2014年12月16日火曜日

FDA:Lp-PLA2活性測定 病歴無しの冠動脈性心疾患予後評価認可

FDAは、心疾患病歴なしの成人に対して、Lp-PLA2活性測定を認可


http://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm426799.htm



Lp-PLA2活性評価のためのPLAC試験
血管炎症のバイオマーカーであり、プラークの形成と関連する


225 nmol/min./mL以上をその異常値とする


NIHサブ研究(4598名;45-92歳)において
5.3年間での観察

異常値の場合は、冠動脈性心疾患イベントは 7% 未満の場合は 3.3%


黒人女性を含む場合はその確率はジャンプアップする










若年有病頻度:運動誘発性気管支収縮 20%、 運動誘発性喉頭閉塞 6%、両者 5%

こどもの運動後の呼吸器症状は、運動誘発性気管支収縮(EIB)だけでない。運動誘発性喉頭閉塞( exercise-induced laryngeal obstruction : EILO)も存在する







スウェーデンの横断研究で、ランダムサブサンプルからの疾患頻度推定


EIB運動試験は、ドライエア吸入中で、ベースラインからのFEV1 10%以上減少
EILOは、運動中連続喉頭鏡観察による


Prevalence of exercise-induced bronchoconstriction and exercise-induced laryngeal obstruction in a general adolescent population
Thorax 2015;70:57-63 doi:10.1136/thoraxjnl-2014-205738 

すべての住民での推定頻度は、EIB 19.2%、 EILO 5.7%

性別差なし

運動誘発性呼吸困難のうち、 EIB 39.8%、 EILO 6%、 両合併 4.8%
 この群では 、女児より男児が有意に両者持たない場合が多い 64.7% vs 38.8%; p = 0.026)

運動誘発性呼吸困難例のEIB・EILOの有無にかかわらず、BMI、 肺機能、 喘息診断・治療に関する有意差認めず



おどろくほど、その有病率高い。そして、子供においても、「運動誘発性呼吸困難≠運動誘発性喘息」ということをあらためて確認したい。

非がん性疼痛へのトラマドール使用と低血糖入院リスク

リリカとトラマドールの併用を見たりすると・・・プレガバリンと  トラマドール の乱用が怖い
http://kaigyoi.blogspot.jp/2013/07/blog-post_7306.html




”トラマドール 150mg/日はモルヒネ30mg/日に相当”するわけで、安易な処方はそれ相応のオピオイドによる副作用の覚悟を!


トラマールの添付文書には
眠気、眩暈、意識消失が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意し、なお、意識消失により自動車事故に至った例も報告されている。
 ・・・と書かれてる。


中には、低血糖もあるのでは?



Tramadol Use and the Risk of Hospitalization for Hypoglycemia in Patients With Noncancer Pain
Jean-Pascal Fournier, et. al.
JAMA Intern Med. Published online December 08, 2014. 


意義  トラマドール は、弱いオピオイド鎮痛剤で、急激にその使用量が増加し、そして、低血糖副作用イベントと関連がある。

目的 トラマドールが、コデイン使用と比べ、低血糖による入院リスク増加と関連するかどうか?


デザイン・セッティング・被験者  United Kingdom Clinical Practice Research Datalink内 Hospital Episodes Statistics databaseと関連付調査
非がん性疼痛のためのトラマドールとコデインの新規使用(1998年から2012年)
コホートと症例交叉分析結果一致性評価について共に行う。

主要アウトカムと測定 低血糖のための入院症例を10の対照まで年齢、性別、フォローアップ期間についてマッチ化。


結果 コホート33万4034症例、うち、低血糖入院 1105症例(1000人年あたり0.7 VS マッチ化 1万1019症例)


コデインと比較し、トラマドールは低血糖入院リスク増加 (OR, 1.52 [95% CI, 1.09 - 2.10])、 特に使用30日目までのリスク高い (OR, 2.61 [95% CI, 1.61 - 4.23])


この30日内リスク増加はコホートでも確認 (HR, 3.60 [95% CI, 1.56 - 8.34]) 、症例交叉分析でも確認 (OR, 3.80 [95% CI, 2.64 - 5.47]).



結論・新知見 トラマドール治療開始は、入院必要な低血糖リスクを増加させる。 付加研究にて確認必要で、致死的イベントにつながらないか検討必要。

1年以上増悪無し中等度COPDの半年程度の評価では、アドエア→オンブレスへの変更十分可能

多剤からよりすくない種類の薬剤数に 変更可能かどうかというと
WISDOM研究を彷彿とさせる・・・・
WISDOM研究:COPD 3種吸入からステロイドを離脱すると・・・
http://kaigyoi.blogspot.jp/2014/09/wisdomcopd3.html?q=ICS/LABA


安定中等度COPDの半年程度の評価では、アドエア→オンブレスへの変更十分可能とのこと


Switching Non-exacerbating Patients with Moderate COPD From Salmeterol/Fluticasone to Indacaterol (INSTEAD) study

SFC(吸入ステロイド・レジメン:サルメテロール50μg/フルチカゾン500μg)→インダカテロール 150μg
すなわち、アドエア500→オンブレスへのSwitch可能かどうか?

