、プラセボで7.9分、ゾルピデムで7.5分、レンボレキサント5 mgで19.5分、レンボレキサント10 mgで21.5分でした。


December 27, 2019
Comparison of Lemborexant With Placebo and Zolpidem Tartrate Extended Release for the Treatment of Older Adults With Insomnia Disorder
A Phase 3 Randomized Clinical Trial
Russell Rosenberg, et al.
JAMA Netw Open. 2019;2(12):e1918254.
 doi:10.1001/jamanetworkopen.2019.1825





https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT02783729
 short-term SUNRISE 1 trial



安全性に関して



2015年11月25日水曜日

RCT:アトピー性皮膚炎と睡眠障害を有する子供へのメラトニン・サプリメント投与 入眠遅延改善・疾患重症度改善

アトピー性皮膚炎と睡眠障害を有する子供へのメラトニン・サプリメント投与



Melatonin Supplementation for Children With Atopic Dermatitis and Sleep Disturbance A Randomized Clinical Trial
 Yung-Sen Chang, et. al.
JAMA Pediatr. Published online November 16, 2015. doi:10.1001/jamapediatrics.2015.3092


2重盲検プラシーボ対照交差デザインランダム化臨床トライアル
73名、1-18歳の医師診断5%以上皮膚表面積アトピー性皮膚炎患児

メラトニン 3mg/日、 プラシーボ 4週間 → 2週間Washout期間後交差介入4週間


48名の子供へのメラトニン治療後、 Scoring Atopic Dermatitis (SCORAD) indexは、プラシーボ比較で 9.1減少 (95% CI, −13.7 to −4.6; P < .001)、平均 (SD)  49.1 (24.3) vs 40.2 (20.9)


さらに、プラシーボ治療後に比べ、メラトニン後入眠遅延は、21.4分短縮 (95% CI, −38.6 to −4.2; P = .02)

SCORAD indexの改善は、入眠遅延の変化と有意相関認めず (r = −0.04; P = .85)


副事象イベントによる治療中断はなく、副事象イベントも研究期間を通じて報告無し


2015年2月17日火曜日

不眠にマインドフルネス瞑想 ・・・ かなり有効

マインドフルネス瞑想は、確かに、有効 だが、この介入法に、アプローチする手段が限られているという、メディアでの評価。


日本でも同様だが、欧米よりはましかな? 座禅の文化があるから・・・
でも、まぁ一般にはなかなか・・・


Mindfulness Meditation and Improvement in Sleep Quality and Daytime Impairment Among Older Adults With Sleep Disturbances A Randomized Clinical Trial
David S. Black, et. al.
JAMA Intern Med. Published online February 16, 2015. doi:10.1001/jamainternmed.2014.8081

高齢者(平均年齢 66.3歳、 SD 7.4歳) 、Pittsburgh Sleep Quality Index 5超 の 2つの平行群ランダム臨床トライアル
介入は、
standardized mindful awareness practices (MAPs) intervention (n = 24) sleep hygiene education (SHE) intervention (n = 25) 

主要アウトカムは、PSQIによる睡眠障害指数


ITT解析にて、MAPs介入群で有意なPSQI改善 10.2 (1.7)  → 7.4 (1.9)
SHEベースライン 10.2 (1.8)  → 9.1 (2.0)

群間差は、1.8 (95% CI, 0.6-2.9) effect size  0.89

セカンダリアウトカムである、不眠症状、 うつ症状、 疲労による支障、疲労重症度に有意差あり

NF-κBは両群とも時間推移で減少




 

2015年2月2日月曜日

疼痛後3年経過し、不眠が生じる ; 身体活動性減少・社会的活動減少に起因

リウマチ疾患での解析らしいが・・・示唆的


50歳以上において、疼痛発症後、3年ほど後に、不眠が現れる。その原因の半数以上が、疼痛による身体活動性制限、社会的活動減少に起因・・・


高齢者の不眠のうち、足腰が痛いという場合は、こういうのが関連してるのかもしれない。



Impact of musculoskeletal pain on insomnia onset: a prospective cohort study
Rheumatology (2015) 54 (2): 248-256.
doi: 10.1093/rheumatology/keu283
First published online: August 14, 2014 


