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2019年2月4日月曜日

COPD:ActRII受容体遮断剤bimagrumabは骨格筋力増大するも運動耐用改善せず ただ、最大静的呼気圧改善



ミオスタチン( 細胞増殖分化因子: growth and differentiation factor 8 : GDF-8)、アクチビンA、アクチビンB、およびGDF-11はすべて、アクチビンII型受容体(ActRII)を介して作用する骨格筋量の負の調節因子。アクチビン受容体は、I型サブユニット(ALK4またはALK5)およびII型サブユニット(ActRIIAまたはActRIIB)からなるヘテロ二量体である。


以下 GDR-11だが・・・


https://media.springernature.com/full/springer-static/image/art%3A10.1186%2F1478-811X-7-15/MediaObjects/12964_2009_Article_63_Fig1_HTML.jpg


ミオスタチン遺伝子異常が骨格筋増大をもたらす
Myostatin Mutation Associated with Gross Muscle Hypertrophy in a Child
Markus Schuelke, et al.
N Engl J Med 2004; 350:2682-2688


ActRII受容体遮断薬であるbimagrumabの効果で大腿骨格筋量(TMV)増大をもたらす
COPD患者では筋力低下ししているが、筋力が低く機能が制限されているCOPD患者で増加する。
肺リハビリテーション(PR)は、運動能力と大腿四頭筋力の両方を増加させることが知られている運動療法で、急性と慢性の両方の状況でCOPD患者の大腿四頭筋ミオスタチン発現を減少させます。PRを完遂することは、COPDの増悪、救急部の受診、入院、および死亡の頻度の減少と関連。

筋肉量と運動能力も増加させる薬理学的アプローチは、生活の質(QOL)を改善し、COPD患者のケアに関連するコストを削減する可能性がある。ただ、非アンドロゲンベースの薬理学的同化剤の臨床経験は効果あれば少なく意義がある




Activin Type II Receptor Blockade for Treatment of Muscle Depletion in Chronic Obstructive Pulmonary Disease. A Randomized Trial
Michael I. et al.
AJRCCM  Vol. 199, No. 3  Feb 01, 2019
https://doi.org/10.1164/rccm.201802-0286OC


week 4まで大腿筋量(TMV, cm3Week 4: +5.9% [3.4%, SD] vs. 0.0% [3.3%], P<0.001; Week 8: +7.0% [3.7%] vs. −0.7% [2.8%], P<0.001;Week 16: +7.8% [5.1%] vs. −0.9% [4.5%], P<0.001; Week 24: +5.0% [4.9%] vs. −1.3% [4.3%], P<0.001)

24週間で、両群 6MWD増加に差を認めず

副事象は筋肉関連症状、下痢、ざ瘡で、何れも軽症



筋力には影響無かったが、最大静的呼気圧の有意改善あり!


2018年11月30日金曜日

血中Cr/シスタチンCはいくつかのCOPD特性と相関し、COPD入院予測因子として利用可能

Sarcopenia Index (SI) は新しい筋肉量推定法 血中クレアチニン/シスタチンC(主に筋肉にて産生される物質/有核細胞数全てで産生される物質)

A sarcopenia index based on serum creatinine and cystatin C cannot accurately detect either low muscle mass or sarcopenia in urban community-dwelling older people
Scientific Reportsvolume 8, Article number: 11534 (2018)
これを見ると腎機能正常という条件付きで、まあまあの指標という評価なのだが・・・




The Ratio Serum Creatinine/Serum Cystatin C (a Surrogate Marker of Muscle Mass) as a Predictor of Hospitalization in Chronic Obstructive Pulmonary Disease Outpatients
Respiration
https://doi.org/10.1159/000494296



目的: 安定COPD患者のサルコペニア指数(SI)を健康対照と比較、COPDオーバーラップ重要臨床特性との関連性定量化し、COPD重症度、入院予後予測に役立つか検討

方法:18名の健康対照と65名の安定COPD外来患者;前向きフォローアップ1年間

結果 COPD患者は対照に比べSI低値で筋肉量少ない。
さらにmMRC呼吸困難スコア 2以上、CAT 10以上患者、急性増悪リスク高い患者ではこれらの臨床特性の無い場合に比べSI低値
SIは、 FEV1 (r = 0.491, p < 0.001)、 6-min walking test (r = 0.560, p = 0.001)、Fat-Free Mass Index (r = 0.431, p = 0.017)と相関
単変量・多変量Cox比例リスク解析にて、低SIは有意にCOPD外来患者のその後1年間の入院の独立予測因子である r (HR 5.16, p = 0.025)

結論:血中Cr/シスタチンCはいくつかのCOPD特性と相関し、COPD入院予測因子として利用可能





他の指標


New Skeletal Muscle Mass Index in Diagnosis of Sarcopenia
J Bone Metab. 2018 Feb; 25(1): 15–21.


