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2016年2月5日金曜日

システマティック・レビュー:喫煙規制法制化による健康ベネフィット

受動喫煙を含め喫煙規制に関する規則制定の動き:健康アウトカムへの影響エビデンスの検討





Cochrane Database of Systematic Reviews 2016
Source Reference: "Legislative smoking bans for reducing harms from secondhand smoke exposure, smoking prevalence and tobacco consumption"
Frazer K, et al
Cochrane Database of Systematic Reviews online, Feb.
4, 2016.
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/14651858.CD005992.pub3/abstract


公共の場での喫煙規制法が健康アウトカム改善効果をもたらす

77の研究のアップデートレビュー、12のオリジナル、65の新規研究
21ヶ国からのエビ炎スをアップデートし、8各国従来より増加
介入はランダム対照トライアル、36研究はinterrupted time series study design、23は対照化前後比較デザイン、18は対照をとらない前後比較、6つはコホート
72が健康アウトカム、心血管、呼吸器系、周産期。11研究は喫煙関連疾患による国内死亡率
多数の研究で健康アウトカム多数報告


一致した結果で、国内喫煙制限のインパクトはポジティブで、心血管健康アウトカム改善、喫煙関連疾患死亡率減少
呼吸器系・周産期での効果は一致せず
国内喫煙規制法制の喫煙への行動影響24研究
喫煙規制法制化の喫煙頻度・たばこ消費量へのエビデンスは一致していない
研究の中には喫煙頻度のトレンドとして長期変化が見られたというものもある







Cochrane Review: Smoking Bans Appear To Improve Health Outcomes
Cardiovascular disease admission rates fall after prohibitions begin
http://www.medpagetoday.com/Pulmonology/Smoking/56000

急性心筋梗塞/急性冠症候群の有意減少が喫煙制限法で改善し、12研究で入院退院率現象報告

2014年発表のドイツのレジストリ研究(Smoking ban in public areas is associated with a reduced incidence of hospital admissions due to ST-elevation myocardial infarctions in non-smokers. Results from the BREMEN STEMI REGISTRY
European Journal of Preventive Cardiology September 2014 21: 1180-1186)では、ST上昇型心筋梗塞を禁煙

低レベル品質研究で、喫煙関連疾患死亡率減少が示された。
意外なのは呼吸器系・周産期健康アウトカムへのエビデンス不足

2014年3月3日月曜日

【ワクチン行政の愚】肺炎球菌ワクチン(PPV23)肺炎入院・肺炎発症予防効果ベネフィットわずか 有意性認めず

Hibワクチンじゃ無くて、欠陥ワクチンPPV23、すなわち、西田敏行が変な宣伝している・・・アレ! このワクチンに関して、呼吸器学会が変だからどうしようも無いのかもしれないけど・・・



政府・行政というところは、「医療の効率化」とすぐ言うくせにその解決法の例と言えばすぐ、ワンパターンで、「ジェネリック導入」がなどと、脊髄反射発言を繰り返す。経済界もそうだが、直感的にしかものを考えられないのだろう。行政にも司法判断にも科学性を求めるべきだ。実際、その方法論は完全とは言いがたいが少なくとも導入している国も存在するわけだし・・・。官僚の直感、経済界の利益性だけで国が動き、お涙ちょうだい国会議員が国策を混乱させる。ワクチン行政が代表的。



真の効率化は、コストにかかる効率・効果・有効性解析からしか生まれない。


果たして、一般高齢者への肺炎球菌ワクチンのその効果・効率・有効性は、コストに見合うのだろうか?


3万名弱の60歳以上のスペインの前向き住民コホート(7万6千33人年)研究。

細菌性肺炎発症は、ワクチン群 0.14 vs 非ワクチン群 0.26
非細菌性肺炎発症は、ワクチン群 1.46 vs 非ワクチン群 1.44
全原因市中肺炎は、ワクチン群 7.19 vs 非ワクチン群 7.71
PPV23は、プライマリアウトカム設定(市中肺炎入院・全原因肺炎)に対し、ベネフィット有益性を認めなかった

Effectiveness of the 23-Valent Pneumococcal Polysaccharide Vaccine Against Community-Acquired Pneumonia in the General Population Aged ≥60 Years: 3 Years of Follow-up in the CAPAMIS Study
Olga Ochoa-Gondar1, et. al.
Clin Infect Dis. (2014)  doi: 10.1093/cid/ciu002 First published online: February 13, 2014

あと、二次解析で、感度分析・層別分析して、有効性の言い訳がなされている。

接種後5年未満では、細菌性市中肺炎、非細菌性肺炎、全ての肺炎、全原因市中肺炎で、リスク減少が示されたと・・・


PPV23は、反復投与で、効果減少の可能性があり、接種タイミングや回数に関して、充分なエビデンスも存在しない。・・・そんなのに、国税を使う愚!!!