答えはYesらしい・・・・

INSTEAD: a randomised switch trial of indacaterol versus salmeterol/fluticasone in moderate COPD
Eur Respir J 2014 44:6, 1548-1556; published ahead of print 2014, doi:10.1183/09031936.00126814
http://erj.ersjournals.com/content/44/6/1548.abstract
中等症COPD患者581名
・インダカテロール 150μg ×1 /日
・SFC 50/500 ×2 /日

ランダム割り付け(二重盲検・ダブルダミー・平行群・第4相)

1年以上急性増悪なしの安定症例

プライマリアウトカムは、FEV1 12週後の非劣性検討

プライマリ目標と合致し、9ml(95% CI -45~26ml)の差

12週後、26週後、TDIによる息切れ、Saint George Respiratory Questionnaireによる健康度指標で有意差無し

Rescue薬物、COPD急性増悪26週間で有意差無し

安全性特性は両群とも同等


ERSステートメント:COPD身体活動性

ERS statement
An official European Respiratory Society statement on physical activity in COPD
Eur Respir J 2014 44:6, 1521-1537
erj.ersjournals.com/content/44/6/1521.full.pdf


European Respiratory Society (ERS) statementは、COPD患者の身体活動性包括的俯瞰的レビューを提供。
多職種Task Forceで、 ERS Scientific Group 01.02 を代表。

“Rehabilitation and Chronic Care” は、包括的視点でコンセンサスによるステートメント決定。着眼した文献レビューは、鍵となる領域で行われ、最終的内容はメンバー全員の一致したものをこのStatementとした。



全部読もうと思うけど、拾い読みすると、

身体活動性が以下のいずれかに合致しない場合を一般には身体活動性低下と定義
1)中等度身体活動性30分間以上×週5日以上
2)強度運動20分×週3日間以上
3)いずれかの組み合わせ(中等度運動10分間以上の組み合わせ×3回)か(強度運動10分以上×2回)

アンケート法、歩数計、Accelerometerなど



FEV1%予測値比 52%程度の177名の患者のうち、日内30分連続運動×週5日以上という推奨レベルの運動をしているのは、わずか26%。もし30分をそれぞれ10分ごとに分ければ50%に増加する。


ERSステートメント:COPDにおける栄養評価と治療

COPD特異的栄養成分は存在しない・・・ということ!


ERS statement
Nutritional assessment and therapy in COPD: a European Respiratory Society statement
Eur Respir J 2014 44:6, 1504-1520

栄養とメタボリズムは、COPDにおいて広く行われている科学的研究トピックスであり続けているが、COPD発症・進行・アウトカムへ影響を与える食習慣・栄養状態・栄養介入の関するインパクトある臨床的知見は少ない。 ERSによる形成された多職種Task Forceは、栄養評価・治療に関する現行の状況のエビデンス・記載の要約を公表することを目的としている。


Task Forceメンバーは、主なトピックスについて文献レビューを手法専門家の助言を得ながら行った。栄養状態、体組成異常については特に、COPDアウトカムについての重大な要素ということは明らかとなった。


Task Force は、臨床トライアル、患者カウンセリング上有益な栄養リスク特性評価に基づくCOPDのメタボリックphenotypeを明らかにした。

栄養介入は、栄養状態不十分な患者や、運動プログラムと組み合わせる多くの患者で、おそらく有益。

栄養介入のコスト効果エビデンス提供には、その弁済を補償する事が必要で、栄養学的介入評価アクセス増加が必要


概略的には、バランスのとれた食事は、全てのCOPD患者ベネフィットがある ということで、 肺へのベネフィットのみを有するというようなものではない。また、このような食事は、メタボリック・リスクや心血管リスク上のベネフィットも判明している。

ISHLT/ATS/ERS診断治療ガイドライン:BOS(閉塞性細気管支炎)


An international ISHLT/ATS/ERS clinical practice guideline: diagnosis and management of bronchiolitis obliterans syndrome
http://erj.ersjournals.com/content/44/6/1479.full.pdf



ISHLT/ATS/ERS clinical practice guideline
An international ISHLT/ATS/ERS clinical practice guideline: diagnosis and management of bronchiolitis obliterans syndrome
Eur Respir J 2014 44:6, 1479-1503

【概略】
 BOS という言葉は、FEV1減少継続性の遅延型アログラフト機能障害であり、他の原因によるものでなく、肺機能の移植後障害として可逆性の可能性がある
片側・両側肺移植後、ベースラインFEV1からの90%以下 and/or ベースラインFEV25-75%からの75%以下




委員会は、BOS疑い・断定例における、全身性ステロイド、サイクロスポリン、タクロリムス、アジスロマイシン、再移植について特異的推奨を作り上げた。


BOS診断は、遅延型アログラフト機能障害に起因する 他の移植後合併症の注意深い除外診断が必要。
BOS発症と関連する、いくつかのリスク要素同定されてる。
a) Primary graft dysfunction (PGD)
b) AR including Minimal Grade A1 and higher AR grades
c) Lymphocytic bronchiolitis (LB) or Grade B rejection
d) Antibody-mediated rejection (AMR)
e) Gastro-oesophageal reflux (GOR) (acid and non-acid)
f) Cytomegalovirus (CMV) pneumonitis
g) Symptomatic community-acquired respiratory virus (CARV) infection
h) Colonisation and infection of the lung by
Pseudomonas aeruginosa
i)
Aspergillus
colonisation or fungal pneumonitis
j) Autoimmune sensitisation to collagen V
k) Increased BAL neutrophils on BAL differential cell count
 
現行では、BOSの予防・治療上有意ベネフィットが示されている 利用可能性のある治療はない。
全患者の重要アウトカムの適切測定・報告を含む適切なデザイン・遂行のRCTが、確立したBOS至適治療及び予防戦略を打ち立てる上で必要。



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