2018年2月21日水曜日

紅麹米サプリメントと免疫性壊死性ミオパチー


免疫性壊死性ミオパチーと食事性スタチン成分



"Immune-mediated necrotizing myopathy and dietary sources of statins"
Barbacki A, et al
Ann Intern Med 2018; doi:10.7326/L17-0620.
annals.org/aim/article-abstract/2673071/immune-mediated-necrotizing-myopathy-dietary-sources-statins



ネット記事
https://www.medpagetoday.com/cardiology/atherosclerosis/71263


自明の如く、スタチンのターゲットである酵素は、HMG-CoA reductaseだが、スタチン使用歴がなく、スタチン成分を含有するred yeast riceサプリメントも服用歴のない女性で、この酵素への抗体を有する免疫性壊死性ミオパチーの症例報告


2週以上進行性重篤筋力低下57歳女性、筋電図、筋生検検査。EUROIMMUN assayで筋関連抗体陽性、最終的に、抗HMG-CoA reductase抗体ELISA陽性


“Camargue red rice”を2カップ以上摂食する習慣があり、これには植物ステロール(phytosterol) 約2g含有、HMG-CoA Reductase阻害によるスタチン類似メカニズムが寄与するもの

仮説だが、スタチン作用のある植物ステロールも、免疫性壊死性ミオパチーの原因になるのではないかと・・・


症例は、プレドニゾロンと月毎の免疫グロブリン治療で、筋力低下・筋痛は改善
嚥下困難は1年後も残存し、ピューレ食必要な状況とのこと





示唆に富む症例報告


red riceと書かれているが、“red yeast rice”では無いかと思う。
「赤米」とは異なる、紅麹米のことではないかと・・・



以前から、「紅麹米サプリ」については、スタチン代用として注意の喚起がなされている

e.g. medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/etc/201011/517378.html

。日本国内でもモナコリンKを含む紅麹米由来または紅麹由来のサプリメントが多数市販されており、製品の状況は米国と同様と考えられる。


2018年1月5日金曜日

中学生:心肺フィットネス・筋力フィットネスと心血管リスク要素の関連性


序文から
“身体的フィットネスは心血管疾患および全原因死亡と成人では関連性認められている。一方心代謝リスク要素は若年期から成人期にかけて一定なのが多いが、ライフスタイル介入によりこのリスク要素を軽減できる可能性がある。若年期においては、身体要素の2つの要素として、心肺フィットネス(CRF)と筋力フィットネス(MF)が、また、個別の身体フィットネス要素も、心血管代謝リスク要素と考えられる。
日本人のCRFとMFの影響を各々あるいは組み合わせによる代謝リスクへ関わる影響を検討したもの”



Relationships among cardiorespiratory fitness, muscular fitness, and cardiometabolic risk factors in Japanese adolescents: Niigata screening for and preventing the development of non-communicable disease study-Agano (NICE EVIDENCE Study-Agano) 2
Sakiko Yoshizawa Morikawa, et al.[
Pediatric Diabetes
First published: 19 December 2017Full publication history
DOI: 10.1111/pedi.12623  View/save citation

【目的】日本人若年者の心肺フィットネス(CRF)と筋力フィットネス(MF)の2つの要素の、各々あるいは組み合わせの心代謝リスク要素への関連性

【方法】横断研究:993名の日本人13-14歳の若年者対象
身長、体重、血圧、脂質特性(非空腹時)、HbA1c測定
身体フィットネス(PF)検査は、CRF(20m多段階シャトルラン試験)・上肢筋力(握力)・下肢筋力(立幅跳び)・筋肉耐用能(腹筋)
clustered cardiometabolic risk (CCMR) を、BMI、平均動脈圧(MAP)、非HDL、HbA1cの標準化Z-scoreで推定

【結果】線形回帰解析にて、筋耐容能を除く全てのPF要素はCCMRと相関 (P < 0 .001)
代謝リスク要素のうち、ライフスタイル修正後、HbA1cはPFと関連せず、しかし、非HDL-CはCRF、上肢筋力、下肢筋力と逆相関  (B = −2.40; P <  0.001、 −1.77; P <  0 .05、−1.53; P < 0.05)
線形回帰解析にて、CCMR(≥1SD)高値はsynergicに、CRFと上肢筋力両者の下位3分位でsynergicに高い (P for interaction = .001);
しかし、CCMR高値確率の尤度比低下は、上肢筋力下位3分位で見られるが、中等度CRFでは見られない

【結論】心肺フィットネスおよび筋力フィットネス低下は、不健康なメタボリックリスク特性と有意に相関する



clustered cardiometabolic risk (CCMR) 高スコア (≥sex-specific 1SD) :
心肺フィットネスと上肢筋力の比較(左図)
心肺フィットネスと下肢筋力の比較(右図):オッズ比の差 (95% 信頼区間 [CI])



心肺機能低下群でも、上下肢筋力鍛えれば、メタボリックリスク低下するから「がんばれ!」ってことか?
それなら、学校でもインセンティブを設定すべきということになる。実際、どこかの県でがんばってるところを見たことがある。やたらと走る、走る

2015年9月11日金曜日

【リンゴと青トマト】加齢関連筋力低下・萎縮原因メディエータ:ATF4 と その抑制物質ウルソール酸とトマチジン

ウルソール酸(リンゴの成分;五環トリテルペノイド )とトマチジン(緑トマト由来ステロイド骨格アルカロイド)

リンゴとトマトに注目! ・・・ ってことになりそうだけど



Identification and Small Molecule Inhibition of an ATF4-dependent Pathway to Age-related Skeletal Muscle Weakness and Atrophy
Scott M. Ebert , et. al.
The Journal of Biological Chemistry First Published on September 3, 2015, 

加齢は骨格筋筋肉量と筋力低下をもたらす、しかし、その分子的メカニズムは未知のままである。加齢関連骨格筋力低下・萎縮の分子学的メカニズムを、新しい介入手法と共にマウスモデルで検証

骨格筋力、質、筋肉量減少と関連する 2つの小分子、ウルソール酸(リンゴの成分;五環トリテルペノイド )とトマチジン(グリーン・トマト由来ステロイド骨格アルカロイド)を同定