・ 本邦老人施設:肺炎球菌ワクチンは肺炎球菌のワクチンであり、肺炎ワクチンではない!2010年 03月 12日
・ 肺炎球菌性肺炎予防のエビデンス無き肺炎球菌ワクチン:PCV7の方がより免疫反応が優秀 2009年 09月 09日

2014年2月28日金曜日

高齢者たちへの薬物超過状投与の現状を憂う;スタチン・降圧剤 ・・・ ;本邦では糖尿病がもっとひどいと思うが

 欧米のガイドラインでは比較的年齢の区切りにシビアで、80歳以上の高齢者と若年層では処方推奨の内容が異なることは多い。卒中リスクがそれほど高くなく、逆に副作用が問題になる場合に薬剤過剰処方している場合が多い。研究では80歳以上では高血圧は必ずしもキーとなるリスク要素では無く、コレステロール高値 も卒中に対してたいした影響がない。 高齢・脆弱高齢者の卒中予防に対してスタチン・降圧剤は不適切。疫学的にみても、これらの年齢では高血圧は卒中のリスク要素とならに。そして、もともと高コレステロール血症は卒中への影響は少ない。大規模トライアルで、降圧剤・スタチンの心血管系エンドポイントへの効果というのは臨床的効果意義の境界にしかない。


 脆弱な高齢者に対しその潜在的ベネフィットに見合わないスタチン・降圧剤は過剰投与される現状を見直すべきである。


"Overenthusiastic stroke risk factor modification in the over-80s: are we being disingenuous to ourselves and to our oldest patients?"
Byatt K
Evid Based Med 2014; DOI: 10.1136/eb-2013-101646.



糖尿病なんかも、もっとひどいと思う。超高齢者に対しても、あのアホ学会は若年者と同様の線引きをしてるし・・・


厚労省の馬鹿役人たちは、人口高齢化に伴う医療費高騰を憂う。分析がまともで無いため、効果的な対策ができてない。

教えてあげよう。それには、受診制限より先に、まず、高齢者への無駄な処方制限をする方がコスト削減に効果的。そして医師たちに非薬剤的介入をまず第一に考慮する機運や動機付けを与えるべきなのだが・・・。製薬会社主導の厚生行政・薬剤行政からは抜け出せないのだろう・・・、まず、役人様たちが。

ご承知の通り、製薬会社は各医科系大学と癒着しているわけだが、厚労省はそれを利用してきた。

例えば、各学会ガイドライン作成、この折の便宜供与がなされてる。厚労省にとっては都合が良い。なぜなら、ガイドライン作成のコストを肩代わりしてもらってル訳だから・・・。結果、外国のガイドラインの翻訳にしかすぎないガイドライン、そして特定団体利益誘導的ガイドラインが、COIの言葉むなしく並ぶ・・・。

2012年11月4日日曜日

申し送り時間の取り扱い:医事と労務で矛盾

矛盾


“健康保険”
基本診療料の施設基準について】 
Q1.休憩、食事時間は勤務時間から除外しなければならないですか。
A1.通常の休憩時間は勤務時間に含まれるので、除外する必要はありません。

Q2.届出の際に用いる勤務計画表(様式3の3)を作成する際、残業時間は含めてよいですか。
A2.残業時間は含みません。当該保険医療機関の定める所定の勤務時間数で作成します。

Q3.申し送りで二つの勤務帯が重複する場合はどのように考えますか。
A3.申し送りについては、二つの勤務帯が重複する時間帯(たとえば、夜勤者から日勤者への引継ぎ時間帯)が生じることとなるため、申し送りを受ける側の勤務時間帯における勤務時間数のみを計上します。


vs

労務
夜勤者と日勤者の所定労働時間が重複していない。
  • 夜勤者と日勤者の労働時間が重複していない場合、申し送りの時間について、時間外労働が発生していると判断されやすくなります。
<例>
  • 日勤者の勤務時間…9:00~17:00
  • 夜勤者の勤務時間…17:00~9:00
この場合、いつ日勤者と夜勤者が申し送りをするのかが問題となります。
17:00以降に申し送りをした場合、日勤者にとって時間外労働となります。
また、9:00以降に申し送りをした場合は、夜勤者にとって時間外労働となります。
※なお、法定労働時間を超えていなければ、割増率の支払義務はありません。


 http://www.suzakukai.com/index.php?%E7%9C%8B%E8%AD%B7%E5%B8%AB%E3%81%AE%E5%8A%B4%E5%83%8D%E6%99%82%E9%96%93%E7%AE%A1%E7%90%86