目的. 疼痛は、リウマチ疾患の中で最も多い所見で、特に高齢者に多く、不眠症合併で、健康アウトカム悪化をもたらす。不眠のproactive preventionにより、疼痛及びリウマチ病態の包括的disease burdenを減少させることができるかもしれない。それら情報を得るため、この研究では、疼痛、身体制限を調査し、社会的参加縮小を、不眠発症により予測、あるいは不眠発症が関与しているか検討。


方法. 前向きコホート研究を、6676名の50歳以上、ベースライン及び3年フォローアップ後アンケート完遂例で行い。被検者をACRクライテリアにて無し(none )、幾分あり(some)、かなりあり(widesupread)に分けた。
ロジスティック回帰を行い、ベースライン疼痛と、3年次の不眠オンセットの間の相関を検討。Path解析は、身体制限、社会参加減少を介入として検討。


結果. Some [補正オッズ比 (AOR) 1.57 (95% CI 1.15, 2.13)] 、widespread [2.13 (1.66, 3.20)] 疼痛は、3年時点での不眠リスク増加と関連。補正としては、年齢、性別、社会経済階層、教育、不安、うつ、睡眠及び合併症により行った。

身体制限、社会的参加減少の組み合わせで、不眠発症と“some pain”は68%まで説明、“widespread pain"は、66%まで説明可能。




結論. ベースラインの疼痛程度と3年後の不眠発症の関連性は量依存的影響であり、身体制限や社会的活動減少によるものが過半。
高齢者の身体活動制限や社会的参加を促すことで、合併不眠を緩和し、疾患全体の広がりを緩和することとなるだろう。

2014年9月10日水曜日

ベンゾジアゼピン使用とアルツハイマー病リスク

ベンゾジアゼピン使用は、アルツハイマー病リスク増加と関連し、長期間の暴露によるアルツハイマー病との相関増加は、その直接の関連性を疑う。

ベンゾジアゼピン使用そのものが、認知症リスク増加に関わる状況を示すにしても・・・


Benzodiazepine use and risk of Alzheimer’s disease: case-control study
BMJ 2014; 349 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.g5205 (Published 09 September 2014)
Cite this as: BMJ 2014;349:g5205


症例対照 Quebec health insurance program database (RAMQ):1796名のアルツハイマー病シドなんと、性別・年齢群、フォローアップ期間マッチ化対照比較



ベンゾジアゼピン使用歴は、アルツハイマー病増加リスクと関連
補正オッズ比 1.51、 95% 信頼区間;CI 1.36 ~ 1.69
不安・うつ・不眠補正にて、やや減衰 1.43; 95% CI; 1.28 ~ 1.60

処方×日数投与 91未満程度の累積では相関無い

暴露密度について、処方×日数 91-180ではその関連性1.32 (1.01 ~ 1.74)、 180を超える場合 1.84 ( 1.62 ~ 2.08)で、 短時間作用薬では1.43 (1.27 ~ 1.61 )、 長時間作用薬では 1.70 (1.46 ~ 1.98)




認知症早期症状としての不眠、すなわち、共役性によるものを、ある程度否定した検討・・・という次第。

2013年5月22日水曜日

新しい睡眠薬:二重オレキシン受容体アンタゴニスト:メルク社 Suvorexant(MK-4305)の昼間眠気の懸念

医療費コストの引き上げ要因の一つは、生活改善薬の存在

不眠症などは住民の1割ほど訴える訳で、製薬メーカーとしては、ドル箱
多くの薬剤がGABAに対する薬剤で、様々な問題点が指摘されている。
マイスリーは、転倒の独立した危険因子 ・・・ 即刻対処必要 2012/11/21
医師たちが作る薬物依存 ・・・ 依存症原因の2位に 2013/02/22