小分子阻害剤は、疾患プロセスのメカニズム的考察に寄与する可能性を考え、 実験。
ウルソール酸 0.27%、トマチジン 0.05%をマウスに投与
2ヶ月後、ウルソール酸とトマチジンは加齢骨格筋でmRNA値のすこし変化。
2つの成分によるmRNA発現 signatureは、ほぼ同等


興味深いことに、ウルソール酸とトマチジンによるmRNAは、加齢筋肉において、 transcription factor ATF4による正に調整される。

 これらの所見をベースに、ATF4を加齢関連筋肉脆弱性・萎縮のメディエーター候補として検討。

ウルソール酸とトマチジンによるx骨格筋内の ATF4発現ターゲット化低下により、骨格筋筋力、質、量の加齢関連低下を抑制させた。


 上記の結果、ATF4が加齢関連筋力低下・萎縮のクリティカル・メディエータとしての役割明確となった。加え、ウルソール酸とトマチジンがATF4活性減少のための成分もしくはリード成分となる可能性示唆。



かつての「あるある大事典」、今の「ためしてガッテン」の大喜びしそうな話題


関連解説サイト
http://www.medicalnewstoday.com/articles/299212.php


その前に、体動かせよ


グリーントマトとは・・・赤トマトのunripe、要するに熟してないだけのようだ
http://alltomatoes.com/why-are-green-tomatoes-green/ 

故に、日本語では青トマトとなると解釈した ・・・知らんけど


自家農園に「みょうがと青トマト」あったのにこのレシピ気づかなかった


 Wikipediaみると、ヒトでは、「 tax-responsive enhancer element in the LTR of HTLV-1」とあり、意外とATL関連症状の説明に・・・ならないか・・・知らんけど

2015年6月15日月曜日

冠動脈疾患患者のRCT:レジスタンス・トレーニングにて心拍変動性・筋パフォーマンス改善

冠動脈疾患患者のRCT:レジスタンス・トレーニングにて心拍変動性・筋パフォーマンス改善


Resistance exercise training improves heart rate variability and muscle performance: a randomized controlled trial in coronary artery disease patients
F. R. CARUSO , et. al.
Vol. 51 - No. 3 EUROPEAN JOURNAL OF PHYSICAL AND REHABILITATION MEDICINE
http://www.minervamedica.it/en/journals/europa-medicophysica/article.php?cod=R33Y2015N03A0281


背景:レジスタンス運動(RE)は心リハビリテーションにとって重要。しかし、冠動脈心疾(CAD)患患者において、REトレーニング低強度、頻拍変動性(HRV)、筋肉強度、耐用性にたいして影響をあたえるかはほぼ知られてない。

目的:CAD患者において、多数反復/低強度REトレーニング(HR/LL-RT)プログラムと、筋力、耐用性について検討
デザイン:ランダム化・対照化トライアル

セッティング:   Cardiopulmonary Physi-cal Therapy Laboratory between May 2011 and No-vember 2013.

対象:20名のCAD患者をランダム化、トレーニング群(61.3±5.2 歳)、対照群 (61±4.4 歳)

1 repetition maximum (1-RM) maneuver(1回挙上可能最大重量)、 discontinuous exercise test on the leg press (DET-L)、 resting HRV を、ベースラインと、45° leg pressを用いたHR・LL-RTプログラム8週後測定。 RMSSD、 SD1、 mean HR 、 ApEn 指数を計算
 HR/ LL-RT プログラムは、45° leg press ;20反復3セット、週2回
初期負荷は1−RMの30%設定、8週間という期間設定


HR/LL-RT8週後、トレーニング群のみRMSSD、SD1指数増加 p<0.05
トレーニング群で、HR/LL-RT後平均心拍有意減少  p<0.05
トレーニング群で、期間後ApEn有意高値  p<0.05


対照群比較で、有意にこれらの値高値 p<0.05













2015年5月15日金曜日

握力弱いと全原因死亡・心血管死・心血管疾患可能性高い、血圧値より優秀な予後推定

握力がないと、全原因死亡、心血管死亡、心血管リスク増加する
単純な測定だが、血圧より強力な予後推定となる

17ヶ国、14万名ほどの国際的調査


Prognostic value of grip strength: findings from the Prospective Urban Rural Epidemiology (PURE) study
Darryl P Leong,  et. al.
on behalf of the Prospective Urban Rural Epidemiology (PURE) Study investigators
http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(14)62000-6/fulltext

PURE研究:2003年1月から2009年12月まで、14万2861名登録、うち、13万9691名は既知生存状態

フォローアップ期間中央値は 4.0年間(IQR 2.9〜5.1年間)、死亡3379/13万9691名
補正後、握力と各々のアウトカムの相関、がんや呼吸器疾患入院を除外したところ、国収入層別でも横断的に同様の傾向であった

握力は全原因死亡率、心血管死亡率、非心臓血管死亡率、心筋梗塞、卒中と相関(握力 5 kg減少毎ハザード比 1.16, 95% CI 1.13–1.20; p < 0.0001、1.17, 1.11–1.24; p < 0.0001、1.17, 1.12–1.21; p < 0.0001、1.07, 1.02–1.11; p=0.002、1.09, 1.05–1.15; p < 0.0001)