2012年10月31日水曜日

禁煙法包括的制定多いほど、主要疾患死亡率・入院減少


飲食店・公共での喫煙禁止により心筋梗塞3割減少、心突然死2割弱減少 (H24/10/30)

より厳格な禁煙に関する法律を制定することで、疾患入院・死亡を減少させることができるという報告。

Association Between Smoke-Free Legislation and Hospitalizations for Cardiac, Cerebrovascular, and Respiratory Diseases: A Meta-Analysis
Crystal E. Tan and et. al.
Circulation. 2012;126:2177-2183, doi:10.1161/CIRCULATIONAHA.112.121301

33のsmoke-free法律に関する45研究で、フォローアップ中央値24ヶ月(レンジ 2-57ヶ月)
包括的法制化は、4つの診断群(冠動脈疾患、他の心疾患、脳血管疾患、呼吸器疾患)有意な入院(or 死亡)を減少
相対リスクはそれぞれ 0.848; 95% 信頼区間 0.816–0.881)、 0.610; 95% 信頼区間 0.440–0.847、 0.840; 95% 信頼区間 0.753–0.936、 0.760; 95% 信頼区間 0.682–0.846

包括的禁煙法のリスク差は長期フォローでもその影響に関して差を認めず

包括的な法律が多いほどリスクへの効果に関して大きな効果が出る。


解説記事:http://www.theheart.org/article/1465989.do

2012年3月21日水曜日

認可行政当局への提出データの検討が必要; 向精神薬出版バイアスとFDA提出データ

向精神薬研究に関する出版バイアスと、FDAデータベースとの比較

出版バイアスの程度は、一致してプラシーボ効果より優越性が示されており、以前の抗うつ薬よりは少ないが、認可機関当局へのデータ公表が無ければ、出版バイアスにより、有効性と無効性の境界は不明瞭ということになる。


Publication Bias in Antipsychotic Trials: An Analysis of Efficacy Comparing the Published Literature to the US Food and Drug Administration Database.
Turner EH, Knoepflmacher D, Shapley L (2012)
PLoS Med 9(3): e1001189. doi:10.1371/journal.pmed.1001189

8つの 第2世代の向精神薬 aripiprazole、 iloperidone、 olanzapine、 paliperidone、 quetiapine、 risperidone、 risperidone long-acting injection (risperidone LAI)、 ziprasidoneを 24のFDA登録市販前トライアルコホートを同定

FDAによるトライアル結果を 、ジャーナル論文結果と比較

研究結果と出版状況を比較し、2つのデータ情報源由来のeffect sizeを比較

24FDA登録トライアルのうち、4(17%)は出版されず

これらの内、3つはプラシーボを越える統計学的アドバンテージを示せず、一つは、統計学的にactive comparatorより劣性であった。

20の出版トライアルの内、ポジティブなものでなかった5つで、バイアス報告のアウトカムエビデンスが示された。 
しかし、トライアル・アウトカムと出版状態との間の相関は、統計学的な有意に至らず
 
さらに、出版バイアスを伴うeffect size point の増加が軽度みられるが、統計学的な有意差に至らず

一方、非出版バイアスのeffect size(0.23, 95%信頼区間 0.07-0.39)は、出版トライアルのeffect size(0.47, 95% 信頼区間 0.40-0.54)の半分で、その差に有意差あり 




日本の場合も厚労省は、製薬会社からの情報生データを公表すべきであろう。


effect sizeの勉強:

effect size、効果量(http://www.mizumot.com/method/mizumoto-takeuchi.pdf
サンプル・サイズによって変化しない,標準化された指標である効果量(effect size)は、たとえば、「グループごとの平均値の差を標準化した効果量」の代表的な指標である Cohen’s dでは、“(介入の平均-対照群平均)/(SQRT(((介入群の標準差)^2+(対照群の標準偏差)^2))/2)で示される。 
この計算から得られる値はグループごとの平均値の差を標準化したもの(standardized mean difference)になっている。 
算出される数値は,標準偏差を単位として平均値がどれだけ離れているかを表しており,たとえば,d = 1 なら,1 標準偏差(SD)分だけ離れていることを意味する。効果量小(small effect size)という結果の場合、実質的な差は小さいということがわかる。 
このように,効果量は,平均値と標準偏差のみでの直感的な判断とほとんど同じ解釈
ができるものなのである。また,効果量はp 値のようにサンプル・サイズによって影響
されることはないので,実質的な差を考えた場合には,統計的検定の枠組み(p 値)ではなく,効果量による解釈がふさわしいといえる。 
つまり,統計的検定の結果を解釈する際には,p 値を判断の最終材料とするべきではなく,まずは平均値,標準偏差,そして効果量によって,実質的な差を検討すべきである。 
また,研究における実験条件によっては,「有意差があっても(p < .05)効果量が小さい場合」もあれば,「有意差がなくても(p > .05)効果量が大きい場合」も考えられるため,有意差があろうがなかろうが,どちらにしても効果量は報告しなければならない(American Psychological Association, 2009;Field, 2009; Kline, 2004 など)。 
よくある疑問としては,「効果量で実質的な差がわかるのであれば,統計的検定を行ってp 値を見る必要はないのではないのか?」というものであるが,「効果量のみでよい」ということはない。そもそも,効果量は確率を用いる推測統計とは目的が違うものであり,手元のデータから母集団にまで一般化を目指すのが統計的検定の目的なのである。 
データのサンプリングがうまくいっていないために,手元のデータが「たまたま」大きな差が得られるデータだったという場合は,効果量だけの解釈ではその可能性が否定できない。 
つまり,実質的な差を示す効果量が大きく,なおかつ統計的有意差もある(p < .05)というのが,理想的な統計的検定の形である。

Effect Size (ES)  Lee A. Becker
http://www.bwgriffin.com/gsu/courses/edur9131/content/EffectSizeBecker.pdf

2012年3月12日月曜日

4メチルイミダゾール:コーラなどのカラメル着色料 発がん性可能性のためレシピ変更

4-methylimidazole (4-MI とか  4-MEIとか)
カラメル着色、褐色を際出せるために用いる物質で、 Coca-Cola、 Diet Coke、 Pepsi-Cola、 Diet Pepsiでそれらを化学解析で検出。
Center for Science in the Public Interest(CPSI)は、非営利監視グループで、FDAに、硫化アンモニアカラメル着色をやめるよう要請していた(2011年2月)  。
 で、それに伴い、コカコーラ、ペプシ社ともレシピ変更とのこと

カリフォルニアでは対策されてたようだが、全米に広がるとのこと

アメリカの業界団体は不満気味で、ヒトでの発がん性の報告がなく、科学的証拠に基づくものではないと反論しているようだ
各メディアが先週末報道してた





ところで、仕事をしないで、役人の給料だけを消費するので有名な日本の“消費者庁”の対応は?

“メチルイミダゾール”検索してもなにもでてこない・・・昨年から米国で問題になってるはずだが・・・

税金だけを消費するだけの




・ 茶のしずく石けんアレルギー: 加水分解コムギ末グルパール19S  2011年 11月 15日
 http://intmed.exblog.jp/14009671/

“厚生労働省と消費者庁の連携がうまくいかず、問題の把握から注意喚起まで8カ月以上かかっていたこと”


・ 健康食品誇大広告の業者公表へ 消費者庁 2010年 12月 01日
http://intmed.exblog.jp/11642249/


・ 不健康エコナ問題・・・花王・厚労省・人間ドック学会・マスコミの罪 2009年 09月 17日
http://intmed.exblog.jp/8975035/

2012年2月29日水曜日

医師や教育病院への製造会社報酬提供明確化

医師や教育病院への製造会社報酬提供明確化

“Transparency Reports” on Industry Payments to Physicians and Teaching Hospitals
JAMA. Published online February 14, 2012. doi: 10.1001/jama.2012.21


Patient Protection and Affordable Care Actの"Sunshine" 条項により、  Centers for Medicare  Medicaid Services (CMS)は2013年9月までに、製造会社の支払いを"transparency report"を、パブリックウェブサイト上公表しなければならなくなった。

2012年2月27日までパブリックコメントを求め、提案した内容要約



2012年2月10日金曜日

整形外科:医療訴追回避防御医療コストはすべての医療費の2-3割をしめる

AAOS 2012 Annual Meeting Session: 26-Practice Management/Rehabilitation I

米国の整形外科医は、医学的に不必要な検査や紹介を30%ほどで、推定200億米ドルを超えるコストとなっている。


  • 単純X線: 19%
  • CT スキャン: 26%
  • MRI スキャン: 31%
  • 超音波検査: 44%
  • 血液他の検査: 23%
  • 生検・吸引: 18%
  • サブスペシャリティー紹介やコンサルテーション: 35%
  • 入院: 7%