新しい機序の薬剤開発に期待がかかるわけだが・・・


Suvorexantは、Dual Orexin Receptor antagonist (DORAs)と呼ばれ、Orexin、オレキシンとよばれる化学的メッセンジャーブロックで効果発現する。Orexinは、覚醒を保つよう働き、昼間は濃度増加、夜間は低下する。
Orexinは視床下部に多く、他の脳の部位に投射する。アカゲザルの実験では、注意力・記憶力に関しGABA抑制剤に比し反応時間の迅速性に異常が見られなく、ミスも少なかった。マウスのcolored objectでも同様の結果。

Suvorexant (MK-4305)は、記憶や注意力に影響を与えずという利点を有する薬剤。




FDAは、製造会社 Merkからの実験途上の睡眠薬剤の効果報告に反し、昼間の眠気、自殺思考を含む副作用に関し、FDA助言委員会が警告を与えている。
プラシーボ比較で良好な睡眠開始と維持効果が示されたが、8倍もの昼間の眠気、朝方の運転に影響を与える場合もしめされた。

FDA raises concerns about experimental sleep aid suvorexant
CBS/AP/ May 20, 2013, 4:04 PM 

2013年3月6日水曜日

不眠と、心不全発症リスク

心不全患者で不眠症は多い、しかし、不眠症状と心不全リスクの関係に関する報告はかなり小規模。前向きに、自己報告不眠症状と、心不全発症リスクに関して、ノルウェーのコホートにて調査



不眠は、心不全発症リスク増加と関連するという結論。
不眠症状の評価は、心血管疾患予防にとって重要となるのではと述べてるが・・・

Insomnia and the risk of incident heart failure: a population study

Eur Heart J (2013) doi: 10.1093/eurheartj/eht019 First published online: March 5, 2013

入眠障害、睡眠維持障害、non-restorative sleep、社会住民統計指標、健康指標、確立した心血管系リスク要素を含め54279名、20-89歳の男女(Nord-Trøndelag Health study (HUNT) ) 1995-1997登録、ベースライン既知心不全なし
ベースラインから2008年まで心不全発症につきフォローアップ
ベースライン不眠症状と心不全リスクの相関評価のためCox比例ハザードモデルを用いた。
 1412名の心不全症例、平均フォローアップ11.3年(SD 2.9年間)、ホスピタリストあるいは国死亡統計により同定

不眠症状回数と、心不全リスクの、量依存的相関

多変量ハザード比は、不眠症状無しに比べ、不眠症状 1、2、3毎、   0.96 (0.57–1.61)、 1.35 (0.72–2.50) 4.53 (1.99–10.31)と増加 (P for trend 0.021)


糖尿病、うつ、脳機能低下は、ベッド上での睡眠障害の原因となる。不眠が心不全の原因、そして心不全が不眠の原因などと判明しているわけではない。さらなる検討の必要性を示しているだけ。さらに、運動、健康な食事、減量、非喫煙いずれもが、良質な睡眠と関連する。

心不全患者中の睡眠呼吸障害、夜間尿などは知られている。また、不眠症や睡眠の質に影響を与える薬剤の存在(β遮断剤による夢との関係・ムードの関係、ACE阻害剤による夜間咳嗽)なども。
心不全発症前からのコホートでも、関連があるということなので、心不全・不眠発症には共通原因のメカニズムが存在するのかもしれない。

ところで、不眠→BZ系・非BZ系睡眠薬ってなれば・・・

医師たちが作る薬物依存 ・・・ 依存症原因の2位に H25/02/22  
BG系睡眠薬は市井でも肺炎を増加させ、肺炎死亡率増加させる H24/12/08
 

2012年11月21日水曜日

マイスリーは、転倒の独立した危険因子 ・・・ 即刻対処必要

後顧的コホートだが、マイスリー使用は転倒の独立した増悪要素であるという報告で、臨床上重大な報告。

Zolpidem is independently associated with increased risk of inpatient falls†
Bhanu Prakash Kolla et. al.
Journal of Hospital Medicine Early View (Online Version of Record published before inclusion in an issue)