握力は全原因死亡、心血管死亡率予測としては収縮期血圧より強力な指標

握力と糖尿病頻度、肺炎あるいはCOPD入院リスク、転倒外傷・骨折リスクには有意な相関認めず


先進国にて、癌リスクと握力は正の相関   (0.916, 0.880–0.953; p < 0.0001)だが、中間・低収入国家ではその関連性認めず



握力は、簡単な加齢マーカーとして良いのかもしれないと・・・

2015年4月3日金曜日

クロノタイプ:夜型は、糖尿病・メタボリックシンドローム・筋肉脆弱と相関、特に男性著明 ;韓国調査

韓国からの報告で、糖尿病になりやすい東アジア人からの報告で日本人にも参考になる報告だと思う

クロノタイプ、Chronotype朝型、夜型で、一日の中での活動の個別時間的指向性で、外的明暗環境下での行動や生物学的リズム。

 このクロノタイプのメタボリックへの影響が韓国内住民疫学調査で明らかに

Evening Chronotype Is Associated With Metabolic Disorders and Body Composition in Middle-Aged Adults
Ji Hee Yu, et. al.
JCEM ; DOI: http://dx.doi.org/10.1210/jc.2014-3754 ; Published Online: April 01, 2015


Korean Genome and Epidemiology Studyからの1620名、47-59歳を対象

 クロノタイプ評価: Morningness-Eveningness Questionnaire

被験者は全て、OGTT、体組成測定(DEXA法)、内臓脂肪測定(CT、 >100 cm2



クロノタイプにて朝型 29.6%、 夜型 5.9%、 どちらでもない 64.5%

夜型は、朝方に比べ、共役要素補正後も、糖尿病オッズ高い  (オッズ比  [OR], 1.73; 95% 信頼区間 [CI], 1.01–2.95),、メタボリックシンドローム (OR, 1.74; 95% CI, 1.05–2.87)も、sarcopenia (OR, 3.16; 95% CI, 1.36–7.33) も多い


相関の性差は男性の夜間型と糖尿病(OR, 2.98; 95% CI, 1.39–6.39) と sarcopenia (OR, 3.89; 95% CI, 1.33–11.33)の相関性オッズが高い。メタボリックシンドロームのみが女性においては夜間型クロノタイプと相関 (OR, 2.22; 95% CI, 1.11–4.43)


結論としては、住民レベルでの調査として、クロノタイプ夜型は、関連要素と独立して、糖尿病、メタボリックシンドローム、サルコペニアと関連。この結果は代謝的機能の概日リズムが関わることが示唆される。











2015年1月7日水曜日

CRIC研究:尿中クレアチニン排泄量低下は臨床的アウトカム悪化と相関するも、インピーダンス測定FFMはアウトカムと相関せず

言わずもがな、クレアチニン・Cr総量は体筋肉量を反映している。筋肉量が少なければESRDや死亡率増加しやすいといういままでの報告。筋肉内組成を反映しているかもしれない、インピーダンス法検査やDXAによる除脂肪体重評価は臨床的アウトカムと相関してなかった。

この解釈は? 



慢性疾患を持つ場合、尿中クレアチニン排泄量(UCr)の低値と、死亡率増加の関連性が知られていた。ただ、UCrのうちの体組成などの要因への影響は不明。

注目アウトカム予測について、UCrと体組成指標

具体的には、UCr、除脂肪容積(FFM)を電気生理インピーダンス法にて測定、、DXAによる四肢除脂肪量を検討

UCr低値ほど、死亡、ESRDというアウトカムと相関

Urinary creatinine excretion, bioelectrical impedance analysis, and clinical outcomes in patients with CKD: The CRIC study
Wilson FP, et al
Clin J Am Soc Nephrol 2014; DOI: 10.2215/CJN.03790414.


CRIC研究、3605名登録の尿中クレアチニンと電気生理的インピーダンス測定、232名のDXAスキャンによる体組成研究を行った。
平均年齢57.8歳、男性が半数、黒人42%
フォローアップ中央値 4.2年、死亡率 9.3、ESRD発症 14.2%

尿中Cr排泄量(UCr)減少は、電気生理学的インピーダンス測定FFM値補正後も、死亡・ESRDと相関

死亡率:補正ハザード比/UCrの1SD増加 0,63(95%信頼区間 0.56-0.72)

ESRD:補正ハザード比/UCrの1SD増加 0.70(95%信頼区間 0.63-0.75)



一方、電気生理学的インピーダンスFFMデータは、死亡、ESRDと有意相関しないが、筋肉量とは強い相関性はある。





電気生理学的インピーダンス測定FFM、すなわち除脂肪体重量は、アウトカムに関連性が見られない。一方、尿中クレアチニン排泄量減少は臨床的アウトカムと相関する。


インピーダンス法は筋肉組成を反映している可能性があるとのこと


2014年11月6日木曜日

COPD:大腿四頭筋adiposity は 身体活動性、運動能力、筋線維の変化と関連

ある程度病期の進んだCOPD患者の場合、太ももの筋肉はその量が単に減少するだけかと思ったが、それ以外に、脂肪蓄積が存在するようだ。そういう筋肉内の組成の変化を発現型としてとらえ、治療ターゲットとする可能性示唆された報告。


Skeletal muscle adiposity is associated with physical activity, exercise capacity and fibre shift in COPD
ERJ November 1, 2014 vol. 44 no. 5 1188-1198
http://erj.ersjournals.com/content/44/5/1188.full
COPD患者毎に、大腿四頭筋発現型は様々。しかし、筋肉の生検なしでは判断できない。仮説として、骨格筋adiposityが筋肉の質バイオマーカーとして非侵襲的指標となるか、検討。


101名の患者と10名の年齢マッチ化健康対照者、大腿中央部横断面積、筋肉内の脂肪/骨格筋attenuation%比をCT画像と標準組織attenuation rangeで計算  脂肪 -190– -30 HU; 骨格筋 -29–150 HU.
筋肉内脂肪 平均 ± SD 比率
患者群: 6.7±3.5% versus 4.3±1.2%, p = 0.03

脂肪・骨格筋attenuation比率はともに身体活動性レベル、運動耐用能力、1型筋繊維比率と相関。これは年齢、大腿中央部横断面積・四頭筋筋力に関連なく相関。

CO肺transfer factorと合わせ、これらの指標は、1型筋線維比率80%超同定可能で、特異性65%超(AUCは 0.83、95% CI, 0.72 - 0.94 )

CT評価骨格筋adiposityは、COPDの多面的特性を反映し、特異的な筋肉の発現型として臨床トライアル介入目標として役割を果たすかもしれない。

2014年4月26日土曜日

パラダイム・シフトとなるか!:線維筋痛症疼痛:皮膚小型神経線維ニューロパチーが原因?