法的責任回避がなされるなら、検査オーダーは少なくなると77%の回答者が答えている。


筆者らは、これらの検査や医療行為の23.6%が法的な責任を恐れてのコストと述べている。


参照:http://www.medpagetoday.com/MeetingCoverage/AAOS/31110

2012年2月8日水曜日

入れ墨・ピアスによるC型肝炎ウィルス感染伝播


Transmission of Hepatitis C Virus Infection Through Tattooing and Piercing: A Critical Review
Clin Infect Dis. (2012) doi: 10.1093/cid/cir991 First published online: January 30, 2012


入れ墨は、職業的になされる場合と友人・家族・刑務所内で施される場合がある。
職業的になされているのが合法的なのかどうか分からないが、職業的になされた場合にC型肝炎感染リスクがないというエビデンスはないと書かれている。
米国内新規HCV感染は1万8千名で、多くは共有ヘロイン注射によるものだが、20%が原因不明で、リスク要素候補として、入れ墨がある。
特に、刑務所内の入れ墨、prison tatooの存在について関心が向いている。

上記報告は、入れ墨とともに、ピアスについても記載されている。

入れ墨とピアスは若年者のうちに特に増加しているが、C型肝炎ウィルス(HCV)感染リスクについて評価及び文献上の知見が少ない。
Meta-analysis of Observational Studies in Epidemiology (MOOSE) guidelineを用いてHCV感染リスクを検討。
professional parlorから入れ墨・ピアスを受けたときにHCV感染リスク増加するかどうかの明確なエビデンスは、入れ墨and/orピアス特異的には存在しない。
しかし、HCV感染リスクは重要で、特に高リスク群においては、補正オッズ比 2.0-3.6で、刑務所あるいは友人からの処置によるものではリスクが高い。
予防的には、刑務所、自宅、他の衛生的でない場所での入れ墨やピアス作成によるHCV感染伝播を防ぐ必要性がある。

入れ墨、ピアスに関し、若年者に、HCV感染防御のための衛生的環境下での施行必要について教育する必要がある。



2012年2月3日金曜日

お恥ずかしい厚労省検診・保健指導”腹囲基準”問答

原発事故問題の時の東大の先生と共通する、東大の先生のお恥ずかしい”腹囲基準”問答・・・



第1回健診・保健指導の在り方に関する検討会 議事録
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000021sd3.html




 ○保坂構成員  ・・・略・・・
腹囲を最初に基準にして階層化ということをされているものの最初の基準を腹囲に置いている
わけですけれども、腹囲を基準にしてやるということが日本以外の国でやられているところがあ
るのかどうかということについてもどなたか教えていただけたらと思うのですが、よろしくお願
いします。
(これに対し、外山健康局長、答えず、 津下構成員 答えず・・・)
(保坂先生さすがに腹に据えかねたようで・・・)

保坂シゲリ氏(社団法人日本医師会常任理事)の再三の”腹囲基準が世界的な基準なのかの質問に回答することを避けた後、門脇 孝氏(東京大学大学院 医学系研究科糖尿病・代謝内科教授)の答弁。
○保坂構成員 全然論点がずれていて、腹囲というものを基準にしてこういったことをすることがどこか日本以外のところで行われていることがあるかどうか教えいただきたいという質問を私はしたわけです。
ですから、これが日本固有のものであれば、それについてこれがいいのかどうかということの議論はもう一回最初からする必要がありますけれども、外国でもやっていて、そこでいろんなこういうデータが出ているということをもし教えていただければ、私としてはとても参考になると思ってお聞きしたいのですが、どなたか御存じでしょうか。

○永井座長 これはヨーロッパもたしか最初は腹囲を前提としていたのが変わったのだと思いますけれども、門脇構成員、どうぞ。

○門脇構成員 もともとアメリカでは腹囲は、メタボリックシンドロームを診断する上での5項目の1つとして扱ってきました。日本と、永井座長が言われたようにヨーロッパでは腹囲をまず上位において、それを必須項目としてその中で他のリスクファクターを重積するものをメタボリックシンドロームとして扱ってきました。
ただ、ヨーロッパで一昨年、態度を変えて、アメリカと同じような形で腹囲を必須項目とはせずに、幾つかの項目の1つとして扱って、今、日本が腹囲を必須項目とするという点で欧米とは違うと思います。
日本肥満学会あるいはこのメタボリックシンドロームの基準をつくった8学会としては、大勢の意見は、やはり日本の内臓脂肪の研究の成果の上でこういう腹囲をまず必須項目とするということが出されて、むしろこれは世界に先駆けて先進的な取組みではないかと学会では今おおむね評価をしているということかと思いますけれども、保坂構成員の述べられたことも含めて、この検討会の検討課題とすればいいのではないかと思います。