ゾルピデムの処方発行され、薬剤受領した患者の転倒発生率
処方発行されたが受領してない患者に比べ、有意に高率
(n = 4962 vs n = 11,358) (3.04% vs 0.71%; P < 0.001)


ゾルピデム使用は年齢・性別・不眠・せん妄・ゾルピデム投与量・Charlson comorbidity index、Hendrich's fall risk score、視覚異常、歩行異常、認知症/認知障害補正後も、転倒リスクと相関存在  (補正オッズ比 [OR] 4.37, 95% 信頼区間 [CI] = 3.34–5.76; P < 0.001)

さらに、転倒経験ありのゾルピデム服用患者は、年齢・オピオイド・抗うつ・鎮静抗うつ薬、向精神薬、ベンゾジアゼピン、抗ヒスタミン使用に関して、他の転倒成人入院患者と差は認めなかった・・・すなわち、ゾルピデム使用自体が転倒リスク。


また、アステラスか・・・

“もうろう状態、睡眠随伴症状(夢遊症状等)”・“中途覚醒時記憶障害”に関しての情報提供はあったが、転倒リスクの情報提供はないはず。

この会社は、この製品を、「筋弛緩作用が少なく、依存性が軽減された」高齢者に望ましい睡眠薬と宣伝していた前科がある。その宣伝文句に従い、全国の医師たちは多くの高齢者に処方しているはず・・・ その後、転倒リスクが高いという安全性情報を我々医師たちは聞かされてない。

ウェブ上でも、マイスリーと転倒増加に関する情報存在する。“マイスリー 転倒”でググればすぐ分かる。安全性情報を隠匿しているといわれてもしかたないのではないか・・・

この会社の前身の“藤沢・・・”に、SSRIと上部消化管出血リスクに関する情報を 求めた際、その場でそのような事実は無いとMRが断言した。このような会社なのである。

SMART療法のいんちきプロパガンダと同様の悪行と私は思うのだが・・・

喘息:アクションプランなしのケアは臨床的アウトカム、医師患者関係の質悪化につながる 2012/11/09

呼吸器系吸入薬剤営業:“医師は、製薬会社のパートタイム営業マンであってはならない” 2012/11/19


まぁ こういうことって、アステラスだけでは無く、すべての製薬会社に共通することですけどね・・・

2012年6月15日金曜日

新規睡眠薬スボレキサント(オレキシン受容体アンタゴニスト) 第III相試験で有用性

Herring W, et al "Efficacy and safety of suvorexant, a dual orexin receptor antagonist, in patients with primary insomnia: Results from two pivotal trials" APSS 2012; Abstract LBA4.


Associated Professional Sleep Societiesの年次集会報告


介入 suvorexant 521名、プラシーボ 258 、平均年齢 約61歳、女性 約55%
suvorexantで、1時間ほど睡眠が長くなり、プラシーボの睡眠延長効果は30分未満。12ヶ月後、30分ほど入眠早くなり、プラシーボは15分程度と有意差を認めた(P<0.001、P<0.01)


副作用としてカタプレキシーの可能性があるが、今回の調査では認めてない。有意な体重変化認めず、。

New Phase III Data Showed Merck’s Investigational Insomnia Medicine Suvorexant Improved Patients' Ability to Fall Asleep and Stay Asleep
http://finance.yahoo.com/news/phase-iii-data-showed-merck-120000520.html


 orexin receptor antagonistとしての、Suvorexant(MK-4305)


年内FDA承認申請とのこと
http://jp.wsj.com/Business-Companies/node_460862


オレキシンって、reward systemや食欲中枢、ナルコレプシーと関連がある
e.g.)http://www.md.tsukuba.ac.jp/basic-med/pharmacology/orexin.pdf
予期せぬ影響や副作用はないのだろうか?



睡眠薬と死亡率の関連 ;年18回分処方ですら死亡率増加  2012年2月29日

noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note