線維筋痛症は、中枢神経系検査では所見認めず、心気症などと鑑別困難となる。末梢性、特に、皮膚神経末端に病理があるとしたら・・・見当違いの検査と判断が多くなされてることとなる。中枢神経系のsensitizationの問題でなく、小線維ニューロパチーがその本体の可能性の示唆が示された。


IL2-Rマーカーや皮膚生検の診断利用なども本格的に検討されるべきだろう


線維筋痛症47名連続患者と対照比較

大型線維、脱髄性末梢性多発神経症で、CIDP(chronic iflammatory demyelinating polyneuropathy:慢性炎症性脱髄性多発神経炎)類似病理所見が見られた。


ふくらはぎ及び大腿部のENDF(epidermal nerve fiber density :表皮神経線維密度)の分析を主体に検討し、対照群に比べ、線維筋痛症でのENFD減少明らかであった。


加齢だけでは説明できない所見で、とくに、ふくらはぎのENDFは、血中IL-2Rと逆走完成に減少し、おそらく、皮膚小型神経線維ニューロパチー:皮膚SFN(small fiber neuropathy)が線維筋痛症疼痛に寄与する病態と考えられる。


"Evidence of abnormal epidermal nerve fiber density in fibromyalgia: clinical and immunologic implications"
Caro X, Winter E 

Arthritis Rheum 2014; DOI: 10.1002/art.38662.





全てのFM患者は、ストッキング・パターンのhypesthesia(知覚鈍麻)


FM患者のENFD平均値は、対照群比較で、腓腹筋部、大腿部ともに低下   (5.8 ± 2.8 SD vs. 7.4 ± 1.9 SD; P < 0.0002、(9.3 ± 3.2 SD vs. 11.3 ± 2.0 SD; P < 0.0007)


FM患者において、腓腹筋部ENFDと皮膚生検のタイミングである年齢は逆相関 (r = - 0.29; P = 0.03)、対照群では相関性観察されない。


ANCOVAにて、説明因子として、加齢単独不可
血清学的評価は、FM患者では、腓腹筋部ENFDとT細胞/マクロファージ活性マーカーであるIL-2Rとの逆相関が見られた   (r = - 0.28; P = 0.04)


大腿ENFDと血中IL-2Rの相関分析では、有意差認めず   (P = 0.08)


腓腹筋部/大腿部ENFD比解析にて、FM患者でのENFD減少は、びまん性広がり、長さ広がり、プロセスともに関連していることが示された。



2014年3月15日土曜日

単一被験者ランダム化(n-of-1)トライアル:スタチン筋痛例投与発症有意差無し

スタチン関連筋痛は、他の原因による筋痛と区別困難で、スタチン治療中止に繋がるという面で重要な症状。

3つの二重盲験交差比較(3週間wash-out period) の単一被験者ランダム化研究法:N-of-1トライアル
スタチン筋痛症既往患者を対象にした研究、被験者数確保期待できない対象のため、N-of-1トライアル施行


N-of-1 (Single-Patient) Trials for Statin-Related Myalgia
Tisha R. Joy, et. al.
Ann Intern Med. 2014;160(5):301-310-310. doi:10.7326/M13-1921

8名の患者(平均年齢、66歳[SD, 8歳]; 88% 女性、10年次Framingham心血管リスク高スコア)を被験者に  n-of-1トライアル
7名患者は3つの治療ペア完遂、1例は2つの治療ペア完遂
どのn-of-1トライアルでも、スタチンvsプラシーボ間に、統計学的なVAS筋痛スコア、症状特異的VASスコア、疼痛干渉スコア、疼痛重症度スコアに、差をみとめず。

5名のopen-label治療復帰、トライアル終了後中央期間10ヶ月。

n-of-1トライアル
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3118090/

様々な事例記述されている

スタチンによる無症候性肝障害リスク

ACC/AHAガイドラインを、製薬メーカー関連講演会やMR活動で以下に取り扱われるか。
スタチン適用推奨拡大問題・AHA/ACCガイドライン 欧州での議論 :http://kaigyoi.blogspot.jp/2014/03/ahaacc.html

日本語解説では、このゴタゴタ記述無いため、米国などで起きている論争しらない医師が多いはず(不勉強な医師が多すぎる)
 e.g.
ACC/AHA  脂質管理GL改訂 糖尿病患者へLDL-C値によらずスタチン投与を推奨
https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/46332/Default.aspx


製薬メーカーからの情報に頼る、情けない日本の医師たち




以下の英国居住研究者メタアナリシスは、一次・二次予防8万3千患者のデータで、プラシーボよりスタチンへのランダム割り付け群で、無症状肝障害絶対数比率を増加したというもの。
多くは、筋症状、疲労、筋痛、横紋筋融解症が多く、プラシーボよりスタチンが多いと言うことは無かった。