○永井座長 そうですね。これは私も厚労科研でさせていただいたのですが、ある保健団体で、腹囲を基準として肥満者と非肥満者について調べています。確かに肥満者はBMIが高まるにつれてリスクの因子の数が増えます。ところが、同じリスクの数であれば非肥満者の方が心血管イベントは多いのです。ですから、非肥満者のハイリスクの人たちをどうするのかというのは議論が必要かなと思います。

どうぞ・・・

日本独自の基準だと最初から言えよ! 門脇先生!

どこの学会で評価されてんだろ! あんたたちが理事をしている学会でだけだろ!


こんなごまかい問答しか出来ない人が偉そうに出来る日本の医療や検診って・・・やっぱ、すごいわ!(ネガティブな意味で)


関連:
腹囲が必須条件から外れる 診断基準を国際統一:日本のお偉いさんは腹囲に固執しつづけるそうな  2008年 08月 20日

メタボ「腹囲」偏重に異議…厚労省研究班「関連強くない」  2009年 03月 01日

メタボ健診:線引き困難 腹囲基準根拠揺らぐ 厚労省、3万人データ解析  2010年 02月 10日

2012年1月26日木曜日

中年公務員のデータ;長時間労働ほど大うつエピソード増加

中年公務員のデータ;長時間労働ほど大うつエピソード増加
Overtime Work as a Predictor of Major Depressive Episode: A 5-Year Follow-Up of the Whitehall II Study
Virtanen M, Stansfeld SA, Fuhrer R, Ferrie JE, Kivimäki M (2012)
PLoS ONE 7(1): e30719. doi:10.1371/journal.pone.0030719


2012年1月25日水曜日

ペルフルオロ化合物:ワクチン免疫低下 ・・・ ポップコーンやファストフード包装?

Serum Vaccine Antibody Concentrations in Children Exposed to Perfluorinated Compounds
Philippe Grandjean et. al.
JAMA. 2012;307(4):391-397. doi: 10.1001/jama.2011.2034

Perfluorinated compound (PFC)s :ペルフルオロ化合物


 

これが、ヒトの免疫能力低下、具体的には、5-7歳の定期ワクチン反応減弱が示された


この化学物質ていうのが、レインコート、抗さび、電子レンジのポップコーン包装やファーストフードの包装につかわれているということで話題に・・・


PFOA(ペルフルオロオクタン酸)の用途は添加物(樹脂用)、その他製品用(触媒)など
、ポリテトラフルオロエチレン合成における添加剤、塗料のレベリング剤、水性膜形成泡消化剤、界面活性剤などに用いられるという表記(wiki)。「フッ素系の優れた界面活性剤/撥水剤」としてのPFOS/PFOP・PFOAの使用がかなり行われているとのこと。電気電子製品用途として使用されている可能性の高い物質は、テトラブロモジフェニルエーテル、ペンタブロモジフェニルエーテル、ヘキサブロモジフェニルエーテル、ヘプタブロモジフェニルエーテル、(PBDEの一種)、ヘキサブロモビフェニル(PBBの一種)のプラスチックの難燃剤の用途、およびペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)とその塩、ペルフルオロオクタンスルホン酸フルオリド(PFOSF)の撥水撥油剤、界面活性剤であろう(引用)。



論文訳の一部
フランス本土のNational Hospitalの生誕コホート前向き研究

5、7歳時の破傷風・ジフテリア 血清抗体

USの研究報告と同様の結果
血中ペルフルオロ化合物(PFC)のうち高濃度のものは perfluorooctane sulfonic acid (PFOS) と perfluorooctanoic acid (PFOA)

母体妊娠中血清中のPFCsのうち、PFOSが 5歳児の抗体濃度と、最も強い負の相関性を示し、 2倍濃度でジフテリア抗体濃度の差 -39%(95% CI, -55% ~ -17%)と関連する


5歳児の小児PFCs で、抗体レベルは均一に負の相関を示し、特に7歳でめだつが、例外はPFOS暴露と破傷風抗体で統計学的に有意差無し。


structural equation modelで、PFCの濃度2倍で、包括的抗体濃度 −49% (95% CI, −67% to −23%) と相関。

5歳時 PFOSと、PFOA濃度2倍で、7歳時の破傷風、ジフテリア抗体が臨床的防御値未満に陥る可能性オッズはそれぞれ、 2.38 (95% CI, 0.89 to 6.35) と4.20 (95% CI, 1.54 to 11.44) 




