2022年5月24日火曜日

回復期COVID-19患者へBCGワクチン効果有り?

 Randomized clinical trial of BCG vaccine in patients with convalescent COVID-19: Clinical evolution, adverse events, and humoral immune response

Mehrsa Jalalizadeh,et al.

JIM, First published: 22 May 2022 https://doi.org/10.1111/joim.13523

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/joim.13523

【背景】 Bacillus Calmette-Guérin(BCG)ワクチンは、成人におけるウイルス性疾患に対する交差防御を与える可能性がある。本研究では、成人の回復期コロナウイルス疾患2019(COVID-19)に対するBCGワクチンの交差防御を評価した。


【方法】 多施設共同前向き無作為化プラセボ対照二重盲検第III相試(ClinicalTrials.gov:NCT04369794) 

セッティング:University Community Health Center and Municipal Outpatient Center in South America 

患者: 回復期COVID-19の成人患者計378名を対象 

介入:BCGワクチン単回皮内接種(n = 183)およびプラセボ(n = 195) 

測定:主要評価項目は臨床経過、その他のアウトカムには、有害事象および最長6カ月間の体液性免疫反応が含まれた。

【結果】anosmia(無嗅症)およびageusia(味覚障害)のBCG患者のうち、6週間の追跡調査時に回復した割合は、プラセボよりも有意に高かった(anosmia(:83.1% vs. 68.7% 治癒、p = 0.043, number needed to treat [NNT] = 6.9; ageusia: 81.2% vs. 63.4% 治癒、p = 0.032, NNT = 5.6 )。 

BCGはまた、その後の数週間におけるageusiaの出現を予防した:BCG投与者113人中7人(6.2%)に対してプラセボ126人中19人(15.1%),p = 0.036, NNT = 11.2. BCGは、重度または全身性の副作用を誘発しなかった。 

最も一般的で予想された副作用は、ワクチン局所病変、紅斑(n = 152; 86.4%)および丘疹(n = 111; 63.1%)であった。N蛋白免疫グロブリンG(IgG)力価で測定した抗SARS-CoV-2液性反応とアンジオテンシン変換酵素2(ACE2)受容体との相互作用による血清中和から、BCG注射患者の血清は低い特異性でウイルスを中和するかもしれないと考えられた。しかし結果は統計的に有意でなかった。


【結論 】BCGワクチンは安全であり,COVID-19に対する交差防御を提供し,体液性反応を調節する可能性がある.制限事項 重篤な患者は含まれていない。

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