What proportion of symptomatic side effects in patients taking statins are genuinely caused by the drug? Systematic review of randomized placebo-controlled trials to aid individual patient choice
European Journal of Preventive Cardiology March 12, 2014 2047487314525531

14の一次予防トライアル(46,262名)のうち、スタチン治療で糖尿病絶対的リスク0.5%(994% CI, 0.1 to -1% , p = 0.012)で増加するが、死亡率減少 : −0.5% (−0.9 to −0.2%, p = 0.003)

15の二次予防トライアルRCT(37,618)では、死亡率減少 1.4% ( -1.2 to - 0.7%, p < 0.001)

他のスタチン寄与症状は無く、無症状肝機能増加は、全トライアル横断的に0.4%頻度増加。重度副事象イベント・中止例は両群で同様。







2013年10月16日水曜日

重症患者:骨格筋消耗はすぐに、かつ、急激に進行する

重症患者の骨格筋の消耗が急激に生じる

栄養状態を改善しても肉にならない可能性も示唆・・・では、運動療法やEMS早期介入すべき


Acute Skeletal Muscle Wasting in Critical Illness
Zudin A. Puthucheary, et. al.
JAMA. 2013;310(15):1591-1600. 

【序文】  重症患者生存者は骨格筋消耗著明で、機能障害と関連する。

【目的】 包括的前向きな骨格筋消耗特性、蛋白合成・蛋白破壊の病態的変化を検討

【デザイン・セッティング・被験者】63名の重症患者(男性 59%、平均年齢 54.7歳[95% CI, 50-59.6歳]、APACHE II スコア 23.5(95% CI, 21.9-25.2)
18歳超で登録、挿管 48時間超、集中治療7日超、ICU期間は生存

【主要アウトカム・測定】  筋肉量減少は大腿直筋横断面積(CSA)超音波連続測定(day 1、3、7、10日)
患者サブセットにおいて、筋繊維CSA面積領域を、蛋白/DNAとともに定量化、day 1、day 7。組織病理解析施行。加え、筋蛋白合成、破壊率、それぞれのシグナリング経路を特性化・

【結果】  day  1での大腿直筋CSA減少有意 (−17.7% [95% CI, −25.9% to 8.1%]; P < .001)
3測定手段評価された28名の患者、day1 day7 では、大腿直筋CSAは、10.3%(95% CI , 6.1% to 14.5%) 減少、筋繊維CSAは17.5%(95% CI, 5.8 to 29.3%)減少、蛋白/DNA 比は、29.5%(95% CI, 13.4% to 45.6%)減少

大腿直筋CSA減少は、day 7までの間に多臓器不全経験患者で、単臓器不全患者に比べ、特にその程度が大きく (多臓器不全 −15.7%; 95% CI, −27.7% to 11.4% vs 単臓器不全−3.0%; 95% CI, −5.3% to 2.1%) (P < .001)、day 3まででさえ (−8.7% [95% CI, −59.3% to 50.6%] vs −1.8% [95% CI, −12.3% to 10.5%]; P = .03)差が認められる。
筋繊維壊死は、20/37 (54.1%)で認められる。

タンパク質合成速度1日あたりに合成されるタンパク質の体全体に占める割合測定である筋蛋白区分合成率測定による、筋肉での蛋白合成比率は、day 1で減少 (0.035%/hour; 95% CI, 0.023% to 0.047%/hour vs 飢餓状態健康対照者 0.039%/hour; 95% CI, 0.029% to 0.048%/hour) (P = .57) 、 day 7では食事摂取健康対照者と相関する増加を示す (0.076% [95% CI, 0.032%-0.120%/hour]; P = .03 vs 食事摂取健康対照:0.065%/hour [95% CI, 0.049% to 0.080%/hour]; P = .30)、しかし、 これは、栄養負荷状態とは関連しない。

下肢蛋白破壊は被験期間中増加持続 (8.5 [95% CI, 4.7 to 12.3] to 10.6 [95% CI, 6.8 to 14.4] μmol of phenylalanine/min/ideal body weight × 100; P = .40).

細胞内シグナル化パターンでは、蛋白破壊促進  (n = 9, r = −0.83, P = .005) 、蛋白豪勢低下decreased synthesis (n = 9, r = −0.69, P = .04).
【結論・意義付け】  重症患者において、筋肉の消耗は、初期1週間のうちに、早期に・急激に生じる。多臓器不全ほど程度が重く、これらは、重症骨格筋消耗に関する知見


Thoraxでも同報告あるし・・・




2013年9月3日火曜日

横紋筋融解症における腎不全・予後予測スコア

肝心の予測式が・・・要約では不明


A Risk Prediction Score for Kidney Failure or Mortality in Rhabdomyolysis
Gearoid M. McMahon, et. al.
JAMA Intern Med. Published online September 02, 2013. doi:10.1001/jamainternmed.2013.9774

2つの大規模教育病院、入院3日内で、CPK値 5000 U/L超過した、血液透析あるいはcontinuous renal replacement therapy (RRT)施行された、重症急性腎障害による生命危機状態となった横紋筋融解症患者
2000年1月1日から2011年3月31日まで、2371名の後顧的解析
derivation cohortはMGHの1397名の患者、validation cohortはBringham and Women's hospitalからなる

横紋筋融解症の原因とアウトカムは、derivation cohortも validation cohortも同様。
全体では、組み合わせ(RRTもしくは死亡)アウトカム発生は19.0%(RRT必要 8%、死亡 14.1%)
組み合わせアウトカムで最も多い比率としては、コンパートメント症候群(41.2%)、敗血症(39.3%)、心停止後(58.5%)