2012年1月24日火曜日

かかりつけ医”医療受診比率増加が米国でめだつ


”かかりつけ医”医療受診比率増加が米国でめだつ・・・という報告。
Trends in Physician Referrals in the United States, 1999-2009
Michael L. Barnett, MD; Zirui Song, BA; Bruce E. Landon, MD, MBA


Arch Intern Med. 2012;172(2):163-170. doi:10.1001/archinternmed.2011.722


かかりつけ医へ定期受診を他の医師へ受診を参照にして比率計算すると、1999年から2009年で、4.8%から9.3%へ増加(P<.000)と、94%の増加。絶対数は159%増加し、410万人から1050万人と増加している。


全サブグループ共通でこの傾向は存在するが、 所有権出資医師(P = .02) 、マネージドケアからの収入が大部分である医師 (P = .007).ではそれが伸びてない。


特に伸びているのが、心血管系、胃腸、整形外科、皮膚科、耳鼻咽喉科の患者からの医師受診数増加がめだつ。



 
日本では、慢性疾患やコモンな疾患への外来対応を軽視が最近顕著だ。

その急先鋒は米国型市場主義をいまだに崇拝している連中。急性期医療・超専門的医療に今身を置いている医師の一部のなかに、医療全体を俯瞰できない人たちもいる。

はでな救急医療ドラマとは対極にある地味で目立たないが、医療の基礎である慢性期医療・コモンディジーズを軽視することって医療そのものを地盤沈下させる元となる。

2012年1月23日月曜日

米国内生豚肉:MRSA検出率7%

日本で問題になった、ウシ肉のMRSA感染だが、日本の行政はいかなる総括をしたのだろう?対策と問題点くらい国民に提示すべきだと思うのだが・・・


米国での小売店先の豚肉の7%がMRSAが付着していたという話。


MRSA in Conventional and Alternative Retail Pork Products O'Brien AM, Hanson BM, Farina SA, Wu JY, Simmering JE, et al. (2012) PLoS ONE 7(1): e30092. doi:10.1371/journal.pone.0030092


  以前より米国の小売でのMRSA同定の頻度増加している。

アイオワ、ミネソタ、ニュージャージーの36ストアの生豚肉サンプル395のうち、26、則ち7%がMRSAのコンタミネーションがあった。

筆者らの意見として、豚肉として、抗生剤未使用と、通常製品に、MRSA検出率の差が無かったことは驚くべきことであったと書かれている。
(ソース:http://news-releases.uiowa.edu/2012/january/012012MRSA_pork.html




Prevalence of MRSA and MSSA in each type of meat cut.
Total number of samples of each type of meat cut are noted.
doi:10.1371/journal.pone.0030092.g001
pork chop(切り身),  ground pork(挽肉), pork ribs(バーベキューソースをつけてグリルするような肉), pork sausage(ソーセージ), pork roast(丸焼き), pork cutlet(ポークかつ)などにMRSAが検出されている。




関連: ウシがMRSAの貯蔵庫として働く可能性 2011年 06月 03日

2012年1月20日金曜日

薬価も韓流にしろ! ・・・ 先発も、後発も同様にバーンと薬価引き下げすべき!

エコノミスト(2012年 1/24)に掲載されてた記事

 ”韓国:薬価引き下げに向け 製薬業界リベート摘発”という記事なのだが、中身は、韓国での薬業団体の反発と、製薬会社と医師・薬剤師の間のリベートの根絶宣言がももたらすという話。一般世論この薬価引き下げが正当だ認識しており、製薬会社に不利になっているという記事。 

この記事の中でこの部分が気になった。
事の起こりは、2011年8月に保健福祉部(省)が発表した薬価制度改正案。オリジナル(先発)薬の特許期限が切れた後の薬価に関して、期限切れ前の価格に対してオリジナル薬80%、ジェネリック薬(後発)薬68%に設定されている現行の薬価基準を、12年4月から一律53.55%に下げるというものだ。これにより1兆7000億ウォン(約1200億円)の薬価引き下げが実現する見込みで、健康保険公団(7割)と患者(3割)の負担が軽くなる
韓国では、先発薬も後発薬も一律に下げるという、薬価下げ至上主義を行ってる。

日本では、先発製薬会社が後発薬をだすということを厚労省は拒否し、後発専門メーカーに利する政策を続けている。

日本は、後発医薬品を対先発比率70%(米国平均では対先発薬価費10%)という異常な状況を固持し続けようとしている。

日本の状況として、興味深いのは、中医協は、ジェネリック専門メーカーの利益者代表ではないかと思うくらい、ジェネリック専門メーカーや大規模チェーン調剤薬局の利益に反する改革は行おうとしない。

韓国をみならって、特許切れ医薬品に関して、ジェネリック・先発ともに、どんと薬価引き下げすべき。

農薬と認知機能への悪影響

フランスLaboratoire Santé Travail EnvironementのIsabelle Baldi氏ら

20年以上ブドウ栽培に従事する40~50歳代の人を対象とした前向き研究 長期間の農薬への曝露により認知機能低下のリスクが2倍以上に高まる
http://mtpro.medical-tribune.co.jp /mtpronews/1012/1012014.html


この研究の論文


Neurobehavioral performance among agricultural workers and pesticide applicators: a meta-analytic study
Occup Environ Med oemed-2011-100204Published Online First: 19 January 2012

殺虫剤慢性低レベルの農業従事者暴露が、認知機能、精神運動機能減少の程度と関連することが示されている。
この研究は、 
(1) identify and quantify neurobehavioral deficits among agricultural workers and pesticide applicators
(2) analyse the potential confounders or moderators of these neurobehavioral deficits

17研究(21のコホートグループ)をメタ・アナリシスに含む

これらの研究は16の神経心理試験(23の注意機能の神経行動機能に関するパフォーマンス測定)
暴露登録者で、注意機能に関する神経行動、視覚運動統合、言語抽象化、知覚構成に関するすべての検査・測定値で、有意な減少が見られた。
記憶に関する3つの検査のうち一つ、持続注意機能に関する検査の5つのうち2つ、運動性言語の8つの内4つが有意な減少を示した。
コホート横断的に、effect size分布のうち9つがheterogenetiy有意にあり
コホートの変数、たとえば、農業労働者 vs 散布機、暴露期間、年齢、男性登録者比率などがこのheterogeneityを説明するにはほぼ不充分。
しかし、Block Desighという一つの検討では、暴露期間はこのパフォーマンス減少と有意に正の相関が見られた。
さらに、この検査でのパフォーマンス減少は高齢者で小さい。

この方面の研究には、研究数の増加、より一致した方法論が要求される。


2012年1月18日水曜日

ディーゼル排気のアレルギー・アジュバント作用のヒトでの証明

平均100μg/m3以下という比較低濃度でも、ディーゼル排気は、ヒトにおいて、好酸球活性化を生じ、ウィルス繁殖を促進する・・・

ディーゼル規制は、京都・千葉県・埼玉県・神奈川県など限られたところだけが行われているが・・・果たして、それでいいのか!

いま、東京都などで排ガス規制で使えなくなったバス・トラックなどが地方でばんばん走っている。 地域間格差・差別ともいうべき事態が生じている。

そういうことも考えさせる重要な報告だと思う。




ディーゼル排気はアレルギー性炎症を促進し、汚染はウィルス性呼吸器感染の感受性を高めることと関連する。この2つの影響に関して、ヒトで確認した報告。

Diesel Exhaust Exposure and Nasal Response to Attenuated Influenza in Normal and Allergic Volunteers
Am. J. Respir. Crit. Care Med. January 15, 2012 vol. 185 no. 2 179-185 

2重盲検ランダム化プラシーボ対照化研究で、弱毒化インフルエンザの鼻の反応性、アレルギー性鼻炎のディーゼル暴露(100 μ/m3)とクリーンエアの対比
エンドポイントはELISAによる炎症性メディエータとウィルス量。

ベースラインのメディエータ値は両群差無し。

ウィルス後の鼻サイトカイン反応に対してディーゼルの影響は有意ではない。

しかし、ディーゼルはIFN-γの反応性と有意に関連(P=0.02)、回帰モデルではアレルギーとの相互関連認めず。

Eotaxin-1(P=0.001)、ECP(P<0.001)、インフルエンザRNAシークエンスは有意にディーゼル暴露で増加し、アレルギーと関連。

短期的ディーゼル暴露試験で、好酸球活性化を引き起こし、アレルギー性鼻炎患者では、ウィルス培養後のウィルス量を増加させる 。
ディーゼルのアジュバント作用、則ち、アレルギー性炎症を促進するという影響を支持する報告となっている。ウィルスクリアランスとの関連が今後の課題。



noteへ実験的移行

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