比率の少ないのは、筋炎(1.7%)、運動(3.2%)、けいれん(6.0%)

複合アウトカムの予測要素としては、年齢、女性、横紋筋融解症原因、初期Cr値、CK、リン酸、カルシウム、重炭酸。

derivationコホート変数からのリスク要素スコア開発し、validation cohortに適応

予測モデルのC統計 は、derivation cohortでは 0.82 (95% CI, 0.80-0.85) 、 validation cohortでは 0.83 (0.80-0.86)

Hosmer-Lemeshow P 値は  .14 、 .28,

validation cohortでの、最小リスク(<5 p="">
最大リスクスコア(>10)では、61.2%


2013年6月4日火曜日

スタチン副作用:筋骨格系・関節・外傷・疼痛への広く関与している可能性

後顧的コホート・propensity score マッチ化研究により、スタチンの筋骨格謹啓への副作用イベント率の調査

従来考えられているより、広く、筋骨格筋、関節症、外傷、疼痛への関与が示唆された。


Statins and Musculoskeletal Conditions, Arthropathies, and Injuries
Ishak Mansi, et. al.
JAMA Intern Med. 2013;():1-9.

【被験者】  Tricare Prime/Plus beneficiaries evaluated from October 1, 2003, to March 1, 2010.
【介入】 2005年会計年度スタチン使用。 薬物fillベースで、2群に分割
・最低90日間スタチン使用
・スタチン無使用(研究期間内スタチン未使用) 
【主要アウトカム・測定】
ベースライン特性を用いて、propensity scoreを作成し、いずれのアウトカム指標に対してもオッズ比決定。セカンダリ解析は、研究クライテリア合致全患者。二次解析は、Charlson Comorbidity Indexを用いた非合併症患者サブグループに対して補正OR決定。
感度分析は、非筋肉骨格疾患無しのサブグループと、2年以上スタチン治療継続群で決定。
筋骨格異常発生は、ICD(9)で事前決定:Msk1:全骨格筋疾患、Msk1a:関節症及び関連疾患、 Mskb:外傷関連疾患(脱臼、ねんざ、疲労)、Msk2:薬剤関連筋骨格筋痛  
【結果】 総数 46,249名が研究クライテリア合致  (スタチン使用 13 626、 無使用  32 623 )
これらのうち、propensity score マッチ化 スタチン使用 6967名、無使用者 6967名
マッチ化ペアにおいて、
Msk1 オッズ比 1.19 ; 95% 信頼区間 [CI], 1.08 - 1.30
Msk1b オッズ比 1.13 ; 1.05 - 1.21
Msk2オッズ比 1.09; 1.02 - 1.18
Msk1aのORは、1.07 (0.99-1.16; P = .07)
二次分析、感度分析では、スタチン使用はの補正オッズ比は全てのアウトカム群で高い

2013年4月8日月曜日

カルニチン:腸内微生物で代謝され、動脈硬化促進的に働く

カルニチンというのは、サプリメントにも含まれるが、red meatに存在する。これが、腸内細菌により、trimethylamine-N-oxide (TMAO)という物質に代謝され、動脈硬化促進的に働くという報告。

いままでは、肉類、red meatに含まれる、脂肪が動脈硬化促進の主役ということで説明されていたが、肉類の悪役要素が又一つ増えたことになる。
しかも、サプリメントとしてありがたがられ、販売されているカルニチンが関与しているという報告。
Intestinal microbiota metabolism of L-carnitine, a nutrient in red meat, promotes atherosclerosis
Robert A Koeth, et. al.
Nature Medicine (2013) doi:10.1038/nm.3145
Received 07 December 2012 Accepted 27 February 2013 Published online 07 April 2013
cholineと phosphatidylcholineの腸内細菌による代謝産物は、 trimethylamine (TMA)を産生する。これは、proathrogenic特性をもつ代謝産物  trimethylamine-N-oxide (TMAO)にさらに代謝される。
食事性L-カルニチンである、trimethylaminは、red meatに豊富
TMAOはマウスで動脈硬化促進的

ベジタリンや野菜食より、肉食主体のヒトでは、より微生物によるメカニズムを通してL-carnitine吸収盛んで、ヒトの便中微生物の存在でその関連性が示された。


炭水化物抜きとかがもてはやされているが、重篤な心血管疾患アウトカムに関する有益性臨床的エビデンスとして乏しい・・・にもかかわらず、目先の体重の変動だけを是とする主張にマスコミは一方的に肩入れしているようだ。

結果、red meatの摂取増加を促進し、動脈硬化促進的に・・・ 世間を誘導する。

昨日も、森田なんたらという医師資格をもつらしい医療ジャーナリストが "empty calory"の誤用をやらかしていた。テレビや印刷物、ネット情報を見るにつけ、なんだか悲しくなる。



L−カルニチンについて
http://www0.nih.go.jp/eiken/chosa/karuni.html

L-カルニチン、コエンザイムQ10およびα-リポ酸は、ダイエット効果を標榜する「いわゆる健康食品」に含まれている話題の食品素材です。生化学の教科書では、これらの素材はいずれもエネルギー消費やエネルギー産生に重要な役割を果たすことが示されています


厚労省さん、はやく書き換えてくださいね!!!

2012年10月4日木曜日

デュシェンヌ型筋ジストロフィー  Eteplirsen:エクソン・スキッピング療法の効果確認



Sarepta Therapeutics Announces Eteplirsen Meets Primary Endpoint of Increased Novel Dystrophin and Achieves Significant Clinical Benefit on 6-Minute Walk Test After 48 Weeks of Treatment in Phase IIb Study in Duchenne Muscular Dystrophy
http://investorrelations.sareptatherapeutics.com/phoenix.zhtml?c=64231&p=RssLanding&cat=news&id=1741044


デュシェンヌ型(Duchenne muscular dystrophy, DMD)への6分間歩行pIIbトライアル

 RNAベースの薬剤で、 エクソン・スキッピング療法で新規ジストロフィン増加するもの






Eteplirsen 週1回投与、30mg/kg、50mg/kg、48週間で、正常比較の47%までジストロフィン陽性筋繊維増加
プラシーボ/後続遅延治療でも、統計学的に有意なジストロフィン陽性筋繊維正常比較の38.3%まで増加

エンドポイントの6分間歩行距離では、50mg/kg 48週では、プラシーボ/遅延治療比較で 89.4m増加。



参考:
Duchenne型筋ジストロフィー症におけるexon-skipping 療法
信州大学医学部小児医学講座 樋口司
http://s-igaku.umin.jp/DATA/57_02/57_02_09.pdf

2012年8月14日火曜日

スタチンの副作用としての疲労感、労作性疲労 ・・・ 女性に多い。親水性スタチンで少ない?

スタチンの副作用としての疲労感、労作性疲労 ・・・ 臨床上重要なのに、この雑誌、要約すら閲覧困難にしている。他意でもあるのだろうか・・・AMA配下の雑誌なのに・・・


Effects of Statins on Energy and Fatigue With Exertion: Results From a Randomized Controlled Trial.
Arch Intern Med. 2012 Aug 13:1-2. doi: 10.1001/archinternmed.2012.2171.


subscribeしてないので、要約すら入手できず・・・


解説:http://www.theheart.org/article/1412605.do


シンバスタチンとプラバスタチン中量量で、疲労感(tireness)、労作性疲労(exertional fatigue)関連するという、スタチン副作用観察のためのランダム化研究からの知見

1016名(男性 692、女性 324)、LDL 115-190 mg/dL、既存心血管疾患・糖尿病なし

シンバスタチン 20mg、 プラバスタチン 40mg 、プラシーボ6ヶ月間使用

“energy”、“fatigue with exertion”の調査は、“ほぼない(-2)” から “かなりある(+2)” の5ポイントスケール 自覚症状記載

スタチン使用にて、エネルギー上の副作用と労作性疲労との関連認め、男性より女性に多い


男女:
・プラシーボ - 0.06 
vs 
・ スタチン - 0.21 p=0.005
・ シンバスタチン -0.25 p=0.002
・ プラバスタチン -0.17 p=0.06
女性:

・プラシーボ - 0.08 
vs 
・ スタチン  - 0.39 p=0.01
・ シンバスタチン - 0.47 p=0.004
・ プラバスタチン - 0.31 p=0.07
シンバスタチン(リポバスなど)は有意差を示すが、プラバスタチン(メバロチンなど)は有意差示さず
(親水性:プラバスタチン・ロスバスタチン vs 親油性 アトルバスタチン・フルバスタチン・シンバスタチンの関連性はこれだけでは分からない)

EnergyFatigEx scoreのロジスティック回帰解析では、平均差 スタチン -0.51、 シンバスタチン -0.68、 プラバスタチン 0.33でいずれも有意差有り


著者らによれば、スタチン服用者の20%-40% に疲労を感じると推定されるとのこと


著者らは、エネルギー減少と活動性とに有意な関連を確認、これが、心血管臨床イベント増加に関連するかもしれないと述べている。

疲労感、即、処方変更すべき なのか、どうか分からない。

だが、QOLやwell-beingに影響を与えるため、処方時考慮されるべき副作用である・・・そういう認識が必要

2012年7月28日土曜日

スタチンによる免疫機序介入筋症


スタチンは、免疫関連筋症の原因となり、それらをマスクすることがある得ることが示唆された。
Statins as a possible cause of inflammatory and necrotizing myopathies.
Atherosclerosis. 2012 May;222(1):15-21. Epub 2011 Nov 16.

スタチンは、多発筋炎、皮膚筋炎、necrotizing myopathyなどの炎症性筋症群との関係を指摘。

特に、necrotizing myopathyは抗HMGCR抗体血清患者との関連で注目されている。






Immune-mediated necrotizing myopathy associated with statins.
Muscle Nerve. 2010 Feb;41(2):185-90.
(1) proximal muscle weakness occurring during or after treatment with statins;  スタチン治療後近位筋力低下
(2) elevated serum creatine kinase (CK); 血中CK増加
(3) persistence of weakness and elevated CK despite discontinuation of the statin; スタチン治療中止後も続く 筋力低下と、CK増加
(4) improvement with immunosuppressive agents; 免疫抑制薬剤による改善
(5) muscle biopsy showing necrotizing myopathy without significant inflammation.; 著明炎症を伴わない壊死性筋炎の組織学的証明

スタチンによる筋肉症状に関して、一過性のものとばかり考えてはいけない。持続性のミオパチーの可能性が含まれる。



スタチン抵抗性:HMGCRの選択的スプライシングの役割  2008年 06月 17日

HPVワクチンをめぐる日本の"失われた8年"と、私たちが検証すべきこと

「子宮頸がんワクチン」という呼び方に、以前から違和感があります。 HPVワクチンが子宮頸がん予防に重要であることは間違いありません。日本では女子への定期接種として導入され、子宮頸がん予防を中心に説明されてきたため、この名称が広まった経緯も理解できます。 しかし、このワクチンが...